出典: Google Workspace Updates Blog
元記事の投稿日: 2025年6月12日
重要なオンライン会議の最中に、見知らぬアカウントから参加リクエストの通知が来て、議論が中断してしまった経験はありませんか?
あるいは、会議のリンクが意図せず外部に広まってしまい、関係のない人からの参加リクエスト(ノック)が何度も表示されて困ったことはないでしょうか。
今回ご紹介するGoogle Meetのアップデートは、こうしたオンライン会議におけるセキュリティと快適性の悩みを解決する、待望の新機能です。
会議の主催者が、「誰が会議への参加をリクエストできるか」を事前に、また会議の途中でもコントロールできるようになりました。
何が変わった?「ノックできる人」を限定する新オプション
これまでGoogle Meetでは、会議のアクセス設定を「制限付き」や「信頼済み」にしていても、会議のリンクさえ知っていれば誰でも「参加をリクエストする」ボタンを押すこと(ノック)が可能でした。主催者はその都度、許可するか拒否するかを判断する必要がありました。
今回のアップデートにより、この「誰でもノックできる」状態を、主催者の意思でオフにできるようになります。具体的には、「会議のリンクを知っているすべてのユーザーが参加をリクエストできます」という新しいチェックボックスが追加され、このチェックを外すことで、招待されたユーザー以外は参加リクエスト自体を送れなくなります。
これにより、以下の2つの大きなメリットが生まれます。
セキュリティの向上: 招待していない第三者が会議に参加しようと試みること自体を防ぎ、機密性の高い会議をより安全に実施できます。
会議の中断防止: 不審なアカウントからの絶え間ないノック通知に悩まされることがなくなり、主催者も参加者も議論に集中できます。
具体的な設定方法
この新しいセキュリティ設定は、会議のスケジュール時と会議中の両方で簡単に行うことができます。
1. 会議をスケジュールする時(Googleカレンダーから)
重要な会議をセットする段階で、あらかじめ設定しておくのが最もスマートです。
Googleカレンダーで新しい予定を作成し、「Google Meet のビデオ会議を追加」します。
ビデオ会議の横にある**歯車マーク(ビデオ通話のオプション)**をクリックします。
「主催者用ボタン」のタブを開き、「会議へのアクセス」セクションを確認します。
アクセスタイプを「信頼済み」または「制限付き」に設定します。
新しく表示される「会議のリンクを知っているすべてのユーザーが参加をリクエストできます」という項目のチェックを外します。
これだけで、Googleカレンダーから招待されたユーザー、もしくは主催者と同じ組織のユーザー(「信頼済み」の場合)だけが参加できる、よりクローズドな会議を設定できます。
2. 会議の開催中に設定する
会議の途中でセキュリティポリシーを変更したい場合も、リアルタイムで対応可能です。
Google Meetの会議画面下部にある、**錠前マークの「主催者用ボタン」**をクリックします。
サイドパネルが開いたら、「会議へのアクセス」セクションを確認します。
カレンダーでの設定と同様に、「会議のリンクを知っているすべてのユーザーが参加をリクエストできます」のチェックを外します。
例えば、会議の冒頭は広く意見を募るためにオープンにしておき、機密情報に関する議題に移るタイミングでこの設定をオンにする、といった柔軟な運用も可能です。
日本のビジネスシーンでの活用メリット
この機能は、特に以下のようなシーンで大きな効果を発揮します。
機密性の高い経営会議や人事面談:
参加者を厳格に管理したい役員会議や、評価・採用に関する面談などで、部外者のアクセス試行を完全にシャットアウト。情報漏洩リスクを根本から低減します。有料セミナーや限定ウェビナー:
参加費用を支払った顧客や、事前登録者のみを対象とするイベントで、招待されていないユーザーからのアクセスを防ぎます。運営のスムーズさと参加者の満足度向上につながります。学校や塾でのオンライン授業:
招待された生徒や保護者以外が誤って、あるいは意図的にアクセスしてくる事態を防ぎ、子供たちが安心して学べるオンライン環境を確保できます。「ノック疲れ」からの解放:
大規模な会議の主催者が、ひっきりなしに来る参加リクエストの対応に追われるストレスから解放されます。本来の役割であるファシリテーションに集中できるのは、大きなメリットです。
まとめ
今回のGoogle Meetのアップデートは、オンラインでのコミュニケーションにおける「安全性」と「快適性」を一段上のレベルに引き上げる、非常に重要な改善です。
主催者が会議の入口をより強固に、そして柔軟にコントロールできるようになったことで、私たちは安心して重要な議論に没頭できる環境を手に入れました。会議の性質に合わせてこの新機能を活用し、より安全で生産的なオンライン会議を実現しましょう。
この機能は管理者による設定は不要で、すべてのGoogle Workspaceユーザーに順次展開されます。ぜひ、次回の会議設定からお試しください。