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社員が勝手に使っているアプリを特定!Google Workspace管理コンソールでの「サードパーティ製アプリアクセス制御」

業務の効率化を求めて、多くの企業で様々なクラウドサービス(SaaS)が導入されています。

その一方で、管理者の目が届かないところで、社員が個人で契約したアプリやサービスを業務に利用する「シャドーIT」が問題になっていませんか。

便利なアプリは生産性を向上させる可能性がある反面、会社の機密情報が意図せず外部に漏洩するセキュリティリスクを抱えています。

しかし、ご安心ください。

Google Workspaceには、こうしたリスクを管理するための強力な機能「サードパーティ製アプリアクセス制御」が備わっています。

この記事では、どの社員がどのアプリを使っているかを特定し、組織のセキュリティを強化する方法を、具体的な手順を交えて分かりやすく解説します。

なぜ危険?社員が勝手に使う「シャドーIT」が招く4つのリスク

「シャドーIT」とは、企業のIT部門が関知・承認していないデバイスやソフトウェア、クラウドサービスを、社員が業務に利用している状態を指します。社員に悪気はなく、「仕事をもっと効率的に進めたい」という善意から始まることがほとんどです。しかし、このシャドーITには、企業の存続を脅かしかねない深刻なリスクが潜んでいます。

リスク1:重大な情報漏洩

シャドーITで利用されるアプリの多くは、Googleアカウントでのログイン(OAuth認証)を求めます。安易に許可すると、アプリがGoogleドライブ内のファイル、Gmailのメール内容、カレンダーの予定といった機密情報にアクセスできるようになる可能性があります。もしアプリの提供元が悪意を持っていたり、セキュリティが脆弱だったりした場合、顧客情報や開発中のデータなどが外部に流出する直接的な原因となり得ます。

リスク2:マルウェア感染の入り口

信頼性の低いアプリや、公式サイトを装ったフィッシングサイトからダウンロードしたアプリは、マルウェアやランサムウェアの感染経路になることがあります。一度社内ネットワークに侵入されると、被害はPC一台にとどまらず、サーバー全体、ひいては会社全体に広がる危険性があります。業務が停止するだけでなく、復旧に莫大なコストと時間がかかることになるでしょう。

リスク3:コンプライアンス違反

個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)など、国内外の法規制は年々厳しくなっています。シャドーITによって顧客データが不適切な形で管理・保存されると、これらの法規制に違反してしまう可能性があります。違反が発覚すれば、高額な罰金や企業の社会的信用の失墜は避けられません。

リスク4:見えないコストの発生

各部署や個人がバラバラに同じような機能を持つアプリを契約しているケースも少なくありません。会社全体で見れば機能が重複しているにもかかわらず、それぞれに支払いが発生しているため、ITコストの無駄遣いに繋がります。IT部門が一元管理することで、より費用対効果の高いツールに集約し、コストを最適化できるはずです。

ステップ1:管理コンソールで利用状況を可視化する方法

まずは現状把握から始めましょう。Google Workspaceの管理コンソールを使えば、驚くほど簡単に「どのアプリが」「誰によって」「どのように」使われているかを確認できます。これは、闇雲にアプリを禁止するのではなく、データに基づいて的確な判断を下すための重要な第一歩です。本手順は2025年12月時点の情報です。

  1. Google Workspace 管理コンソールにログインします。
    特権管理者アカウントで admin.google.com にアクセスしてください。
  2. メニューから「セキュリティ」>「アクセスとデータ管理」>「API の制御」へ進みます。
    左側のナビゲーションメニューから、セキュリティ関連の設定項目を探します。
  3. 「サードパーティ製アプリアクセスを管理」をクリックします。
    この画面が、組織のシャドーITを可視化するためのダッシュボードです。

ダッシュボードで確認すべきポイント

ダッシュボードを開くと、連携しているアプリのリストが表示されます。ここで特に注目すべきは以下の項目です。

  • アプリ名: どのようなアプリが利用されているか。
  • ユーザー数: そのアプリを何人の社員が利用しているか。ユーザー数が多いアプリは、業務への影響度が大きい可能性があります。
  • リクエストされたサービス: アプリがどのGoogle Workspaceデータ(Gmail, Drive, Calendarなど)へのアクセスを要求しているか。特に「Google ドライブ」や「Gmail」へのアクセス権を持つアプリは、慎重な確認が必要です。

リストの上部にあるフィルタ機能を使えば、「ユーザー数が多い順」に並べ替えたり、特定のサービスへアクセスするアプリだけを絞り込んだりできます。この機能を使って、まずは「利用者が多いにもかかわらず、IT部門が把握していないアプリ」や「機密情報へのアクセス権を持つ未知のアプリ」がないかを確認しましょう。この可視化のプロセスは、社員を罰するためではなく、彼らがどんなツールを業務に必要としているかを理解し、より安全なIT環境を構築するための第一歩と捉えることが重要です。

ステップ2:アプリのアクセス権を「信頼/制限/ブロック」で制御する

利用実態を把握したら、次はいよいよ各アプリへのアクセス権を制御していきます。Google Workspaceでは、アプリごとに3段階のアクセスレベルを設定できます。これにより、「すべて禁止」か「すべて許可」かという極端な選択ではなく、リスクと利便性のバランスを取った柔軟な管理が可能になります。

3つのアクセスレベルを理解する

  • 信頼済み(Trusted): IT部門が安全性を確認し、公式に利用を許可するアプリに設定します。このアプリは、要求するすべてのGoogleサービスへのアクセスが許可されます。会社の標準ツールなどがこれに該当します。
  • 制限付き(Limited): 業務での利用は認めるものの、一部の機密情報へのアクセスは制限したいアプリに設定します。この設定にすると、GmailやGoogleドライブといった特にリスクの高いサービスへのアクセスがブロックされます。一部の便利ツールや補助的なアプリに適しています。
  • ブロック済み(Blocked): セキュリティ上の懸念がある、会社のポリシーに反するなど、利用を一切許可しないアプリに設定します。ユーザーはこのアプリでGoogleアカウント認証を行うことができなくなります。

アクセスレベルの変更手順

  1. 「サードパーティ製アプリアクセスを管理」のリストから、設定を変更したいアプリにカーソルを合わせます。
  2. 右側に表示される「アクセスを変更」をクリックします。
  3. 「信頼済み」「制限付き」「ブロック済み」の中から、適用したいアクセスレベルを選択し、「変更」をクリックします。

運用のベストプラクティスとして、まずは未確認のアプリをすべて「制限付き」に設定することをおすすめします。いきなり「ブロック」すると、社員の業務に支障をきたし、現場の混乱を招く可能性があるからです。「制限付き」に設定した上で、アプリの利用者や提供元を確認し、正式に「信頼」するのか、あるいは「ブロック」するのかを判断していくのがスムーズです。このプロセスを通じて、組織としてのアプリ利用ルールを明確にしていきましょう。

運用のコツ:継続的な管理とルールの設定で形骸化を防ぐ

サードパーティ製アプリのアクセス制御は、一度設定して終わりではありません。新しいアプリは次々と登場するため、セキュリティを維持するには継続的な管理が不可欠です。ここでは、アクセス制御を形骸化させないための運用上のコツをいくつか紹介します。

デフォルト設定でリスクを未然に防ぐ

「API の制御」の設定画面では、「未設定のサードパーティ製アプリ」に対するデフォルトの動作を決めることができます。デフォルトを「制限付きアクセスを許可」に設定しておくことで、今後社員が新しいアプリを認証しても、自動的に機密情報へのアクセスがブロックされるため、未知のリスクを低減できます。これは非常に効果的な予防策です。

定期的な棚卸しとレビュー

四半期に一度、あるいは半年に一度など、定期的に「サードパーティ製アプリアクセスを管理」のダッシュボードを確認する日を設けましょう。新たに出現したアプリはないか、利用者が急増しているアプリはないかなどをチェックし、必要に応じてアクセスレベルを見直します。この地道な作業が、長期的なセキュリティ維持に繋がります。

社員からの申請フローを確立する

シャドーITが生まれる背景には、「使いたいアプリがあるのに、会社に申請する手続きが面倒・存在しない」という問題があります。IT部門は、新しいアプリの利用を希望する社員からの申請を受け付けるシンプルなフローを構築・周知すべきです。これにより、シャドーITを可視化し、安全性を評価した上で許可する「ポジティブなサイクル」を生み出すことができます。

このような高度なセキュリティ管理や運用は、Google Workspaceの強みの一つです。特にBusiness Standardプラン以上では、より多くの管理機能が提供され、組織の規模やセキュリティ要件に応じた柔軟な対応が可能になります。セキュリティと生産性の両立を目指すなら、プランのアップグレードも有効な選択肢となるでしょう。

まとめ:積極的なアプリ管理で、安全と生産性を両立する未来へ

本記事では、Google Workspaceの「サードパーティ製アプリアクセス制御」機能を使って、社内のシャドーITを可視化し、管理する方法を解説しました。この機能は、単にアプリを禁止するためのものではありません。社員のニーズを理解し、リスクを管理しながら、安全な形で生産性向上ツールを活用していくための羅針盤となるものです。

まずは一度、貴社の管理コンソールを覗いてみてください。そこから、より安全で効率的な働き方への第一歩が始まります。

さらに、これからGoogle Workspaceの導入やプランの見直しを検討している方は、少しでもコストを抑えたいとお考えではないでしょうか。当サイトでは、お得に契約できるプロモーションコードを配布しています。詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご活用ください。

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セキュリティを強化し、組織の生産性を最大化するために、ぜひGoogle Workspaceの導入・アップグレードをご検討ください。特にBusiness Standard以上のプランでは、本記事で紹介したような高度なセキュリティ機能が利用でき、安心してビジネスを成長させることができます。