マネーフォワード クラウド開業届の二段階認証、正しく設定できていますか?
個人事業主として開業届を作成しようと、マネーフォワード クラウド開業届に登録したものの、「二段階認証って本当に必要?」「設定が面倒そうで後回しにしている」という方は少なくありません。
実は、マネーフォワードのアカウントには氏名・住所・マイナンバーといった極めて重要な個人情報が紐づきます。
開業届の作成という一時的な目的であっても、二段階認証を設定せずに利用するのはリスクが大きいのです。
私自身、マネーフォワード クラウド開業届で開業届を作成した際に二段階認証を設定しました。
この記事を読み終えるころには、不安なく二段階認証を完了し、安全な環境で開業届の作成に集中できるようになります。
なお、マネーフォワード クラウド開業届の登録から開業届提出までの全体の流れは、【開業準備ガイド】個人事業主になるには?無料の「マネーフォワード クラウド開業届」で書類作成から提出まで完全サポート!で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
なぜマネーフォワードの二段階認証が重要なのか
クラウド会計サービスが狙われる理由
近年、クラウド会計サービスへの不正アクセス被害が増加傾向にあります。IPA(情報処理推進機構)が公表している「情報セキュリティ10大脅威」では、個人向け脅威として「インターネット上のサービスへの不正ログイン」が継続的にランクインしています。
クラウド会計サービスが攻撃対象になりやすい理由は明確です。氏名、住所、生年月日、マイナンバー、銀行口座情報など、金銭的価値の高い個人情報が集約されているからです。マネーフォワード クラウド開業届も例外ではなく、開業届の作成過程で入力する情報には、なりすましや詐欺に悪用される可能性のあるデータが含まれます。
パスワードだけでは不十分な3つの理由
「強いパスワードを設定しているから大丈夫」と考える方もいますが、パスワード単体の防御には限界があります。
- パスワードの使い回し:複数のサービスで同じパスワードを使っていると、1つのサービスから漏洩した時点で他のサービスも危険にさらされます。2025年に公表された調査では、日本のインターネットユーザーの約5割がパスワードを使い回しているとされています。
- フィッシング詐欺の巧妙化:マネーフォワードを装った偽メールやサイトにパスワードを入力してしまうケースがあります。二段階認証があれば、仮にパスワードが漏洩しても不正ログインを防止できます。
- ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃):自動化ツールで大量のパスワード候補を試行する攻撃手法です。短いパスワードや推測しやすいパスワードは、この攻撃に対して脆弱です。
開業届作成時に入力する個人情報の重大さ
マネーフォワード クラウド開業届では、開業届と青色申告承認申請書を作成する過程で、以下の情報を入力します。
- 氏名・住所・生年月日
- マイナンバー(個人番号)
- 屋号(設定する場合)
- 事業内容
- 開業日
特にマイナンバーは、一度漏洩すると変更手続きが非常に煩雑で、悪用された場合の被害も深刻です。「開業届を作るだけだから」と軽視せず、アカウント登録の段階で二段階認証を設定しておくことを強くおすすめします。
二段階認証の仕組みをわかりやすく解説
二段階認証とは何か
二段階認証(2FA:Two-Factor Authentication)とは、ログイン時にパスワードに加えてもう1つの認証手段を求めるセキュリティの仕組みです。「知っているもの(パスワード)」と「持っているもの(スマートフォンなど)」の2つの要素を組み合わせることで、なりすましによる不正アクセスを防ぎます。
銀行のATMで例えると、キャッシュカード(持っているもの)と暗証番号(知っているもの)の2つがなければ出金できないのと同じ考え方です。
マネーフォワードで選べる認証方式
マネーフォワード IDの二段階認証では、2026年5月時点で以下の認証方式を利用できます。
- SMS認証:登録した携帯電話番号にショートメッセージで6桁の認証コードが届きます。スマートフォンに特別なアプリをインストールする必要がなく、最も手軽に始められる方法です。
- 認証アプリ(TOTP):Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなどの認証アプリが30秒ごとに生成する6桁のワンタイムパスワードを入力する方式です。TOTP(Time-based One-Time Password)と呼ばれる技術を使用しています。
いずれの方式でも、ログインのたびにパスワードとは別の認証コードの入力が求められるため、万が一パスワードが第三者に知られても、それだけではアカウントにアクセスできません。
マネーフォワード クラウド開業届で二段階認証を設定する手順
ステップ1:マネーフォワード IDの新規登録
まず、マネーフォワード クラウド開業届の公式サイトにアクセスし、新規会員登録を行います。メールアドレスとパスワードを入力してマネーフォワード IDを作成してください。
このとき設定するパスワードは、英大文字・英小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上のものが推奨されます。パスワードマネージャーを使って自動生成すると、強度の高いパスワードを手間なく設定できます。
登録からアカウント作成、開業届の書類作成までの詳しい流れは、個人事業主の開業準備ガイドで画像付きで解説しています。
ステップ2:セキュリティ設定画面を開く
マネーフォワード IDにログインした状態で、画面右上のアカウントアイコンをクリックし、「設定」を選択します。左メニューから「セキュリティ」を選ぶと、二段階認証の設定画面にアクセスできます。
「二段階認証」の項目が表示されたら、「設定する」ボタンをクリックして設定を開始します。
ステップ3-A:SMS認証で設定する場合
SMS認証を選択した場合の手順は以下の通りです。
- 認証方式の選択画面で「SMS」を選択する
- 携帯電話番号を入力し、「認証コードを送信」をクリックする
- 届いた6桁のコードを入力欄に入力する
- 「設定を完了する」をクリックする
注意点として、格安SIM(MVNO)の一部プランではSMSオプションが付いていない場合があります。その場合はSMSを受信できないため、認証アプリ方式を選択してください。また、SMSの受信に数十秒かかることがあるため、届かない場合は1分ほど待ってから再送信を試みましょう。
ステップ3-B:認証アプリで設定する場合
よりセキュリティ強度の高い認証アプリ方式を選択する場合は、以下の手順で進めます。
- 事前にスマートフォンへ認証アプリをインストールしておく(Google Authenticator、Microsoft Authenticator、Authyなどが利用可能)
- 認証方式の選択画面で「認証アプリ」を選択する
- 画面に表示されるQRコードを認証アプリで読み取る
- 認証アプリに表示される6桁のコードを入力欄に入力する
- 「設定を完了する」をクリックする
ここで最も重要なのが、QRコード読み取り時に表示されるバックアップコード(リカバリーコード)を必ず安全な場所に保存することです。スマートフォンの故障や紛失時に、このバックアップコードがないとアカウントにログインできなくなります。紙に書いて金庫に保管する、パスワードマネージャーに保存するなど、スマートフォンとは別の場所に保管してください。
設定後の確認方法
二段階認証の設定が完了したら、一度ログアウトして再ログインを試みてください。パスワード入力後に認証コードの入力画面が表示されれば、正常に設定されています。この確認作業を怠ると、いざというときに「設定したつもりが有効になっていなかった」というトラブルが起こりえます。
よくあるトラブルと対処法
認証コードが届かない・一致しない場合
SMS認証でコードが届かない場合は、まず以下を確認してください。
- 入力した電話番号に誤りがないか
- スマートフォンの電波状況は良好か
- SMSの受信拒否設定がオンになっていないか
- 迷惑メッセージフィルターでブロックされていないか
認証アプリのコードが一致しない場合は、スマートフォンの時刻設定が自動(NTPサーバーと同期)になっているか確認してください。TOTPは時刻をベースにコードを生成するため、端末の時計がずれていると正しいコードが生成されません。
スマートフォンを機種変更した場合
機種変更前に認証アプリのアカウント移行を行う必要があります。Google Authenticatorの場合は「アカウントのエクスポート」機能を使って新端末にデータを移行できます。移行を忘れた場合はバックアップコードを使ってログインし、新しい端末で二段階認証を再設定します。
私の経験から言えば、機種変更のタイミングで認証アプリの移行を忘れるケースが非常に多いです。新しいスマートフォンを使い始めてから「ログインできない」と気づく前に、機種変更チェックリストに「認証アプリの移行」を加えておくことをおすすめします。
バックアップコードを紛失した場合
バックアップコードを紛失し、かつスマートフォンにもアクセスできない場合は、マネーフォワードのサポート窓口に問い合わせて本人確認のうえアカウントの復旧を依頼する必要があります。この手続きには数営業日かかることがあるため、開業届の提出期限が迫っている場合は特に注意が必要です。
SMS認証と認証アプリの比較|どちらを選ぶべきか
セキュリティ強度の違い
結論から言えば、セキュリティの観点では認証アプリのほうが優れています。SMS認証には「SIMスワップ詐欺」と呼ばれる攻撃手法が存在し、携帯電話番号を乗っ取ることで認証コードを傍受される可能性がゼロではありません。一方、認証アプリは端末内でコードを生成するため、通信経路上で傍受されるリスクがありません。
ただし、マネーフォワード クラウド開業届の利用において、SIMスワップ詐欺のリスクが現実的に高いかと言えば、一般的な個人ユーザーにとっては極めてまれなケースです。どちらの方式でも、二段階認証を設定しないよりは格段に安全です。
利便性の違い
以下に両方式の特徴をまとめます。
- SMS認証のメリット:アプリのインストールが不要、設定が簡単、電話番号があれば利用可能
- SMS認証のデメリット:電波がない環境では受信できない、SMSオプション未契約だと使えない、通信キャリアに依存する
- 認証アプリのメリット:オフラインでもコード生成が可能、セキュリティ強度が高い、複数サービスを1つのアプリで管理できる
- 認証アプリのデメリット:アプリのインストールと初期設定が必要、機種変更時に移行作業が必要
おすすめの選び方
ITに苦手意識がある方やスマートフォンの操作に不慣れな方は、まずSMS認証から始めるのが現実的です。設定手順がシンプルで、つまずくポイントが少ないためです。
一方、すでにGoogleアカウントなどで認証アプリを使い慣れている方や、マネーフォワードの会計・確定申告サービスも継続的に利用する予定の方は、認証アプリ方式を選ぶことをおすすめします。長期的に利用するサービスほど、セキュリティ強度の高い認証方式を採用する価値があります。
まとめ|二段階認証は開業届作成の最初の一歩
マネーフォワード クラウド開業届で開業届を作成する際に入力する個人情報は、マイナンバーを含む極めて重要なデータです。二段階認証は、これらの情報を不正アクセスから守るための基本的かつ効果的なセキュリティ対策です。
設定にかかる時間はわずか3〜5分程度です。この短い時間の投資で、アカウントの安全性は大幅に向上します。まだ設定がお済みでない方は、以下のステップで今すぐ対応しましょう。
- マネーフォワード IDのセキュリティ設定画面を開く
- SMS認証または認証アプリのいずれかを選択して設定する
- バックアップコードを安全な場所に保管する
- ログアウト・再ログインで動作確認を行う
二段階認証の設定が終わったら、いよいよ開業届の作成に取りかかりましょう。マネーフォワード クラウド開業届なら、質問に答えるだけで開業届と青色申告承認申請書を無料で作成できます。登録から提出までの全手順は個人事業主の開業準備ガイドで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
