ExpressVPNをインストールしたものの、設定は初期状態のまま、という方は意外と多いのではないでしょうか。
実は、ExpressVPNはそのままでも非常に優秀ですが、設定を少しカスタマイズするだけで、あなたの利用目的に合わせてセキュリティ、速度、利便性を格段に向上させることができます。
この記事では、2025年10月時点のWindows版ExpressVPNアプリに焦点を当て、少し複雑に見える「設定」画面の各項目を、初心者の方にも分かりやすく、かつ具体的に解説していきます。
この記事を読めば、あなたに最適なExpressVPNの設定が必ず見つかります。
ExpressVPN「一般」設定：基本を固めて快適なVPNライフを
まずは基本となる「一般」設定から見ていきましょう。ここでは、アプリの起動やネットワーク保護に関する重要な項目を設定します。
起動設定
「Windows起動時にExpressVPNを起動する」にチェックを入れると、パソコンを起動するたびにExpressVPNが自動で立ち上がります。常にVPNを有効にしておきたい方、特にセキュリティを重視する方には必須の設定です。毎回手動でアプリを探して起動する手間が省けるため、利便性も向上します。さらに、「起動後に前回の接続ロケーションに接続する」を有効にすれば、PC起動からVPN接続までが全自動となり、意識することなく常に保護された状態を維持できます。
ネットワーク保護 (キルスイッチ)
これはExpressVPNの中でも特に重要な機能の一つで、一般的に「キルスイッチ」と呼ばれています。「VPN接続が切断された場合、すべてのインターネット通信を切断する」に必ずチェックを入れておきましょう。万が一、VPN接続が予期せず中断してしまった際に、VPNを経由しない生のインターネット通信（IPアドレスが露出した状態）が外部に漏れるのを防いでくれます。特に、公共のWi-Fiを利用する際や、プライバシーが重要な通信を行う際には、この機能があなたの情報を守る最後の砦となります。セキュリティを最優先に考えるなら、この設定は絶対に有効にしておくべきです。
スプリットトンネリング
この項目は後述する「詳細設定」の項目と重複しますが、一般設定画面からもアクセスできます。VPNを特定のアプリにのみ適用するか、あるいは特定のアプリをVPNから除外するかを設定できる高度な機能です。例えば、「海外の動画サービスはVPN経由で、国内の銀行サイトはVPNを経由しない」といった使い分けが可能になります。詳しい使い方は後のセクションで解説します。
最適なプロトコルを選ぼう：ExpressVPNの心臓部を理解する
「プロトコル」は、お使いのデバイスとVPNサーバーが通信する際の「言語」や「ルール」のようなものです。プロトコルの選択は、VPNの速度、安定性、セキュリティに直接影響します。ExpressVPNでは、複数のプロトコルが用意されており、それぞれの特徴を理解することで、利用シーンに最適なものを選ぶことができます。
プロトコルの種類と特徴
ExpressVPNで選択できる主なプロトコルは以下の通りです。
- 自動選択: ExpressVPNがネットワーク環境に応じて最適なプロトコルを自動で選んでくれます。通常はこの設定で問題ありません。初心者の方や、特にこだわりがない場合は「自動選択」のままにしておくのが最も簡単で確実です。
- Lightway – UDP: ExpressVPNが独自に開発した最新プロトコルです。非常に高速で、接続の切り替えもスムーズなのが特徴。ストリーミングやオンラインゲームなど、速度が求められる場面に最適です。UDPは速度重視の通信方式です。
- Lightway – TCP: LightwayのTCP版です。UDPに比べて速度は若干劣りますが、通信の信頼性が高いのが特徴です。一部の制限が厳しいネットワーク（大学や企業のWi-Fiなど）でも接続しやすい傾向があります。
- OpenVPN – UDP: 長年にわたり業界標準として利用されてきた信頼性の高いプロトコルです。速度と信頼性のバランスが取れています。Lightwayで接続が不安定な場合に試してみる価値があります。
- OpenVPN – TCP: OpenVPNのTCP版で、最も信頼性が高い反面、速度は最も遅くなる傾向があります。中国など、インターネット検閲が厳しい国や地域で接続を試みる際に有効な場合があります。
私の視点：プロトコルの使い分け術
私のおすすめは、普段は「Lightway – UDP」を基本設定にしておくことです。その圧倒的な速度と安定性は、日常的なブラウジングから動画視聴まで、あらゆる用途で快適な体験を提供してくれます。もし、特定のサイトに繋がりにくい、あるいは接続が不安定だと感じた場合にのみ、「Lightway – TCP」や「OpenVPN」を試す、という使い方が賢い選択です。このように、プロトコルの特性を理解しておくと、トラブルが発生した際に自分で解決できる可能性が広がります。
「詳細設定」を使いこなす：上級者向けのカスタマイズ術
「詳細設定」では、より高度なカスタマイズが可能です。これらの設定を理解し、適切に構成することで、ExpressVPNをさらに便利で安全なツールにすることができます。
スプリットトンネリングの活用法
先ほども触れた「スプリットトンネリング」は、VPN接続をアプリごとに制御できる非常に強力な機能です。以下の2つのモードがあります。
- すべてのアプリでVPNを使用しない: このモードを選択し、VPNを使用したいアプリだけをリストに追加します。例えば、Webブラウザ（Chrome, Firefoxなど）だけをVPN経由にしたい場合に便利です。
- 選択したアプリのみVPNを使用しない: こちらがより一般的な使い方かもしれません。VPNを基本的にすべての通信で使用しつつ、特定のアプリだけをVPN接続から除外します。
具体的な活用例:
- オンラインゲームをプレイする際に、ゲームアプリを除外して遅延（ラグ）を最小限に抑える。
- 国内の銀行や証券会社のサイトを利用する際に、ブラウザを除外してアクセス制限を回避する。
- プリンターなど、ローカルネットワーク上のデバイスにアクセスするために、関連するシステムサービスを除外する。
このように、スプリットトンネリングを使いこなせば、「セキュリティ」と「利便性」を両立したスマートなVPN環境を構築できます。
その他の詳細設定
「IPv6アドレスの通信をブロックする（VPN接続中）」は、IPv6による意図しない情報漏洩を防ぐための重要なセキュリティ設定です。特別な理由がない限り、必ずチェックを入れておきましょう。また、「ExpressVPNの改善に協力する」は、匿名の診断データをExpressVPNに送信する設定です。プライバシーが気になる方はチェックを外しても問題ありません。
まとめ：設定を制する者がVPNを制す
今回は、Windows版ExpressVPNアプリの設定項目について詳しく解説しました。各設定の意味を理解し、自分の使い方に合わせてカスタマイズすることで、ExpressVPNのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。特に「ネットワーク保護（キルスイッチ）」と、利用シーンに応じた「プロトコル」の選択、そして「スプリットトンネリング」の活用は、ExpressVPNをより快適で安全なものにするための鍵となります。
もし、ExpressVPNの基本的な使い方や料金プランについて、より網羅的に知りたいという方は、私たちの総合ガイド「【2025年最新版】ExpressVPNとは？使い方・料金・評判を徹底解説！始め方ガイド」もぜひ参考にしてください。この記事で解説した設定と併せて読むことで、ExpressVPNに関する理解がさらに深まるはずです。
設定のカスタマイズでExpressVPNの真価を理解した今こそ、最高のVPN体験を始める絶好の機会です。以下の公式サイトからExpressVPNを導入し、あなただけの安全で快適なインターネット環境を構築しましょう。