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n8nでバイナリデータを扱う方法|ファイルのダウンロードからアップロードまで

「n8nでファイルを自動的にダウンロードして、別のサービスにアップロードしたいけど、どうすればいいの?」

「バイナリデータの処理でエラーが出てしまう…」

こんな悩みを抱えていませんか?

n8nは強力な自動化ツールですが、バイナリデータ(画像、PDF、Excelファイルなど)の扱い方には少しコツが必要です。

私も最初は苦労しましたが、正しい方法を理解すれば、ファイル処理の自動化が驚くほど簡単になります。

この記事では、n8nでバイナリデータを扱う方法を、実際のワークフロー例を交えながら詳しく解説します。

読み終わる頃には、ファイルのダウンロードからアップロードまで、一連の処理を自動化できるようになっているはずです。

n8nにおけるバイナリデータ処理の基本概念

n8nでバイナリデータを扱う際、まず理解しておくべきことがあります。それは、n8nがデータを「アイテム」として管理し、各アイテムには「JSONデータ」と「バイナリデータ」の2種類が存在するということです。

JSONデータとバイナリデータの違い

JSONデータは、テキストベースの構造化データです。例えば、ユーザー名、メールアドレス、日付などの情報がこれに当たります。一方、バイナリデータは、画像ファイル、PDFドキュメント、Excelファイル、音声ファイルなど、ファイルそのものを指します。

n8nでは、これらのバイナリデータを特別な方法で処理する必要があります。単純にJSONデータとして扱おうとすると、ファイルが破損したり、処理できなかったりする問題が発生します。

なぜバイナリデータの処理が重要なのか

現代のビジネスプロセスでは、ファイル処理の自動化が欠かせません。例えば、以下のようなケースを考えてみてください:

  • 毎日届く請求書PDFを自動的にクラウドストレージに保存したい
  • 商品画像を自動的にリサイズして、ECサイトにアップロードしたい
  • Excelレポートを定期的にダウンロードして、データを抽出したい
  • メールの添付ファイルを自動的に特定のフォルダに振り分けたい

これらの処理を手動で行うと、時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーのリスクも高まります。n8nを使えば、これらの処理を完全に自動化できます。

よくある課題と落とし穴

私がn8nでバイナリデータを扱い始めた頃、いくつかの壁にぶつかりました。多くの方が同じような問題に直面するので、ここで共有しておきます:

1. ファイルが正しくダウンロードされない
HTTPリクエストノードの設定で「Response Format」を「File」に設定し忘れると、ファイルの中身がテキストとして扱われ、破損したファイルになってしまいます。

2. アップロード時にエラーが発生する
送信先のAPIが期待するフォーマットと、n8nが送信するフォーマットが異なることがあります。特に、multipart/form-dataでの送信時は注意が必要です。

3. メモリ不足エラー
大きなファイルを扱う際、n8nのメモリ制限に引っかかることがあります。特に無料プランや小規模なセルフホスト環境では、この問題が顕著に現れます。

実践:n8nでファイルをダウンロード・アップロードする方法

それでは、実際にn8nでバイナリデータを扱う方法を、ステップバイステップで解説していきます。ここでは、「ウェブサイトから画像をダウンロードして、別のクラウドストレージにアップロードする」という実用的なシナリオを例に説明します。

ステップ1:HTTPリクエストノードでファイルをダウンロード

まず、HTTPリクエストノードを使用してファイルをダウンロードします。重要なのは、以下の設定を正しく行うことです:

ノードの設定:

  • Method: GET
  • URL: ダウンロードしたいファイルのURL
  • Response Format: File(これが最重要!)
  • Binary Property: data(デフォルトのままでOK)

「Response Format」を「File」に設定することで、n8nはレスポンスをバイナリデータとして適切に処理します。この設定を忘れると、ファイルの内容がテキストとして扱われ、画像やPDFが開けなくなってしまいます。

ステップ2:ダウンロードしたファイルの確認

ファイルが正しくダウンロードされたかどうかは、n8nのワークフロー実行画面で確認できます。正常にダウンロードされていれば、「Binary Data」タブにファイル名とサイズが表示されます。

ここで便利なテクニックを一つ紹介します。「Code」ノードを使って、バイナリデータの情報を取得できます:

  • ファイル名: $binary.data.fileName
  • ファイルサイズ: $binary.data.fileSize
  • MIMEタイプ: $binary.data.mimeType

これらの情報は、後続の処理で条件分岐を行う際に役立ちます。例えば、「画像ファイルのみを処理する」「1MB以下のファイルのみアップロードする」といった制御が可能になります。

ステップ3:ファイルのアップロード

ダウンロードしたファイルを別のサービスにアップロードする際も、HTTPリクエストノードを使用します。ただし、アップロードの設定はもう少し複雑です:

基本的な設定:

  • Method: POST(またはPUT)
  • URL: アップロード先のエンドポイント
  • Body Content Type: Multipart Form-Data

Body Parametersの設定:

  • Parameter Type: Binary Data
  • Name: APIが期待するフィールド名(例:file、upload、imageなど)
  • Input Data Field Name: data(ステップ1で設定した名前)

多くのAPIは、ファイルアップロード時に追加のパラメータ(メタデータ)を要求することがあります。その場合は、Body Parametersに通常のフォームフィールドも追加できます。

実装例:Google DriveからDropboxへのファイル転送

より実践的な例として、Google Driveから特定のファイルをダウンロードし、Dropboxにアップロードするワークフローを紹介します。

ワークフローの構成:

  1. Google Driveノード(List操作): 特定フォルダ内のファイル一覧を取得
  2. Google Driveノード(Download操作): 各ファイルをダウンロード
  3. Dropboxノード(Upload操作): ダウンロードしたファイルをアップロード

このワークフローのポイントは、Google DriveノードとDropboxノードが、バイナリデータの処理を内部で適切に行ってくれることです。つまり、HTTPリクエストノードを使う場合と比べて、設定がシンプルになります。

ただし、カスタムAPIと連携する場合は、やはりHTTPリクエストノードを使う必要があります。その際は、前述の設定を参考にしてください。

エラー処理とトラブルシューティング

バイナリデータの処理では、様々なエラーに遭遇する可能性があります。私の経験から、よくあるエラーとその対処法を紹介します:

1. 「Binary data not found」エラー
このエラーは、指定したバイナリプロパティ名が間違っている場合に発生します。デフォルトでは「data」という名前が使われますが、複数のバイナリデータを扱う場合は、適切な名前を指定する必要があります。

2. タイムアウトエラー
大きなファイルをダウンロード・アップロードする際に発生します。HTTPリクエストノードの「Options」で、タイムアウト値を増やすことで解決できます。デフォルトは10秒ですが、大きなファイルの場合は60秒以上に設定することをお勧めします。

3. メモリ不足エラー
n8nのセルフホスト版を使用している場合、Docker コンテナのメモリ制限に引っかかることがあります。docker-compose.ymlでメモリ制限を増やすか、ファイルを分割して処理することを検討してください。

n8nのバイナリデータ処理:他の方法との比較

n8nでバイナリデータを扱う方法を学んだところで、他の自動化ツールやプログラミング言語での実装と比較してみましょう。

ZapierやMake(旧Integromat)との比較

ZapierやMakeも人気の自動化ツールですが、バイナリデータの処理においては、n8nにいくつかの優位性があります:

n8nの優位性:

  • セルフホスト可能なため、ファイルサイズの制限を自由に設定できる
  • カスタムコードノードで複雑な処理が可能
  • 月額料金を気にせず、大量のファイル処理が可能

Zapier/Makeの優位性:

  • 初心者向けのUIで、設定が直感的
  • サポートされているアプリの数が多い
  • クラウドベースなので、インフラ管理が不要

私の経験では、単純なファイル転送ならZapierやMakeでも十分ですが、カスタマイズ性や費用対効果を考えると、n8nが最適な選択肢となることが多いです。

プログラミング(Python、Node.js)との比較

もちろん、PythonやNode.jsでスクリプトを書けば、同じことが実現できます。しかし、n8nを使うメリットは明確です:

  • 視覚的なワークフローで、処理の流れが一目瞭然
  • エラーハンドリングが組み込まれている
  • 実行履歴やログが自動的に記録される
  • プログラミング知識がなくても、基本的な処理は実装可能

ただし、非常に複雑な画像処理や、特殊なファイル形式の変換が必要な場合は、カスタムスクリプトの方が適している場合もあります。n8nのCodeノードを使えば、必要に応じてカスタムコードを組み込むこともできるので、両者の良いところを組み合わせることが可能です。

どんな人にn8nがおすすめか

以下のような方には、n8nでのバイナリデータ処理を特にお勧めします:

  • 定期的にファイル処理のタスクがある方
  • 複数のクラウドサービス間でファイルを移動する必要がある方
  • プログラミングは苦手だが、自動化は実現したい方
  • セキュリティやプライバシーの観点から、データを自社サーバーで処理したい方
  • 将来的により複雑な自動化に発展させる可能性がある方

n8nの詳しい導入方法や基本的な使い方については、n8n完全ガイド記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ:n8nでファイル処理を自動化しよう

この記事では、n8nでバイナリデータを扱う方法について、基本概念から実践的な実装方法まで詳しく解説しました。

重要なポイントをおさらいすると:

  • HTTPリクエストノードでファイルをダウンロードする際は、必ず「Response Format」を「File」に設定する
  • アップロード時は「Multipart Form-Data」を使用し、適切なフィールド名を指定する
  • 大きなファイルを扱う場合は、タイムアウトやメモリ制限に注意する
  • エラーが発生した場合は、バイナリプロパティ名や設定を確認する

n8nを使えば、プログラミング知識がなくても、複雑なファイル処理の自動化が実現できます。最初は少し戸惑うかもしれませんが、一度理解してしまえば、様々な業務プロセスの自動化に応用できるはずです。

次のステップとして、まずは簡単なファイルダウンロード・アップロードのワークフローを作成してみてください。n8nの無料プランでも十分に試すことができます。慣れてきたら、画像のリサイズやPDFからのテキスト抽出など、より高度な処理にもチャレンジしてみましょう。

自動化の世界は奥が深く、可能性は無限大です。この記事が、あなたの業務効率化の第一歩となることを願っています。