出典: Google Workspace Updates Blog
元記事の投稿日: 2025年6月23日
過去に作成したGoogleフォームのアンケート。
その時は広く回答を募りたかったけれど、今となっては意図しない人からの回答が来てしまって困る。
あるいは、一度作ったイベント申込フォームのリンクが、知らない間に広まってしまった。
そんな経験はありませんか?
「あのフォーム、今からでも特定の人だけに回答を絞れたら…」
本日ご紹介するのは、そんな現場の切実な悩みを解決する、Googleフォームの重要なアップデートです。
何が変わった? 過去のフォームを「アップグレード」してセキュリティ強化
昨年、Googleフォームでは、新しく作成するフォームに対して、回答できる人を特定のユーザーやグループ、ターゲットオーディエンスに限定できる機能が導入されました。これは、Googleドキュメントやスプレッドシートの共有設定と同じように、フォームの回答権限をきめ細かくコントロールできる画期的な機能でした。
そして今回、この強力なアクセス制御機能が、ついに過去に作成したすべての既存フォームにも適用可能になりました。
つまり、あなたがこれまでに作成し、Googleドライブに保存している古いアンケートやテスト、申込フォームなどを「アップグレード」することで、最新のセキュリティ設定を後から適用できるようになったのです。これにより、フォームを作り直すという手間をかけることなく、過去のデジタル資産を安全に管理・再利用できます。
日本のビジネス・教育現場での具体的な活用シーン
この「後からセキュリティをかけられる」という新機能は、様々な場面で絶大な効果を発揮します。
【ビジネスシーンでの活用例】
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部署限定アンケートの実施:
以前、全社向けに実施した従業員満足度調査のフォーム。今年は内容を一部修正し、特定の部署だけでパイロット調査を行いたい場合、既存のフォームのアクセス権をその部署のメンバーだけに限定して再利用できます。 -
限定イベント・セミナーの申込管理:
過去のイベントで使った申込フォームをコピーして、今回の招待者限定セミナーに流用。回答者を招待リストにあるユーザーだけに絞ることで、無関係な人からの申し込みを完全にシャットアウトできます。 -
プロジェクト関係者からの追加フィードバック収集:
プロジェクト完了時に広く意見を募ったフィードバックフォーム。後日、特定のコアメンバーだけで追加の議論を行いたい際に、そのメンバーだけが回答できるように権限を変更。クローズドな環境で深い意見を収集できます。
【教育現場での活用例】
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追試・再試験の実施:
昨年度のクラスで使った小テストのフォームを、今年の追試対象となる生徒だけに限定公開。問題を作り直す手間なく、安全に試験を実施できます。 -
特定のクラスやグループへの補習課題:
複数のクラスで共通の課題フォームを使っていたが、あるクラスの特定の生徒グループにだけ補習として再度取り組ませたい場合、その生徒たちだけに回答権限を付与できます。
このように、「フォームを作り直すことなく、後からアクセス権を見直せる」という柔軟性は、業務の効率化と情報管理の精度向上に大きく貢献します。
利用を開始するには
この機能は、管理者による特別な設定は不要で、フォームの作成者自身が設定できます。
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アクセス権を更新したい既存のGoogleフォームを開きます。
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フォームの設定画面などから、アクセス権限をアップグレードするオプションを選択します。
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アップグレード後は、Googleドキュメントなどでお馴染みの共有設定画面が表示されます。
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ここで、回答を許可したいユーザーのメールアドレスや、Googleグループのアドレスを指定して共有します。
これにより、指定されたユーザー以外はフォームにアクセスしたり、回答を送信したりすることができなくなります。
まとめ
今回のアップデートは、私たちがこれまでに作成してきたGoogleフォームというデジタル資産の価値を、セキュリティの面から再定義するものです。
「とりあえず『リンクを知っている全員』で公開したけど、後で心配になった…」という状況は、もう過去のものになります。必要な時に、必要な人だけに、的確に情報を届けて回答を募る。そんな理想的な情報収集の形が、過去のフォームにおいても実現できるようになりました。
あなたのGoogleドライブに眠っているフォームも、この機会に見直し、新しいセキュリティ設定で安全に蘇らせてみてはいかがでしょうか。