海外送金や多通貨での資金管理に非常に便利なWISE。
その利便性の高さから、「事業用と個人用でアカウントを分けたい」「通貨ごとにアカウントを管理したい」と考えたことはありませんか?
しかし、同時に「WISEでアカウントを複数作っても大丈夫?」「規約違反になって口座凍結されたらどうしよう…」という不安もよぎるはずです。
結論から言うと、WISEでは条件付きで複数のアカウントを持つことが可能です。
この記事では、2026年1月時点の最新情報に基づき、どのような場合にWISEアカウントの複数が認められ、どのようなケースが規約違反にあたるのかを徹底的に解説します。
さらに、複数のアカウントを安全かつ賢く管理するための具体的な方法までご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
WISEの基本ルール:個人アカウントは「一人一つ」が絶対原則
まず最も重要な大原則として、WISEでは個人のアカウント(パーソナルアカウント)は、一人につき一つしか作成できないと利用規約で定められています。これは、金融サービスを提供する企業として、不正利用やマネーロンダリング(資金洗浄)を防止するための極めて重要なルールです。
なぜ個人アカウントは一つだけなのか?
WISEが「一人一口座」を徹底している背景には、主に2つの理由があります。
- 厳格な本人確認(KYC)の実施: 金融機関は「Know Your Customer(顧客を知る)」と呼ばれるプロセスを通じて、顧客の身元を正確に把握する義務があります。複数の個人アカウントの作成を許してしまうと、本人確認プロセスが複雑化し、不正利用のリスクが高まります。一つのアカウントに情報を集約することで、WISEはユーザーの安全性を確保し、規制を遵守しているのです。
- マネーロンダリング及びテロ資金供与の防止 (AML/CFT): 複数の口座を不正に利用し、資金の出所を不透明にさせる手口は、マネーロンダリングの典型です。WISEは、このような違法行為に自社のプラットフォームが利用されることを防ぐため、アカウントの所有者を厳格に管理しています。
この原則を知らずに、あるいは意図的に複数の個人アカウントを作成しようとすると、WISEのシステムによって検知され、最悪の場合、アカウントの凍結や閉鎖といった厳しい措置が取られる可能性があります。一度凍結されてしまうと、資金の移動が困難になるだけでなく、将来的にWISEのサービスを再度利用することができなくなる恐れもあるため、絶対に避けるべきです。
「マルチカレンシー口座」機能の活用
「通貨ごとに口座を分けたい」という理由で複数アカウントを検討している方もいるかもしれませんが、その必要はありません。WISEの「マルチカレンシー口座(残高)」機能を利用すれば、一つのアカウント内で米ドル、ユーロ、英ポンドなど、50種類以上の通貨を同時に保有・管理できます。各通貨に対して独自の口座情報(口座番号やIBANなど)が付与されるため、あたかも現地の銀行口座のように利用可能です。この機能を最大限に活用することが、WISEを賢く使う第一歩と言えるでしょう。
【例外】WISEで複数のアカウント保有が認められる正当な理由
「個人アカウントは一つ」という原則がある一方で、WISEは正当な理由がある場合に限り、複数のアカウントを持つことを認めています。その最も代表的で一般的なケースが、「個人アカウント」と「ビジネスアカウント」の併用です。
ケース1:個人アカウントとビジネスアカウントの使い分け
フリーランス、個人事業主、あるいは法人経営者としてビジネスを行っている場合、WISEのビジネスアカウントを追加で開設することが公式に認められています。これは、私的な資金と事業用の資金を明確に分離し、経理の透明性を高める上で非常に重要です。
使い分けの具体例:
- 個人アカウントの用途:
- 海外に住む家族への生活費の送金
- 海外の友人との金銭のやり取り
- 海外ECサイトでの個人的なショッピング
- 海外からの給与受け取り(プライベートなもの)
- ビジネスアカウントの用途:
- 海外クライアントからの報酬の受け取り
- 海外の取引先への支払い
- 海外のソフトウェアやサービスの利用料支払い
- 海外出張時の経費精算
このように使い分けることで、確定申告などの経理処理が格段に楽になります。個人アカウントの取引履歴とビジネスアカウントの取引履歴が完全に分かれるため、事業に関連する収支だけを簡単に追跡・管理できるのです。ビジネスアカウントでは、複数のユーザーを追加してチームで管理する機能や、会計ソフトとの連携機能なども提供されており、ビジネスの効率化に大きく貢献します。
ケース2:複数の異なる事業体を持つ場合
さらに、あなたが複数の会社を経営していたり、それぞれ独立した事業を複数運営していたりする場合、それぞれの事業体ごとにビジネスアカウントを作成することも可能です。例えば、「A株式会社」用のビジネスアカウントと、「B合同会社」用のビジネスアカウントを、あなたの個人アカウントとは別にそれぞれ保有することができます。
この場合、各ビジネスアカウントの登録時に、それぞれの事業が法的に独立した存在であることを証明する書類(登記簿謄本など)の提出が求められます。WISEの審査部門がそれぞれの事業の実態を正当なものとして判断すれば、複数のビジネスアカウントを管理することが認められます。
事業を始めたばかりの方や、これから海外との取引を考えている方は、まず基本となる個人アカウントを正しく開設することが重要です。WISEの登録方法や詳しい使い方に不安がある方は、以下のガイド記事で手順を一つひとつ丁寧に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:【完全ガイド】WISE個人口座の登録から初めての海外送金まで徹底解説!手数料を抑えるコツも紹介
絶対にNG!規約違反となる複数アカウントの作成パターン
WISEで複数アカウントを持つことが便利な場面もありますが、一歩間違えれば重大な規約違反となります。ここでは、絶対にやってはいけないNGパターンを具体的に解説します。これらの行為はアカウント凍結に直結するリスクが非常に高いため、十分にご注意ください。
NGパターン1:同一名義で複数の「個人アカウント」を作成する
これが最も典型的で、最も明確な規約違反です。「米ドル用のアカウントとユーロ用のアカウントを分けたい」「送金上限額を回避するために別のアカウントを作りたい」といった自己都合の理由で、同じ人物が複数の個人アカウントを作成することは固く禁じられています。前述の通り、通貨ごとの管理はマルチカレンシー口座機能で十分に対応可能です。安易な気持ちで別メールアドレスを使って登録しようとしても、その後の本人確認(IDや住所の確認)の段階で重複が検知され、アカウントがロックされる原因となります。
NGパターン2:虚偽の情報や他人名義でアカウントを作成する
自分自身の情報ではなく、架空の情報や、家族・友人など他人の情報を使ってアカウントを作成する行為も、もちろん重大な規約違反であり、詐欺行為とみなされる可能性があります。特に、ビジネスの実態がないにもかかわらず、ビジネスアカウントを作成して個人的な取引に利用しようとするケースは悪質と判断されます。ビジネスアカウントの開設には、事業内容を証明する書類の提出が必須であり、WISEは提出された情報の正当性を厳しく審査しています。虚偽の申請はすぐに発覚し、アカウント閉鎖だけでなく、法的な問題に発展する可能性もゼロではありません。
規約違反が発覚した場合の末路
もし規約違反が発覚した場合、以下のような厳しい措置が取られる可能性があります。
- アカウントの一時的または永久的な凍結:WISEへのログインや一切の操作ができなくなります。
- 資金の保留:アカウント内の資金が保留され、引き出しや送金がすぐにはできなくなります。資金を返還してもらうために、追加の調査や煩雑な手続きが必要になる場合があります。
- サービスの利用禁止:将来にわたってWISEのサービスを利用する資格を失う可能性があります。
海外送金の生命線とも言えるWISEが使えなくなることのインパクトは計り知れません。便利なツールだからこそ、ルールを守って正しく利用することが何よりも大切です。少しでも「これは規約違反かもしれない」と感じる行為は、絶対に避けるようにしましょう。
WISEアカウントを安全かつ賢く使いこなすための実践ガイド
ここまでの内容を踏まえ、WISEの複数アカウントを安全かつ最大限に活用するための具体的なステップと、知っておくべきヒントをご紹介します。正しい知識を持ってWISEを使いこなし、あなたの海外取引をさらにスムーズにしましょう。
ステップ1:まずは完璧な「個人アカウント」を作成する
すべての基本は、あなた自身の正確な情報で登録された、ただ一つの個人アカウントです。これがWISE利用の基盤となります。まだWISEアカウントを持っていない方は、焦らず、以下のポイントを確認しながら丁寧に登録作業を進めましょう。
- 正確な個人情報の入力:名前、生年月日、住所などは、提出する本人確認書類(パスポート、マイナンバーカードなど)と完全に一致している必要があります。
- 本人確認の完了:書類のアップロードと、場合によってはセルフィーの撮影を求められます。鮮明な画像を用意し、指示に正確に従ってください。
- 2段階認証の設定:セキュリティ強化のため、SMS認証や認証アプリを使った2段階認証は必ず設定しておきましょう。
この最初の個人アカウントが、あなたのWISEにおける「ハブ」の役割を果たします。ここからビジネスアカウントを追加したり、マルチカレンシー口座を管理したりすることになります。
ステップ2:ビジネス利用なら迷わず「ビジネスアカウント」を追加する
少しでも事業に関連する海外との金銭のやり取りがあるなら、ためらわずにビジネスアカウントの開設を検討しましょう。月額料金はかからず、初期費用も比較的安価(2026年1月時点で約3,000円程度)で、得られるメリットは計り知れません。
ビジネスアカウントを開設するメリット:
- 経費管理の簡素化:プライベートな支出と事業経費が完全に分離され、確定申告が楽になります。
- 社会的信用の向上:取引先に送金する際、個人名ではなく屋号や法人名で送金できるため、プロフェッショナルな印象を与えられます。
- チームでの管理機能:経理担当者など、他のメンバーに限定的なアクセス権を付与して、アカウントを共同管理できます。
ビジネスのグローバル展開を目指すなら、WISEのビジネスアカウントは必須のツールです。以下の公式サイトから、あなたのビジネスに最適な機能を確認し、開設手続きを進めることができます。
ステップ3:「マルチカレンシー口座」をマスターする
複数アカウントを検討する動機の多くは、「通貨ごとの管理」です。しかし、その目的はWISEの「マルチカレンシー口座」機能でほぼ100%達成できます。一つの個人アカウントまたはビジネスアカウントの中で、米ドル、ユーロ、豪ドルなど、主要な通貨の受け取り用口座情報を無料で取得できます。これにより、海外のクライアントは、あなたに対して国内送金と同じ手数料で支払うことが可能になり、取引が非常にスムーズになります。わざわざ規約違反のリスクを冒して複数の個人アカウントを作る必要は全くないのです。
まとめ:ルールを理解し、WISEを賢く活用しよう
今回は、WISEアカウントを複数持つことの可否と、その際の注意点について詳しく解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- WISEの個人アカウントは、いかなる理由があっても一人一つが絶対的なルールです。
- 「個人アカウント」と「ビジネスアカウント」の併用は公式に認められており、プライベートと事業の資金を分けるために推奨されています。
- 複数の独立した事業を運営している場合、それぞれの事業ごとにビジネスアカウントを作成することも可能です。
- 通貨ごとの管理が目的であれば、複数アカウントは不要。「マルチカレンシー口座」機能を活用すれば、一つのアカウントで完結します。
- 虚偽の情報や他人名義でアカウントを作成する行為は、アカウント凍結に繋がる重大な規約違反です。
WISEは、国際的な金融取引のあり方を大きく変えた画期的なサービスです。その恩恵を最大限に受けるためにも、定められたルールを正しく理解し、誠実に利用することが不可欠です。
これからWISEを使い始める方、または使い方にまだ慣れていない方は、まずは基本となる個人アカウントの開設と操作方法をマスターすることが大切です。こちらのWISE個人口座の完全ガイドを参考に、最初の一歩を踏み出してみてください。
すでに個人アカウントをお持ちで、ビジネスでの利用を検討している方は、ぜひこの機会にWISEビジネスアカウントの導入を検討し、あなたのビジネスをさらに加速させましょう。
