本記事はGoogle Workspace Updatesブログ( https://workspaceupdates.googleblog.com/ )の記事を元に、日本のGoogle WorkspaceユーザーおよびGoogle Workspaceに興味がある方々に向けて、2025年12月23日に公開された情報を分かりやすく解説したものです。
会議の議事録、複数の研究論文、大量の参考資料…。
重要な情報はいつも、あちこちのファイルに散らばっていて、それらをきれいに整理するのは骨の折れる作業です。
「この情報とあの情報を突き合わせて、一覧表にして比較したい」
そう思っても、手作業でコピペして表を作るには、膨大な時間と労力がかかります。
そんな悩める情報整理の救世主となる新機能が、GoogleのAIノートブック「NotebookLM」に追加されました。
2025年12月23日に発表された「データテーブル(Data Tables)」機能です。
NotebookLMに読み込ませた複数のソース(資料)から、AIが自動的に関連する情報を抽出し、構造化されたきれいな「表」としてまとめてくれるのです。さらに、作成された表はそのままGoogleスプレッドシートに書き出すことも可能です。
今回は、この新機能がどのような場面で役立つのか、具体的な活用例とともに解説します。
何が変わるのか?情報の「構造化」をAIが代行
NotebookLMは、アップロードされた資料の内容をAIが理解し、質問に答えたり要約したりするツールです。
これまでは主に「テキスト」ベースでの出力が得意でしたが、今回のアップデートで「表形式(テーブル)」での出力が可能になりました。
これまでの課題:
複数の資料から特定の項目(日付、人名、数値など)を拾い出して比較したい場合、これまではチャットで質問して箇条書きで出してもらうか、自分で手作業でまとめるしかありませんでした。
これからの体験:
「これらの資料から、競合他社の価格と戦略を比較する表を作って」と指示するだけで、NotebookLMがソース全体をスキャンし、該当する情報を抽出して、整理されたテーブルを自動生成してくれます。
雑多な情報が、一瞬で「使えるデータ」に変わる瞬間です。
どんな時に便利?活用シーン4選
このデータテーブル機能は、学生からビジネスパーソンまで、あらゆる人の情報整理を効率化します。
会議の議事録整理(ビジネス)
複数の会議の文字起こしデータから、「アクションアイテム(やるべきこと)」を抽出し、担当者と優先度別に整理したタスク一覧表を作成する。競合調査・市場分析(ビジネス)
集めたニュース記事やレポートから、競合各社の製品特徴、価格、マーケティング戦略を横並びで比較する表を作成する。試験勉強・学習(教育)
歴史の教科書や資料から、「歴史的出来事」を抽出し、日付、重要人物、結果(影響)をまとめた年表形式のスタディガイドを作成する。学術研究・論文執筆(研究)
複数の臨床試験論文から、実施年、サンプルサイズ、統計結果などの主要データを抽出し、メタ分析のための比較表を作成する。
全年齢で利用可能!
嬉しいことに、このデータテーブル機能は、年齢制限なく利用可能です。
Google Workspace for Educationを利用している学生たちも、この機能を使って学習効率を飛躍的に高めることができます。
利用方法と展開スケジュール
管理者の方へ:
この機能自体をオン/オフする個別の設定はありません。
NotebookLMサービス全体が有効になっていれば、ユーザーは自動的にこの機能を利用できます。
エンドユーザーの方へ:
NotebookLMの画面で、ソースを選択してチャット欄に「〜の表を作って」と指示するか、新しく追加されるデータテーブル作成メニュー(もしあれば)を利用してください。
生成された表は、ワンクリックでGoogleスプレッドシートにエクスポートできます。
展開スケジュール:
2025年12月23日より、即時リリースおよび計画的リリースドメインの両方で段階的に展開が始まっています(最大15日程度)。
対象プラン:
非常に幅広いプランで利用可能です。
Business Starter, Standard, Plus
Enterprise Starter, Standard, Plus
Education Fundamentals, Standard, Plus
Google AI Pro for Education
Frontline Starter, Standard, Plus
Essentials, Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus
Nonprofits(非営利団体向け)
まとめ:情報は「表」にすると見えてくる
「情報は整理されて初めて意味を持つ」と言われます。
NotebookLMのデータテーブル機能は、AIの力を使って、情報の「整理」という最も面倒な工程を自動化してくれる画期的なツールです。
散らばった点と点を繋ぎ合わせ、構造化されたデータとして可視化することで、新たな気づきや洞察が得られるはずです。
ぜひ、お手持ちの資料をNotebookLMに読み込ませて、魔法のように表が出来上がる体験を味わってみてください。
