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事業用備品をポイントで購入した場合の経費処理!値引きか雑収入か仕訳パターンを解説

個人事業主として活動していると、事業で使う備品をクレジットカードやECサイトのポイントで購入する機会も多いのではないでしょうか。

「貯まったポイントでオフィスチェアを買ったけど、これって経費になるの?」。

「ポイントで支払った分は、帳簿にどうやって記録すればいいんだろう?」。

そんな疑問を感じたことはありませんか。

実は、ポイントを利用した際の経費処理にはいくつかの考え方があり、正しく理解しておかないと、確定申告の際に混乱してしまう可能性があります。

この記事では、事業用備品をポイントで購入した場合の経費処理について、具体的な仕訳例を交えながら分かりやすく解説します。

「値引き」として処理するのか、それとも「雑収入」として計上するのか、それぞれのパターンのメリット・デメリットを理解し、ご自身の事業に最適な方法を見つけましょう。

この記事を最後まで読めば、ポイント利用に関する経理の悩みがスッキリ解決し、日々の帳簿付けがもっと楽になります。

そもそも事業用備品をポイントで購入したら経費になる?

結論から言うと、事業用の備品をポイントで購入した場合でも、その費用は経費として計上できます。

例えば、仕事で使うプリンターのインクや文房具、パソコンなどをポイントで購入した場合、それらは事業に必要な支出と認められるため、経費として処理することが可能です。

ただし、ここで重要なポイントが2つあります。

  1. 事業に関連する支出であること
    当然ですが、経費として計上できるのは、あくまで事業を運営するために必要な支出に限られます。プライベートで使用する目的で購入したものを経費にすることはできません。
  2. ポイントの利用方法(全額か一部か)
    購入代金の全額をポイントで支払った場合と、一部をポイントで支払い、残りを現金やクレジットカードで支払った場合とでは、仕訳の考え方が少し異なります。

特に個人事業主の場合、プライベートの買い物で貯まったポイントを事業用の備品購入に使うケースもあるでしょう。税務調査などで指摘を受けないためにも、事業用の支出とプライベートな支出は明確に区別して管理することが大切です。

では、具体的にどのように帳簿に記録すれば良いのでしょうか。次の章では、ポイント利用の会計処理で最も一般的な「値引き処理」と、もう一つの考え方である「雑収入処理」について詳しく見ていきましょう。

ポイント利用の会計処理|「値引き処理」と「雑収入処理」2つの考え方

ポイントを利用した際の会計処理には、大きく分けて「購入代金の値引きとして処理する方法」「ポイントを雑収入として処理する方法」の2つのパターンが存在します。どちらの方法を選択するかによって仕訳の仕方が変わってきますので、それぞれの特徴をしっかり理解しておきましょう。

一般的な処理方法:「値引き」として処理するパターン

最も一般的で、多くの個人事業主が採用しているのがこの「値引き処理」です。これは、ポイント利用分を「商品やサービスの購入代金から直接値引かれたもの」と見なして会計処理する方法です。

国税庁の見解でも、企業が発行するポイントは、基本的には将来の値引きを約束するものとされています。そのため、個人事業主の会計処理においても、この考え方を採用するのがシンプルで分かりやすいでしょう。

【仕訳例】10,000円のオフィス用品を、2,000ポイントを利用し、残額8,000円を現金で支払った場合

勘定科目借方貸方
消耗品費8,000円
現金8,000円

この方法の最大のメリットは、仕訳が非常にシンプルであることです。実際に支払った金額だけを記帳すればよいため、経理の手間を大幅に削減できます。ポイントの発生や利用のたびに複雑な処理をする必要がありません。

デメリットを挙げるとすれば、ポイントの管理が帳簿上では行われないため、どのくらいポイントを節約できたのかが分かりにくい点ですが、ほとんどの個人事業主にとっては大きな問題にはならないでしょう。

もう一つの方法:「雑収入」として処理するパターン

もう一つの方法が、利用したポイントを「雑収入」として計上する方法です。これは、ポイントを金銭的な価値のある収益と捉え、一度収入として計上した上で、購入時には正規の金額で費用を計上する考え方です。

【仕訳例】10,000円のオフィス用品を、2,000ポイントを利用し、残額8,000円を現金で支払った場合

<ポイント利用時>

勘定科目借方貸方
消耗品費10,000円
現金8,000円
雑収入2,000円

この処理方法のメリットは、ポイントの価値を収益として明確に認識できる点です。また、経費も本来の価格で計上されるため、費用対効果の分析などがしやすくなる可能性があります。

しかし、ポイントを獲得した時点でも収入として計上する必要が出てくるなど、管理が煩雑になるという大きなデメリットがあります。特に、ポイントの発生源が多岐にわたる場合、そのすべてを管理するのは現実的ではありません。

どちらを選ぶべき?判断基準を解説

「結局、どちらの方法を選べばいいの?」と迷う方もいるでしょう。結論から言うと、ほとんどの個人事業主にとっては「値引き処理」がおすすめです。

最終的な所得金額に与える影響は、どちらの方法でも基本的には変わりません。それならば、日々の経理の手間が少なく、ミスも起こりにくいシンプルな方法を選ぶのが賢明です。

ただし、アフィリエイト報酬やポイントサイトで得たポイントなど、役務の対価としてポイントを受け取っている場合は、そのポイント獲得時点で「事業所得」や「雑所得」として計上する必要があるため注意が必要です。商品の購入に伴って付与される一般的なポイントとは性質が異なることを理解しておきましょう。

ケース別・ポイント利用の仕訳具体例

ここでは、さらに具体的なシチュエーションを想定して、ポイントを利用した際の仕訳例を見ていきましょう。今回は、個人事業主におすすめの「値引き処理」を前提として解説します。

ケース1:全額をポイントで支払った場合

例えば、事業で使う5,000円のソフトウェアを、保有していた5,000ポイントすべてを使って購入したとします。この場合、実際に現金や預金の支出は発生していません。

会計の原則からすると、金銭の動きがないため「仕訳なし」とすることも可能です。しかし、経費として何を購入したのかを記録として残しておきたい場合、以下のような仕訳が考えられます。

【仕訳例】5,000円のソフトウェアを全額ポイントで購入した場合

勘定科目借方貸方
消耗品費1円
事業主借1円

摘要欄に「5,000円のソフトウェアをポイントで購入」といったメモを残しておくことで、備忘録としての役割を果たします。金額を1円とするのは、帳簿に取引があった事実を記録するためのテクニックです。

あるいは、プライベートで貯めたポイントを使った場合は「事業主が個人のお金で事業の経費を立て替えた」と考え、以下のように処理することもできます。

勘定科目借方貸方
消耗品費5,000円
事業主借5,000円

どちらの処理が正しいというわけではありませんが、事業用の経費として資産(ソフトウェア)が増えた事実を記録するという点では、後者の仕訳がより実態に近いと言えるかもしれません。

ケース2:一部をポイントで、残りをクレジットカードで支払った場合

これは最も頻繁に発生するケースでしょう。例えば、Amazonで30,000円のモニターを購入し、5,000ポイントを利用、残りの25,000円を事業用のクレジットカードで支払ったとします。

【仕訳例】30,000円のモニターを、5,000ポイントとクレジットカードで購入した場合

勘定科目借方貸方
消耗品費25,000円
未払金25,000円

ポイント利用分は値引きとして考え、実際にカードで支払った25,000円のみを費用として計上します。クレジットカードでの支払いなので、貸方科目は「未払金」となり、後日カードの引き落としがあった際に、この未払金を消す仕訳を行います。

このように、実際に動いたお金の額に着目すれば、仕訳は非常にシンプルになります。

ポイント経理を効率化するなら会計ソフトが必須!

ここまで、ポイント利用の仕訳方法について解説してきましたが、「やっぱり面倒くさい…」「確定申告の時期にまとめて処理するのは大変そう」と感じた方も多いのではないでしょうか。

日々の取引を手作業ですべて帳簿に記録し、勘定科目を判断し、確定申告書を作成するのは、非常に時間と手間がかかる作業です。特に、ポイント利用のような少し特殊な取引が増えると、ミスも発生しやすくなります。

そこでおすすめしたいのが、会計ソフトの導入です。

会計ソフトを使えば、クレジットカードや銀行口座と連携させることで、取引データを自動で取り込み、AIが勘定科目を提案してくれます。これにより、日々の帳簿付けの手間が劇的に削減され、確定申告も数クリックで完了させることが可能になります。

数ある会計ソフトの中でも、特に個人事業主やフリーランスの方に支持されているのが「マネーフォワード クラウド確定申告」です。

直感的な操作画面で、簿記の知識がなくても簡単に使えるのが特徴です。日々の仕訳はもちろん、確定申告書の作成、請求書の発行まで、個人事業主の経理業務をトータルでサポートしてくれます。

「マネーフォワード クラウド確定申告」について、さらに詳しい機能や料金、実際の利用者の評判などを知りたい方は、以下のガイド記事で徹底的に解説しています。ぜひ一度ご覧ください。

【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説

ポイント利用のような少し複雑な経理も、会計ソフトがあれば迷うことなく処理できます。確定申告直前に慌てないためにも、早めの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ:ポイント利用は「値引き処理」でシンプルに!経理は会計ソフトで効率化しよう

今回は、事業用備品をポイントで購入した場合の経費処理について解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • 事業用の購入であれば、ポイントを利用しても経費として計上できる。
  • 会計処理は「値引き処理」と「雑収入処理」の2パターンがある。
  • 多くの個人事業主には、仕訳が簡単な「値引き処理」がおすすめ。
  • 実際に支出した金額(現金やカードで支払った額)を費用として計上するのが基本。
  • 日々の経理や確定申告を効率化するには、会計ソフトの導入が不可欠。

ポイントを使った経費処理は、一度ルールを理解してしまえば決して難しいものではありません。この記事で紹介した「値引き処理」を基本として、日々の帳簿付けを行ってみてください。

そして、もしあなたがまだ手作業で経理を行っているなら、ぜひこの機会に「マネーフォワード クラウド確定申告」のような会計ソフトの導入を検討することをおすすめします。煩雑な経理作業から解放され、本来の事業にもっと集中できるようになるはずです。

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※この記事は2025年12月時点の情報に基づき作成されています。