出典: Google Workspace Updates Blog
元記事の投稿日: 2025年6月17日
毎月の売上データ、顧客アンケートの結果、ウェブサイトのアクセスログ…。
ビジネスの現場には、貴重な示唆に富んだデータが溢れています。
しかし、「この膨大な数字の山から、どうやって意味のある情報を見つけ出せばいいのか分からない」「レポート用にグラフを作りたいけど、操作が面倒で時間がかかる」と感じている方は少なくないでしょう。
本日、そんなデータ活用のハードルを劇的に下げる、画期的なアップデートが発表されました。
Googleスプレッドシートに搭載されたAIアシスタント「Gemini」が、ついに日本語を含む複数の言語に正式対応しました。
これにより、複雑な関数やピボットテーブルの知識がなくても、自然な日本語で話しかけるだけで、AIがデータ分析やグラフ作成を代行してくれるようになります。
何ができる?日本語でAIにデータ分析を「お願い」する時代へ
今年初めに英語で先行リリースされていたスプレッドシートのGemini機能は、データに基づいてインサイト(洞察)を導き出したり、グラフを自動生成したりする能力で注目を集めました。今回のアップデートで、この強力な機能が日本語、フランス語、ドイツ語など主要な言語で利用可能になり、日本のユーザーにとって、その真価が発揮されることになります。
具体的に、日本語でどのような「お願い」ができるのでしょうか。
瞬時にグラフを作成:
「商品カテゴリー別の売上を円グラフで作成して」
「4月の担当者別成約件数を棒グラフで比較して」
→ これまで手動で行っていたグラフ作成作業が、チャットのような対話形式で一瞬で完了します。データからインサイト(洞察)を発見:
「この顧客データから、最も購入額が多い上位5社を教えて」
「このアンケート結果の要点をまとめて」
→ AIがデータを分析し、重要な傾向やパターンを分かりやすい言葉で教えてくれます。一歩進んだ複合的な分析も可能:
「最も売上が伸びている製品を特定して、その四半期ごとの売上推移を折れ線グラフで示して」
→ Geminiは、ユーザーの指示を理解し、裏側で複数の分析ステップ(①トップ製品の特定 → ②該当データの抽出 → ③時系列での集計 → ④グラフ化)を自動で実行します。まるで優秀なデータアナリストが隣にいるかのように、多角的な分析をサポートします。
なぜそんなに賢いのか?舞台裏のテクノロジー
この高度な分析は、Geminiの優れた知性によって実現されています。ユーザーが「〇〇を分析して」と日本語で入力すると、Geminiはその指示を専門的なプログラム言語(Pythonコード)に変換し、スプレッドシートのデータに対してそのプログラムを実行します。そして、得られた結果を再度分析し、人間が理解しやすいインサイトやグラフとして提示しているのです。
この一連の流れをAIがすべて自動で行うため、ユーザーは一行のコードも書くことなく、高度なデータ分析の恩恵を受けることができます。
利用を開始するには
この未来のデータ分析ツールを使い始めるのは非常に簡単です。
管理者の方へ:
組織内のユーザーがこの機能を利用するには、管理コンソールで「スマート機能とパーソナライズ」がオンになっている必要があります。利用する従業員の方へ:
分析したいデータが入ったGoogleスプレッドシートを開きます。
画面の右上にある**キラキラした星のアイコン(「Geminiに質問」)**をクリックします。
画面右側にサイドパネルが表示されるので、あとはテキストボックスに日本語で分析したいことや作成したいグラフを指示するだけです。
ご利用可能なプラン
この機能は、以下のGoogle Workspace有料プランおよびアドオンをご利用のユーザーに提供されます。
Google Workspace Business Standard / Plus
Google Workspace Enterprise Standard / Plus
Gemini Education / Gemini Education Premium アドオン
Google AI Pro / Ultra など
まとめ
GoogleスプレッドシートのGeminiが日本語に対応したことで、データ分析は一部の専門家のタスクではなく、すべてのビジネスパーソンが日常的に活用できる強力な武器へと変わります。
これまでデータとにらめっこしていた時間が大幅に削減され、データに基づいた迅速な意思決定や、より創造的な業務に時間を使うことができるようになります。関数や数式に苦手意識があった方も、ぜひこの機会に、AIとの「対話」による新しいデータ活用の世界を体験してみてください。