確定申告のシーズンが近づくと、会計ソフトの乗り換えを検討する個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
特に、長年利用してきたインストール型の「弥生会計」から、クラウドベースで利便性の高い「マネーフォワード クラウド確定申告」への移行は、近年人気の選択肢となっています。
しかし、会計データの移行と聞くと「手順が複雑で難しそう」「もし失敗したらどうしよう」と、不安に感じてしまうかもしれません。
ご安心ください。
この記事では、弥生会計からマネーフォワード クラウド確定申告へ、スムーズかつ確実にデータを移行するための具体的なステップを、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたも自信を持ってデータ移行を成功させ、新しい会計環境で2025年11月からの業務を快適にスタートできるはずです。
なぜ今、弥生会計からマネーフォワード クラウドへ?移行のメリットを再確認
データ移行の具体的な手順に入る前に、なぜ多くの人が弥生会計からマネーフォワード クラウド確定申告へ移行するのか、そのメリットを改めて確認しておきましょう。目的が明確になることで、移行作業へのモチベーションも高まります。
メリット1: いつでもどこでもアクセス可能
マネーフォワード クラウドは、インターネット環境さえあれば、PC、スマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからでもアクセスできます。事務所のPCで入力した内容を、外出先でスマートフォンから確認・修正するといった柔軟な働き方が可能になります。特定のPCに縛られることがなくなるのは、クラウド会計ソフトならではの最大の利点です。
メリット2: 金融機関データとの自動連携
銀行口座やクレジットカードの取引明細を自動で取得し、仕訳候補を提案してくれる機能は、日々の経理業務を劇的に効率化します。弥生会計でも同様の機能はありますが、マネーフォワード クラウドは連携できる金融機関の種類が非常に豊富で、設定も簡単です。手入力の手間とミスを大幅に削減できるため、帳簿付けの時間を短縮したい方には非常に魅力的です。
メリット3: 直感的で分かりやすいインターフェース
マネーフォワード クラウドは、会計の専門知識が少ない方でも直感的に操作できるよう、ユーザーフレンドリーなデザインになっています。日々の取引入力から確定申告書類の作成まで、ガイドに従って進めるだけで完結できるため、簿記に苦手意識がある方でも安心して利用できます。
【準備編】移行を始める前に!失敗を防ぐ必須チェックリスト
データ移行は、準備が9割と言っても過言ではありません。スムーズな移行のために、作業を始める前に以下の3つのポイントを必ず確認・実行してください。
1. 弥生会計のデータバックアップ
何よりもまず、弥生会計のデータのバックアップを取得してください。万が一、移行作業中に予期せぬトラブルが発生しても、バックアップがあればいつでも元の状態に戻すことができます。「ファイル」メニューから「バックアップ」を選択し、分かりやすい名前を付けてPCや外付けHDDなどに保存しておきましょう。これは最も重要な「保険」です。
2. 移行するデータの範囲を決定する
次に、いつからのデータを移行するかを決めます。選択肢は主に2つです。
- 当期首からのデータを移行する: 最も一般的で推奨される方法です。例えば、個人事業主であれば、その年の1月1日以降のデータを移行します。過去のデータは弥生会計側で参照用として保管しておきます。
- 過去数年分のデータをすべて移行する: 過去のデータもマネーフォワード クラウド上で分析したい場合に選択します。ただし、データ量が膨大になるため、移行作業が複雑になり、時間がかかる可能性があります。
特別な理由がなければ、当期首からのデータ移行をおすすめします。
3. マネーフォワード クラウドのアカウントを開設する
当然ですが、移行先となるマネーフォワード クラウド確定申告のアカウントが必要です。まだ開設していない場合は、公式サイトから新規登録を済ませておきましょう。無料プランから試すこともできるので、まずは操作感を確かめてみるのも良いでしょう。
【実践編1】弥生会計からのデータエクスポート手順
準備が整ったら、いよいよ弥生会計からデータを書き出す「エクスポート」作業に入ります。主に「仕訳データ」と「勘定科目」の2種類を書き出します。
ステップ1: 仕訳日記帳のエクスポート
日々の取引記録である仕訳データをエクスポートします。これは移行作業の核となるデータです。
- 弥生会計を起動し、該当の事業所データを開きます。
- メニューバーの「ファイル」から「エクスポート」を選択します。
- 表示された一覧から「仕訳日記帳」を選び、「OK」をクリックします。
- 書き出す期間を、準備編で決めた「移行するデータの範囲」に設定します。
- 出力形式は「弥生インポート形式」または「汎用形式(CSV)」を選択します。マネーワードへの移行では「汎用形式(CSV)」が扱いやすいでしょう。
- 任意の場所にファイルを保存します。
ステップ2: 勘定科目・補助科目のエクスポート
次に、自社で設定している勘定科目や補助科目をエクスポートします。これを先に行うことで、仕訳データのインポートがスムーズになります。
- 同様に「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択します。
- 一覧から「勘定科目」を選び、書き出します。
- 補助科目を設定している場合は、同様に「補助科目」もエクスポートしておきましょう。
これで、マネーフォワード クラウドへ移行するための元データが揃いました。
【実践編2】マネーフォワード クラウドへのデータインポート手順
最後に、弥生会計からエクスポートしたデータを、マネーフォワード クラウドに読み込む「インポート」作業を行います。落ち着いて一つずつ進めましょう。
ステップ1: 勘定科目のインポートと設定
まず、勘定科目を設定します。弥生会計とマネーフォワード クラウドでは、初期設定されている勘定科目が異なる場合があるため、先に科目を統一しておくことで、後の仕訳インポートエラーを防ぎます。
- マネーフォワード クラウドにログインし、左メニューの「各種設定」>「勘定科目」を開きます。
- 「インポート」機能を使って、弥生会計からエクスポートした勘定科目ファイルをアップロードします。
- マネーフォワード クラウドに存在しない勘定科目は、この時点で新規作成します。
ステップ2: 仕訳データのインポート
いよいよメインの仕訳データをインポートします。
- 左メニューの「会計帳簿」>「仕訳帳」を開きます。
- 画面上部にある「インポート」>「仕訳」を選択します。
- 「弥生会計」のインポート形式を選択し、弥生会計からエクスポートした仕訳日記帳のCSVファイルをアップロードします。
- 画面の指示に従い、インポート内容のプレビューを確認します。ここで、勘定科目が正しく対応付けられているか(マッピングされているか)をチェックします。もしエラーが表示された場合は、エラーメッセージをよく読み、CSVファイルや勘定科目の設定を見直してください。
- 問題がなければ、インポートを実行します。
ステップ3: データの検証と残高確認
インポートが完了したら、必ずデータが正しく移行されているかを確認します。この一手間が、後の確定申告での手戻りを防ぎます。
- 試算表の比較: 弥生会計の「残高試算表」と、マネーフォワード クラウドの「残高試算表」を表示し、期首からインポート最終日までの各勘定科目の残高が一致しているかを確認します。
- 仕訳件数の確認: 移行した仕訳の件数が、元のデータと合っているかを確認します。
ここで差異がなければ、データ移行は無事成功です!
まとめ: 自信を持って新しい会計環境へ
弥生会計からマネーフォワード クラウド確定申告へのデータ移行は、「バックアップ」「エクスポート」「インポート」「検証」というステップを一つずつ丁寧に行えば、決して難しい作業ではありません。特に、事前の準備と移行後の残高確認を徹底することが成功の鍵です。
もし、マネーワード クラウド確定申告の機能や料金プランについて、より深く知りたいと感じたら、ぜひ「【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説」の記事もご覧ください。基本的な使い方から応用テクニックまで網羅しており、あなたの疑問がきっと解決するはずです。
データ移行の準備が整い、新しい会計ソフトで業務を効率化したい方は、この機会にぜひマネーフォワード クラウド確定申告を試してみてはいかがでしょうか。以下のリンクから登録すると、スムーズに開始できます。
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