本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月2日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
日々増え続けるGoogle Drive内のファイルやフォルダ。
「あのプロジェクトの資料、どのフォルダに入れたっけ?」
「共有されたフォルダ、とりあえず保存したけど中身は何だっけ?」
いちいちフォルダを開いて、中のファイルを確認して…という作業に、意外と多くの時間を使っていませんか?
Googleの生成AI「Gemini」が、そんなファイル探しの手間を劇的に減らしてくれます。
Google Driveのフォルダを開いた瞬間、その中にあるファイル群の内容をAIが自動で分析し、要約して教えてくれる新機能が登場しました。
これまでもGeminiによる簡単な提案機能(ナッジ)はありましたが、今回のアップデートでより「プロアクティブ(能動的)」で「インテリジェント(賢い)」な要約へと進化しました。
2025年12月2日より順次展開されているこの新機能について、詳細と活用メリットを解説します。
何が変わるのか?フォルダ上部に「要約」が自動表示
今回のアップデートの目玉は、Google Driveでフォルダを開いた際、画面の一番上に表示される「Geminiによるインサイト(Insights by Gemini)」セクションです。
これまでの課題:
フォルダの中身を知るには、ファイル名を見て推測するか、ファイルを一つずつ開いて中身を確認するしかありませんでした。特にファイル数が多いフォルダや、他人が整理したフォルダの場合、全体像を把握するのは大変でした。
これからの体験:
フォルダを開くと、Geminiがフォルダ内の主要なファイル(ドキュメント、スプレッドシート、スライドなど)の内容を読み取り、数行の要約テキストとして表示してくれます。
例えば、「2025年度 第3四半期 マーケティング計画」というフォルダを開くと、
「このフォルダには、Q3のキャンペーン予算案、SNS戦略のドラフト、競合分析レポートが含まれています」
といった具合に、中身の概要を教えてくれるのです。
さらに詳しく知りたい場合は、「Geminiで探索(Explore with Gemini)」ボタンをクリックすれば、サイドパネルが開き、より詳細な要約を求めたり、フォルダ内の特定の情報についてチャットで質問したりすることも可能です。
どんな時に便利?
久しぶりに開くプロジェクトフォルダ
「数ヶ月前に終わった案件、どんな資料があったっけ?」という時、フォルダを開くだけで記憶を呼び覚ますことができます。チームメンバーから共有されたフォルダ
「資料まとめておいたから見ておいて」と言われて共有されたフォルダ。いきなり大量のファイルを見る前に、Geminiの要約で全体像を掴んでから詳細を確認することで、理解が早まります。情報の整理整頓
フォルダの中身が散らかってきた時、要約を見ることで「あ、このフォルダには関係ないファイルが混ざっているな」と気づきやすくなり、整理整頓のきっかけになります。
利用条件と注意点
言語制限: 現時点では英語のみの対応となっています。日本語のファイルに対しても動作するかは今後のアップデートに期待ですが、グローバルなプロジェクトで英語資料を扱う際には即戦力となるでしょう。
対象プラン: Gemini機能を含む以下のプランで利用可能です。
Business Standard, Plus
Enterprise Standard, Plus
Google One AI Premium(個人向け)
Google AI Pro for Education
管理者・ユーザーの設定
管理者の方へ:
この機能を利用するには、管理コンソールで「スマート機能とパーソナライズ」の設定が有効になっている必要があります。
エンドユーザーの方へ:
上記のスマート機能設定がオンになっていれば、デフォルトで有効になります。
もし「画面を広く使いたい」「要約は不要」という場合は、セクションを折りたたんだり、スマート機能自体をオフにすることで非表示にできます。
展開スケジュール
即時リリース(Rapid Release)ドメイン: すでに利用可能です(Available now)。
計画的リリース(Scheduled Release)ドメイン: 2025年12月9日より、15日以上かけて段階的に展開されます。
まとめ:AIが「ファイル探しのコンシェルジュ」に
今回のアップデートは、Google Driveを単なる「ファイル置き場」から「インテリジェントな情報管理ハブ」へと進化させるものです。
ファイルを開くという些細なアクションをAIが代行してくれることで、私たちはより早く、目的の情報にたどり着けるようになります。
まずは英語版からのスタートですが、日本のユーザーにとっても、日々の業務効率を底上げしてくれる強力な機能になることは間違いありません。
