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Google for Nonprofits|NPO法人が無料で使える申請手順【2026年版】

NPO法人や非営利団体を運営する上で、限られた予算と人員でいかに活動を効率化し、社会的なインパクトを最大化するかは常に大きな課題ですよね。日々のコミュニケーション、情報共有、イベント運営、支援者との関係構築…もっとスムーズに行うためのITツールは欲しいけれど、コストが大きな壁になっている、と感じている団体様も多いのではないでしょうか。

そんな日本の非営利団体のためにGoogleが提供している強力な支援プログラムが「Google for Nonprofits」です。このプログラムを活用すれば、Google Workspaceの主要機能を無償で利用でき、年間数十万円規模のITコストを本来のミッション達成に振り向けられます。

この記事のポイント(2026年4月時点)

  • Google for NonprofitsはNPO法人・公益法人・社会福祉法人などが対象で、TechSoup Japanの認証を経て申請する
  • 無償版Google Workspace for Nonprofitsには、Gemini AIアシスタント・AppSheet Core・100TB共有ストレージが含まれる
  • 申請から利用開始までの目安はTechSoup認証で数日〜4週間、Google審査で3営業日〜2週間
  • 有償プランは無料版に加え、Business Standardで75%以上、Business Plusで72%以上の特別割引が適用される
  • Google Ad Grants(月最大1万米ドルの広告枠)やYouTube Nonprofit Programもセットで利用可能

【最重要注意点】本記事の情報は2026年4月時点のものです。Google for Nonprofitsの対象条件、提供サービス、申請プロセスは変更される可能性があります。最新情報はGoogle for Nonprofits 公式サイトおよび国内認定パートナーTechSoup Japanのサイトで必ずご確認ください。

Google for Nonprofitsとは?非営利団体向けの強力な支援プログラム

Google for Nonprofitsとは、資格要件を満たす非営利団体に対してGoogleの有料ツールを無償または特別割引で提供する社会貢献プログラムです。2014年7月に日本でも提供が開始され、その後、対象法人格は段階的に拡大されてきました。

このプログラムを活用することで、団体はITコストを大幅に削減し、その分のリソースを本来のミッション達成のために投下できます。私が支援してきた団体の中には、年間60万円以上のSaaS関連費用を削減し、その予算を新規事業の立ち上げに充てた事例もあります。

主に提供されるツール(2026年4月時点)

  • Google Workspace for Nonprofits:Gmail、カレンダー、ドライブ、Meet、Chatに加え、Gemini AIアシスタント、AppSheet Coreまでを含む統合型クラウドツール。多くの機能が無償で利用可能
  • Google Ad Grants:Google検索広告を毎月最大1万米ドル分、無料で利用できる広告プログラム
  • YouTube Nonprofit Program:YouTubeチャンネル上で寄付カードを表示したり、視聴者と繋がりやすくするための特典機能を利用できる
  • Google Earth / Google Maps Platform:地図情報を活用して活動内容を視覚的に伝えたり、支援者との繋がりをマッピングできる(クレジット付与形式)

対象となる団体の条件|日本のNPOが申請できる5つの法人格

Google for Nonprofitsを利用するには、GoogleのパートナーであるTechSoup Japanによって非営利団体として認定される必要があります。日本でTechSoup Japan経由の認証対象となる主な法人格は以下の5種類です。

  • 特定非営利活動法人(NPO法人)
  • 公益社団法人
  • 公益財団法人
  • 社会福祉法人
  • 非営利型一般社団法人・一般財団法人

2014年7月の日本でのプログラム開始当初はNPO法人と公益法人が中心でしたが、その後、非営利型の一般社団法人・財団法人まで対象が拡大されています。

対象外となる団体

  • 政府機関、自治体
  • 病院、医療機関(医療法人)
  • 学校・大学などの教育機関(こちらは別途Google for Educationが用意されています)
  • 政治団体、宗教団体
  • 営利法人(株式会社・合同会社など)
  • 法人格のない任意団体・個人事業主

注意:自団体が対象になるかは、必ずGoogle for Nonprofitsの資格要件ページとTechSoup Japanのサイトでご確認ください。

プラン別スペック比較表|どのプランが自団体に合う?

Google Workspace for Nonprofitsには、無償版と3つの割引対象プランがあります。組織規模や必要機能で適切なプランは変わるため、申請前に比較しておきましょう。

項目Workspace for Nonprofits(無料版)Business StandardBusiness PlusEnterprise Standard / Plus
料金完全無償通常価格から75%以上割引通常価格から72%以上割引特別割引あり
ストレージ組織全体で100TB共有2TB/ユーザー5TB/ユーザー5TB〜(必要に応じ拡張可)
Meet参加上限最大100人(一部条件で150人)150人+録画機能500人+出席状況追跡1,000人+ライブ配信
Gemini AIアシスタント○(エンタープライズ級データ保護付き)○(高度な機能あり)
AppSheet Core○(Plusはさらに上位機能)
S/MIME暗号化・電子情報開示××一部対応○(Vault含むフル対応)
ユーザー数上限最大2,000人最大2,000人最大2,000人無制限

多くのNPO・非営利団体は、まず無料版でスタートし、録画機能や大規模オンラインイベントが必要になった段階でBusiness Standard以上にアップグレードするのが現実的です。私が支援した中規模NPO(職員25名)では、無料版で1年間運用したのち、年次総会のオンライン録画配信のためにBusiness Standardへ移行しています。

Google Workspace for Nonprofitsでできること|2026年最新の搭載機能

このプログラムの最大の魅力は、なんといってもGoogle Workspace for Nonprofitsが無償で利用できる点です。一般企業が有料で利用している以下のような機能が、追加費用なしで使えます。

  • 独自ドメインのメールアドレス:info@your-npo.org のような団体ドメインのメールアドレスが利用でき、信頼性が格段に向上する
  • 100TBの共有ストレージ:組織全体で100TBのGoogleドライブが提供され、活動記録、写真、資料などを安全に保管・共有可能
  • Gemini AIアシスタント:エンタープライズ級データ保護付きで、Gmailの返信下書き、ドキュメントの要約、スプレッドシートの分析支援などをAIが補助
  • AppSheet Core(ノーコードアプリ開発):プログラミング不要でボランティア管理アプリやイベント受付アプリを内製化できる
  • チームでの共同作業ツール:Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドのリアルタイム共同編集、Google Meetでのオンライン会議、Google Chatでのチームコミュニケーション
  • 管理コンソール:管理者がユーザーアカウントやセキュリティを一元管理
  • 共有ドライブ:チームや部署でファイルを一元管理。担当者の変更があってもスムーズな引き継ぎが可能

特に2024年以降に標準搭載されたGemini AIアシスタントは、限られた人員で運営されるNPOにとって「もう一人のスタッフ」とも言える存在です。助成金申請書の下書き、活動報告書の要約、英文の寄付者対応メール作成など、これまで時間がかかっていた業務を大幅に短縮できます。

Google for Nonprofits 申し込みの流れ|新規・既存Workspaceの2フローを解説

申請はTechSoup Japan認証→Google for Nonprofits申請→各サービスの有効化、という3ステップが基本です。さらに、現在の利用状況により「新規でWorkspaceを使い始める場合」「既に有料Workspaceを使っていてNPO向けに切り替える場合」の2フローに分岐します。

ステップ1|TechSoup Japanへの団体登録と認証

まずTechSoup JapanのWebサイトで団体登録を行います。登記簿謄本や定款などの団体情報が必要です。登録後、TechSoup Japanが団体の非営利活動法人格を認証します。

所要期間の目安:数日〜4週間程度(書類不備があれば再提出が必要)。日本語で完結するため、英語に不慣れな担当者でも安心して進められます。

ステップ2|Google for Nonprofitsへの申請

TechSoup Japanによる認証が完了すると、団体の認証(バリデーション)トークンが発行されます。そのトークンを使って、Google for Nonprofits公式サイトから申請します。

Google側の審査期間の目安:3営業日〜2週間程度。承認・却下はメールで通知され、進捗はGoogle for Nonprofitsダッシュボードでも確認可能です。

ステップ3A|【新規】Google Workspaceの有効化

  1. 独自ドメインを取得(お名前.com、ムームードメインなど国内レジストラで年間1,000〜3,000円程度)
  2. Google Workspaceの14日間無料トライアルにサインアップ
  3. 管理コンソールでドメイン所有権の確認(指定されたTXTレコードをDNSに登録)
  4. MXレコードをGoogleの5つのメールサーバー(ASPMX.L.GOOGLE.COM 他)に変更
  5. DNS反映には最大72時間かかる場合があるため、業務時間外の作業がおすすめ
  6. Google for Nonprofitsダッシュボードから「Workspace for Nonprofits」を選択し、無償化を申請

ステップ3B|【既存Workspace利用中】NPO向けへの切り替え

  1. 既に有料のGoogle Workspaceを契約している場合は、ダッシュボードから既存契約のドメインを紐付け
  2. Googleによる照合審査を受ける(通常3営業日以内)
  3. 承認後、自動的に無償版または割引対象プランに切り替わる
  4. 支払い情報は維持されるが、無償版に移行した場合は請求が発生しなくなる

ドメイン取得・DNS設定の詳細手順は、過去記事の社名変更時のメインドメイン変更ガイドも参考になります(DNS設定の考え方は新規取得時にも応用できます)。

NPO法人・非営利団体でのGoogle Workspace活用事例

  • 信頼性の向上と窓口の一本化:独自ドメインメール(例:info@、support@、event@)を使い分けることで外部からの信頼性を高め、問い合わせ窓口を整理
  • ボランティア・スタッフ管理:Googleグループでボランティア用メーリングリストを作成。共有カレンダーでイベントスケジュールやスタッフのシフトを管理
  • 活動報告書や助成金申請書の共同作成:Googleドキュメントやスプレッドシートで、複数メンバーが同時に編集。コメント機能でフィードバックもスムーズ
  • ナレッジ共有と引き継ぎの円滑化:共有ドライブに活動記録、マニュアル、過去のイベント資料を蓄積。Googleサイトで会員向けポータルを作成
  • オンラインでの会議・イベント運営:Google Meetで理事会やスタッフミーティング、支援者向けオンライン報告会を低コストで実施
  • 参加申込・アンケートの効率化:Googleフォームでイベント参加申込やボランティア登録、アンケートを簡単に作成・集計
  • 勤怠・出退勤管理:Googleフォーム×スプレッドシートで職員・常勤ボランティアの勤怠を記録(詳しくはGoogle Workspaceで勤怠管理を無料で仕組み化する方法を参照)

申請前に確認しておくべき注意点・制限事項

  • ユーザー数2,000人上限:無料版・Business各プランは最大2,000ユーザー。これを超える大規模団体はEnterprise Standard/Plus(無制限)への移行が必要
  • 法人格要件:NPO法人・公益法人・社会福祉法人・非営利型一般社団/財団法人のみ対象。任意団体や営利法人は対象外
  • プロモーション期間限定の追加機能:Geminiの一部新機能やストレージ拡張は、プロモーション期間中の特典として提供されることがあるため、最新の特典内容は公式サイトで確認
  • 競合プログラムとの使い分け:Microsoftも「Microsoft 365 for Nonprofits」を提供しており、Office文書中心の業務やTeams会議が中心の団体ではそちらが適している場合もある。Google MeetやAppSheet、Gemini中心ならGoogleが優位
  • SLA(稼働率99.9%)の理解:無償版でも基本的なSLAは適用されるが、業務影響を最小化するための備えは必要。詳細はGoogle WorkspaceのSLA徹底解説を参考にしてください

よくある質問(FAQ)

Q1. 申請から利用開始までどれくらいかかりますか?

TechSoup Japanの認証に数日〜4週間、Google for Nonprofits側の審査に3営業日〜2週間が目安です。Workspace有効化後の利用開始までは、トータルで最短1週間、長い場合は1〜2ヶ月程度を見ておくと安全です。承認・却下はメールで通知され、進捗はGoogle for Nonprofitsダッシュボードで確認できます。

Q2. 既存のGoogle WorkspaceアカウントからNPO向けに切り替えられますか?

可能です。TechSoup Japanの認証取得後、Google for Nonprofitsダッシュボードから既存ドメインを紐付けて申請します。承認後は無償版または特別割引価格のプランへ自動的に切り替わり、メールアドレスやファイルなど既存データはそのまま保持されます。

Q3. 個人で運営するNPOや任意団体でも申請できますか?

申請できません。日本では法人格を持つNPO法人・公益法人・社会福祉法人・非営利型一般社団法人/財団法人のみが対象です。任意団体や個人事業主、未登記の市民活動団体は対象外となるため、まずは法人化を検討する必要があります。

Q4. 申請手続きは英語が必要ですか?

TechSoup Japanは日本語で完結します。Google for Nonprofitsの申請画面の一部に英語表記が残るケースがありますが、入力内容は団体名や担当者名など定型情報がほとんどで、英語に不慣れな担当者でも問題なく進められます。

Q5. ユーザー数が2,000人を超える場合はどうなりますか?

無料版およびBusiness系プランの上限は2,000ユーザーです。これを超える大規模団体は、Enterprise Standard / Plus(ユーザー数無制限)へのアップグレードが必要になります。Enterpriseプランも非営利向け特別割引の対象となるため、通常価格より大幅に抑えて導入できます。

Q6. 申請が却下された場合の対処法は?

却下理由として多いのは「登記情報と申請内容の不一致」「対象外の団体種別」「申請フォームの記載ミス」です。却下メールには理由が記載されているため、内容を修正したうえでTechSoup Japan経由で再申請が可能です。判断に迷う場合は、TechSoup JapanサポートまたはGoogle for Nonprofitsヘルプセンターへ問い合わせましょう。

【私の視点】NPOがGoogle for Nonprofitsを最大限活かすためのポイント

この素晴らしいプログラムを、ただ導入するだけでなく活動の力に変えるために、私がいつもお伝えしているポイントです。

  • まずは「独自ドメインメール」と「共有ドライブ」の整備から:この二つを整備するだけでも、組織としての信頼性向上と、情報資産の適切な管理という大きな効果が得られる。これが全ての基本
  • Geminiを「もう一人のスタッフ」として活用する:助成金申請書の下書き、活動報告書の要約、寄付者対応メールの英訳など、これまで時間がかかっていた業務を大幅に短縮できる
  • ボランティアメンバーとの連携にフル活用する:共有カレンダーで活動日を知らせたり、Googleグループで連絡網を作ったり、共有ドライブで資料を共有したりと、ボランティアが活動に参加しやすくなる情報共有基盤を整える
  • Googleフォームは最強の事務局員と心得よ:イベント申込、ボランティア登録、アンケートなど、これまで電話やメール、紙で受け付けていたものをGoogleフォームに置き換える。集計の手間がゼロになる
  • 忘れずに「Google Ad Grants」も申請する:月最大1万米ドル分の広告費が使えるAd Grantsは、団体の認知度向上、支援者や寄付の獲得に絶大な威力を発揮する

私がお手伝いしたあるNPO法人様では、Google for Nonprofitsを導入し、Googleフォームでボランティア登録を自動化したことで担当者の事務作業が週に5時間以上削減され、その時間を本来の活動である支援者とのコミュニケーションに充てられるようになったと、大変喜ばれていました。

まとめ|Google for Nonprofitsで団体のミッション達成を加速させよう

Google for Nonprofitsは、限られたリソースで社会的なミッションの達成を目指す非営利団体にとって、まさに救世主とも言えるプログラムです。ITインフラにかかるコストと手間を大幅に削減し、組織のコミュニケーションとコラボレーションを活性化させ、より多くのリソースを本来の活動に集中させることを可能にします。

2026年4月時点では、無料版でもGemini AIアシスタントやAppSheet Coreなど、エンタープライズ級の最新機能が利用できる非常に手厚い内容です。もしあなたの団体が対象となる可能性があれば、申請しない手はありません。

なお、Google for Nonprofitsは素晴らしいプログラムですが、全ての団体が対象となるわけではありません。NPOを支援する中小企業や個人事業主の方も多いでしょう。

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この記事が、日本で活動する多くの非営利団体の皆様、そしてそれを支える方々の一助となれば幸いです。