LinuxのCUI(キャラクターユーザーインターフェース)環境で、Surfshark VPNを利用したいと思ったことはありませんか?
普段GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で何気なく利用しているVPNですが、サーバーOSとして利用されることの多いLinuxでは、GUIが利用できないケースも少なくありません。
そこでこの記事では、Linux(Ubuntu)環境で、コマンドライン(CLI)を使ってSurfshark VPNを設定し、利用する方法を解説します。
この記事を読めば、あなたもコマンド一つで簡単にVPNサーバーへ接続できるようになります。
まずは、LinuxでSurfsharkを利用するための準備から始めましょう。
Linux(Ubuntu)でSurfshark VPNを利用する準備
はじめに、Surfshark VPNをLinuxで利用するための準備をします。
具体的には、
- 前提条件の確認
- CLI(コマンドラインインターフェース)ツールのインストール
という流れで進めていきます。
前提条件の確認
まず、SurfsharkのCLIツールをインストールするために、curl
コマンドが利用できるか確認します。
以下のコマンドを実行し、バージョン情報が表示されれば問題ありません。
curl --version
もしコマンドが見つからない場合は、以下のコマンドでcurl
をインストールしてください。
sudo apt update
sudo apt install curl -y
また、パッケージのインストールにはapt
コマンドを利用します。こちらも利用できるか確認しておきましょう。
Surfshark CLIツールのインストール
次に、SurfsharkのCLIツールをインストールします。
以下のコマンドを実行して、インストーラーをダウンロードし、実行します。
curl -f https://downloads.surfshark.com/linux/debian-install.sh | sh
このコマンドは、Surfsharkの公式サイトからインストールスクリプトをダウンロードし、それを実行するものです。
スクリプトの実行が完了したら、パッケージリストを更新し、surfshark
パッケージをインストールします。
sudo apt update
sudo apt install surfshark -y
インストールが完了したら、以下のコマンドでCLIツールが利用できるか確認しましょう。
ls -l /usr/bin/surfshark-vpn
上記のように、ファイルパスが表示されればインストールは成功です。
Surfshark VPNの基本的な使い方(CLI)
ここからは、実際にコマンドを使ってSurfshark VPNを操作する方法を解説します。
基本的な操作は以下の通りです。
- ログイン・ログアウト
- VPNサーバーへの接続
- 接続状態の確認
- VPNサーバーからの切断
ログイン・ログアウト
まず、Surfsharkのアカウントにログインします。
以下のコマンドを実行してください。
sudo surfshark-vpn login
実行すると、メールアドレスとパスワードの入力を求められますので、それぞれ入力します。
ログインに成功すると、`Successfully logged in.`と表示されます。
ログアウトする場合は、以下のコマンドを実行します。
sudo surfshark-vpn logout
VPNサーバーへの接続
ログインが完了したら、VPNサーバーに接続します。
まず、利用可能なロケーション(国)を確認しましょう。
sudo surfshark-vpn location list
このコマンドを実行すると、利用可能な国名と国コードの一覧が表示されます。
接続したい国が見つかったら、以下のコマンドで接続します。
sudo surfshark-vpn location select [国コード]
例えば、日本に接続する場合は以下のようになります。
sudo surfshark-vpn location select jp
また、最速のサーバーに接続したい場合は、以下のコマンドを実行します。
sudo surfshark-vpn location select fastest
接続に成功すると、`Connected to [国名]`と表示されます。
接続状態の確認
現在の接続状態を確認するには、以下のコマンドを実行します。
sudo surfshark-vpn status
接続されている場合は、接続先の国やIPアドレス、接続時間などの情報が表示されます。
切断されている場合は、`Not connected`と表示されます。
VPNサーバーからの切断
VPNサーバーから切断するには、以下のコマンドを実行します。
sudo surfshark-vpn disconnect
`Disconnected from [国名]`と表示されれば、切断は完了です。
Surfshark VPNの応用的な使い方(CLI)
基本的な使い方に加えて、より便利にSurfsharkを使いこなすための応用的な設定も見ていきましょう。
自動接続の設定
毎回手動で接続するのが面倒な場合は、自動接続を有効にしておくと便利です。
sudo surfshark-vpn settings set autoconnect on
この設定をしておくと、システム起動時に自動で最速のサーバーに接続してくれます。
無効にする場合は、`on`を`off`に変更してください。
Kill Switchの設定
Kill Switchは、VPN接続が予期せず切断された場合に、インターネット接続を自動的にブロックする機能です。これにより、IPアドレスの漏洩を防ぐことができます。
Kill Switchを有効にするには、以下のコマンドを実行します。
sudo surfshark-vpn settings set killswitch on
無効にする場合は、`on`を`off`に変更してください。
VPNプロトコルの変更
Surfsharkでは、複数のVPNプロトコルを利用できます。プロトコルによって、速度やセキュリティの特性が異なります。
利用可能なプロトコルは以下の通りです。
- WireGuard
- OpenVPN (UDP)
- OpenVPN (TCP)
プロトコルを変更するには、以下のコマンドを実行します。
sudo surfshark-vpn settings set protocol [プロトコル名]
例えば、WireGuardに変更する場合は以下のようになります。
sudo surfshark-vpn settings set protocol wireguard
デフォルトでは、自動で最適なプロトコルが選択されます。
MultiHop接続
MultiHopは、2つのVPNサーバーを経由して通信を行うことで、匿名性をさらに高める機能です。
MultiHopで接続するには、まず利用可能なロケーションを確認します。
sudo surfshark-vpn location list --multi-hop
接続したいロケーションが見つかったら、以下のコマンドで接続します。
sudo surfshark-vpn location select [ロケーションコード]
例えば、`de-nl`(ドイツ経由オランダ)に接続する場合は以下のようになります。
sudo surfshark-vpn location select de-nl
その他の設定
その他の利用可能なコマンドや設定については、`–help`オプションで確認できます。
sudo surfshark-vpn --help
sudo surfshark-vpn settings --help
他の選択肢との比較
LinuxでVPNを利用する方法は、SurfsharkのCLIツールを使う以外にもいくつかあります。
GUI版Surfsharkとの比較
まず、GUI版のSurfsharkアプリとの比較です。
- GUI版のメリット: 直感的な操作、地図上からのサーバー選択、設定の容易さ
- GUI版のデメリット: リソース消費が大きい、サーバー環境では利用できない
- CLI版のメリット: リソース消費が少ない、サーバー環境で利用可能、スクリプトによる自動化が可能
- CLI版のデメリット: コマンドを覚える必要がある、操作が直感的ではない
デスクトップ環境で手軽に利用したい場合はGUI版、サーバー環境や自動化を目的とする場合はCLI版が適しています。
他の主要VPNサービスとの比較
他の主要なVPNサービスも、Linux向けのCLIツールを提供している場合があります。
- ExpressVPN: Linux向けのCLIツールを提供しており、設定や利用方法も比較的簡単です。
- NordVPN: Linux向けのCLIツールを提供しており、「NordLynx」という独自の高速プロトコルが利用できます。
- ProtonVPN: 公式のCLIツールを提供しており、オープンソースで透明性が高いのが特徴です。
これらのVPNサービスと比較した場合、Surfsharkの強みは「同時接続台数が無制限」である点です。複数のデバイスで同時にVPNを利用したい場合に、非常にコストパフォーマンスが高い選択肢となります。
各VPNサービスの料金や機能の詳細比較については、こちらの記事「【完全ガイド】Surfshark VPNとは?メリット・デメリットからお得な始め方まで徹底解説」も参考にしてください。
まとめ:CLIでSurfsharkを使いこなし、セキュリティとプライバシーを向上させよう
今回は、Linux(Ubuntu)環境でSurfshark VPNをコマンドラインから利用する方法を解説しました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
- 準備: `curl`と`apt`コマンドが利用できることを確認し、`surfshark`パッケージをインストールする。
- 基本操作: `login`, `logout`, `location list`, `location select`, `status`, `disconnect`コマンドで基本的な操作が可能。
- 応用操作: `settings set`コマンドで、自動接続やKill Switch、プロトコルの変更が可能。
- 比較: GUI版や他のVPNサービスと比較し、自分の利用目的に合った方法を選択する。
CLIでの操作は、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば非常に効率的で、スクリプトによる自動化など、GUIにはないメリットも享受できます。
ぜひこの記事を参考に、LinuxでのVPN活用に挑戦してみてください。
まだSurfsharkを試したことがない方は、以下のリンクから詳細を確認できます。