本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月2日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
オフィスでのハイブリッド会議、スムーズに始められていますか?
会議室に入ってから、「えーっと、この部屋の会議コードは…」と端末を操作したり、手元のPCから参加しようとしてハウリングを起こしたり。
会議の冒頭で数分間、接続トラブルで時間をロスしてしまうことは、誰にでも経験があることでしょう。
そんな会議室での「接続の煩わしさ」を一掃する、画期的な新機能がGoogle Meetに登場します。
その名も「Connect room(部屋に接続)」。
超音波による近接検知技術を使い、あなたの目の前にある会議室のGoogle Meetハードウェアを自動で認識。
ワンクリックで会議室のモニターに会議を映し出し、同時に手元のPCを「コンパニオンモード」に切り替えてくれるという、魔法のような機能です。
2025年12月2日より、一部の環境(早期プレビュー)で利用可能となるこの新機能について、その仕組みと便利な活用シーンを詳しく解説します。
何が変わるのか?「手入力」から「自動検知」へ
これまでの会議室での接続手順は、少しアナログでした。
会議室のタッチパネルで会議コードを手入力するか、PCから「音声・映像なし」で参加し直すなどの操作が必要でした。
新機能「Connect room」は、このプロセスを劇的に簡素化します。
仕組み:
あなたがノートPCを持って会議室に入り、Google Meetの待機画面(グリーンルーム)を開きます。
Google Meetハードウェアが発する超音波をPCが検知し、「近くにある会議室」として認識します。
PC画面に「Connect room(部屋に接続)」というボタンが表示されます。
これをクリックするだけで、会議室の大型モニターで会議が開始され、手元のPCは自動的にコンパニオンモード(資料共有やチャット用)として参加します。
どんな時に便利? 4つの活用シナリオ
この機能は、単に接続が楽になるだけでなく、会議室の運用そのものをスマートにします。
予約済みだけど誰もいない部屋をサッと使う
会議室自体は予約されているけれど、誰も来ていない(カラ予約の)部屋を見つけた時。自分のPCで会議を開き「Connect room」を押せば、すぐにその部屋の設備を使って会議を始められます。空いている部屋を「即確保」して使う
ふらっと立ち寄った会議室が空いていて、予約可能だった場合。「Connect room」で接続すると、会議への参加と同時に、その部屋の「カレンダー予約」もバックグラウンドで自動的に行ってくれます。招待されていない(プライベートな)会議に参加する
会議室のカレンダーには登録されていない、自分だけの予定や少人数の打ち合わせ。自分のPCから招待メールを開き「Connect room」を押せば、会議室の設備を使ってすぐに参加できます。チャットで送られてきたURLから参加する
カレンダーに予定がなく、チャットで「今からここで話そう」とURLだけ送られてきた場合。PCでURLを開いて「Connect room」を押すだけで、その場の会議室設備で参加できます。会議室のカレンダーに予定を追加する手間はもう不要です。
利用条件と注意点(早期プレビュー)
この機能は非常に魅力的ですが、現時点では「早期プレビュー」段階であり、利用にはいくつかの条件があります。
管理者の方へ:
ドメインが「即時リリース(Rapid Release)」トラックに設定されている必要があります。
Google Meetハードウェアが「Early Preview Rooms (EPR) プログラム」に登録されている必要があります。
ハードウェアの設定で「超音波による近接検知(Proximity Detection)」が有効になっている必要があります(デフォルトはON)。
自動予約機能を使うには、「室内予約(In-room booking)」設定も有効にする必要があります。
エンドユーザーの方へ:
即時リリーストラックのユーザーであり、かつ上記の設定がされた会議室にいる場合に利用可能です。
PCのマイクが待機画面で選択されていることを確認してください(超音波検知に使用します)。
展開スケジュール
即時リリースドメイン(EPR登録デバイスのみ):
2025年12月2日より段階的に展開(最大15日程度)。
※一般のデバイスへの展開については、後日改めてアナウンスされる予定です。
まとめ:会議体験がシームレスに
「Connect room」は、デジタル(Google Meet)とフィジカル(会議室)の境界をなくす機能です。
会議室に入ったら、PCを開いてワンクリック。それだけで、目の前の大画面で会議が始まり、手元のPCは操作盤になる。
このストレスフリーな体験が一般的になれば、オフィスの生産性はさらに向上するでしょう。
本格的な展開が待ち遠しい機能です。
