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これから10〜20年で約50%の職業が人工知能やロボット等によって代替される時代で、残る仕事、人間に求められることは何か?

近年、テクノロジーの技術発展によって、急速に仕事のやり方をはじめ、働き方まで変化してきています。

周知の事実ですが、

人工知能やロボットなどのテクノロジーによって、今ある仕事の多くが代替されると予測されています

 

例えば、自動車の自動運転が実用化されれば、タクシーやバス、配送のトラックなどの運転手は仕事を失います。

すでにアメリカでは実店舗の実験が始まっている無人コンビニ「AmazonGO」が普及すれば、コンビニの店員は仕事を失い、同じ仕組みが他の小売店舗に導入されれば、スーパーをはじめとした小売店舗の定員は仕事を失います。

 

今回は、人工知能やロボット等によって代替可能性のある職業の話題から、これから私たち人間に求められる仕事は何か、わかりやすく言うと、どうすれば人工知能やロボットに仕事を奪われることなく仕事を続けられるのか、というテーマについて考えてみたいと思います。

人工知能やロボット等に仕事の大半が奪われるという話の根拠

新聞、雑誌、ネット情報、書籍など、至るところで、

「近い将来、人工知能やロボット等によって、いまある職業の約半分がなくなる」

といった内容を見かけますが、それらのほとんどの情報元が、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士が2013年に発表した論文がベースになっています。

 

『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』

『The Future of Employment: How susceptible are jobs to computerisation』(2013) (PDFリンク(英文)

 

論文の中では、

「今後10〜20年程度で、アメリカの今ある職業のうち、約47%の職業が人工知能やロボット等で代替される可能性が高い」

という結論を示されています。

 

また、この論文をベースに、日本の野村総合研究所が調査した結果では、

「日本においては、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、人工知能やロボット等で代替される可能性が高い」

という調査結果を発表しています。

具体的にどの職業が代替される可能性が高いのか、低いのか、については、記事の最後に掲載していますのでご確認ください。

私たちの仕事は将来すべてなくなってしまうのか

論文が発表されたのが2013年。

今年が2018年ですから、「10〜20年後」という予測は、「2023年〜2033年」というわけですが、早ければ5年後には今ある職業の半分がなくなる未来が訪れるかもしれません。

 

人工知能やロボットで代替される可能性が特に高い職業は、「代替して費用対効果が高いもの」から導入されていくと考えるべきでしょう。

 

世界で1人しかやっていない仕事をわざわざ専用のロボットを作って代替したところでほとんど意味がありません。

時給が高くて従事している人が多い仕事であれば、人工知能やロボットが代替するメリットが大きくなります。例えば、医者や弁護士、金融関係などは、高給なで世界各国で仕事をしている人がたくさんいます。

次に、時給が低くても世界中で同じような仕事をしているような職業。例えば、冒頭にも書きましたが、車の運転手やレジ店員なんかは、医者や弁護士などに比べると1人1人のインパクトは小さいですが、世界中の至る所で仕事をしている人がいるのでインパクトは期待できそうです。

 

このように、代替されていく順番は、経済効果の高い職業から、と考えるのが代替されにくい仕事を考える上でヒントになるかもしれません。

 

そのうちすべての仕事がテクノロジーによって駆逐されてしまう、と悲観する人もいるかもしれませんが、人類は過去何度も大きな変革によって職業がなくなる経験をしていますし、なくなるとともに、新しく生まれる職業があることも経験しています。

農業に機械が導入された時代では、農業に従事する人は激減しましたが、代わりに工業の仕事に流れていきました。

自動車が普及した時には、馬車の運転手は自動車の運転手になったことでしょうし、工場の仕事がロボットや機械で自動化されてくると、オフィスワーカーへ、といった具合に、時代の変化にあわせて、人は職業を変えて適応している側面もあります。

未来は不確実ですので、当然楽観視はできませんが、将来を悲観して諦めるのではなく、できること、やるべきことにフォーカスしていくべきしょう。

 

では、人工知能やロボット等によって仕事がなくなっていく中で、私たちはどうすれば仕事を続けることができるのでしょうか。

私たち人間に求められる仕事とは何か

私たち人間に求められる仕事を考えるには、人工知能やロボットが得意な領域、苦手な領域から(人工知能やロボットが)逆算して考えた方がよいように思えます。

 

想像に難くないですが、人工知能やロボットは、マニュアル的な仕事や、大量のデータを処理する仕事、ロボットであれば肉体的に大変な仕事、などは得意です。

逆に、(現状では)新しくアイデアを考える仕事や、感情を相手に伝えることは苦手としています。

 

人工知能やロボットに代替されないために必要なスキルとして、以下の3つを挙げてみます。

①数学的思考。テクノロジーを使いこなす。

②社交性。共感を持って働けること。

③創造力。新しく仕事を作り出す。

 

現代のデジタル社会において、ITやコンピューターなどのテクノロジーを使いこなすのは必須のスキルです。世界的な大企業のトップを見ても、Google、Facebook、Amazon、Microsoft、ほぼすべての経営者が理系や数学的思考を持ち合わせています。勢いのあるベンチャー企業経営者の多くも同じです。

社交性、共感力、創造力は、人間が得意とするところです。

 

将来10〜20年後に成長する職業は、数学的思考に強く、かつ、社会的共感力を必要とし、創造力が求められる職業です。

逆に、一番見込みがないのは、それらの能力を使わない職業。

 

今現在、ルーティンワークを毎日こなしている仕事や、言われたことだけをしている人、などは特に気をつけて、これからの自分の仕事やスキルについて見直した方がよいかもしれません。

 

今日はここまで。

おすすめ書籍

今回の内容でおすすめの書籍を紹介しておきます。

 

『ライフ・シフト』『ワーク・シフト』

ベストセラーとなった本ですが、これから長期的な視点で仕事や生き方をどう考えていけばよいのかについて、たくさんのヒントが詰まっています。内容は難しくなく読みやすい点もおすすめです。

 

『超AI時代の生存戦略』

日本のテクノロジー分野の第一人者である落合陽一氏の書籍で、人工知能時代における仕事のやり方や考え方について学べることが多い本です。やや説明が難しく理解しにくい部分も多いかもしれませんが、逆にこの本の内容がすんなり理解できるくらいの数学的思考は最低限身につけておきたいところかもしれません。

 

『人工知能は人間を超えるか』

人工知能について理解を深めたい人に。日本で人工知能についての本や情報を探すと東京大学の松尾豊教授に行き着くことが多々あります。最近では人工知能についての本が増えてきましたが、2015年に書かれた本でありながら、人工知能の入門バイブルとして最適な内容だと思います。

【参考①】人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業

出典:https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業(50音順、並びは代替可能性確率とは無関係)※職業名は、労働政策研究・研修機構「職務構造に関する研究」に対応

IC生産オペレーター

一般事務員

鋳物工

医療事務員

受付係

AV・通信機器組立・修理工

駅務員

NC研削盤工

NC旋盤工

会計監査係員

加工紙製造工

貸付係事務員

学校事務員

カメラ組立工

機械木工

寄宿舎・寮・マンション管理人

CADオペレーター

給食調理人

教育・研修事務員

行政事務員(国)

行政事務員(県市町村)

銀行窓口係

金属加工・金属製品検査工

金属研磨工

金属材料製造検査工

金属熱処理工

金属プレス工

クリーニング取次店員

計器組立工

警備員

経理事務員

検収・検品係員

検針員

建設作業員

ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く)

こん包工

サッシ工

産業廃棄物収集運搬作業員

紙器製造工

自動車組立工

自動車塗装工

出荷・発送係員

じんかい収集作業員

人事係事務員

新聞配達員

診療情報管理士

水産ねり製品製造工

スーパー店員

生産現場事務員

製パン工

製粉工

製本作業員

清涼飲料ルートセールス員

石油精製オペレーター

セメント生産オペレーター

繊維製品検査工

倉庫作業員

惣菜製造工

測量士

宝くじ販売人

タクシー運転者

宅配便配達員

鍛造工

駐車場管理人

通関士

通信販売受付事務員

積卸作業員

データ入力係

電気通信技術者

電算写植オペレーター

電子計算機保守員(IT保守員)

電子部品製造工

電車運転士

道路パトロール隊員

日用品修理ショップ店員

バイク便配達員

発電員

非破壊検査員

ビル施設管理技術者

ビル清掃員

物品購買事務員

プラスチック製品成形工

プロセス製版オペレーター

ボイラーオペレーター

貿易事務員

包装作業員

保管・管理係員

保険事務員

ホテル客室係

マシニングセンター・オペレーター

ミシン縫製工

めっき工

めん類製造工

郵便外務員

郵便事務員

有料道路料金収受員

レジ係

列車清掃員

レンタカー営業所員

路線バス運転者

【参考②】人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業

出典:https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業(50音順、並びは代替可能性確率とは無関係)※職業名は、労働政策研究・研修機構「職務構造に関する研究」に対応

アートディレクター

アウトドアインストラクター

アナウンサー

アロマセラピスト

犬訓練士

医療ソーシャルワーカー

インテリアコーディネーター

インテリアデザイナー

映画カメラマン

映画監督

エコノミスト

音楽教室講師

学芸員

学校カウンセラー

観光バスガイド

教育カウンセラー

クラシック演奏家

グラフィックデザイナー

ケアマネージャー

経営コンサルタント

芸能マネージャー

ゲームクリエーター

外科医

言語聴覚士

工業デザイナー

広告ディレクター

国際協力専門家

コピーライター

作業療法士

作詞家

作曲家

雑誌編集者

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歯科医師

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