info@やsupport@といった代表アドレスに届く大量のお問い合わせ。
「このメール、誰か対応したかな?」「Aさんが対応中だと思ったら、誰も手を付けていなかった…」そんなヒヤリハットを経験したことはありませんか。
顧客からの信頼を損ないかねないこれらの課題は、多くの企業にとって悩みの種です。
高価なヘルプデスク専用ツールを導入するのも一つの手ですが、コストや操作習熟のハードルは低くありません。
しかし、ご安心ください。
もしあなたの会社がGoogle Workspaceを導入しているなら、追加費用なしで、これらの問題を解決できる強力な機能がすでに備わっています。
それが「Googleグループ」の「共同トレイ」機能です。
この記事では、単なるメーリングリストだと思われがちなGoogleグループを、本格的な問い合わせ管理(チケット管理)システムとして活用する具体的な方法を、設定手順から応用テクニックまで詳しく解説します。
(2026年1月時点の情報です)
Googleグループの「共同トレイ」とは?基本機能とメリット
「Googleグループなら知っているよ、メーリングリストでしょ?」と思われた方も多いかもしれません。しかし、Googleグループには「共同トレイ」という、チームでの問い合わせ対応を劇的に効率化する機能モードが存在します。これは、従来のメーリングリストのように単にメールを全員に転送するだけのものではありません。受信したメールを「タスク」や「チケット」のように扱い、チームで分担・管理するための機能が豊富に用意されています。
メーリングリストとは一線を画す「共同トレイ」の思想
従来のメーリングリストでは、誰がどのメールに返信したのか、対応状況はどうなっているのかを把握するのが困難でした。CCや転送が飛び交い、重要なメールが埋もれてしまったり、最悪の場合、複数人が同じ顧客に返信してしまう「二重対応」も起こりがちです。一方、共同トレイは「全員で受信し、責任を持って分担・処理する」という思想に基づいています。受信トレイ自体がチームの共有タスクボードのような役割を果たし、すべてのやり取りとステータスが可視化されるのです。
チケット管理を実現する4つのコア機能
共同トレイが簡易的なチケット管理システムとして機能する理由は、主に以下の4つの機能にあります。
- 担当者の割り当て: 新着メール(スレッド)に対して、「自分に割り当てる」ことで、自分がその問い合わせの担当者であることをチーム全体に明示できます。これにより「誰かがやってくれるだろう」という責任の所在の曖昧さをなくし、対応漏れを根本から防ぎます。
- ステータスの管理: 各スレッドにはステータスを設定できます。例えば、対応が完了したものは「完了(解決済み)にする」、他の問い合わせと同じ内容であれば「重複」といったマークを付けられます。これにより、未対応のタスクが一目瞭然となり、効率的なタスク処理が可能になります。
- ラベル(タグ)付け: 「お見積り依頼」「技術的な質問」「クレーム」「緊急」など、自由にラベルを作成して各スレッドに付与できます。これにより、問い合わせの種類や優先度に応じた整理・分類が容易になり、後から特定の種類の問い合わせを検索・分析することも可能です。
- 会話のロック: これ以上の返信や対応が不要になったスレッドをロックすることで、誤って古いスレッドに返信してしまうことを防ぎます。対応が完全にクローズしたことを示す明確な区切りとなります。
これらの機能を組み合わせることで、高価な専用ツールを導入せずとも、十分に実用的な問い合わせ管理の仕組みをGoogle Workspace内で完結させることができるのです。
実践!Googleグループ共同トレイでチケット管理システムを構築する5ステップ
それでは、実際にGoogleグループを使って問い合わせ管理システムを構築する手順を、5つのステップに分けて具体的に解説します。Google Workspaceの管理者権限がなくても、グループ作成権限があれば設定可能です。
ステップ1: 新しいGoogleグループを作成する
まずは土台となるグループを作成します。
Googleグループのホーム画面にアクセスし、「グループを作成」をクリックします。グループ名(例: カスタマーサポートチーム)、グループのメールアドレス(例: support@your-company.com)、グループの説明を入力します。このメールアドレスが、今後お客様から問い合わせを受け付ける窓口になります。
ステップ2: 「共同トレイ」を有効にする【最重要】
グループの基本情報を設定したら、プライバシー設定に進みます。ここで最も重要なのが、グループの種類を選択する部分です。「グループの目的」の中から「共同トレイ」を必ず選択してください。これを選択することで、前述した担当者の割り当てやステータス管理といった機能が有効になります。他の設定(メーリングリスト、ウェブフォーラム、Q&Aフォーラム)ではこれらの機能は使えないため、注意が必要です。
ステップ3: メンバーの追加と権限設定
次に、問い合わせ対応を行うメンバーをグループに招待します。メンバーの役割(権限)は主に3種類あります。
- メンバー: 最も基本的な権限。会話の表示、投稿、自分へのタスク割り当てができます。通常の対応スタッフはこの権限で十分です。
- マネージャー: メンバーの管理、ラベルの作成・編集、他のメンバーへのタスク割り当てなど、より強力な権限を持ちます。チームリーダーがこの役割を担うのが一般的です。
- オーナー: グループの削除を含むすべての権限を持ちます。通常は情報システム管理者や部署の責任者が設定されます。
適切な権限を割り振ることで、セキュアで円滑なグループ運営が可能になります。
ステップ4: 業務に合わせた「ラベル」を設計する
グループ作成後、左側のメニューから「ラベル」を選択し、問い合わせを分類するためのラベルを作成します。これは後からでも自由に追加・編集できますが、最初に基本的な分類ルールを決めておくと運用がスムーズです。例えば、以下のようなラベルが考えられます。
- 問い合わせ内容別: 「料金プラン」「操作方法」「契約について」
- プロダクト/サービス別: 「商品A」「サービスB」
- 緊急度別: 「至急」「要確認」
- ステータス別(補足): 「返信待ち」「対応中」
ラベルに色を付けることもできるので、視覚的に分かりやすくする工夫も有効です。
ステップ5: チームでの運用フローを確立する
ツールを導入するだけでは不十分です。チームで共通のルール(運用フロー)を確立することが成功の鍵となります。
- 新しい問い合わせが来たら、内容を確認した人がまず「自分に割り当てる」。
- 調査や他部署への確認が必要な場合は、コメント機能で進捗を記録する。
- 顧客への返信が完了し、対応が終了したら「完了にする」をクリックしてスレッドをクローズする。
その他にも、「24時間以内に必ず誰かが担当を割り当てる」「1次回答は必ずテンプレートを使用する」など、チーム独自のルールを決めておくことで、対応品質の標準化と迅速化が図れます。
【応用編】Google Workspaceの他機能と連携してさらに効率化
Googleグループの共同トレイは、単体でも強力ですが、Google Workspaceの他のアプリケーションと連携させることで、その可能性はさらに広がります。ここでは、より高度で効率的な問い合わせ管理を実現するための応用テクニックを3つご紹介します。
応用テクニック1: Gmailの「テンプレート」で返信速度を向上
問い合わせの中には、頻繁に寄せられる質問(FAQ)が数多く含まれているはずです。「料金について教えてください」「資料を送ってください」といった定型的な問い合わせに対して、毎回同じ文章を作成するのは非効率です。そこで活躍するのが、Gmailに標準で備わっている「テンプレート(旧: 返信定型文)」機能です。よく使う回答文をあらかじめ複数パターン登録しておくことで、わずか数クリックで質の高い回答を瞬時に呼び出せます。共同トレイのインターフェースからもこの機能は利用できるため、担当者による回答のバラつきを防ぎ、返信速度を劇的に向上させることが可能です。
応用テクニック2: Googleフォームとの連携で問い合わせの質を上げる
Webサイトに「mailto:」リンクを置くだけでは、必要な情報が記載されていなかったり、内容が不明瞭だったりする問い合わせが送られてきがちです。そこでおすすめなのが、Googleフォームをお問い合わせ窓口として活用する方法です。フォームを使えば、「会社名」「担当者名」「問い合わせ種別(プルダウン選択)」「具体的な内容」といった項目を必須に設定できます。これにより、問い合わせを受ける時点で情報が整理され、その後の対応が格段にスムーズになります。さらに、フォームの回答をGoogleスプレッドシートに自動記録しつつ、Googleグループにも通知を飛ばす設定が可能です。これにより、問い合わせ内容のデータ化と、共同トレイでのチケット管理を両立できます。
応用テクニック3: フィルタと自動ラベル付けで初期対応を自動化
Googleグループには、Gmailと同様にフィルタ機能があります。これを利用して、特定のキーワードが件名や本文に含まれている場合に、自動でラベルを付けたり、特定のメンバーに割り当てたり(※)、スターを付けたりといった処理が可能です。(※自動割り当ては設定がやや複雑な場合があります)
例えば、件名に「緊急」や「障害」という単語が含まれていれば、自動的に「至急」ラベルを付けて目立たせることができます。また、「請求書」というキーワードが含まれていれば、経理担当者が含まれる「請求関連」ラベルを付ける、といった運用です。これにより、手動での振り分け作業を大幅に削減し、重要な問い合わせへの初動対応を迅速化します。
これらの応用テクニックは、Google Workspaceが持つ「連携力」のほんの一例です。自社の業務プロセスに合わせて各機能を組み合わせることで、オーダーメイドのような最適な問い合わせ管理環境を低コストで構築できるのが、最大の魅力と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、Googleグループの「共同トレイ」機能を使って、info@などの代表アドレスに届く問い合わせを効率的にチケット管理する方法を解説しました。
担当者の割り当て、ステータス管理、ラベル付けといった基本機能を使えば、追加費用なしで対応漏れや二重対応といった共通の課題を解決できます。さらに、GoogleフォームやGmailのテンプレート機能と組み合わせることで、より高度で洗練された問い合わせ管理フローを構築することも可能です。
高価な専用ヘルプデスクツールの導入に踏み切れないでいる多くの企業にとって、Googleグループの共同トレイは、まさに「かゆいところに手が届く」最適なソリューションと言えるでしょう。まずはチーム内の小さな範囲からでも、この強力な機能を試してみてはいかがでしょうか。
このような便利な機能が標準で含まれているのも、Google Workspaceの大きな魅力です。現在利用しているプランよりも高機能なBusiness StandardプランやBusiness Plusプランでは、さらに大容量のストレージやビデオ会議の録画機能、高度なセキュリティ機能などが利用可能になります。もし、これからGoogle Workspaceを新規でご契約する場合や、プランのアップグレードをご検討中であれば、通常価格よりもお得に利用できるプロモーションコードの活用が断然おすすめです。プロモーションコードの入手方法や利用条件については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
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