個人事業主やフリーランスの皆さん、毎日の経理作業、特に経費管理に頭を悩ませていませんか。
特に、事業用の口座として楽天銀行、クレジットカードとして楽天カードを活用している方は多いのではないでしょうか。
これらのサービスは非常に便利ですが、いざ会計ソフトと連携させると「仕訳が二重に登録されてしまう」という思わぬ落とし穴があります。
「気づいたら同じ経費が2回計上されていて、修正するのが大変…」そんな経験、ありませんか。
この記事では、多くの方が利用する会計ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」を使い、楽天銀行と楽天カードを連携した際に発生する重複仕訳を未然に防ぐための、具体的で正しい設定方法を徹底的に解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたは面倒な修正作業から解放され、経理業務を劇的に効率化する第一歩を踏み出せるはずです。
なぜ楽天銀行と楽天カードの連携で仕訳が重複するのか?
マネーフォワードに楽天銀行と楽天カードを連携させると、なぜ仕訳が重複してしまうのでしょうか。まずは、その根本的な原因と仕組みを理解することから始めましょう。この現象は、データの取得タイミングが異なる2つの取引情報が、それぞれ別々にマネーフォワードに取り込まれることで発生します。
原因は「カード利用明細」と「銀行の引落履歴」の2つのデータ
問題の核心は、マネーフォワードが2種類の異なるデータを取得している点にあります。
- 楽天カードの利用明細データ: あなたがお店やオンラインで楽天カードを使って支払いをした時点の取引情報です。例えば、「12月5日に備品を10,000円で購入した」というデータがこれにあたります。これが本来、経費として計上すべき取引です。
- 楽天銀行の引落履歴データ: 後日、楽天カードの利用代金が、指定口座である楽天銀行から引き落とされた際の取引情報です。例えば、「1月27日に楽天カード株式会社から10,000円が引き落とされた」というデータがこれにあたります。
マネーフォワードは初期設定のままだと、この両方のデータを「支出」として自動で取り込んでしまいます。その結果、同じ10,000円の備品購入に対して、「カード利用時の支出」と「銀行引落時の支出」という2つの仕訳が作成され、経費が二重に計上されてしまうのです。
重複仕訳を放置するリスクとは?
「仕訳が重複しても、気づいたときに直せばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、この問題を軽視すると、後々大きな手間やリスクにつながる可能性があります。
まず、最も大きなリスクは経費の過大計上です。経費を実際よりも多く計上してしまうと、利益が不当に少なくなり、結果として所得税を少なく納めることになります。これは意図せずとも脱税と見なされる可能性があり、税務調査などで指摘された場合、追徴課税や延滞税といったペナルティが課される恐れがあります。
また、期末や確定申告の直前になって大量の重複仕訳に気づいた場合、一つひとつ手作業で修正するのは膨大な時間と労力を要します。数百、数千の取引の中から重複しているものを探し出し、片方を削除または修正する作業は、まさに悪夢です。個人事業主にとって最も貴重なリソースである「時間」を、本来不要な作業に奪われてしまうのは非常にもったいないことです。
このようなリスクを回避し、貴重な時間を本業に集中させるためにも、最初の段階で正しい設定を行っておくことが極めて重要なのです。
【実践】マネーフォワードでの重複しない楽天カード・楽天銀行の正しい連携設定手順
それでは、実際にマネーフォワード上で重複仕訳を防ぐための設定方法を、ステップ・バイ・ステップで見ていきましょう。この設定は一度行ってしまえば、その後はずっと自動で処理してくれるため、最初に少しだけ時間をかける価値は十分にあります。
※本記事は2025年12月時点の情報を基に作成しています。
そもそも「マネーフォワード クラウド確定申告」がどのようなサービスかよく知らない、という方は、まず全体像を把握することをお勧めします。以下のガイド記事では、機能や料金、実際のユーザーの評判まで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▶ 【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説
ステップ1:マネーフォワードに楽天銀行と楽天カードを連携する
まずは基本となる、金融機関の連携です。マネーフォワードにログインし、「データ連携」メニューから「新規登録」を選択します。「楽天銀行」「楽天カード」をそれぞれ検索し、画面の指示に従ってIDやパスワードを入力して連携を完了させます。この時点ではまだ特別な設定は不要です。すでに連携済みの方は、このステップは飛ばして問題ありません。
ステップ2:楽天カードの「振替元口座」を設定する
次に、マネーフォワード上で楽天カードの利用代金がどの口座から引き落とされるのかを紐付けます。
- 左メニューの「データ連携」>「登録済み一覧」を開きます。
- 連携済みリストの中から「楽天カード」を見つけ、設定ボタン(歯車マークなど)をクリックします。
- 設定画面の中に「振替元口座」という項目がありますので、ここで連携済みの「楽天銀行」を選択します。
- 設定を保存します。
この設定により、マネーフォワードは「楽天カードの引き落としは楽天銀行から行われる」と認識するようになります。
ステップ3:「口座振替の仕訳を自動作成しない」設定を有効にする
ここが最も重要なポイントです。楽天銀行側で取得した「楽天カードの引落履歴」が、自動で仕訳されないように設定します。
- ステップ2と同様に、「登録済み一覧」から今度は「楽天銀行」の設定画面を開きます。
- 設定項目の中に、「クレジットカード引き落とし時の仕訳作成」といった項目があります。(文言は若干変更される可能性があります)
- その中にある「仕訳を自動作成しない」という選択肢にチェックを入れます。
- 設定を保存します。
この設定を行うことで、マネーフォワードは楽天銀行の取引履歴の中から「楽天カード株式会社からの引き落とし」を自動で識別し、その取引を仕訳の対象外として無視してくれるようになります。一方で、楽天カード側で取得した利用明細は通常通り仕訳候補として上がってくるため、経費の計上漏れも防げます。
たったこれだけの設定で、あなたは今後、楽天カードと楽天銀行の連携に関する重複仕訳の悩みから完全に解放されます。
重複を防ぐだけじゃない!マネーフォワードで経理を最大限効率化する3つのコツ
重複仕訳の問題を解決したら、次はマネーフォワードの機能をさらに活用して、経理業務を極限まで効率化していきましょう。ここでは、私が実際に試して効果が高かった3つのコツをご紹介します。
コツ1:勘定科目の「自動仕訳ルール」を徹底的にカスタマイズする
マネーフォワードには、取引の摘要(内容)に基づいて勘定科目を自動で推測してくれる機能がありますが、これを自分仕様にカスタマイズすることで、精度を飛躍的に向上させることができます。
例えば、「自動仕訳ルール」の設定画面で、以下のようなルールを作成します。
- 摘要に「AMAZON」が含まれていたら、勘定科目を「消耗品費」にする。
- 摘要に「JR東日本」が含まれていたら、勘定科目を「旅費交通費」にする。
- 摘要に「〇〇スーパー」が含まれていたら、勘定科目を「雑費」にする。
このように、頻繁に利用する店舗やサービスをルール登録しておくことで、手動で勘定科目を選ぶ手間がほとんどなくなります。初めは少し面倒に感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば、将来の何十、何百という仕訳作業を自動化できる、非常に費用対効果の高い投資です。
コツ2:「家事按分」も簡単!事業とプライベートの支出が混在する場合の対処法
個人事業主の方の中には、事業用の楽天カードをプライベートの買い物にも使っているケースがあるかもしれません。そのような場合でも、マネーフォワードなら簡単に仕訳が可能です。
プライベートな支出の仕訳候補が上がってきたら、勘定科目を「事業主貸」に設定して登録します。これは、「事業用のお金(口座)から、事業主個人のお金を引き出した」という意味の勘定科目で、経費には計上されません。これにより、事業用の経費とプライベートな支出を明確に区別して管理することができます。
また、家賃や通信費のように、事業とプライベートの両方で利用している費用は「家事按分」機能を使うと便利です。設定画面で「家事按分」を選択し、「地代家賃 事業利用率60%」のように設定しておけば、毎月自動で按分計算された仕訳が作成されます。これも確定申告の手間を大幅に削減してくれる強力な機能です。
コツ3:レシート撮影機能(スマホアプリ)を併用して現金支出も管理
クレジットカードや銀行振込だけでなく、現金での支払いもまだまだ発生します。そんな時に活躍するのが、マネーフォワードのスマートフォンアプリに搭載されている「レシート撮影機能」です。
現金で支払った際のレシートをスマホのカメラで撮影するだけで、OCR(光学的文字認識)技術が日付、金額、店名などを自動で読み取り、データ化してくれます。読み取られたデータは、PC版と同じように仕訳候補として表示されるため、後は内容を確認して登録するだけ。財布の中にレシートが溜まっていくストレスや、紛失のリスクからも解放されます。
カードや電子マネーでのキャッシュレス決済と、現金決済時のレシート撮影を組み合わせることで、ほぼすべての事業支出をペーパーレスで、かつ網羅的に管理する体制を構築できます。
まとめ:正しい設定で経理を自動化し、本業に集中しよう
今回は、マネーフォワード クラウド確定申告で楽天銀行と楽天カードを連携した際に発生する「重複仕訳」の問題について、その原因から具体的な解決策、さらに一歩進んだ活用術までを解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 重複の原因は、「カード利用明細」と「銀行の引落履歴」が別々に取得されること。
- 解決策は、楽天銀行の連携設定で「口座振替の仕訳を自動作成しない」を有効にすること。
- 自動仕訳ルールの活用やレシート撮影機能の併用で、経理はさらに効率化できる。
面倒で複雑な経理作業は、賢くツールに任せて自動化するのが現代のスマートな事業運営です。正しい設定を行うことで、あなたは日々の記帳作業から解放され、事業の成長という最も重要な業務に集中するための貴重な時間とエネルギーを手に入れることができます。
今回ご紹介した便利な機能は、すべて「マネーフォワード クラウド確定申告」で利用できます。もしあなたがまだ手作業での経理に時間を使っているなら、それは非常にもったいないことかもしれません。まずは気軽に試せる無料プランから、その圧倒的な効率化を体験してみてはいかがでしょうか。
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