(この記事は2026年1月時点の情報に基づき執筆しています。)
株式投資やFXで利益が出た瞬間は、本当に嬉しいものですよね。
しかし、その喜びも束の間、「確定申告」という言葉が頭をよぎり、急に不安になっていませんか。
「特定口座(源泉徴収あり)を選んでいるから自分は関係ないはず…」と思っている方も多いかもしれません。
実はその考え、少し待ってください。
場合によっては、確定申告をしないと損をしてしまうケースもあるのです。
特に、複数の証券会社を利用している方や、残念ながら損失が出てしまった年がある方は必見です。
この記事では、株やFXの利益に関する確定申告の基本から、多くの方が利用する「特定口座の年間取引報告書」を使った具体的な申告手順までを、分かりやすく解説します。
会計ソフトを使えば、あなたが思っているよりもずっと簡単に、そして正確に確定申告を終えることができます。
この記事を読み終える頃には、確定申告への漠然とした不安が「これなら自分にもできる」という自信に変わっているはずです。
そもそも株やFXの利益は確定申告が必要?基本を知ろう
投資で得た利益と確定申告の関係は、投資家にとって避けては通れないテーマです。しかし、用語が難しく感じられ、敬遠してしまっている方も少なくないでしょう。まずは「どのような場合に申告が必要なのか」「どのような仕組みで税金が計算されるのか」という基本のキから、しっかり押さえていきましょう。
確定申告が必要になる3つのケース
会社員など、給与を一つの会社から受け取っている方(給与所得者)の場合、確定申告が必要になる主なケースは以下の通りです。
- 株やFXなど給与以外の所得合計が年間20万円を超えた場合
これが最も一般的なケースです。株の売却益、配当金、FXの利益などを合計して20万円を超えたら、原則として確定申告が必要です。 - 複数の証券会社の損益を合算(損益通算)したい場合
例えば、A証券では30万円の利益が出たけれど、B証券では15万円の損失が出たとします。この場合、確定申告をしなければA証券の利益30万円に対して税金がかかります。しかし、確定申告で「損益通算」を行えば、利益と損失を相殺した15万円(30万円 – 15万円)に対してのみ課税されるため、税金の負担を軽くできます。 - 損失を翌年以降に繰り越したい場合(繰越控除)
年間の取引結果がマイナスで終わってしまった場合、確定申告は不要だと思いがちです。しかし、ここで確定申告をしておくことで、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。例えば、今年50万円の損失が出た場合、来年60万円の利益が出ても、今年の損失と相殺して利益を10万円に圧縮できます。この「繰越控除」は、将来の節税に繋がる非常に重要な手続きなので、損失が出た年こそ確定申告を検討すべきです。
「特定口座(源泉徴収あり)」なら安心?申告した方が得な場合も
証券口座には「一般口座」と「特定口座」があり、特定口座はさらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」に分かれます。「特定口座(源泉徴C)あり」を選ぶと、利益が出るたびに証券会社が自動で税金を計算し、源泉徴収(天引き)して納税まで済ませてくれます。そのため、原則として個人での確定申告は不要です。
しかし、前述した「損益通算」や「繰越控除」を利用したい場合は、たとえ「特定口座(源泉徴収あり)」であっても確定申告が必要になります。自動で納税してくれる便利な制度ですが、「何もしなくても常に最適」というわけではないのです。ご自身の取引状況を振り返り、申告した方がメリットがあるかどうかを確認することが大切です。
株やFXの利益は「申告分離課税」
株やFXで得た利益は、給与所得や事業所得といった他の所得とは合算せず、分離して税額を計算します。これを「申告分離課税」と呼びます。税率は所得の金額にかかわらず一律で、合計20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)です。給与所得が高い方でも、株の利益によって所得税率が上がることはない、と覚えておきましょう。
確定申告の準備はこれだけ!年間取引報告書のチェックポイント
「確定申告」と聞くと、大量の書類準備をイメージするかもしれませんが、株の利益に関する申告であれば、準備するものは非常にシンプルです。それは、証券会社から発行される「特定口座年間取引報告書」です。この書類に、申告に必要な情報がすべて詰まっています。ここでは、その報告書の見方とチェックポイントを解説します。
「特定口座年間取引報告書」はいつ、どこで手に入る?
「特定口座年間取引報告書」は、1年間の取引(1月1日〜12月31日)の損益をまとめた書類です。通常、翌年の1月中旬から下旬にかけて、利用している証券会社のウェブサイト上で電子交付されます。郵送を選択している場合は、自宅に送られてきます。複数の証券会社で取引している場合は、すべての会社からそれぞれ取り寄せる必要がありますので、忘れないようにしましょう。
ここを見ればOK!報告書の重要項目を抜き出し
報告書には様々な情報が記載されていますが、確定申告で特に重要になるのは以下の項目です。お手元の報告書と見比べてみてください。
- 「源泉徴収の選択」: 「源泉徴収あり」または「源泉徴収なし」のどちらにチェックが入っているか確認します。
- 「譲渡損益額」または「譲渡に係る年間損益計算」: 1年間の株の売買で、どれくらいの利益または損失が出たかが記載されています。「差引金額(A-B)」などの項目名で記載されていることが多いです。
- 「配当等の額」: 受け取った配当金や分配金の合計額と、そこから源泉徴収された税額が記載されています。
- 「源泉徴収税額」または「納付税額」: 「特定口座(源泉徴収あり)」の場合、すでに納めた税金の合計額が記載されています。確定申告をすることで、この税金の一部が還付される(戻ってくる)ことがあります。
会計ソフトに入力する際は、主にこれらの項目の金額を転記していくことになります。
複数の証券会社を利用している場合の注意点
前述の通り、複数の証券会社に特定口座を持っている場合は、すべての年間取引報告書を合算して申告する必要があります。例えば、楽天証券とSBI証券の2つの口座を持っているなら、それぞれの報告書の金額を足し合わせて申告書を作成します。
この合算作業こそ、会計ソフトの得意分野です。手計算だと間違いやすいですが、ソフトを使えば各証券会社の報告書の内容をそれぞれ入力するだけで、自動的に合計値を計算し、正確な申告データを作成してくれます。特に損益通算を行う際には、この機能が非常に役立ちます。
実践!マネーフォワード クラウド確定申告で入力する3ステップ
書類の準備ができたら、いよいよ申告書の作成です。ここでは、多くの個人事業主や副業を持つ会社員に支持されている「マネーフォワード クラウド確定申告」を使った入力手順を、3つのステップで具体的に解説します。画面の指示に従って入力するだけで、驚くほど簡単です。
ステップ1: マネーフォワード クラウド確定申告に登録する
まずは、申告書を作成するためのツールを用意します。まだ利用したことがない方は、マネーフォワード クラウド確定申告の公式サイトからアカウントを登録しましょう。無料プランから試すことができるので、使用感を確かめてから本格的に利用を開始できます。
登録後は、画面の案内に従って氏名や住所などの基本情報を入力します。この情報が確定申告書に反映されるので、正確に入力してください。
ステップ2: 「株式等の譲渡」の入力画面を開く
ログイン後、左側にあるメニューから「決算・申告」→「確定申告書」をクリックします。すると、申告書に関連するメニューが表示されます。株の利益は分離課税なので、画面上部のタブから「分離課税」を選択してください。
次に、所得の種類の中から「株式等の譲渡」という項目を見つけ、その右側にある「入力」ボタンを押します。ここが、年間取引報告書の内容を入力していく画面になります。
ステップ3: 年間取引報告書の内容を転記する
いよいよ入力作業です。手元に「特定口座年間取引報告書」を用意してください。マネーフォワードの画面には、報告書と同じような項目名が並んでいるので、対応する箇所の数字をそのまま入力していきます。
主な入力項目は以下の通りです。
- 取引の種類: 「特定口座(源泉徴収あり)」を選択します。
- 収入金額(譲渡による収入): 報告書の「譲渡した株式等の総額」などを転記します。
- 必要経費・取得費: 報告書の「取得費及び譲渡に要した費用の額等」を転記します。
- 差引金額: 収入金額から経費を引いたもので、自動で計算されます。報告書の「譲渡損益額」と一致するか確認しましょう。
- 所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額: 報告書の「源泉徴収税額(所得税)」を転記します。
- 住民税の源泉徴収税額: 報告書の「源泉徴収税額(住民税)」を転記します。
複数の証券会社の報告書がある場合は、「+追加」ボタンを押して、それぞれの報告書ごとに内容を入力していきます。すべて入力し終えたら「保存」ボタンを押せば、入力内容は自動で確定申告書に反映されます。面倒な税額計算は一切不要です。これだけで、株の利益に関する申告はほぼ完了です。
確定申告で損しないための豆知識【独自視点】
確定申告は、ただ義務を果たすだけでなく、正しく行えば「節税」に繋がる有効な手段にもなります。ここでは、株の確定申告をする上で知っておきたい、少し応用的な知識や注意点をご紹介します。これを知っているかどうかで、手元に残るお金が変わってくるかもしれません。
損失が出た年は必ず申告!「繰越控除」で未来の税金を節約しよう
これは何度でも強調したい重要なポイントです。その年に株取引で損失が出た場合、確定申告をすることで、その損失額を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。例えば、2025年に50万円の損失を出し、確定申告(繰越控除の手続き)をしたとします。その後、2026年に80万円の利益が出た場合、2025年の損失と相殺して、2026年の利益を30万円(80万円 – 50万円)として申告できます。もし繰越控除の手続きをしていなければ、80万円の利益にそのまま課税されてしまうため、税額に大きな差が生まれます。投資を続けるのであれば、損失が出た年の確定申告は必須と心得ておきましょう。
FXや仮想通貨の利益は税金の扱いが違うので注意
この記事では主に株式投資の利益について解説しましたが、FX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨(暗号資産)で得た利益は、税金の計算方法が異なるため注意が必要です。
- FXの利益: 株と同様に「申告分離課税」ですが、「先物取引に係る雑所得等」に分類されます。株の利益(譲渡所得)と損益を通算することはできません。
- 仮想通貨の利益: 原則として「雑所得」に分類され、「総合課税」の対象となります。これは給与所得など他の所得と合算した上で税率が決まるため、所得が多い人ほど税率が高くなります。
これらの利益がある場合は、それぞれ適切に申告する必要があります。マネーフォワード クラウド確定申告では、これらの所得にも対応しています。
意外な落とし穴?ふるさと納税の「ワンストップ特例」が使えなくなる
会社員の方で、ふるさと納税の際に「ワンストップ特例制度」を利用している方は注意が必要です。この特例は「確定申告をしないこと」が利用条件の一つです。そのため、株の利益の申告などで確定申告を行うと、ワンストップ特例は無効になってしまいます。
しかし、ご安心ください。その場合は、確定申告書で改めて「寄附金控除」として、ふるさと納税の金額を申告すれば、きちんと税金の控除が受けられます。忘れてしまうと、せっかくのふるさと納税が単なる寄付になってしまうので、確定申告をする際は必ず一緒に申告しましょう。マネーフォワード クラウド確定申告には、もちろん寄附金控除の入力欄も用意されています。
まとめ:面倒な株の確定申告はツールで賢く乗り切ろう
この記事では、株やFXの利益が出た際の確定申告について、基本知識からマネーフォワード クラウド確定申告を使った具体的な入力手順、そして節税のための豆知識までを解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 給与以外の所得が20万円を超えたら確定申告が必要。
- 損益通算や繰越控除を使いたい場合も確定申告が必要。
- 申告には「特定口座年間取引報告書」さえあればOK。
- 会計ソフトを使えば、報告書の内容を転記するだけで簡単に申告書が作れる。
難しそうに感じる株の確定申告も、マネーフォワード クラウド確定申告のような便利なツールを使えば、驚くほど簡単かつ正確に終えられます。手計算による間違いのリスクをなくし、複雑な税金の仕組みを理解していなくても、ガイドに従うだけで適切な申告ができるのは、忙しい現代人にとって大きなメリットです。
マネーフォワード クラウド確定申告の機能や料金プランについて、もっと詳しく知りたい方は「【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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