本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月2日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
グローバル化が進む現代のビジネスにおいて、言葉の壁は依然として大きな課題です。
特にアジア圏との取引や協業が増える中で、英語以外の言語でのコミュニケーションに苦労している方も多いのではないでしょうか。
Google Meetの強力な機能の一つである「翻訳字幕」に、新たな言語サポートが追加されました。
2025年12月2日、GoogleはGoogle Meetのリアルタイム翻訳字幕機能において、「広東語(Cantonese)」のサポートを開始したことを発表しました。
これにより、香港やマカオ、中国南部、そして世界中の華人コミュニティとのミーティングが、これまで以上にスムーズで理解しやすいものになります。
今回は、この新機能がどのようなメリットをもたらすのか、そして利用可能な条件について詳しく解説します。
何が変わるのか?広東語のリアルタイム翻訳が可能に
Google Meetの翻訳字幕機能は、発言者の言葉をリアルタイムで聞き取り、別の言語に翻訳して字幕表示する機能です。
今回のアップデートにより、この翻訳の「入力言語(話されている言葉)」または「出力言語(字幕として表示する言葉)」として、広東語が選べるようになりました。
具体的には、以下のようなシーンで活用できます。
広東語の話者との会議:
相手が広東語で話している内容を、リアルタイムで日本語(または英語など他の言語)の字幕として表示できます。相手の言葉をより正確に理解できるようになります。自分が広東語で情報を発信したい場合:
(逆のパターンとして)他の言語での発言を広東語の字幕として表示することも可能になり、広東語を母語とする参加者への理解を助けることができます。
なぜ「広東語」対応が重要なのか?
「中国語(北京語/Mandarin)」のサポートは以前からありましたが、広東語は発音や語彙が大きく異なり、北京語の翻訳機能では十分に対応できないケースがありました。
特に香港を中心としたビジネスシーンでは広東語が主要なコミュニケーション手段であることも多く、今回の対応はアジアビジネスにおけるラストワンマイルを埋める重要なアップデートと言えます。
メリットのポイント:
インクルーシブな会議環境の実現
言語の壁による疎外感を減らし、母語が異なるメンバーでも対等に議論に参加できる環境を作ります。誤解や聞き逃しの防止
特に複雑な商談や技術的な議論において、字幕による視覚的な補助があることで、理解度が格段に向上します。グローバル教育機関での活用
多言語環境にある大学や研究機関での講義・セミナーにおいても、留学生や研究者の理解を助けます。
どうやって使う?
この機能を利用するために、管理者やユーザーが特別な設定をする必要はありません。機能はすでに追加されています。
利用手順(会議中):
Google Meetの画面下部にある [字幕] アイコンをクリックして字幕をオンにします。
字幕の設定メニュー(または「設定」>「字幕」)を開きます。
[会議の使用言語] で「広東語」を選択するか、翻訳先の言語として選択します。
[字幕の言語] で、自分が読みたい言語(日本語など)を選択します。
展開スケジュールと対象エディション
展開スケジュール:
本機能は「Available now」、つまり即時利用可能です。
すでにお手元のGoogle Meet環境で選択肢に追加されているはずです。
利用可能なGoogle Workspaceエディション:
翻訳字幕機能自体が、一部の上位エディション向けの機能であるため、以下のプランをご利用のお客様が対象となります。
Business Standard
Business Plus
Enterprise Standard
Enterprise Plus
Google AI Pro for Education
※Business Starterや無料の個人アカウントでは、翻訳字幕機能(Translated Captions)自体が利用できない場合があるためご注意ください。
まとめ:言葉の壁をテクノロジーで越える
今回の広東語対応は、Google Meetが目指す「言語の壁のないコラボレーション」に向けた着実な一歩です。
アジア圏のパートナー企業との定例会議や、香港支社との連携など、もし広東語に触れる機会がある方は、ぜひ次回のミーティングでこの機能を試してみてください。
画面の下に流れる字幕が、あなたのビジネスを強力にサポートしてくれるはずです。
