Googleフォームで集めたアンケートや申し込み情報。
その回答を、一つひとつ手作業でスプレッドシートにコピー＆ペーストしていませんか。
その作業、時間がかかる上に、転記ミスも起こりやすくて怖いですよね。
「この単純作業がなければ、もっと他の仕事に時間を使えるのに…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、その面倒な転記作業、プログラミングの知識がなくても、完全に自動化できるんです。
この記事では、誰でも簡単に、Googleフォームの新しい回答をリアルタイムでスプレッドシートに記録し続ける仕組みを、具体的なステップで徹底解説します。
もう、あなたの貴重な時間を単純なコピペ作業で溶かす必要はありません。
なぜ「Googleフォームとスプレッドシートの連携」を自動化すべきなのか？
「手作業でもできる」ことをあえて自動化するのには、単に楽になる以上の、ビジネスを加速させる明確な理由があります。
- リアルタイムなデータ反映: フォームに回答が送信された瞬間に、スプレッドシートが自動で更新されます。最新の情報をいつでも確認でき、迅速な意思決定に繋がります。
- ヒューマンエラーの撲滅: 手作業による転記漏れ、コピーする範囲の間違い、入力ミスといった、ヒューマンエラーのリスクがゼロになります。データの正確性が格段に向上します。
- 時間の有効活用: これまで単純作業に費やしていた時間を、集計されたデータの分析や、次のアクションプランの策定といった、より付加価値の高い業務に振り分けることができます。
- データの一元管理と可視化: 問い合わせ、イベント申し込み、社内アンケートなど、様々なフォームからの回答を一つのスプレッドシート（またはシート別に）に自動で集約し、情報を一元的に管理・可視化できます。
Googleフォームの回答をスプレッドシートに連携させる3つの方法
この便利な連携を実現するには、主に3つの方法があります。あなたの目的やスキルに合わせて最適なものを選びましょう。
方法1: Googleフォームの標準機能を使う（基本）
最も手軽な方法です。Googleフォームの「回答」タブにあるスプレッドシートのアイコンをクリックするだけで、新しいスプレッドシートを作成し、フォームと自動で連携させることができます。
- メリット: 追加ツール不要で、誰でも数クリックで設定できる。
- デメリット: 非常にシンプルですが、「複数の異なるフォームの回答を、1つのスプレッドシートの特定のシートにまとめたい」「回答内容を少し加工・整形してから記録したい」「回答があったらスプレッドシートに記録しつつ、Slackにも通知したい」といった、少し凝ったカスタマイズはできません。
方法2: Google Apps Script (GAS) を使う（中〜上級者向け）
Googleが提供するプログラミング言語（JavaScriptベース）であるGASを使えば、非常に柔軟で高度な連携処理を記述できます。
- メリット: 思い通りの複雑な処理を自由に実装できる。
- デメリット: プログラミングの知識が必須であり、非エンジニアにはハードルが非常に高いです。また、コードの作成やメンテナンスにも時間がかかります。
方法3: ノーコード自動化ツール（iPaaS）を使う（本記事の結論・イチオシ）
そこで登場するのが、本記事で最もおすすめする方法です。プログラミング不要で、まるでレゴブロックのようにアプリの機能を繋ぎ合わせられる「ノーコード自動化ツール」を使えば、「標準機能のシンプルさ」と「GASの柔軟性」の”良いとこ取り”ができます。
この分野にはいくつかのツールがありますが、特に「Make」は、視覚的に分かりやすく、かつ高度な処理も可能な上、強力な無料プランが用意されているため、最初の一歩に最適です。
今回はこのMakeを使って、標準機能ではできない、よりスマートな自動記録システムを構築していきます。
【実践】Makeを使ってフォーム回答をスプレッドシートに自動記録する全ステップ
それでは、実際に「Googleフォームに新しい回答があったら、Googleスプレッドシートの指定した行に自動で記録する」というシナリオを構築していきましょう。
Step 0: 準備するもの
- 自動記録したいGoogleフォーム
- 記録先のGoogleスプレッドシート（1行目に「タイムスタンプ」「お名前」「メールアドレス」などのヘッダー行を必ず作成しておいてください）
- Makeのアカウント（無料）まだお持ちでない方は、以下のリンクから1分で簡単に無料登録できます。
Step 1: Makeで新しいシナリオを作成し、Googleフォームのトリガーを設定
Makeにログイン後、ダッシュボード右上の「Create a new scenario」をクリック。中央の「＋」ボタンを押し、検索窓で「Google Forms」と入力して選択します。トリガーの一覧から「Watch responses」を選びましょう。
Step 2: Googleアカウントを連携し、監視するフォームを選択
追加されたGoogle Formsモジュールをクリックします。「Connection」であなたのGoogleアカウントをMakeに連携させます（初回のみ）。次に、「Form ID」の欄で、連携させたいあなたのGoogleフォームをリストから選択します。「OK」をクリックします。
Step 3: Googleスプレッドシートのアクションを追加・設定
Google Formsモジュールの右側にある「+ Add another module」をクリックし、今度は「Google Sheets」と検索して選択します。アクションの一覧から「Add a Row」を選びます。Google Sheetsも同様に「Connection」で連携させましょう。
Step 4: データをマッピングする（ここが自動化の魔法です！）
ここが最も重要なステップです。追加されたGoogle Sheetsモジュールをクリックし、詳細設定を行います。
- Spreadsheet ID: 記録先となるあなたのGoogleスプレッドシートをリストから選択します。
- Sheet Name: 記録先のシート名（タブ名）を選択します。
- Values: ヘッダー行を設定したスプレッドシートを選ぶと、そのヘッダー名が項目として表示されます。その各項目に、前のGoogle Formsモジュールから取得したどの回答データを割り当てるかを設定します。入力欄をクリックすると、フォームの質問項目が一覧で表示されるので、対応するものをクリックしてマッピングします。例えば、スプレッドシートの「お名前」列には、フォームの「お名前」の回答を、といった具合です。これが完了すれば、あとはMakeが自動で適切な場所にデータを入力してくれます。
Step 5: テスト実行と有効化
設定が完了したら、画面左下の「Run once」ボタンをクリックします。その後、対象のGoogleフォームに自分でテスト回答を送信してみてください。数秒後、あなたのスプレッドシートにデータが自動で記録されれば成功です！
最後に、画面左下の「SCHEDULING」スイッチを「ON」にしてシナリオを有効化し、保存ボタンを押せば、これからの全ての回答が自動で記録され続けます。
標準機能超え！Makeならできる応用カスタマイズ例
Makeを使えば、単に記録するだけでなく、こんな応用も可能です。
- 応用例1: 回答内容を「加工・整形」してから記録する: Makeの組み込み関数を使えば、「メールアドレスのアルファベットをすべて小文字に統一する」「回答の自由記述欄から特定のキーワードが含まれているか判定する」といったデータ加工も自動で行えます。
- 応用例2: 条件に応じて「記録するシートを変える」: Makeの「Router」という分岐モジュールを使えば、「問い合わせ種別が『A』なら”Aに関する問い合わせシート”に、『B』なら”Bに関する問い合わせシート”に記録する」といった振り分けも自動化できます。
- 応用例3: 回答があったら「Slackやメールで通知」も同時に行う: スプレッドシートへの記録に加え、SlackやGmailのモジュールを繋げるだけで、「新しい回答がありました！」と関係者にリアルタイムで通知を送ることも簡単にできます。
Make以外の選択肢は？
Makeは非常に強力ですが、他の選択肢も存在します。例えば、「n8n.io」はオープンソースのツールで、自社サーバーでの運用も可能です。技術的な知見があり、より高度なカスタマイズやセキュリティ管理を求める方には良い選択肢となるでしょう。（公式サイト: n8n.io）
しかし、直感的な使いやすさと、無料から始められる手軽さ、そして豊富な機能のバランスを考えると、ほとんどの方にとってMakeが最初のステップとして最適です。
まとめ：単純な転記作業から解放され、データ活用のステップへ
Googleフォームとスプレッドシートの連携は、Googleの標準機能でも可能ですが、それでは「記録するだけ」で終わってしまいます。Makeを使えば、その先の「データを加工し、条件で判断し、関係者に通知する」という、よりインテリジェントな自動化がプログラミング不要で実現できます。
面倒な手作業をMakeに任せることで、あなたは集まったデータを分析し、ビジネスを改善するという、人間だからこそできる価値ある仕事に集中できるようになります。
もし、Makeのさらに詳しい機能や、他のアプリケーションとの連携方法について知りたくなったら、ぜひ当サイトのMake完全ガイド記事をご覧ください。あなたの自動化のアイデアを形にするためのヒントが満載です。
→ Make（メイク）とは？機能・料金・使い方を徹底解説！今日から始めるノーコード自動化生活
あなたも今日から、退屈なデータ転記作業に終止符を打ちませんか？