本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月5日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
会議室に設置されたGoogle Meet専用のハードウェア。
高画質なカメラやスピーカー、大型ディスプレイは魅力的ですが、Google Meet以外のWeb会議(ZoomやTeamsなど)に参加したい時、「自分のPCを繋いで、この立派な設備を使えたらいいのに…」と思ったことはありませんか?
これまでは、会議室の専用端末はGoogle Meet専用としてしか機能せず、自分のPCを持ち込んで(BYOD: Bring Your Own Device)会議室の周辺機器を使うには、複雑な配線の繋ぎ変えが必要でした。
そんな会議室の悩みを解消するアップデートが発表されました。
Google Meet on Chrome OS(タッチコントローラー付き)を導入している会議室において、Lightware社の周辺機器スイッチャーとの統合機能がリリースされました。
これにより、ユーザーは自分のノートPCをUSB-Cケーブル1本で接続するだけで、会議室のカメラ、マイク、スピーカー、ディスプレイをそのまま自分のPCの周辺機器として利用できるようになります。
2025年12月5日に発表されたこの新機能により、会議室の活用シーンが大きく広がります。
今回は、この「BYODモード」の詳細と、それがもたらすメリットについて解説します。
何が変わるのか?ケーブル1本で会議室をジャック
今回のアップデートの核心は、「Lightware Taurus UCX」シリーズという周辺機器スイッチャーとの連携です。
この機器が導入された会議室では、以下のような体験が可能になります。
これまでの課題:
Google Meet専用端末がある部屋で、自分のPCでZoom会議に出たい場合、会議室のカメラやマイクを使えず、PC内蔵の貧弱なカメラとマイクで参加するか、複雑なケーブルの配線をいじって接続し直す必要がありました。
これからの体験:
会議室のテーブルにあるUSB-Cケーブルを、自分のノートPCに挿すだけ。
それだけで、システムが自動的に「BYODモード」に切り替わります。
あなたのPCは、会議室の大型ディスプレイに画面を映し出すだけでなく、会議室の高性能なカメラ、マイク、スピーカーを認識し、Web会議アプリ(Zoom、Webex、Teamsなど何でもOK)で使用できるようになります。
もちろん、PCへの給電も同時に行われます。
この機能の3つのメリット
シームレスな切り替え(自動検知)
ユーザーがケーブルを挿すと、会議室のシステムは自動的にBYODモードに入ります。リモコン操作や入力切替などの面倒な手順は不要です。会議室に入ってすぐに、使い慣れた自分のPCで、高品質な設備を使った会議を始められます。会議の継続性を担保(誤作動防止)
もし、Google Meet専用端末ですでに会議が進行中だった場合、誰かがケーブルを繋いでも勝手にBYODモードには切り替わりません。会議が中断される心配はありません。
その場合、ケーブルは通常の「画面共有(プレゼンテーション)」用として機能し、進行中のGoogle Meet会議にPC画面を投影するために使えます。
「今は会議中」「今はBYOD」をシステムが賢く判断してくれます。管理者にとっても安心(誤検知の削減)
Google Workspace管理者にとってもメリットがあります。
管理コンソール上で、現在どの会議室が「BYODモード」で使用中なのかを確認できるようになります。
また、これまではBYOD利用中に周辺機器の接続が切り替わると、「カメラが見つかりません」といったエラー通知が管理者に飛んでしまうことがありましたが、今回の統合により、BYOD中はそうした誤ったアラートが飛ばないように制御されます。
利用に必要な条件
この機能を利用するには、以下のハードウェアが必要です。
Google Meet on Chrome OSデバイス(タッチコントローラーを使用するタイプ)
Lightware社製スイッチャー
Lightware Taurus UCX 4×2 HC40
Lightware Taurus UCX 4×3 HC40
これらの機器が正しく接続・設定されている会議室で利用可能です。
展開スケジュールと対象
展開スケジュール:
即時リリース(Rapid Release)および計画的リリース(Scheduled Release)の両ドメインにおいて、2025年12月1日より段階的に展開が始まっています。
機能が利用可能になるまで、最大15日程度かかる場合があり、完了予定は2025年12月18日頃です。
対象:
すべてのGoogle Meet on Chrome OSデバイス
まとめ:会議室の「プラットフォーム縛り」からの解放
今回のアップデートにより、Google Meetハードウェアを導入した会議室は、単なる「Google Meet専用部屋」ではなくなります。
Google Meetを使う時は専用端末で快適に、他のWeb会議ツールを使う時は自分のPCを繋いで柔軟に。
一つの会議室、一つの設備で、あらゆるコミュニケーションニーズに対応できる「ユニバーサルな会議室」へと進化します。
Lightware製品との連携が必要にはなりますが、会議室運用の柔軟性を高めたい企業にとっては、非常に魅力的なソリューションと言えるでしょう。
すでにGoogle Meetハードウェアを導入済み、または検討中の企業の担当者様は、ぜひこのBYODソリューションもあわせてチェックしてみてください。
