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開業届はペンネームや芸名で出せる?本名記載のルールと屋号の使い分け

フリーランスのイラストレーター、ライター、動画クリエイターとして活動していると、多くの方がペンネームや芸名を使っていますよね。

活動が軌道に乗ってきて、「そろそろ開業届を出そうかな」と考えたとき、ふとこんな疑問が浮かびませんか?

「開業届って、いつも使っているペンネームで出せるのかな?」

「公的な書類に本名を書くのは少し抵抗がある…」

「本名と活動名をどう使い分ければいいんだろう?」

クリエイターとして自分のブランドを大切にしたいからこそ、お金や手続きの話は慎重になりますよね。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決します。

結論から言うと、開業届は本名での提出が必須ですが、ペンネームや芸名を「屋号」として活用することで、あなたの活動スタイルを守りながら事業を正式にスタートできます。

この記事を読み終える頃には、開業届における本名とペンネームの扱いに詳しくなり、安心して手続きを進めるための具体的な方法が分かります。

【結論】開業届の氏名欄は「本名(戸籍上の氏名)」の記載が必須

まず、最も重要な点からお伝えします。個人事業の開業・廃業等届出書、いわゆる「開業届」の「氏名」欄には、必ず戸籍上の本名を記載しなければなりません。これは、2025年12月時点でのルールです。

なぜなら、開業届は税務署に「この名前の人物が、納税の義務を負う事業を始めます」と宣言するための公的な書類だからです。そのため、本人確認ができないペンネームや芸名では受理されません。もし誤ってペンネームで提出してしまっても、後の訂正を求められたり、手続きが滞ったりする原因になります。

「でも、本名を書いたら活動に影響が出ないか心配…」と感じる方もいるでしょう。特に、プライベートと仕事を明確に分けたい方にとっては、大きな懸念点ですよね。その不安を解消するために、もう少し詳しく見ていきましょう。

本名が公になる範囲は?提出した情報はどう扱われる?

開業届を提出したからといって、あなたの本名がインターネット上で公開されたり、誰でも閲覧できるようになったりすることはありません。

提出された開業届は、あくまで国(税務署)が納税者を管理するために使用されます。税務署からのお知らせや確定申告に関する書類は本名宛に届きますが、その情報が第三者に漏れることは原則としてありません。

ただし、注意点もあります。事業を行う上で、以下のような場面では本名の提示が必要になることがあります。

  • 事業者間の契約書:企業と業務委託契約などを結ぶ際、法的な効力を持たせるために本名の記載を求められるのが一般的です。
  • 許認可の申請:特定の事業(古物商、飲食店営業など)を始める際に必要な許認可の申請には、本名が必要です。
  • 一部の銀行口座開設:事業用の銀行口座を開設する際、本人確認書類として本名が記載されたもの(運転免許証など)が必須です。

このように、事業の透明性や信頼性が求められる場面では、本名の出番となります。しかし、日々のクリエイティブな活動や顧客とのコミュニケーションで、必ずしも本名を名乗る必要はないのです。そのための鍵となるのが「屋号」の存在です。

ペンネームや芸名は「屋号」として賢く活用しよう!

「氏名欄には本名を書くしかないのか…」とがっかりする必要はありません。ここで登場するのが「屋号」です。

屋号とは、個人事業主が事業を行う上で使用する商業上の名前のこと。いわば、あなたのお店の名前やブランド名のようなものです。そして、この屋号には、あなたのペンネームや芸名、サークル名などを自由に設定できます。

開業届には「屋号」を記載する欄があります。ここにあなたの活動名を記載することで、公的な手続きは本名で行いつつ、事業活動はペンネームで行う、という使い分けが可能になるのです。

屋号をペンネームにする3つの大きなメリット

屋号としてペンネームを登録することには、具体的なメリットがたくさんあります。

  1. 活動名で銀行口座が開設できる
    これが最大のメリットかもしれません。屋号を登録すると、「屋号名+個人名(本名)」という形式で事業用の銀行口座を開設できます。例えば、「アトリエ・ハナ 鈴木太郎」といった名義です。これにより、クライアントからの報酬振込先として、あなたの活動名が入った口座を指定できます。プライベートの支出と事業の経費を明確に分けられるため、確定申告の際の経理作業が格段に楽になります。
  2. 社会的な信用度がアップする
    請求書や領収書、名刺、ウェブサイトなどに「屋号」を正式に記載できるため、単にペンネームで活動しているだけの場合よりも、しっかりとした事業者であるという印象を与えられます。クライアントからの信頼を得やすくなり、新たな取引にも繋がりやすくなるでしょう。
  3. 活動のブランディングに繋がる
    あなたが創作活動で使っているペンネームやブランド名が、そのまま事業の名前になります。これにより、活動の一貫性が生まれ、ファンや顧客に対してあなたのブランドイメージをより強く印象付けることができます。

屋号を設定する際の注意点

屋号は比較的自由に決められますが、いくつか注意すべきルールがあります。

  • 法人と誤認される名称はNG:「株式会社」や「合同会社」といった、法人形態を示す言葉を屋号に含めることはできません。
  • 商標登録の確認:もし、あなたの使いたいペンネームや屋号が、すでに他者によって商標登録されている場合、無断で使用すると商標権の侵害にあたる可能性があります。念のため、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)などで事前に調べておくと安心です。
  • 公序良俗に反しない:社会通念上、不適切とされる言葉を屋号にすることは避けましょう。

これらの点に注意すれば、あなたのアイデンティティであるペンネームを、事業の顔として堂々と使うことができます。

【ケース別】ペンネームと本名の使い分け実践ガイド

「理屈は分かったけど、具体的にどんな場面でどう使い分ければいいの?」という方のために、よくあるケースごとに実践的な使い方を解説します。

ケース1:クライアントへの請求書を発行するとき

請求書は、屋号を最も活用できる書類の一つです。発行者欄には、屋号と本名を併記する、あるいは屋号のみを記載するのが一般的です。振込先口座として、前述の「屋号付き口座」を指定すれば、クライアントはあなたの活動名義の口座に振り込むことができ、やり取りが非常にスムーズになります。

例:

【発行者】
アトリエ・ハナ
代表 鈴木 太郎
(住所・電話番号など)

このように記載すれば、屋号がメインとなり、本名は代表者名として添える形になるため、スマートな印象を与えられます。

ケース2:確定申告をするとき

年に一度の確定申告。これは納税に関する手続きなので、申告書自体は必ず本名で作成・提出します。

ただし、青色申告を行う場合の「青色申告決算書」や、白色申告の「収支内訳書」には、屋号を記載する欄があります。ここに登録した屋号を記載することで、どの事業(屋号)に関する収支報告なのかを明確にすることができます。確定申告は本名で行いますが、その中身は屋号に紐づいている、とイメージすると分かりやすいでしょう。

ちなみに、開業届を提出して青色申告を行うと、最大65万円の特別控除が受けられるなど、大きな節税メリットがあります。ペンネームでの活動を本格化させるなら、開業届の提出は必須と言えるでしょう。

面倒な開業手続きは「無料ツール」で5分で終わらせよう

ここまで読んで、「なるほど、屋号を使えばいいのか!でも、開業届の書き方ってなんだか難しそう…」「役所に行く時間もないし、手続きが面倒だな…」と感じていませんか?

確かに、慣れない書類を一から手書きで作成するのは骨が折れる作業です。どこに何を書けばいいのか迷ったり、書き間違えてしまったりするかもしれません。

ですが、ご安心ください。そんな面倒な書類作成を、質問に答えていくだけで自動的に完了させてくれる便利な無料サービスがあるのです。

会計ソフトの定番「マネーフォワード」が提供する開業サービス

そこでおすすめしたいのが、「マネーフォワード クラウド開業届」です。

これは、会計ソフトで有名なマネーフォワードが提供している無料のサービスで、Webサイト上でいくつかの質問に答えるだけで、開業届をはじめとする必要な書類を自動で作成してくれます。もちろん、今回解説した「屋号」の欄も迷わず入力できます。

作成された書類はPDFでダウンロードでき、印刷してハンコを押して提出するだけ。マイナンバーカードがあれば、スマホから電子申請で完結させることも可能です。提出先の税務署を自動で判定してくれたり、提出方法のガイドも付いていたりと、至れり尽くせりです。

「何から手をつけていいか分からない」という方でも、このツールを使えば5分から10分程度で全ての書類作成が終わります。 面倒な事務作業は便利なツールに任せて、あなたは本来のクリエイティブな活動に集中しましょう。

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まとめ:本名とペンネームを使い分けて、安心して活動の幅を広げよう

今回は、開業届とペンネームの付き合い方について解説しました。最後に要点をまとめます。

  • 開業届の氏名欄は、必ず戸籍上の本名を記載する。
  • ペンネームや芸名は「屋号」の欄に記載して活用する。
  • 屋号を使えば、活動名義の銀行口座開設や請求書発行が可能になる。
  • 契約や確定申告など、公的な手続きは本名で行う。

ペンネームで活動するあなたにとって、開業届は活動の幅を広げ、社会的な信用を得るための重要なステップです。本名と屋号のルールを正しく理解し、賢く使い分けることで、プライバシーを守りながら、事業主として堂々と活動していくことができます。

「でも、やっぱり手続きは不安…」という方は、まずは第一歩として、具体的な開業準備の進め方をチェックしてみるのがおすすめです。以下の記事では、個人事業主になるための手順をゼロから分かりやすく解説しており、「マネーフォワード クラウド開業届」を使った具体的な書類作成方法も紹介しています。ぜひ、あなたの次の一歩にお役立てください。

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