海外送金サービスとして絶大な人気を誇るWISE。
その利便性の高さから多くの人が利用していますが、人気サービスであるがゆえに、WISEを装ったフィッシング詐欺の標的にもなっています。
「アカウントがロックされました」といった巧妙なメールに騙され、個人情報や資金を盗まれる被害が後を絶ちません。
この記事では、WISEを名乗るフィッシング詐欺メールの具体的な見分け方から、あなたの大切な資産を確実に守るための対策、そして万が一の時の対処法まで、2025年12月時点の最新情報をもとに徹底解説します。
WISEを装ったフィッシング詐欺メールの典型的な手口と見分け方
フィッシング詐欺師は、ユーザーの不安を煽り、冷静な判断を失わせる手口を多用します。以下に挙げるのは、実際に報告されている典型的な手口です。これらのポイントを一つでも見つけたら、詐欺を疑ってください。
1. 緊急性を煽る件名や本文
「アカウントに異常なログインがありました」「セキュリティ上の問題により、アカウントを一時停止しました」「24時間以内に確認しないと口座が凍結されます」など、すぐに行動を促すような件名は非常に危険です。慌ててリンクをクリックさせるのが詐欺師の狙いです。
2. 送信元のメールアドレスが公式と異なる
最も簡単で確実な見分け方の一つです。WISEの公式メールは必ず「@wise.com」のドメインから送信されます。「@wise-security.com」や「@support-wise.net」のように、一見それらしく見せかけたドメインには絶対に騙されないでください。送信者名が「WISE」となっていても、必ずメールアドレス全体を確認する癖をつけましょう。
3. 不自然な日本語や誤字脱字
海外の詐欺グループが作成したメールでは、翻訳ツールを使ったような不自然な日本語が見られることがあります。「あなたのアカウントは、ロックされ」「下記リンクをクリックしてください確認」といった、助詞の使い方がおかしかったり、句読点が不自然だったりする場合は、フィッシング詐欺の可能性が高いです。
4. リンク先のURLが公式サイトではない
メール内のリンクにマウスカーソルを合わせると、実際のリンク先URLが表示されます(PCの場合)。そのURLがWISEの公式サイト「https://wise.com/」で始まっていない場合は、絶対にクリックしてはいけません。詐欺サイトは、公式とそっくりなデザインで作られているため、見た目だけで判断するのは非常に危険です。
- 正規のURL: https://wise.com/
- 偽のURL例: http://wise-login.xyz/auth、https://verification-wise.com/
5. パスワードや個人情報の入力を直接求める
WISEがメールで直接パスワードや暗証番号、クレジットカード情報などを尋ねることは絶対にありません。「セキュリティ強化のため、以下の情報を入力してください」といった文言は、100%詐欺です。
なぜWISEを狙った詐欺が後を絶たないのか?その背景
なぜこれほどまでにWISEを狙ったフィッシング詐欺が多発するのでしょうか。その背景には、WISEが持ついくつかの特徴が関係しています。
世界中に多くのユーザーを抱える巨大サービス
WISEは世界中で1,600万人以上のユーザーに利用されているグローバルなサービスです。利用者が多いということは、それだけ詐欺師にとって「カモ」を見つけやすい市場であることを意味します。数百万通の詐欺メールを無差別に送信すれば、一定数の人が騙されてしまうというわけです。
「お金」に直結するサービスであることへの不安感
WISEは国際送金やデビットカードなど、直接的にお金を扱うサービスです。「アカウントが不正利用された」「送金に問題が発生した」といった通知を受け取ると、ユーザーは「すぐに対応しなければ」と強い不安や焦りを感じてしまいます。詐欺師は、この正常な心理を巧みに利用し、冷静な判断を奪おうとしてくるのです。
手口の巧妙化と本物そっくりの偽サイト
近年のフィッシング詐欺は非常に巧妙化しており、メールの文面やデザインだけでは見分けるのが困難なケースが増えています。さらに、偽のログインページは公式サイトを完全にコピーして作られているため、URLを確認しない限り、多くの人が偽物だと気づくことができません。一度ログイン情報を入力してしまうと、即座にアカウントが乗っ取られ、資金が不正に送金されてしまいます。
今すぐできる!WISEフィッシング詐欺から身を守るための効果的な対策
詐欺の手口は巧妙ですが、基本的な対策を徹底することで、被害に遭うリスクを大幅に減らすことができます。今日から実践できる効果的な対策を紹介します。
1. メール内のリンクは絶対にクリックしない
これが最も重要で、最も効果的な対策です。WISEから重要なお知らせが届いたと感じても、メール内のリンクやボタンは絶対にクリックしないでください。代わりに、いつも使っているブラウザのブックマークや、Googleなどの検索エンジンからWISEの公式サイトにアクセスし、ログインして確認するようにしましょう。
これからWISEの利用を始める方も、公式サイトから安全に手続きを行うことが重要です。安全な公式サイトからの登録は下記リンクから行えます。
2. 2段階認証(2FA)を必ず有効にする
2段階認証は、フィッシング詐欺に対する非常に強力な防御策です。たとえIDとパスワードが盗まれたとしても、2段階認証を設定していれば、犯人はあなたのスマートフォンに届く認証コードなしにはログインできません。認証アプリ(Google Authenticatorなど)を利用する方法が最も安全でおすすめです。
3. 公式サイトをブックマークしておく
普段からWISEの公式サイト(https://wise.com/)をブラウザにブックマークしておき、必ずそこからアクセスする習慣をつけましょう。これにより、検索結果に紛れ込んだ偽サイトにアクセスしてしまうリスクを防ぐことができます。
4. WISE公式アプリを利用する
スマートフォンの公式アプリストア(App Store, Google Play)からダウンロードしたWISE公式アプリは、セキュリティが高く、フィッシングサイトに誘導される心配がありません。送金や残高確認は、可能な限り公式アプリで行うことをお勧めします。
万が一、被害に遭ってしまった場合の対処法
もし誤って偽サイトに情報を入力してしまった、または不正な送金に気づいた場合は、パニックにならず、迅速に行動することが重要です。
1. 直ちにWISEサポートに連絡
まずはWISEのサポートに連絡し、アカウントが乗っ取られた可能性があることを伝え、アカウントの一時凍結を依頼してください。WISEのヘルプセンターから連絡できます。
2. パスワードを変更する
WISEにログインできる場合は、すぐにパスワードを変更してください。もし他のサービスでも同じパスワードを使い回している場合は、それら全てのパスワードも変更する必要があります。
3. 銀行やクレジットカード会社に連絡
WISEアカウントに登録している銀行口座やクレジットカードの情報も漏洩した可能性があります。各金融機関に連絡し、不正利用がないか確認し、必要であればカードの利用停止などの手続きを行ってください。
4. 警察に相談する
金銭的な被害が発生した場合は、最寄りの警察署のサイバー犯罪相談窓口に被害届を提出してください。捜査の過程で必要になる可能性があるため、詐欺メールや偽サイトのURLなどの証拠は削除せずに保管しておきましょう。
まとめ:正しい知識でWISEを安全に利用しよう
WISEは非常に便利なサービスですが、その利便性を享受するためには、利用者自身がセキュリティ意識を高め、自衛策を講じることが不可欠です。フィッシング詐欺の基本的な手口は、「緊急性を煽り、偽サイトへ誘導し、情報を盗む」というものです。このパターンを覚えておけば、多くの詐欺を見抜くことができます。
メールのリンクはクリックせず、必ず公式サイトやアプリからログインする、そして2段階認証を設定する。この3点を徹底するだけで、あなたのWISEアカウントの安全性は飛躍的に向上します。
これからWISEの利用を始める方や、自身の口座設定をこの機会に一度見直したいという方は、アカウントの登録からセキュリティ設定、実際の送金手順までを網羅的に解説した以下のガイドが役立ちます。安全な利用方法を学び、安心してWISEのメリットを最大限に活用してください。
