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Google ドキュメントの最高峰セキュリティとコラボレーションが融合!クライアントサイド暗号化ドキュメントで「提案機能」が利用可能に

この情報は、2025年6月4日のGoogle Workspace アップデートブログからのものです。

機密性の高い情報を扱う企業や組織にとって、データのセキュリティは最優先事項です。

特に、社外秘文書、個人情報、研究開発データ、財務情報など、厳重な管理が求められるドキュメントの共有や共同編集は、そのセキュリティレベルと利便性のバランスが常に課題となってきました。

Google Workspaceでは、この課題に応えるため、**「クライアントサイド暗号化(Client-Side Encryption, CSE)」**という非常に強力なセキュリティ機能を提供しています。

これまでのクライアントサイド暗号化されたGoogle ドキュメントは、その最高レベルのセキュリティを確保する一方で、通常のドキュメントで利用できる一部のコラボレーション機能が制限されていました。

しかし、この度、その重要なギャップが埋まります。クライアントサイド暗号化されたGoogle ドキュメントにおいて、「提案機能」(Suggestions)が利用可能になりました!

これにより、究極のセキュリティを維持しつつ、よりスムーズで効率的な共同編集ワークフローが実現します。

新機能の概要:提案機能が最高レベルのセキュリティ下で利用可能に

クライアントサイド暗号化とは、データがGoogleのサーバーに到達する前に、お客様自身が管理する暗号鍵によってデータが暗号化される仕組みです。これにより、データは常に暗号化された状態で保存され、暗号鍵はお客様が完全にコントロールするため、Googleでさえもお客様のデータにアクセスできないという、極めて高いセキュリティとプライバシーを実現します。

これまで、クライアントサイド暗号化されたGoogle ドキュメントでは、コメント機能やアクションアイテムの割り当ては可能でした。しかし、多くのユーザーが共同編集で日常的に利用する「提案機能」(Microsoft Wordの「変更履歴の記録」に相当する機能)は利用できませんでした。この機能は、ドキュメントの元の内容を保持したまま修正案を提案し、その提案が承認されるまで変更履歴として残るため、チームでのレビューや校閲作業に不可欠です。

今回のアップデートにより、この重要な機能がクライアントサイド暗号化ドキュメントでも利用できるようになります。

新しい機能で何ができるのか?

  • 提案の表示: クライアントサイド暗号化されたGoogle ドキュメントを表示する際、他者からの提案(修正案)が視覚的に明確に表示されるようになります。

  • 提案へのインタラクション: 編集権限を持つユーザーは、提案に対して以下の操作を行うことができます。

    • 提案の追加: ドキュメントの内容を直接修正する代わりに、修正案を「提案」として挿入できます。これにより、元の文章を損なうことなく、複数の修正案を検討できます。

    • 提案の編集: 自分の提案や他者の提案を修正できます。

    • 提案の承認: 提示された修正案をドキュメントに反映させることができます。

    • 提案の却下: 提示された修正案を破棄し、元の文章を維持することができます。

この機能追加は、クライアントサイド暗号化されたドキュメントが、通常のGoogle ドキュメントとほぼ同等のユーザーエクスペリエンスを提供するようにするための重要な一歩です。お客様のデータが、お客様自身が管理する暗号鍵、そしてその鍵にアクセスするために使用するIDプロバイダによって厳重に保護されながら、高度な共同編集が可能になるという、まさに「セキュリティと利便性の両立」を実現します。

日本のビジネスと情報セキュリティに与える影響:最高峰の安全と効率を両立

今回のアップデートは、特に情報セキュリティへの意識が非常に高く、厳格なデータ管理が求められる日本の企業や組織にとって、計り知れないメリットをもたらします。

1. 究極のセキュリティ下での共同編集プロセスの最適化

日本企業では、契約書、技術仕様書、新製品の企画書、個人情報を含む報告書など、機密性の高いドキュメントを複数人でレビュー・承認するプロセスが頻繁に行われます。これまでは、セキュリティと利便性の間でトレードオフが存在しました。

  • 金融機関・法律事務所: 顧客の機密情報や、訴訟関連文書、契約書など、外部漏洩が許されない文書のレビューと承認プロセスにおいて、従来の「変更履歴」のような形式で安全に共同作業が行えるようになります。これにより、Wordファイルでのやり取りや、より煩雑な別のセキュアなレビュープロセスに頼る必要がなくなります。

  • 製造業・R&D部門: 新製品の設計図、特許関連文書、研究データなど、企業の競争力の源泉となる情報の共同編集において、最高レベルの機密性を保ちながら、スムーズなフィードバックと修正のサイクルを回すことができます。

  • 医療機関・製薬会社: 患者情報、臨床試験データ、新薬開発文書など、厳格なプライバシー保護とデータセキュリティが求められる文書のレビュープロセスにおいて、安心してGoogle ドキュメントを利用できるようになります。

  • 政府機関・公共団体: 国民の個人情報や、機密性の高い政策文書など、公共性の高い情報の作成・レビューにおいて、透明性とセキュリティの両立を支援します。

2. コンプライアンスとガバナンスの強化

日本においては、個人情報保護法改正や、各種業界規制(例: 金融ISAC、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン)など、データセキュリティに関する法規制やガイドラインが厳格化の一途をたどっています。クライアントサイド暗号化は、これらの要件を満たす上で非常に強力なツールとなります。

  • データ主権の確保: 暗号鍵を企業自身が管理できるため、データに対する主権がより明確になり、海外のクラウドサービスを利用する際のセキュリティ懸念を払拭するのに役立ちます。

  • 監査対応の容易化: どのユーザーが、いつ、どのような提案を行い、それが承認されたのかという履歴が、高いセキュリティレベルを保ちつつドキュメント内に記録されるため、将来的な監査対応もスムーズになります。

3. ユーザーエクスペリエンスの向上と生産性維持

これまで、セキュリティの高いドキュメントを扱う際には、ユーザーが「いつものGoogle ドキュメント」とは異なる操作感や機能制限に直面し、生産性が低下する可能性がありました。

  • 学習コストの低減: 提案機能が追加されたことで、ユーザーはセキュリティレベルを意識することなく、普段使い慣れたGoogle ドキュメントの共同編集フローを、機密文書に対しても適用できます。これにより、新しいツールの使い方を学ぶ手間が省け、迅速に業務に移行できます。

  • 効率的なレビューサイクル: 提案機能は、元の文章を保持したまま修正を検討できるため、「赤字を入れる」という日本のビジネスで一般的なレビュー文化にも合致します。これにより、メールでのフィードバックや、複数のバージョン管理といった煩雑な作業を減らし、レビューサイクルを劇的に短縮できます。

  • 情報の集中: ドキュメントの内容と修正提案が同じファイル内に統合されるため、情報が分散することなく、常に最新かつ完全な状態のドキュメントを参照できます。

4. Google Workspaceエコシステム全体の価値向上

Google Workspaceは、AIの活用やコラボレーション機能の強化を継続的に進めています。クライアントサイド暗号化ドキュメントで提案機能が利用可能になったことは、AIによる要約やGrammarlyのような執筆支援ツールが、将来的によりセキュアな環境下でも利用できるようになる道を開く可能性を示唆しています。企業は、セキュリティと最新テクノロジーの双方のメリットを享受できるようになるでしょう。

利用開始は簡単!管理者とエンドユーザー向けガイド

この重要な機能は、Google Workspaceの管理者がクライアントサイド暗号化を有効にしている組織で利用可能になります。

管理者向けの設定:クライアントサイド暗号化の有効化

管理者は、組織全体、または特定の組織部門(OU)、グループレベルでクライアントサイド暗号化を有効にできます。

  1. Google Workspace 管理コンソールにログインします。

  2. 「セキュリティ」>「アクセスとデータ制御」>「クライアントサイド暗号化」に移動します。

  3. ここでクライアントサイド暗号化を有効にし、お客様が管理する暗号鍵サービスプロバイダと連携させます。

詳細については、Google Workspace 管理ヘルプ: クライアントサイド暗号化について をご参照ください。

エンドユーザー向けの設定:特別な操作は不要

管理者がクライアントサイド暗号化を有効にしている場合、エンドユーザーは特別な操作をする必要はありません。クライアントサイド暗号化されたGoogle ドキュメントを開き、編集権限があれば、通常のGoogle ドキュメントと同様に提案機能を利用できます。

詳細については、Google ヘルプ: ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライドの暗号化されたファイルを使ってみる をご参照ください。

展開スケジュールと利用可能な対象

この新機能は、段階的に展開が進められています。

  • 迅速リリース(Rapid Release)ドメインおよび計画的リリース(Scheduled Release)ドメイン: 2025年6月4日より、最大15日間かけて順次利用可能になります。

この機能は、以下のGoogle Workspaceエディションをご利用のお客様に提供されます。

  • Google Workspace Enterprise Plus

  • Education StandardおよびPlus

  • Frontline Plus

機密性の高いデータを扱う組織にとって、この機能が利用可能になることは大きなメリットとなります。

まとめ:安全と効率を両立する未来のコラボレーションへ

今回のGoogle ドキュメントのアップデートは、情報セキュリティと共同作業の生産性という、これまでしばしば相反すると考えられてきた二つの要素を高いレベルで両立させるものです。クライアントサイド暗号化されたドキュメントで提案機能が利用可能になったことで、企業や組織は、最も機密性の高い情報であっても、Google Workspaceの強力なコラボレーション機能を最大限に活用できるようになります。

これにより、コンプライアンス要件を満たしつつ、ドキュメントのレビューや承認プロセスを劇的に効率化し、ひいてはビジネス全体のスピードアップと競争力強化に貢献するでしょう。

ぜひこの新しい機能を活用し、あなたの組織のセキュリティとコラボレーションを次のレベルへと引き上げてください。Google Workspaceは、これからも皆様の安全で効率的な働き方を強力にサポートし続けます。