本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月16日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
オンライン会議で動画を共有したり、休憩時間に音楽を流したりするシーンが増えています。
しかし、せっかくこだわって作ったプロモーションビデオや、高音質なBGMを流しても、参加者には「なんとなく平坦な音」として聞こえてしまっていませんでしたか?
これまでのGoogle Meetの画面共有では、元の音声がステレオ(左右で異なる音が聞こえる形式)であっても、モノラル(左右同じ音)に変換されて配信されることが一般的でした。
そんな「音」に関する悩みを解消する、嬉しいアップデートが届きました。
2025年12月16日、Google Meetの画面共有機能において、「ステレオ音声の共有」がサポートされるようになりました。
これにより、左右のチャンネルを持つ音源(音楽、映画、ゲーム映像など)を共有した際、参加者にもそのままステレオ音声として届けられるようになります。
今回は、このアップデートがどのようなシーンで役立つのか、利用条件とあわせて解説します。
何が変わるのか?「左」と「右」の音がちゃんと聞こえる
今回の変更点はシンプルですが、体験の質を大きく向上させるものです。
これまでの体験:
あなたがPCで再生しているステレオ音源の動画をMeetで共有しても、参加者の耳には左右から同じ音が聞こえる「モノラル音声」として届いていました。音が真ん中に集まってしまい、広がりや奥行きが失われていました。
これからの体験:
あなたがステレオ音源のコンテンツを共有すると、Meetはそれを認識し、参加者に対してもステレオのまま配信します。
音楽: 左右の楽器の配置や空間の広がりが再現され、よりリッチで心地よいBGMになります。
動画: 映画やドラマのワンシーンを共有する際、車が左から右へ走り去る音や、左右の登場人物の会話の位置関係などがリアルに伝わります。
没入感: 音に立体感が生まれることで、参加者はよりコンテンツに集中しやすくなり、没入感(イマーシブ体験)が高まります。
どんなシーンで便利?
クリエイティブ制作のレビュー
動画制作や楽曲制作の現場で、制作中のコンテンツをチームで試聴・確認する際、正確な音像を共有できるため、フィードバックの質が向上します。オンラインイベントの演出
ウェビナーの開始前や休憩中に流すBGMが、より高音質で心地よいものになり、参加者の満足度を高めることができます。教育・トレーニング
語学学習で会話の方向を聞き分けたり、医療現場での聴診音の確認など、音の方向性が重要な教材を扱う際にも有効です。
利用条件と注意点
この機能を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
送信側(プレゼンター):
PCのWebブラウザからGoogle Meetに参加し、画面共有を行っている必要があります。受信側(視聴者):
ステレオ音声を聞くことができるのは、Google ChromeまたはFirefoxブラウザを使用して参加しているユーザーのみです。
(※その他のブラウザやモバイルアプリでの対応状況については、今回の発表では明記されていませんが、モノラルにダウンミックスされて聞こえる可能性があります)
設定と展開スケジュール
設定:
この機能はデフォルトで有効になっており、管理者やユーザーが特別な設定をする必要はありません。ステレオ音源を画面共有すれば、自動的にステレオで配信されます。
展開スケジュール:
本機能はすでに利用可能です(Available now)。即時リリースおよび計画的リリースドメインの両方で展開されています。
対象ユーザー:
すべてのGoogle Workspaceをご利用のお客様
Google Workspace Individualをご契約のお客様
個人のGoogleアカウントをご利用のユーザー
まとめ:オンラインでも「音」にこだわりを
「たかが音、されど音」。
音声品質の向上は、オンラインコミュニケーションにおけるストレスを減らし、体験価値を大きく高めます。
今回のステレオ対応により、Google Meetは単なる会議ツールを超えて、リッチなメディアコンテンツを共有・体験するためのプラットフォームとしても魅力を増しました。
次回のミーティングでは、ぜひステレオ音源のBGMや動画を共有して、その違いを体感してみてください。
