「もう10月も終わりか…今年も確定申告の時期が近づいてきたな」。
個人事業主やフリーランスの多くの方が、年末が近づくにつれてこのように感じているのではないでしょうか。
溜まった領収書の山を前に、「今年こそは会計ソフトを導入しよう」と思っていたのに、気づけば秋。
「今から導入しても、結局1年分入力するなら同じことでは?」「年の途中からなんて、やり方が複雑で難しそう…」と諦めかけていませんか。
ご安心ください。
クラウド会計ソフトは、10月からでも、いえ、たとえ12月からでも、始めるのに遅すぎるということは全くありません。
むしろ、年の途中から始めることで、来年の確定申告を驚くほどスムーズに進めることができるのです。
この記事では、年の途中からクラウド会計ソフトを導入し、賢く確定申告の準備を進めるための具体的な手順を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
(※この記事は2025年12月時点の情報にもとづいて執筆しています)
なぜ年の途中からでもクラウド会計ソフトを導入すべきなのか?
年末まで残り数ヶ月というタイミングで新しいことを始めるのは、少し億劫に感じるかもしれません。しかし、この時期だからこそクラウド会計ソフトを導入するメリットは非常に大きいのです。ここでは、主な3つの理由を解説します。
理由1:確定申告時期の絶望的な作業量を劇的に削減できる
最大のメリットは、なんといっても確定申告時期の負担を大幅に軽減できることです。毎年2月〜3月になると、1年分の領収書や請求書をかき集め、Excelに打ち込み、夜な夜な計算作業に追われる…そんな経験はありませんか?クラウド会計ソフトを導入すれば、その悪夢のような日々から解放されます。
銀行口座やクレジットカードを連携すれば、取引データは自動で取り込まれ、AIが勘定科目を提案してくれます。あなたがやるべきことは、その内容を確認して登録ボタンを押すだけ。特にマネーフォワード クラウド確定申告のような人気のソフトは、スマホアプリでレシートを撮影するだけで経費が登録できる機能もあり、隙間時間で帳簿付けを進められます。10月から始めれば、少なくとも10月以降の取引はリアルタイムで処理できます。残りの9ヶ月分も、年末までの2ヶ月間で計画的に片付ければ、確定申告直前のパニックを防ぐことができるのです。
理由2:リアルタイムでの経営状況の把握が可能になる
確定申告は年に一度ですが、事業は毎日続いています。Excelでの管理だと、「結局、今月はどれくらい利益が出ているんだろう?」「経費を使いすぎていないか?」といった経営状況を正確に把握するのは困難です。しかし、クラウド会計ソフトを導入すれば、売上や経費が自動でグラフ化され、いつでもリアルタイムで自社の経営状況を可視化できます。
「今月は利益が順調だから、来たる繁忙期に備えて新しい機材に投資しよう」「思ったより経費がかさんでいるから、少し引き締めよう」といった経営判断が、データに基づいて的確に行えるようになります。これは、どんぶり勘定からの脱却を意味し、事業をより安定的に成長させるための重要な一歩です。また、年間の利益予測が立てやすくなるため、「ふるさと納税」や「iDeCo」といった節税対策を検討する際にも、具体的な金額のシミュレーションがしやすくなるという副次的なメリットもあります。
理由3:正しい帳簿付けの習慣が身につく
「後でまとめてやろう」は、挫折の元です。年の途中からであっても、クラウド会計ソフトを使い始めることで、日々の取引をこまめに処理する「帳簿付けの習慣」が自然と身につきます。最初は過去分の入力で大変かもしれませんが、それが終われば、あとは毎日・毎週のルーティン作業になります。
例えば、「毎週月曜の朝は、先週分の経費をチェックする時間」と決めてしまえば、作業は15分もかからずに終わるでしょう。この小さな習慣の積み重ねが、結果的に年末の大きな負担をなくし、あなたの大切な時間を事業そのものやプライベートな活動に使うことを可能にしてくれるのです。年の途中というタイミングは、過去の大変さを実感しつつ、未来の楽な仕組みを作るための、まさに絶好の機会と言えるでしょう。
【4ステップ】年の途中からクラウド会計ソフトを始める具体的な手順
「メリットは分かったけれど、具体的にどうすればいいの?」という方のために、ここからは実践的な手順を4つのステップに分けて解説します。一つひとつ進めていけば、誰でも簡単かつ正確に帳簿付けをスタートできます。
ステップ1:自分に合ったクラウド会計ソフトを選ぶ
まずは、あなたの相棒となるクラウド会計ソフトを選びましょう。個人事業主向けには様々なソフトがありますが、特に初心者の方におすすめなのがマネーフォワード クラウド確定申告です。利用者が多く、操作で分からないことがあってもインターネットで検索すればすぐに解決策が見つかる安心感があります。また、銀行口座やクレジットカードとの連携数が豊富で、自動化の恩恵を最大限に受けられるのが強みです。
多くのソフトには無料のお試し期間や、機能が制限された無料プランが用意されています。まずは無料プランで実際に操作感を試してみて、自分に合っているか確認してから本格的に導入するのが失敗しないコツです。
ステップ2:事業の基本情報と「期首残高」を設定する
ソフトを選んだら、次に初期設定を行います。屋号や住所などの基本情報を入力した後、少し難しく感じるのが「期首残高」の設定です。
期首残高とは、簡単に言うと「その年の1月1日時点で、事業用に使っていたお金がいくらあったか」を登録する作業です。例えば、以下のような資産が対象になります。
- 事業用の銀行口座の残高
- 手元にある事業用の現金(お財布とは別の、事業用の金庫などに入っているお金)
- 売掛金(まだ入金されていない売上)
- 前払金(先に支払った経費)
例えば、2025年1月1日時点で、A銀行の事業用口座に50万円、手許現金として10万円があった場合、それぞれの残高を登録します。この設定を正確に行うことで、年間の正しいお金の流れを計算できるようになります。「去年の確定申告書」や「1月1日時点の通帳のコピー」を手元に用意すると、スムーズに入力できます。
ステップ3:1月1日から現在までの取引をまとめて入力する
ここが一番の頑張りどころです。年度の初め(1月1日)から、ソフトを使い始めた現在(10月)までの取引データをすべて入力していきます。気が遠くなるように感じるかもしれませんが、クラウド会計ソフトの機能を活用すれば、効率的に進められます。
- 金融機関やクレジットカードを連携する
これが最も強力な機能です。あなたが使っている事業用の銀行口座(ネットバンク含む)やクレジットカードをソフトに連携させましょう。連携が完了すると、過去の取引明細が自動で一括取得されます。手入力する手間が省け、入力ミスも防げるため、まずはこの作業から着手してください。 - 取得した明細を勘定科目に振り分ける
自動取得された明細は、「未処理」の状態でリストアップされます。ソフトが「この取引は『消耗品費』ではありませんか?」といったように勘定科目を推測してくれるので、内容を確認し、問題なければ登録します。同じ取引先からの入出金は、次回から自動で同じ勘定科目に登録するルールも作れるため、作業すればするほど未来の自分が楽になります。 - 現金取引など、連携できないものを手入力する
連携機能でカバーできないのは、主に現金での支払いです。手元にある領収書やレシートを見ながら、日付、金額、取引先、勘定科目を一つひとつ入力していきます。スマホアプリのレシート撮影機能を使えば、入力の手間を大幅に削減できます。
【独自の視点】
この作業で完璧を目指す必要はありません。特に最初の年は「8割できれば上出来」くらいの気持ちで臨みましょう。細かな勘定科目の違いよりも、まずは「売上」と「経費」を漏れなく入力することが重要です。もし間違えても後から修正は簡単にできるので、まずは全体の入力を終わらせることを目標に、気楽に取り組んでみてください。
ステップ4:10月以降の取引はリアルタイムで入力する
過去の入力が終われば、山は越えました。あとは、日々の取引をこまめに入力していくだけです。レシートをもらったらその日のうちにスマホで撮影する、週末に1週間分の連携データを確認するなど、自分なりのルールを決めて習慣化しましょう。これを続けるだけで、来年の確定申告は驚くほど楽になっているはずです。
年の途中からの導入に関するQ&A
新しいことを始めるときは、不安や疑問がつきものです。ここでは、年の途中からクラウド会計ソフトを導入する際によくある質問とその解決策をまとめました。
Q1. 過去の領収書が大量にあって処理しきれるか不安です。
A1. とてもよく分かります。まずは、月ごとに領収書を分けることから始めましょう。そして、「今週は1月分を終わらせる」「次の週末で2月と3月をやる」というように、小さなゴールを設定してゲーム感覚で進めるのがおすすめです。また、先述の通り、マネーフォワード クラウド確定申告などのスマホアプリのレシート撮影機能は非常に強力です。テレビを見ながら、移動中の電車の中など、隙間時間を使って少しずつ撮影を進めるだけでも、作業量は着実に減っていきます。「完璧にやろう」と気負わず、コツコツ進めることが大切です。
Q2. 簿記の知識がなく、勘定科目が全く分かりません。
A2. 心配ありません。クラウド会計ソフトは、簿記初心者でも使えるように設計されています。金融機関から取得した取引明細の内容(例えば「〇〇スーパー」での支払い)から、「これは『消耗品費』ですね」とAIが自動で提案してくれます。ほとんどの場合、その提案に従うだけで問題ありません。
もし判断に迷うものがあれば、ソフト内のヘルプ機能で検索したり、「(買ったもの) 勘定科目」(例:「パソコン 勘定科目」)のようにインターネットで検索すれば、多くの場合は答えが見つかります。最初のうちは少し戸惑うかもしれませんが、何度か処理するうちにパターンが分かってきて、スムーズに判断できるようになります。
Q3. どのクラウド会計ソフトが本当に自分に合っているのか分かりません。
A3. クラウド会計ソフトにはそれぞれ特徴があり、迷ってしまうのは当然です。もしあなたが「とにかく多くの人が使っている定番のソフトで安心して始めたい」「銀行連携や自動化の機能をフル活用して、できるだけ手間を省きたい」と考えているなら、「マネーフォワード クラウド確定申告」は非常に有力な選択肢です。
しかし、最終的にはあなたの事業内容やITリテラシー、予算によって最適なソフトは異なります。各ソフトのより詳しい機能や料金プラン、実際のユーザーの評判などを比較検討したい場合は、【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説の記事で網羅的に解説しています。この記事を読めば、各ソフトの違いが明確になり、あなたにとってのベストな選択ができるはずです。ぜひ一度、ご覧になってみてください。
まとめ:思い立ったが吉日。今日から始めて来年の確定申告を楽にしよう
年の途中である10月からクラウド会計ソフトを導入することは、決して手遅れなどではなく、むしろ来年の確定申告を劇的に楽にするための賢い選択です。過去の取引入力という最初のハードルさえ越えてしまえば、あとは日々の簡単な作業だけで、正確な帳簿が自動的に作成されていきます。
手作業での集計や計算ミスへの不安から解放され、リアルタイムで経営状況を把握できるメリットは、あなたの事業にとって大きなプラスとなるでしょう。「もっと早く始めておけばよかった」と、来年の今頃、あなたはきっと感じているはずです。
この記事を読んで「自分にもできそう」と感じたら、ぜひ今日、この瞬間から第一歩を踏み出してみましょう。まずはマネーフォワード クラウド確定申告の無料プランに登録し、その便利な機能を体験してみることをお勧めします。詳しい使い方や設定方法に不安がある方は、当サイトの完全ガイド記事があなたの強力なサポーターになります。
来年の春、あなたが余裕を持って確定申告を終え、晴れやかな気持ちで桜を眺められることを心から願っています。
