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データ移行の「いつ・誰が・何を」を完全可視化!管理コンソールで詳細な監査ログが利用可能に

出典: Google Workspace Updates Blog
元記事の投稿日: 2025年6月17日

企業が新しいITシステムへ移行する際、最も重要かつ慎重さが求められる作業の一つが「データ移行」です。

他のメールシステムやクラウドストレージからGoogle Workspaceへデータを”お引越し”させるこのプロセスは、万全のセキュリティと正確性が不可欠です。

しかし、大規模な移行作業では「今、どのデータが動いているのか」「エラーの原因は何か」といった状況がブラックボックス化し、管理者を悩ませることも少なくありません。

本日ご紹介するのは、そんなデータ移行の透明性とセキュリティを劇的に向上させる、Google Workspace管理者待望のアップデートです。

新しいデータ移行サービスの操作に関する詳細なログイベントが、管理コンソールの監査ツールで確認できるようになりました。

何が変わった?データ移行の全記録が手元に

今回のアップデートにより、管理者はGoogle Workspaceの「監査と調査ツール」および、より高度な「セキュリティ調査ツール」を通じて、組織内のデータ移行に関するあらゆるアクティビティを追跡・調査できるようになります。

これにより、以下のような情報を正確に把握することが可能です。

  • 誰が移行を開始したか?(実行した管理者アカウント)

  • 何のデータを移行しているか?(メール、カレンダー、連絡先など)

  • いつ移行が設定・実行されたか?(タイムスタンプ)

  • 移行の進捗状況はどうか?(開始、完了、エラーなど)

これまで追いづらかった移行プロセスの詳細が、すべて公式なログとして記録されるため、管理者は自信を持って移行作業を監視・管理できます。

日本の管理者にとっての具体的なメリット

この機能は、特にセキュリティとコンプライアンスを重視する日本の企業にとって、計り知れない価値を持ちます。

1. 透明性の確保とコンプライアンス強化
データ移行の全プロセスが「誰が、いつ、何を」行ったかの記録として残るため、内部統制の要件を満たし、外部監査にも容易に対応できます。特に、個人情報や機密情報を含むデータを扱う際には、この操作ログが非常に強力な証跡となります。

2. 迅速なトラブルシューティング
「一部のユーザーのメールが移行されていない」「移行が途中で止まってしまった」といったトラブルが発生した際、これまでは原因究明に時間がかかることがありました。しかし、これからは詳細なログを時系列で追うことで、どのステップで問題が発生したのかを迅速に特定し、的確な対応を取ることが可能になります。

3. プロアクティブなセキュリティ対策(セキュリティ調査ツール利用時)
より高度な「セキュリティ調査ツール」が利用可能なプラン(Enterpriseなど)では、さらに一歩進んだ活用ができます。例えば、以下のようなカスタムルールを作成し、不審なアクティビティを自動で検知・通知させることが可能です。

  • 「深夜や休日など、業務時間外にデータ移行が開始された場合にアラートを出す」

  • 「特定の機密データを扱う部門からのデータ移行を常に監視する」

これにより、意図しない操作や不正なアクセスを未然に防ぐ、プロアクティブなセキュリティ体制を構築できます。

より高度な分析へ:BigQueryとの連携

Enterpriseプランなどをご利用の場合、これらのデータ移行ログをGoogle BigQueryにエクスポートすることも可能です。BigQueryにデータを集約することで、以下のような高度な分析やレポーティングが実現します。

  • 長期間にわたる移行ログの保管と傾向分析

  • 他の監査ログ(ログイン履歴、ファイルアクセス履歴など)と組み合わせた横断的なセキュリティ分析

  • 組織独自の要件に合わせたカスタムダッシュボードの作成

対象プランについて

この機能は管理者向けのものであり、一般のユーザーに影響はありません。利用できる機能はご契約のプランによって異なります。

  • 監査と調査ツールでのログ閲覧:
    全てのGoogle Workspaceプランで利用可能です。

  • セキュリティ調査ツールでの高度な調査:
    Enterprise Standard/Plus, Education Standard/Plus などの上位プランで利用可能です。

  • BigQueryへのログエクスポート:
    Enterprise Standard/Plus, Education Standard/Plus などの上位プランで利用可能です。

まとめ

今回のアップデートは、Google Workspaceへのデータ移行という重要なプロセスに、かつてないほどの「透明性」と「安全性」をもたらします。管理者はもはや、手探りで移行状況を確認する必要はありません。すべての操作が記録され、調査可能になることで、安心して移行プロジェクトを推進できます。

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える基盤として、信頼できるデータ移行プロセスは不可欠です。この新しい監査機能を活用し、よりセキュアで円滑なGoogle Workspaceへの移行を実現しましょう。