「経理業務の承認フローが曖昧で、ミスや不正のリスクが心配…」
「複数人で経理業務を行っているが、誰がいつ何を承認したか把握できない」
「内部統制を強化したいけど、どこから手をつければいいかわからない」
こんな悩みを抱えている経営者や経理責任者の方は多いのではないでしょうか。
実は、マネーフォワードクラウド会計には、これらの課題を解決する強力な「仕訳承認フロー」機能が搭載されています。
適切に設定・運用することで、経理業務の透明性を高め、内部統制を大幅に強化できるのです。
この記事では、仕訳承認フローの基本的な仕組みから、実務で活用するための具体的な設定方法、運用のコツまでを詳しく解説します。
読み終わる頃には、あなたの会社に最適な承認フローを構築できるようになっているはずです。
なぜ今、仕訳承認フローが重要なのか？内部統制の現状と課題
近年、企業の内部統制に対する社会的要求は年々高まっています。特に上場企業や上場準備企業では、J-SOX（内部統制報告制度）への対応が必須となり、経理業務における承認プロセスの明確化は避けて通れない課題となっています。
しかし、多くの中小企業では依然として以下のような問題を抱えています：
- 属人化した経理業務：特定の担当者しか業務内容を把握していない
- 曖昧な承認プロセス：口頭での確認や暗黙の了解に頼っている
- 証跡の不足：誰がいつ承認したか記録が残っていない
- 事後チェックの限界：問題が発生してから気づくケースが多い
実際に、私が経理コンサルティングを行った製造業のA社では、売上高5億円規模にも関わらず、経理担当者1名が仕訳入力から承認まですべてを行っていました。結果として、単純な入力ミスが3ヶ月間も発見されず、決算時に大きな修正が必要になったケースがありました。
また、IT企業のB社では、複数の経理担当者が業務を分担していましたが、承認フローが明確でなかったため、重要な仕訳の二重計上が発生。監査法人からの指摘を受けて初めて問題が発覚しました。
これらの問題の根本原因は、「チェック機能の不在」と「承認プロセスの不透明性」にあります。エクセルや紙ベースの管理では、リアルタイムでの承認状況の把握や、承認履歴の追跡が困難です。
さらに、リモートワークの普及により、物理的な書類での承認がますます困難になっています。デジタル化された承認フローの必要性は、もはや大企業だけの話ではありません。
マネーフォワードクラウド会計の仕訳承認フローで実現できること
マネーフォワードクラウド会計の仕訳承認フロー機能を活用することで、上記の課題を効果的に解決できます。ここでは、具体的な機能と設定方法を詳しく解説します。
1. 承認権限の階層設定
まず最初に行うべきは、承認権限の階層設定です。マネーフォワードクラウド会計では、以下のような権限レベルを設定できます：
- 入力担当者：仕訳の入力のみ可能（承認権限なし）
- 一次承認者：通常の仕訳を承認可能
- 最終承認者：すべての仕訳を承認可能
設定手順は以下の通りです：
1. 管理画面から「設定」→「ユーザー管理」を選択
2. 各ユーザーの権限設定で「仕訳承認」の権限レベルを設定
3. 承認が必要な仕訳の条件（金額基準など）を設定
例えば、10万円未満の仕訳は一次承認者のみ、10万円以上は最終承認者の承認が必要、といった柔軟な設定が可能です。
2. 承認ワークフローの構築
次に重要なのが、承認ワークフローの構築です。私が実際に設定をサポートした小売業のC社（年商3億円）の例を紹介します：
C社の承認フロー設定例：
- 日常的な仕入・経費精算：経理担当者入力→経理責任者承認
- 給与・賞与関連：人事担当者入力→経理責任者承認→社長承認
- 固定資産購入：経理担当者入力→部門長承認→経理責任者承認→社長承認
このように、取引の性質や金額に応じて承認ルートを変えることで、効率性と統制のバランスを取ることができます。
3. 承認画面での確認ポイント
承認者が実際に承認を行う際の画面では、以下の情報を一覧で確認できます：
- 仕訳の詳細内容（勘定科目、金額、摘要）
- 添付された証憑（請求書、領収書などのPDF）
- 入力者のコメント
- 過去の類似取引との比較
特に便利なのが、証憑の添付機能です。スキャンした請求書や領収書を仕訳に直接添付できるため、承認者は原本を確認することなく、画面上で証憑と仕訳内容の整合性をチェックできます。
4. 承認状況の可視化とアラート機能
マネーフォワードクラウド会計では、承認待ちの仕訳を一覧表示できるダッシュボード機能があります。これにより：
- 承認待ち件数をリアルタイムで把握
- 滞留している承認案件の早期発見
- 承認期限の設定とアラート通知
が可能になります。実際に、前述のC社では導入前は承認に平均3日かかっていましたが、アラート機能の活用により平均1日以内に短縮されました。
5. 監査証跡の自動保存
内部統制において最も重要なのが、監査証跡（Audit Trail）の保存です。マネーフォワードクラウド会計では、以下の情報が自動的に記録されます：
- 仕訳の作成日時と作成者
- 承認日時と承認者
- 修正履歴（誰がいつ何を変更したか）
- 却下理由（承認が却下された場合）
これらの記録は改ざんできない形で保存されるため、監査法人や税務調査への対応も万全です。
他の会計ソフトとの比較：なぜマネーフォワードクラウド会計なのか
市場には様々な会計ソフトが存在しますが、承認フロー機能の充実度には大きな差があります。主要な会計ソフトとの比較を見てみましょう：
マネーフォワードクラウド会計の優位性：
- 柔軟な承認ルート設定：条件分岐を含む複雑なフローにも対応
- モバイル対応：スマートフォンからも承認可能で、出張中でも業務が滞らない
- 他システムとの連携：経費精算システムや請求書管理システムとシームレスに連携
- コストパフォーマンス：中小企業でも導入しやすい価格設定
一方で、以下のような場合は他のソフトも検討の余地があります：
- 従業員数が5名以下の小規模事業者：承認フロー自体が不要な可能性
- 特殊な業界固有の承認プロセスが必要な場合：カスタマイズ性の高い大規模ERPが適している
ただし、一般的な中小企業（従業員数10〜300名程度）であれば、マネーフォワードクラウド会計の承認フロー機能で十分に内部統制の強化が可能です。
導入効果の実例
実際に承認フローを導入した企業の効果を数値で見てみましょう：
サービス業D社（従業員50名）の場合：
- 仕訳の入力ミス：導入前 月平均15件 → 導入後 月平均2件（87%削減）
- 月次決算の所要時間：導入前 5営業日 → 導入後 3営業日（40%短縮）
- 監査対応時間：導入前 年間80時間 → 導入後 年間30時間（63%削減）
このように、承認フローの導入は単なるチェック機能の追加ではなく、業務効率の向上にも大きく貢献します。
まとめ：今すぐ始められる仕訳承認フローの第一歩
マネーフォワードクラウド会計の仕訳承認フロー機能は、内部統制の強化と業務効率化を同時に実現する強力なツールです。
導入にあたってのポイントをもう一度整理します：
- まずは現状の業務フローを可視化し、承認が必要なポイントを明確にする
- 段階的に導入し、運用しながら最適化していく
- 承認者への教育とフォローアップを忘れずに行う
- 定期的に承認ルールを見直し、形骸化を防ぐ
今ならマネーフォワードクラウド会計を1ヶ月無料でお試しいただけます。この機会に、実際の画面で承認フロー機能を体験してみてはいかがでしょうか。
内部統制の強化は、企業の持続的成長に不可欠な要素です。一歩踏み出すことで、より透明性の高い、信頼される組織づくりが実現できるはずです。