本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月8日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
全社集会(タウンホールミーティング)や大規模なウェビナーで活躍する、Google Meetの「ライブストリーミング」機能。
通常のMeet会議とは異なり、数千人規模の視聴者に映像を届けられる強力なツールですが、これまでは視聴者の範囲設定に少し不便な点がありました。
「社内向けイベントだけど、外部の協力会社のメンバーにも見せたい」
「全社員ではなく、営業部のメンバーだけに限定して配信したい」
これまでのライブストリーミング機能では、原則として「同じドメイン(社内)の全員が見られる」か「一般公開(誰でも見られる)」か、といった大まかな制御しかできませんでした。
しかし、2025年12月8日に発表されたアップデートにより、配信の公開範囲を自由自在にコントロールできるようになります。
社外のゲストを安全に招待したり、社内の特定のグループだけに視聴を限定したり。
今回のアップデートで追加される「適応型(Adaptive)」ミーティングタイプにより、イベントの目的に合わせた柔軟な配信設計が可能になります。
今回は、この新機能がどのようなメリットをもたらすのか、詳しく解説していきます。
何が変わるのか?2つの新しい視聴制限
今回のアップデートの目玉は、大きく分けて2つあります。
1. 社外ゲストへのライブ配信(外部ライブストリーミング)
これまで、ライブストリーミングは基本的に社内(自社ドメイン)向けのものでした。
しかしこれからは、ドメイン外のユーザー(社外のパートナー企業や顧客など)も、Googleアカウントを持っていればライブストリームに招待できるようになります。
これにより、以下のようなイベントが実現します。
-
取引先を招いた製品発表ウェビナー
-
グループ会社や協力会社を含めた合同キックオフミーティング
-
特定の顧客だけに向けた限定セミナー
2. ターゲットを絞った社内配信(ターゲット内部ライブストリーミング)
「社内配信」というと、これまでは全社員がアクセスできてしまうのが基本でした。
新しい機能では、ドメイン内のアクセスを特定のユーザーやGoogleグループに限定することができます。
-
役員会議の内容を、部長クラス以上に限定して生配信
-
営業部向けの研修を、他部署には見せないように配信
といった、情報の機密性を保った運用が可能になります。
新しい設定「適応型(Adaptive)」ミーティング
これらの柔軟な制御を実現するために、新しく「適応型(Adaptive)」というミーティングタイプの設定が追加されます。
ライブストリームを含む会議を設定する際、この「適応型」を選択(オプトイン)することで、新しいアクセス制御機能が利用できるようになります。
※既存の定期的なミーティングなどは、設定を変更しない限り従来の挙動のまま維持されますので、勝手に公開範囲が変わることはありません。
管理者とユーザーへの影響
管理者の方へ:
この機能自体をオン/オフする管理者コントロールはありません。
ただし、ライブストリーミング機能を利用できるライセンスを持つユーザーに対して、この新機能が自動的に提供されます。
エンドユーザー(主催者)の方へ:
ライブストリームを設定する際、新しいオプションが表示されるようになります。
イベントの趣旨に合わせて、「社外ゲストを呼ぶ」のか、「社内の一部に限定する」のかを選択し、招待リストを作成してください。
具体的な設定方法はヘルプセンターをご参照ください。
展開スケジュールと対象エディション
展開スケジュール:
-
即時リリース(Rapid Release)ドメイン:
2025年12月4日より、段階的に展開が始まっています(最大15日程度)。 -
計画的リリース(Scheduled Release)ドメイン:
2026年1月12日より、1〜3日かけて展開されます。
日本の多くの企業は計画的リリースを利用されているかと思いますので、年明けからの本格利用となりそうです。
利用可能なエディション:
ライブストリーミングの主催(ホスト)機能を持つ、以下のエディションで利用可能です。
-
Enterprise Standard / Plus
-
Enterprise Essentials Plus
-
Education Plus
-
Teaching and Learning Upgrade(教育機関向けアドオン)
まとめ:ライブ配信がもっと身近でセキュアに
今回のアップデートにより、Google Meetのライブストリーミングは、「ただ広く配信するツール」から「届けたい人に確実に届けるツール」へと進化しました。
セキュリティを担保しながら社外の人を招いたり、社内の情報統制を守りながら限定配信したり。
イベントの企画の幅が大きく広がるはずです。
ぜひ、次の全社イベントやウェビナーで、この新しい機能を活用してみてください。