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退職後の資産運用を考えるとき、退職金を含めた資金をどう配分するかは悩ましいテーマです。預貯金だけでは物価上昇で資産価値が目減りするおそれがある一方、株式投資などのリスク資産に大きく傾けることにも別のリスクが伴います。
選択肢の一つとして語られることがあるのが、「未上場株式(プライベート・エクイティ)」をポートフォリオの一部に組み込むという考え方です。未上場株式とは、証券取引所に上場していない企業の株式のことで、IPOやM&A(合併・買収)といった出口イベントの際にリターンが生じる可能性がある一方、元本割れ・全損の可能性もあります。
退職金は「人生の後半を支える資金」であることが多いため、検討する場合は流動性・投資期間・生活防衛資金・税務上の取り扱いを、通常以上に慎重に確認する必要があります。
退職金運用で未上場株式が注目される背景
低金利時代における運用先の多様化ニーズ
2026年5月時点、日本では長らく続いた超低金利環境からの転換期を迎えていますが、それでも預貯金だけで退職後の30年間を安心して過ごせるかというと、不安を感じる方が多いのが現実です。退職金の平均額は大企業で2,000万円前後、中小企業では1,000万円前後と言われますが、老後の生活費や医療費を考えると、ただ貯蓄するだけでは心もとない金額です。
こうした背景から、退職金の一部をより高いリターンが期待できる資産クラスに振り向ける動きが広がっています。その選択肢の一つが、IPO前のユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の未上場企業)への投資です。
なぜ未上場株式のリターンが注目されるのか
上場株式の場合、すでに多くの投資家が参入しているため、企業の成長余地が株価に織り込み済みであることが少なくありません。一方、未上場株式はIPOやM&A(企業の合併・買収)といった「出口イベント」の際に、投資時点を上回るリターンが生まれる可能性がある一方、元本割れ・全損の可能性もあります。
ただし、これは「可能性」であって「確実性」ではありません。退職金運用においては、この点を正しく理解することが何より重要です。
退職金運用で見落とされがちな3つの課題
退職金を未上場株式に振り向ける際、多くの方が見落としがちな課題があります。
- 流動性の制約:未上場株式は上場株式のように市場でいつでも売却できません。資金が原則5年程度(ファンドにより異なる)ロックされることを前提に、生活資金との分離が不可欠です
- 情報の非対称性:上場企業と比べて開示情報が限られるため、投資判断の難易度が高くなります
- 為替リスクの見落とし:海外のユニコーン企業に投資する場合、企業の成長とは無関係に為替変動で損益が左右されることがあります
退職後の資産運用で未上場株式を検討する際に確認しておきたい観点
生活防衛資金の考え方
未上場株式は換金性が極めて低い資産です。生活費として急に必要になっても、すぐに現金化することはできません。そのため、退職金を含む資産の一部を未上場株式に振り向けるかどうかを検討する前提として、当面の生活費に相当する資金を、すぐに引き出せる預貯金として確保しておく必要があります。
資産全体の中での配分をどう考えるか
未上場株式をポートフォリオのどの程度の割合に位置づけるかは、いわゆる「サテライト(衛星)」的な扱いとして語られることがありますが、具体的な比率は各自のリスク許容度や資産状況によって異なります。退職金だけを切り出して配分を決めるのではなく、保有する金融資産全体のバランスの中で検討することが重要です。
投資期間と出口の想定
未上場株式への投資は、一般的に数年単位の運用期間を要し、その間は原則として換金できません。退職後すぐに旅行や住宅リフォームなど大きな支出の予定がある場合、その資金を未上場株式に充てるかどうかは、資金計画全体の中で慎重に見極める必要があります。
分散投資という考え方
未上場株式への投資は、一つの企業やファンドに集中させず、複数のファンドや異なるセクターに分散するという考え方があります。分散することで、特定の企業が不振に陥った場合の影響を相対的に抑えられる可能性がありますが、未上場株式全体としての流動性の低さや元本割れのリスクは変わりません。上場株式・債券・不動産投資信託(REIT)など、異なる資産クラスとの組み合わせも判断材料の一つです。
登録状況の確認
未上場株式への投資は、どの仲介者を通じて行うかが重要な確認事項です。金融商品取引業の登録がある事業者かどうか、運営体制やコンプライアンスが整備されているかを確認しておく必要があります。
たとえば、個人投資家向けにユニコーン企業への投資機会を提供しているHiJoJo.comは、関東財務局長(金商)第3065号の登録を受けたHiJoJo Partners株式会社が運営しています。第一種金融商品取引業(非上場有価証券特例仲介等業務)、第二種金融商品取引業、投資運用業の登録を持ち、国内大手証券会社からの出資も受けています。ただし、これらの登録・出資情報は投資の元本や運用成果を保証するものではなく、退職金を充てるかどうかは、ご自身の資金計画とリスク許容度を踏まえて判断する必要があります。資産・適格性の審査を経た個人投資家であれば、ファンドを通じて100万円から間接的に投資に参加できるファンド形式を採用しています。
よくある失敗パターンとその回避法
退職金で未上場株式投資を始めた方が陥りがちな失敗パターンを整理しておきます。
- 「退職金が入ったから」と焦って投資する:まとまった資金を受け取った直後は冷静な判断が難しくなります。少なくとも1〜2ヶ月は情報収集に充て、投資判断を急がないことが大切です
- リターンだけを見て流動性リスクを軽視する:「数倍になるかもしれない」という期待だけで投資額を決めると、急な出費に対応できなくなります。譲渡制限がある金融商品であることを常に意識してください
- 手数料構造を把握しないまま投資する:未上場株式ファンドには申込手数料、管理報酬、成功報酬など複数の手数料が発生します。契約締結前交付書面で手数料体系を必ず確認し、実質的なコストを把握した上で判断しましょう
未上場株式と他の運用手段の比較
退職金運用の主な選択肢を比較する
退職金の運用先として検討される主な選択肢を比較してみましょう。
- 定期預金・個人向け国債:元本の安全性は高いが、インフレに負ける可能性がある。流動性は高い
- 投資信託(上場株式型):分散効果があり流動性も高いが、市場全体の下落リスクを受ける
- 不動産投資(REIT含む):安定した収益が期待できるが、物件リスクや金利変動の影響を受ける
- 未上場株式:高いリターンの可能性がある反面、流動性が極めて低く、元本毀損リスクも大きい
それぞれ一長一短があり、未上場株式は値動きの異なる資産の一つとして検討されることがあります。具体的な組み入れ方や割合は、各自のリスク許容度と資産状況に応じて判断することになります。
退職金運用で未上場株式を検討する際に確認しておきたい事項
退職金の運用に未上場株式を組み込むかどうかを判断する際は、以下のような点を確認しておく必要があります。
- 資産・適格性の審査(資産3,000万円以上の方限定〔公式サイト記載〕・適合性審査の基準は非公開)を通過できるか、生活防衛資金を十分に確保できているか
- 5年程度の運用期間中、資金が拘束されることを許容できるか
- 未上場企業の動向を自ら調べ、情報の非対称性がある中で判断する意欲があるか
- 元本割れ・全損の可能性を理解した上で、ポートフォリオの一部としてハイリスク・ハイリターン資産を持つ方針と整合するか
退職金が主な生活原資であり余裕資金がほとんどない場合や、投資期間中に資金を引き出す可能性がある場合は、これらの点についてより慎重な検討が必要になります。
まとめ:退職金運用に未上場株式を検討する際の留意点
退職金の運用に未上場株式を組み込むかどうかを検討する際は、以下のような点を確認することになります。
- 生活防衛資金を確保した上で、余裕資金の範囲内で検討する
- 未上場株式への配分割合は、総金融資産全体のバランスの中で、各自のリスク許容度に応じて判断する
- 流動性リスク・為替リスク・価格変動リスクを理解し、最悪の場合は元本がゼロになる可能性も踏まえて判断する
- 金融商品取引業の登録がある事業者を通じて投資する
- 投資判断を急がず、複数のファンドやセクターへの分散も判断材料に含める
未上場株式は、退職金運用における選択肢の一つとして語られることがありますが、流動性の低さや元本割れのリスクを伴う資産です。組み込むかどうかは、十分な余裕資金とリスクの理解、そして必要に応じた専門家への相談を前提に判断してください。
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※本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。投資に関する最終的な判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度を踏まえ、必要に応じて専門家に相談の上で行ってください。
