本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月17日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
オンライン会議でのプレゼンテーション中、PC上の動画ファイルを再生したり、専用ソフトのデモ画面を見せたりする際、「音が出ない!」と焦った経験はありませんか?
これまでのGoogle Meetでは、PCの音声を共有しようとすると「Chromeタブ」を共有する必要がありました。
しかし、ローカルにある動画ファイルや、PowerPointアプリ、動画編集ソフトなど、ブラウザ以外のアプリケーションの音声を共有したい場合、タブ共有では対応できず、マイク越しにスピーカーの音を拾わせるというアナログな方法でしのいでいた方も多いのではないでしょうか。
その結果、音が割れたり、エコーがかかったりして、聞き苦しい配信になってしまうのが悩みでした。
そんな長年の悩みを解決する、まさに「待望」のアップデートが発表されました。
Google Meetで「ウィンドウ」または「画面全体」を共有する際に、PCのシステム音声(デバイスオーディオ)も一緒に共有できるようになります。
これにより、どのアプリを使っていても、どんなファイルを開いていても、PCから出る音をそのままクリアに相手に届けることが可能になります。
今回は、この新機能の詳細と、利用に必要な条件について解説します。
何が変わるのか?あらゆるアプリの「音」を共有可能に
今回のアップデートにより、画面共有の選択肢が大きく広がります。
これまでの制約:
「Chromeタブ」共有:音声共有 できる
「ウィンドウ」共有:音声共有 できない
「画面全体」共有:音声共有 できない
これからの機能:
「ウィンドウ」共有:音声共有 できる!
「画面全体」共有:音声共有 できる!
つまり、メディアプレイヤーで再生する動画、PowerPointに埋め込んだ音声、業務アプリのアラート音など、PC上で鳴るあらゆる音を、画面と一緒に高品質な状態で配信できるようになるのです。
もう、「動画を見せたいので、URLを送りますから各自で見てください」と言う必要はありません。
どんな時に便利?
動画ファイルの共有
PCに保存された重い動画ファイルを、メディアプレイヤーで再生しながら共有できます。専用ソフトのデモ
動画編集ソフトや音楽制作ソフトなど、音声が重要なアプリケーションのデモンストレーションを行う際、実際の操作音や再生音をクリアに伝えられます。複数アプリをまたぐプレゼン
ブラウザ、PDF、動画プレイヤーなど、複数のアプリを行き来しながら説明する際、「画面全体」共有にしておけば、どのアプリの音も途切れることなく共有し続けられます。
利用に必要な条件(システム要件)
この機能は、OSとブラウザのバージョンに依存します。利用前に以下の環境を確認してください。
OS(オペレーティングシステム):
macOS:14.02 以降
Windows:11 以降
ブラウザ:
Google Chrome:バージョン 142 以降
※古いOSやブラウザを使用している場合は、アップデートが必要です。
使い方と注意点
使い方:
Google Meetで「画面を共有」ボタンをクリックします。
「ウィンドウ」または「画面全体」を選択します。
画面下部に新しく表示される「システム音声を共有する(Share system audio)」のようなトグルスイッチをオンにします。
共有を開始します。
注意点:
Macユーザーの方へ: 初回利用時に、OSから音声共有の許可を求めるプロンプトが表示されます。必ず許可してください。
オーディオ設定: スムーズな共有のために、Meetの音声出力設定を「システムのデフォルト」にしておくことをお勧めします。
アダプティブオーディオ利用者: 複数のデバイスを連携させて使う「アダプティブオーディオ」機能を使用中の場合、この機能は利用できません(Chromeタブ共有での音声共有は引き続き可能です)。
展開スケジュール
即時リリース(Rapid Release)ドメイン:
2025年12月17日より、すでに利用可能です(Available now)。計画的リリース(Scheduled Release)ドメイン:
2026年1月13日より、1〜3日かけて完全に展開されます。
日本の多くの企業ユーザーは年明けからの利用開始となりそうです。
まとめ:プレゼンの自由度が飛躍的に向上
「音」の制約がなくなることで、オンラインプレゼンテーションの表現力は大きく向上します。
動画、音楽、アプリの操作音。これらを自由に組み合わせ、より魅力的で伝わりやすいプレゼンテーションを実現してください。
まずはOSとブラウザのバージョンを確認し、新機能の到着に備えましょう。
