出典: Google Workspace Updates Blog
元記事の投稿日: 2025年6月17日
時間をかけて作り上げたプレゼンテーション資料。
一度の発表や会議で使ったきり、Googleドライブの奥深くで眠ってしまってはいませんか?
「この資料、もっと他の形でも活用できればいいのに…」
そう感じたことのある方も多いはずです。
本日、そんな願いを叶える待望の機能が、GoogleのAI動画作成ツール「Google Vids」に登場しました。
既存のGoogleスライドのプレゼンテーションを直接Vidsに読み込み、数クリックで魅力的な動画コンテンツに変換できるようになりました。
何が変わった?スライドが動画の「設計図」に
先日開催されたGoogle I/Oで発表され、大きな注目を集めたこの機能が、いよいよ私たちの手元で利用可能になります。
これまでGoogle Vidsでは、テンプレートを選んだり、AIに指示を出したりしてゼロから動画を作成するのが基本でした。今回のアップデートで、**「スライドをインポート」**という新しい選択肢が追加されます。
具体的な流れは非常にシンプルです。
Google Vidsで新しい動画を作成する際に「スライドをインポート」を選択します。
あなたのGoogleドライブから、動画にしたいGoogleスライドのファイルを選びます。
プレゼンテーションの中から、動画に含めたいスライドを自由に選択します。
選択すると、Vidsが自動的に各スライドのテキスト、画像、図形といった要素を読み取り、動画の構成要素である**「シーン」**として再構築してくれます。
つまり、あなたが作成したスライドが、そのまま動画の「設計図」や「下書き」になるのです。これにより、動画作成のプロセスが劇的に簡略化され、これまで蓄積してきた資料という“資産”を最大限に活用できるようになります。
日本のビジネスシーンにおける無限の可能性
この機能は、特にコンテンツ作成に時間やリソースを割くのが難しい日本のビジネスパーソンにとって、強力な味方となります。
1. コンテンツの再利用で、価値を最大化
一度きりの利用で終わっていた資料を、異なる目的のコンテンツとして蘇らせることができます。
営業資料をプロモーション動画に:
製品やサービス紹介のスライドを、WebサイトやSNSで共有するための短い紹介動画に変換。静的な資料よりも格段に目を引き、顧客の理解を深めます。研修資料をオンデマンド教材に:
社内研修で使ったスライドを、いつでも見返せる動画マニュアルや学習コンテンツに。新入社員のオンボーディングや、全社的な知識共有に役立ちます。セミナー資料をダイジェスト動画に:
イベントで発表した内容を、参加者へのフォローアップや次回のイベント告知用のダイジェスト動画として再編集。イベントの価値を高めます。
2. 動画作成の手間とスキル不要の革命
動画編集の専門知識がなくても、誰でも簡単に質の高い動画を作成できます。
ゼロから考えなくていい: スライドという土台があるため、動画の構成やストーリーボードを考える手間が省けます。
AIによるさらなるクオリティアップ: インポート後、Vidsの強力な編集機能が使えます。オブジェクトに動きをつけるアニメーションを追加したり、最新のAI動画生成モデル「Veo 3」を使って、テキストから全く新しいビデオクリップを生成し、動画内に組み込んだりすることも可能です。これにより、単なるスライドショーではない、プロフェッショナルな仕上がりの動画が完成します。
利用を開始するには
この便利な機能は、管理者による特別な設定は不要で、すぐに使い始めることができます。
新しくVidを作成する場合:
Vidの作成開始画面で「スライドをインポート」オプションを選択します。既存のVidにスライドを追加する場合:
編集中に画面上部の「ファイル」メニューから「スライドをインポート」を選択します。
ご利用可能なプラン
この機能は、個人向け無料アカウントを除く、非常に多くのGoogle Workspaceプランで利用可能です。
Business Starter, Standard, Plus
Enterprise Starter, Standard, Plus
Essentials, Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus
Education Plus, Nonprofits
Gemini Education / Gemini Education Premium アドオン など
まとめ
Google Vidsの「スライドインポート機能」は、資料作成と動画作成の境界線をなくし、誰もがビジュアルコンテンツのクリエイターになれる可能性を秘めたアップデートです。
あなたのGoogleドライブに眠る無数のプレゼンテーションは、もはや過去の遺産ではありません。未来のコミュニケーションを豊かにする、貴重な「動画の種」です。ぜひ、この新機能を活用して、あなたのアイデアや知識を、新しい形で世界に発信してみてください。