Googleカレンダーでの予定管理、とても便利ですよね。
しかし、その使い方、もしかしたら「手入力」だけで終わっていませんか。
例えば、「Webサイトからの予約を、自動でカレンダーに登録できたら…」「スプレッドシートのタスクリストを、一括でカレンダーに反映できたら…」と考えたことはないでしょうか。
その「あったらいいな」を実現する鍵が、GoogleカレンダーAPIと、それを手軽に扱えるGoogle Apps Script (GAS) なんです。
私も、このAPI連携を活用してお客様向けの簡易予約システムを試作したり、日々の定型作業を自動化したりしています。
この記事では、プログラミング初心者の方でもイメージが掴めるように、GoogleカレンダーAPI活用の第一歩を解説します。
【ご注意】この記事の情報は2025年7月時点のものです。GoogleカレンダーAPIやGoogle Apps Scriptの仕様、インターフェースは変更される可能性があります。最新情報はGoogle Calendar APIの公式ドキュメント等でご確認ください。APIの利用には技術的な知識が必要です。
GoogleカレンダーAPIとは?何ができるのか?
API(Application Programming Interface)とは、簡単に言うと「ソフトウェアやサービス同士が情報をやり取りするための『窓口』や『ルール』」のことです。GoogleカレンダーAPIを使えば、外部のプログラムからGoogleカレンダーのデータにアクセスし、様々な操作を行うことができます。
APIでできることの例:
- カレンダーや予定の情報を読み取る
- 新しい予定を作成、更新、削除する
- 予定にゲスト(参加者)を追加・管理する
- 複数のカレンダーの空き時間情報を検索する
- 新しいカレンダーを作成・管理する
- 予定のリマインダーを設定する
つまり、これまで手作業で行っていたカレンダーに関するほぼ全ての操作を、プログラムによって自動化できる可能性を秘めています。
API活用の主な方法【非エンジニアはGASがおすすめ】
APIを活用する方法はいくつかありますが、Google Workspaceユーザーにとって最も身近で始めやすいのが「Google Apps Script (GAS)」です。
- Google Apps Script (GAS): Googleスプレッドシートやドキュメントなどから直接起動できる、JavaScriptベースのプログラミング環境です。特別な準備なしに、ブラウザ上ですぐにコードを書き始められます。
- iPaaS (Zapier, Makeなど): プログラミング不要で様々なサービスを連携できるプラットフォーム。これらも内部ではAPIを利用しています。手軽ですが、自由度はGASに劣ります。
- 本格的なアプリケーション開発: PythonやPHP、Node.jsなどのプログラミング言語を使って、より本格的なWebアプリケーションやシステムを構築する方法です。専門知識が必要です。
この記事では、非エンジニアの方でも挑戦しやすい「Google Apps Script (GAS)」に焦点を当てて解説します。
【実践シナリオ】APIで実現する業務自動化の例
GASを使ってGoogleカレンダーAPIを操作すると、どのような業務を自動化できるのでしょうか。具体的なシナリオを見ていきましょう。
1. 簡易予約システムの構築
課題: Webサイトからの予約や問い合わせを、手作業でカレンダーに登録している。
自動化フロー例:
- Googleフォームで予約リクエストフォームを作成します。
- お客様がフォームを送信すると、GASが起動します(フォームの送信をトリガーに)。
- GASがGoogleカレンダーの空き状況を確認します。
- 空きがあれば、自動でカレンダーに予約の予定を作成し、お客様と担当者の両方に確認メールを送信します。
- 空きがなければ、日程再調整をお願いするメールを送信します。
これにより、24時間365日、予約受付を自動化できます。
2. スプレッドシートからの予定一括登録
課題: プロジェクトのタスクリストや、イベントのスケジュール一覧などを、一つひとつ手でカレンダーに登録している。
自動化フロー例:
- Googleスプレッドシートに、予定のリスト(件名、開始日時、終了日時、場所、説明など)を作成します。
- スプレッドシートのメニューに「カレンダーに一括登録」というカスタムメニューをGASで作成します。
- そのメニューをクリックすると、GASが起動し、シートの情報を一行ずつ読み取って、カレンダーに予定をまとめて作成します。
これにより、数十件の予定登録も一瞬で完了します。
3. CRMやタスク管理ツールとの連携
課題: 顧客との商談履歴や、タスクの締め切りを、カレンダーと他のツールで二重管理している。
自動化フロー例:
- 顧客管理用のスプレッドシートで、ある顧客のステータスが「要フォローアップ」に変わったら、GASが起動します。
- 担当者のカレンダーに「〇〇様へフォローアップコール」という予定を、1週間後に自動で作成します。
これにより、対応漏れを防ぎ、営業活動をスムーズにします。
自動化を始めるための準備と最初の一歩(GAS編)
高度な連携にはGoogle Cloud Platform (GCP)でのAPI有効化や認証設定が必要になる場合がありますが、まずはGASに標準で用意されているCalendarApp
サービスで、簡単な操作から試してみましょう。
簡単なコードを書いてみる(コピペOK!):
Googleスプレッドシートを開き、[拡張機能] > [Apps Script] でスクリプトエディタを開き、以下のコードを貼り付けてみてください。
function createMyFirstEvent() { // デフォルトのカレンダーを取得します const calendar = CalendarApp.getDefaultCalendar(); // 今の1時間後から2時間後までの予定を作成します const startTime = new Date(); startTime.setHours(startTime.getHours() + 1); const endTime = new Date(); endTime.setHours(endTime.getHours() + 2); // イベントを作成します const event = calendar.createEvent( 'GASからのテスト予定', startTime, endTime, { description: 'これはGoogle Apps Scriptによって自動で作成されました。', location: 'オンライン' } ); // ログに成功メッセージを出力します Logger.log('イベントを作成しました。ID: ' + event.getId());
}
このスクリプトを保存し、関数createMyFirstEvent
を選択して実行(▶ボタン)すると、あなたのGoogleカレンダーの1時間後に、1時間のテスト予定が自動で作成されます。(※初回実行時には承認が必要です)
【私の視点】API活用で挫折しないための心構え
APIやGASと聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、非エンジニアの方が最初の一歩を踏み出すための、私なりの心構えです。
- 「やりたいこと」をできるだけ具体的に、そして小さく分解する: 「予約システムを作る」という大きな目標ではなく、「まずはスクリプトでカレンダーに1件だけ予定を入れる」という、達成可能な小さな目標から始めましょう。小さな成功体験が、次のステップへのモチベーションになります。
- 公式ドキュメントとサンプルコードを恐れずに参照する: Googleは非常に丁寧な開発者向けドキュメントを用意しています。最初は意味が分からなくても、サンプルコードをコピー&ペーストして動かしてみるだけでも、大きな学びになります。「こう書けばこう動くのか」という感覚を掴むことが大切です。
- エラーメッセージは解決への最大のヒント: 必ずエラーは出ます。しかし、エラーメッセージには原因を探るヒントが詰まっています。メッセージをコピーしてGoogleで検索すれば、多くの場合は先人たちの解決策が見つかります。エラーとの格闘こそが、スキルアップの近道です。私も、今でもエラーメッセージを頼りに試行錯誤の連続です。
- iPaaSから試すのも賢い選択: もしGASでもハードルが高いと感じるなら、ZapierやMakeのようなノーコードツールから始めてみるのも良いでしょう。そこで「トリガー」と「アクション」という自動化の基本概念を掴んでから、より自由度の高いGASに挑戦する、というステップも非常に有効です。
まとめ:GoogleカレンダーAPIで、あなたの業務に「自動化」を取り入れよう
GoogleカレンダーAPIとGoogle Apps Scriptは、これまで手作業で行っていたスケジュール管理や予約業務を自動化し、あなたのビジネスをよりスマートで効率的に変える大きな可能性を秘めています。
予約システム、タスク連携、一括登録など、活用方法はあなたのアイデア次第です。まずはこの記事で紹介したような簡単なスクリプトから、自動化の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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