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PayPay加盟店必見!売上入金と決済手数料をマネーフォワード確定申告で正しく処理する仕訳例を説明

キャッシュレス決済の代表格であるPayPayを導入している個人事業主やフリーランスの方は多いのではないでしょうか。

お客様の利便性が向上し、売上アップにも繋がる一方、「現金売上と違って経理処理が複雑…」と感じていませんか。

特に、売上が計上されるタイミングと実際に入金されるタイミングのズレや、決済手数料の扱いは、確定申告における悩みの種です。

この記事では、会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」を利用しているPayPay加盟店様に向けて、売上から入金、そして手数料までの一連の流れを、具体的な仕訳例を交えながら分かりやすく解説します。

この記事を最後まで読めば、PayPayに関する経理処理の基本が身につき、確定申告作業をスムーズに進められるようになります。

PayPay売上の経理処理における3つの重要ポイント

PayPayの売上処理を理解するために、まずは現金売上との違いと、経理上の基本原則を把握しておくことが重要です。以下の3つのポイントを押さえるだけで、仕訳作業がぐっと楽になります。

ポイント1:売上は「発生主義」で計上する

会計の基本原則に「発生主義」という考え方があります。これは、現金の入出金があったタイミングではなく、取引が発生した(=商品やサービスを提供した)タイミングで売上や費用を認識するというルールです。PayPay決済の場合、お客様が支払いを完了した日が「取引発生日」となります。たとえ、その売上金が実際に自分の銀行口座へ入金されるのが翌月だとしても、売上自体は取引発生日に計上しなくてはなりません。

例:12月25日にPayPayで10,000円の商品が売れた場合、入金が1月であっても、その10,000円は12月分の売上として帳簿に記録します。

ポイント2:入金時に「決済手数料」を費用として計上する

PayPayを利用すると、売上金額に応じた決済手数料が発生します。この手数料は、売上金が入金される際に差し引かれるのが一般的です。例えば、10,000円の売上に対し、決済手数料が1.98%(198円)だった場合、実際に振り込まれる金額は9,802円です。この差し引かれた198円は、事業を運営するための必要経費として「支払手数料」などの勘定科目で費用計上できます。売上と入金額の差額の正体は、この決済手数料なのです。

ポイント3:「売掛金」の勘定科目で取引を管理する

「発生主義」の原則に従うと、売上が発生した日と、その代金が入金される日にはタイムラグが生じます。この「まだ受け取っていない売上代金」を管理するために使用するのが「売掛金」という勘定科目です。PayPayで売上が発生した時点で「売掛金」として資産計上し、後日、決済手数料が引かれた金額が銀行口座に入金された際に、その「売掛金」を減少させる処理を行います。この一連の流れを理解することが、PayPayの仕訳を正確に行うための鍵となります。

【具体例で解説】マネーフォワードでのPayPay売上の仕訳フロー

それでは、具体的な数値を使いながら、マネーフォワード クラウド確定申告でPayPayの売上を処理する一連の流れを見ていきましょう。ここでは、以下の状況を想定します。

  • 2025年12月15日:PayPayで10,000円の商品が売れた
  • PayPayの入金サイクル:月末締め、翌営業日入金
  • 決済手数料率:1.60%(税抜) ※手数料は加盟店により異なります
  • 入金日:2026年1月6日(※仮)に、12月分の売上合計から手数料を引かれた額が入金

※2025年12月時点の情報として、一般的な処理方法を解説します。実際の手数料率や入金サイクルは、ご自身のPayPay for Business管理画面でご確認ください。

ステップ1:売上が発生した日の仕訳

まず、お客様がPayPayで決済を完了した12月15日に、売上を計上します。この時点ではまだ現金を受け取っていないため、「売掛金」として処理します。

マネーフォワードで「手動で仕訳」機能を選び、以下のように入力します。

  • 借方勘定科目:売掛金
  • 借方金額:10,000
  • 貸方勘定科目:売上高
  • 貸方金額:10,000
  • 摘要:PayPay売上(12/15分)

【独自の視点】
摘要欄には、後から見返したときに何の取引かすぐ分かるように「PayPay売上」と明記し、可能であれば取引日や商品名などを追記しておくと、より丁寧な帳簿になります。取引件数が多い場合は、「PayPay 12月分」のようにまとめて月次で計上する方法も考えられますが、日々の売上管理を正確に行うためには、都度計上するのがおすすめです。

ステップ2:PayPayから入金された日の仕訳(複合仕訳)

次に、12月分の売上がまとめて入金された際の処理です。今回は12月中のPayPay売上がこの10,000円のみだったと仮定します。決済手数料1.60%(160円)が差し引かれ、銀行口座には9,840円が入金されます。

この取引は、「普通預金への入金」「売掛金の回収」「支払手数料の発生」という3つの要素が組み合わさっています。このような場合は「複合仕訳」で登録します。

マネーフォワードで銀行口座を連携している場合、9,840円の入金データが自動で取得されます。その取引を選択し、以下のように編集します。

  • 借方勘定科目1:普通預金
  • 借方金額1:9,840
  • 借方勘定科目2:支払手数料
  • 借方金額2:160
  • 貸方勘定科目:売掛金
  • 貸方金額:10,000
  • 摘要:PayPay 12月分売上入金

この仕訳により、10,000円の売掛金が回収され、そのうち160円は経費(支払手数料)となり、残りの9,840円が預金口座に入金された、という一連の流れが正確に記録されます。借方合計(9,840 + 160 = 10,000)と貸方合計(10,000)が一致していることを確認してください。

PayPayの経理処理を効率化するマネーフォワード活用術

毎日の取引を手動で入力するのは大変です。ここでは、マネーフォワードの機能を活用して、PayPayの経理処理をさらに効率化するための具体的なテクニックをご紹介します。

活用術1:銀行口座連携で入金処理を自動化する

最も基本的ながら強力な機能が「銀行口座連携」です。マネーフォワードと事業用の銀行口座を連携させておけば、PayPayからの入金履歴が自動で取得されます。これにより、入金金額の入力ミスを防ぎ、記帳漏れのリスクを大幅に減らすことができます。

取得した入金データに対して、前述の「ステップ2」で解説した複合仕訳を一度登録すれば、マネーフォワードがそのパターンを学習します。次回以降、同様の入金があった際には、AIが自動で仕訳候補を提案してくれるため、内容を確認して登録ボタンを押すだけで作業が完了します。

活用術2:CSVファイルで売上データを一括インポートする

残念ながら、2025年12月時点では、マネーフォワード クラウドとPayPay for Businessは直接のAPI連携に対応していません。そのため、売上発生ごとの仕訳(ステップ1)は手動で行う必要があります。

しかし、1日の取引件数が多い場合、一件ずつ手入力するのは現実的ではありません。そこでおすすめなのが、PayPay for Businessから取引データをCSV形式でダウンロードし、マネーフォワードの「CSVファイルから入力」機能を使って一括で取り込む方法です。

  1. PayPay for Businessの管理画面から、月次などの期間を指定して取引履歴のCSVファイルをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたCSVファイルを、マネーフォワードのインポート形式に合わせて少し編集します。(勘定科目を追記するなど)
  3. マネーフォワードの「ファイルから仕訳入力」機能で、編集したCSVファイルをアップロードします。

この方法を使えば、数十件、数百件の売上データも一度の操作で帳簿に反映させることができ、作業時間を劇的に短縮できます。

【独自の視点】
毎回CSVを編集するのが手間に感じる方は、ExcelやGoogleスプレッドシートで一度インポート用のテンプレートを作成しておくことを強くおすすめします。PayPayからダウンロードしたデータをそのテンプレートに貼り付けるだけで、簡単にマネーフォワード形式のCSVが完成するようになり、月次の処理が非常にスムーズになります。

【応用編】返金やキャンペーンがあった場合の特殊な仕訳

通常の売上以外にも、お客様への返金やキャンペーンの適用など、イレギュラーな取引が発生することもあります。そうした場合の仕訳方法も確認しておきましょう。

ケース1:お客様都合による返品・返金があった場合

商品が返品され、PayPayを通じて返金処理を行った場合は、売上発生時に登録した仕訳と正反対の「逆仕訳」を行います。

例えば、10,000円の売上を返金した場合、以下のような仕訳を登録します。

  • 借方勘定科目:売上高
  • 借方金額:-10,000
  • 貸方勘定科目:売掛金
  • 貸方金額:-10,000

または、借方と貸方を逆にして、

  • 借方勘定科目:売上高
  • 借方金額:10,000
  • 貸方勘定科目:売掛金
  • 貸方金額:10,000

と登録し、摘要に「返品による返金」と記載します。これにより、売上と売掛金の残高が正しく修正されます。マネーフォワードではマイナス入力が直感的で分かりやすいかもしれません。

ケース2:加盟店が費用を負担するキャンペーンを実施した場合

「当店でPayPay決済すると5%オフ」といった、加盟店が費用を負担する独自のキャンペーンを実施した場合、その値引き分は「販売促進費」または「値引」として処理するのが一般的です。

例えば、定価10,000円の商品を5%オフの9,500円で販売した場合の仕訳は以下のようになります。

  • 借方勘定科目1:売掛金
  • 借方金額1:9,500
  • 借方勘定科目2:販売促進費
  • 借方金額2:500
  • 貸方勘定科目:売上高
  • 貸方金額:10,000

この仕訳により、本来の売上高は10,000円であったこと、そしてそのうち500円は販売促進のための経費であったことを明確に記録できます。

まとめ:PayPayの仕訳をマスターして確定申告を乗り切ろう

今回は、PayPay加盟店様がマネーフォワード クラウド確定申告を使って経理処理を行うための、具体的な仕訳方法と効率化のテクニックを解説しました。

最後に重要なポイントをまとめます。

  • 売上発生時:取引があった日に「売掛金/売上高」で仕訳を登録する。
  • 入金時:銀行口座への入金時に「普通預金・支払手数料/売掛金」の複合仕訳で売掛金を消し込む。
  • 効率化:銀行連携とCSVインポート機能を活用し、手入力の手間を削減する。

最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、一度流れを覚えてしまえば難しい作業ではありません。PayPayの経理処理で悩む時間を減らし、その分、事業を成長させるための本業に集中しましょう。

今回ご紹介したマネーフォワード クラウド確定申告は、個人事業主の確定申告業務を強力にサポートしてくれるツールです。基本的な使い方や料金プランについてさらに詳しく知りたい方は、【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。

まだ会計ソフトを導入していない方や、現在のソフトに不満がある方は、この機会にぜひマネーフォワード クラウド確定申告の導入を検討してみてはいかがでしょうか。無料でお試しできるプランもあるので、安心して始めることができます。

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