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自宅兼事務所の家賃や光熱費、経費にする家事按分とは

自宅で仕事をしている個人事業主やフリーランスの方、家賃や光熱費を経費にできることをご存知ですか?

「自宅の一部を仕事で使っているけど、経費にしていいのかな…」

「どうやって計算すればいいのか分からない」

そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

実は、自宅兼事務所の場合、家賃や光熱費の一部を「家事按分」という方法で経費として計上することができるんです。

この記事では、家事按分の基本から具体的な計算方法、そして確定申告での処理方法まで、わかりやすく解説していきます。

家事按分とは?基本的な考え方を理解しよう

家事按分(かじあんぶん)とは、自宅兼事務所など、プライベートと仕事の両方で使用している費用を、事業で使用した分だけ経費として計上する方法です。

例えば、自宅の家賃が月10万円で、そのうち30%を仕事スペースとして使用している場合、月3万円(10万円×30%)を経費として計上できるということです。

家事按分できる主な費用

  • 家賃:賃貸物件の家賃
  • 光熱費:電気代、ガス代、水道代
  • 通信費:インターネット料金、固定電話代
  • 火災保険料:賃貸物件の火災保険
  • 固定資産税:持ち家の場合
  • 住宅ローンの利息部分:持ち家の場合(元本は対象外)

ただし、これらすべてを無条件に経費にできるわけではありません。重要なのは「合理的な按分比率」を設定することです。

按分比率の決め方:税務署に認められる3つの方法

按分比率を決める際は、客観的で合理的な根拠が必要です。主に以下の3つの方法があります。

1. 面積比で計算する方法(最も一般的)

自宅の総面積に対して、仕事で使用している面積の割合を計算します。

計算例:
自宅の総面積:80㎡
仕事部屋の面積:16㎡
按分比率:16㎡ ÷ 80㎡ = 20%

2. 使用時間で計算する方法

1日24時間のうち、何時間を仕事で使用しているかで計算します。光熱費などに適しています。

計算例:
1日の仕事時間:8時間
按分比率:8時間 ÷ 24時間 = 約33%

3. 使用日数で計算する方法

週に何日仕事で使用しているかで計算します。週末は使わない場合などに適用できます。

計算例:
週5日勤務の場合
按分比率:5日 ÷ 7日 = 約71%

実際には、これらの方法を組み合わせて使用することも可能です。例えば、家賃は面積比で、電気代は使用時間で計算するなど、費用の性質に応じて最も合理的な方法を選択しましょう。

具体的な家事按分の計算例:実際にやってみよう

ここでは、フリーランスのWebデザイナーAさんを例に、実際の計算方法を見ていきましょう。

Aさんの状況

  • 自宅の総面積:60㎡
  • 仕事部屋の面積:12㎡(按分比率20%)
  • 月の家賃:12万円
  • 月の電気代:平均1万円
  • 月のインターネット料金:5,000円

年間の経費計算

費用項目年間総額按分比率経費計上額
家賃144万円20%28.8万円
電気代12万円30%3.6万円
インターネット6万円80%4.8万円
合計37.2万円

このように、年間で37.2万円を経費として計上できます。仮に所得税率が20%の場合、約7.4万円の節税効果があることになります。

家事按分で注意すべき5つのポイント

1. 按分比率は根拠を明確に

税務調査が入った際に説明できるよう、按分比率の根拠となる資料(間取り図、使用時間の記録など)を保管しておきましょう。

2. 過度な按分は避ける

例えば、ワンルームマンションで80%を経費にするなど、明らかに不自然な按分は税務署から指摘を受ける可能性があります。

3. プライベート専用スペースは除外

寝室やお風呂、トイレなど、明らかにプライベート専用の場所は按分対象から除外します。

4. 領収書は必ず保管

家賃の振込明細書、光熱費の領収書など、すべての証憑書類を7年間保管する必要があります。

5. 持ち家の場合は減価償却に注意

持ち家の場合、建物の減価償却費も按分できますが、売却時の譲渡所得計算に影響するため、慎重に検討しましょう。

確定申告での家事按分の処理方法

家事按分した経費を確定申告で処理する際は、以下の手順で行います。

青色申告決算書への記載方法

  1. 経費の勘定科目を選択
    家賃は「地代家賃」、光熱費は「水道光熱費」など、適切な勘定科目に分類します。
  2. 按分後の金額を記載
    各勘定科目には、按分計算後の金額のみを記載します。
  3. 備考欄に按分比率を記載
    念のため、備考欄に「家事按分20%」などと記載しておくと良いでしょう。

ただし、この作業を手計算で行うのは非常に煩雑です。毎月の領収書を整理し、按分計算を行い、帳簿に記載する…この一連の作業にかなりの時間を取られてしまいます。

家事按分の計算を簡単にする方法

家事按分の計算や管理を効率化したい方には、クラウド型の確定申告ソフトの活用がおすすめです。

特に、初めて確定申告をする方や、経理作業に時間をかけたくない方には、自動計算機能が充実したソフトが便利です。例えば、マネーフォワード クラウド確定申告の詳しい使い方や評判はこちらの記事で詳しく解説していますが、家事按分の自動計算機能があり、一度設定すれば毎月自動で按分計算してくれます。

クラウド型確定申告ソフトを使うメリット

  • 自動按分計算:按分比率を一度設定すれば、自動で計算
  • 領収書の電子保存:スマホで撮影するだけで保存可能
  • 確定申告書の自動作成:帳簿から自動で申告書を作成
  • 税制改正への自動対応:常に最新の税制に対応

年間数万円の経費削減効果がある家事按分ですが、その計算や管理に何十時間もかけるのは本末転倒です。効率的なツールを活用して、本業に集中できる環境を整えることが大切です。

よくある質問:家事按分のQ&A

Q1. 家事按分の按分比率は毎年変更できますか?

A. はい、変更可能です。ただし、頻繁に変更すると税務署から指摘を受ける可能性があるため、合理的な理由がある場合のみ変更しましょう。

Q2. 車両費も家事按分できますか?

A. はい、事業で使用している割合に応じて按分できます。走行距離や使用日数で按分するのが一般的です。

Q3. 白色申告でも家事按分はできますか?

A. はい、白色申告でも家事按分は可能です。ただし、事業専用割合が50%以上でないと認められない場合があります。

Q4. 税務調査で家事按分を否認されることはありますか?

A. 按分比率に合理的な根拠がない場合や、明らかに過大な場合は否認される可能性があります。客観的な根拠を準備しておくことが重要です。

まとめ:家事按分を正しく活用して節税しよう

自宅兼事務所の家賃や光熱費を家事按分することで、年間数十万円の経費計上が可能になります。ポイントは以下の通りです。

  • 合理的な按分比率を設定する
  • 領収書などの証憑書類を保管する
  • 過度な按分は避ける
  • 効率的なツールを活用する

特に個人事業主やフリーランスの方にとって、家事按分は重要な節税対策の一つです。しかし、計算や管理の手間を考えると、躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな方は、ぜひクラウド型の確定申告ソフトの活用を検討してみてください。初期設定さえ済ませれば、あとは自動で計算してくれるため、本業に集中しながら適切な節税対策を行うことができます。

正しい知識を身につけて、賢く経費を活用していきましょう。確定申告の時期になって慌てないよう、今から準備を始めることをおすすめします。

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