Lovableを使って画期的なWebアプリ開発を始めたものの、期待通りに動かない。
AIに指示を出しても、予期せぬエラーメッセージが表示されて先に進めない。
そんな壁にぶつかり、開発の手が止まってしまっていませんか。
AIによるソフトウェア開発は、まるで魔法のように感じられますが、時につまずいてしまうこともあります。
でも、ご安心ください。
多くの場合、その原因は意外とシンプルで、AIへの「伝え方」つまりプロンプトを少し工夫するだけで、驚くほどスムーズに解決できるのです。
この記事では、2025年12月時点の最新情報に基づき、Lovableが動かない・エラーが出た時の具体的な原因分析から、すぐに実践できるプロンプトの修正パターン、そして代表的なエラーメッセージ別の対処法まで、網羅的に解説していきます。
この記事を最後まで読めば、あなたも「Lovableを使いこなせる人」になり、止まっていた開発の時間を再び加速させることができるでしょう。
まずは冷静に切り分け!Lovableが動かない4つの主な原因
エラーが発生すると焦ってしまいがちですが、まずは落ち着いて原因を特定することが、解決への一番の近道です。Lovableがうまく機能しない時、考えられる主な原因は以下の4つに大別できます。
原因1:クレジット不足?意外と見落としがちなリソース制限
最もシンプルで見落としがちなのが「クレジット不足」です。Lovableでは、AIに指示を出すたびにクレジットを消費します。特に無料(Free)プランの場合、1日のクレジット付与は5ですが、月間の上限が30クレジットと定められています。月初の数日で使い切ってしまうと、その後は次の月までAIへの指示が通らなくなります。
また、2025年7月以降は、タスクの複雑さに応じて消費クレジットが変動する「Agent Mode」がデフォルトになりました。「ボタンの色を変えて」といった簡単な指示なら0.5クレジットで済みますが、「認証機能を追加して」のような複雑な指示は1.2クレジット以上を消費することもあります。知らないうちにクレジット上限に達していないか、まずは確認してみましょう。
対処法:
エディタのメッセージ横にあるメニューから、各指示で消費したクレジット数を確認できます。頻繁にクレジット不足に陥るようであれば、月100クレジットが付与され、繰り越しも可能なProプランへのアップグレードを検討するのが現実的な解決策です。
原因2:AIの勘違い?前提条件や文脈の共有不足
LovableのAIは非常に優秀ですが、人間のように「空気を読む」ことはできません。あなたが作ろうとしているアプリケーションの目的、ターゲットユーザー、既に存在する機能やデザインの意図といった「文脈」が不足していると、AIはあなたの意図を勘違いし、ちぐはぐなコードを生成してしまうことがあります。
例えば、既にあるコンポーネントの構成を伝えずに「ヘッダーを追加して」と指示すると、既存のレイアウトを壊してしまうかもしれません。AIにとっては、全ての指示が独立したタスクに見えてしまうのです。
対処法:
新しいチャットセッションを開始する際や、複雑な機能を追加する前には、「これから〇〇(目的)のためのECサイトを作ります。主な機能は××と△△です」のように、プロジェクトの全体像や前提条件を最初に伝えることを習慣にしましょう。これにより、AIの理解度が深まり、指示の精度が格段に向上します。
原因3:複雑すぎ・曖昧すぎ?「良いプロンプト」が書けていない
「いい感じのSNSアプリを作って」のような、あまりにも曖昧で壮大な指示では、AIは何をすればよいか分からず、エラーを返したり、まったく見当違いのものを生成したりします。これは、Lovableで発生するエラーの最も一般的な原因と言えるでしょう。
また、一度のプロンプトに「ユーザー登録機能と、投稿機能と、いいね機能と、通知機能を追加して」のように、複数の複雑な要求を詰め込みすぎるのも禁物です。AIが処理しきれなくなり、途中で処理を諦めてしまったり、不完全なコードを生成したりする原因になります。
対処法:
AIへの指示は、「具体的」かつ「段階的」に行うことが鉄則です。一つの指示には一つのタスクだけを含めるようにし、大きな機能は小さなステップに分解して、一つずつ順番に依頼するように心がけましょう。この具体的な方法は、次のセクションで詳しく解説します。
原因4:Lovable側の障害やバグの可能性
自分の操作に問題が見当たらない場合、それはLovableプラットフォーム自体の、一時的な障害やバグである可能性も考えられます。特に新機能のリリース直後などは、システムが不安定になることがあります。
「自分だけがおかしいのかな?」と思ったら、まずは外部の情報を確認してみましょう。
対処法:
Lovableの公式サイトにあるステータスページ(Status Page)や、開発者やユーザーが集まる公式Discordコミュニティ、あるいは公式のX(旧Twitter)アカウントなどを確認してみてください。もし全体的な障害が報告されていれば、復旧を待つしかありません。多くの場合、数時間後には解決していることがほとんどです。
AIへの指示が劇的に改善する!プロンプト修正実践パターン5選
Lovableで発生するエラーの多くは、プロンプト(AIへの指示)を改善することで解決できます。ここでは、誰でもすぐに実践できる5つの具体的なプロンプト修正パターンを、Before/After形式で紹介します。
パターン1:【基本】5W1Hで具体的に伝える
曖昧な指示はAIを混乱させます。「誰が」「何を」「どこで」「どのように」といった具体的な情報を盛り込むだけで、指示の精度は飛躍的に向上します。
Before:ユーザープロフィールページを追加して
After:(誰が)ログインしたユーザーが、(どこに)ヘッダーのアイコンをクリックすると遷移できる、(何を)自分の名前、メールアドレス、プロフィール画像を表示・編集できるプロフィールページを作成してください。(どのように)ルーティングはReact Routerを使い、パスは「/profile」としてください。
パターン2:【重要】一度に一つの指示に分割する
大きな目標を一度に伝えようとせず、タスクを小さなステップに分解して一つずつ実行させることが、成功への確実な道です。AIとの対話は、一つずつ確認しながら進めるのがコツです。
Before:Supabaseを使った認証機能と、商品一覧ページと、Stripeを使った決済機能を追加して。
After:
まず、メールアドレスとパスワードでサインアップとログインができる認証機能を追加してください。バックエンドはLovable Cloud(Supabaseベース)を使用してください。- (成功したら)
次に、「/products」というパスで商品一覧ページを作成してください。今は画像と商品名、価格を表示するだけで、データはダミーで構いません。 - (成功したら)
最後に、各商品の詳細ページにStripe Checkoutに遷移する「購入ボタン」を設置してください。
パターン3:【応用】専門用語や技術名を積極的に使う
LovableのAIは、ReactやTypeScript、Tailwind CSS、Supabaseといったモダンな技術スタックを深く理解しています。これらの技術用語を具体的に使うことで、より正確なコード生成を促すことができます。
Before:フォームからデータを保存できるようにして。
After:Lovable CloudのPostgresデータベースに「contacts」という名前のテーブルを作成してください。カラムは「name (text)」「email (text)」「message (text)」の3つです。そして、先ほど作成した問い合わせフォームから、このテーブルにデータをINSERTするバックエンドロジックをEdge Functionとして実装してください。
パターン4:【コツ】否定形より肯定形で指示する
AIは「〜しないで」という否定形の指示を正しく解釈するのが苦手な場合があります。「〜を除外して」と指示したつもりが、逆に追加してしまうようなことも。代わりに「何をしてほしいか」を肯定的な表現で明確に伝えましょう。
Before:ヘッダーに検索バーは表示しないでください。
After:ヘッダーには、左側にサイトロゴ、右側にナビゲーションリンクのみを表示してください。
パターン5:【対話】vibe codingで少しずつ育てる
Lovableの最も効果的な使い方は、完璧なプロンプトを一度で書こうとせず、AIと対話しながら少しずつアプリケーションを育てていく「vibe coding」のスタイルです。まず大枠を作らせて、そこから細部を修正していく方が、結果的に早く、エラーも少なくなります。
対話の例:
まず、中央に大きなボタンを一つだけ配置して。OK。じゃあそのボタンの色を青系のグラデーションに変えて。いいね!次に、ボタンをクリックしたら「こんにちは!」とアラートが表示されるようにして。
このように、小さな成功を積み重ねながら、理想の形に近づけていくのがLovableを使いこなす秘訣です。
もう怖くない!よくあるエラーメッセージ別・具体的な対処法
プロンプトを工夫しても解決しない場合、表示されたエラーメッセージが重要なヒントになります。ここでは、Lovableで頻繁に遭遇する代表的なエラーとその対処法を見ていきましょう。
対処法1:「Component not found」または「Module not found」エラー
これは、指定されたコンポーネントやモジュールが見つからない、という典型的なフロントエンドのエラーです。
- 主な原因:AIが生成したコンポーネントのインポートパスが間違っている、ファイル名やディレクトリ構造を誤って認識している、あるいはそもそも必要なコンポーネントの生成に失敗している。
- 対処法:まず、エディタの「Dev / Code Mode」に切り替えて、ファイルツリーを確認しましょう。該当のファイルが本当に存在するか、パスは正しいかを目で確認します。その上で、AIに「
Header.tsxコンポーネントが見つからないようです。正しいパスを再確認して、App.tsxのimport文を修正してください」のように、具体的な修正を指示します。
対処法2:データベース・認証関連のエラー
「relation “…” does not exist」や「Invalid JWT」といったエラーは、バックエンド、特にデータベースや認証周りの問題を示唆しています。
- 主な原因:プロンプトで指示したテーブルやカラムが実際には作成されていない、データベースへの接続情報が間違っている、あるいはSupabase特有のRLS(Row Level Security)ポリシーの設定ミスでデータへのアクセスが拒否されている。
- 対処法:LovableのUIから「Cloud」セクションを開き、Supabaseのダッシュボードにアクセスします。そこでテーブルが正しく定義されているか、RLSポリシーが意図通りに設定されているかを確認します。例えば、「
postsテーブルのRLSポリシーを見直して、ログインしているユーザーであれば誰でも読み取り(SELECT)できるように設定を修正してください」とAIに具体的に指示することで解決できる場合があります。
対処法3:プレビューは動くのに公開(Publish)に失敗する
開発中のプレビューでは問題なく動くのに、いざ「Publish」ボタンを押して本番公開しようとするとビルドに失敗するケースです。
- 主な原因:本番ビルドのプロセスでのみ検知される厳格なTypeScriptの型エラー、本番環境用の環境変数が設定されていない、などが考えられます。
- 対処法:Publish時のエラーログを確認することが第一です(UI上で確認できるはずです)。型エラーが原因であれば、「ビルド時に発生しているTypeScriptの型エラーをすべて修正してください」とAIに指示します。環境変数の問題であれば、Lovableのプロジェクト設定画面から、本番環境用の環境変数(APIキーなど)が正しく設定されているかを確認しましょう。
対処法4:Visual Editsが反映されない、またはレイアウトが崩れる
プレビュー画面を直接編集できる便利な「Visual Edits」モードですが、時々変更がうまく反映されなかったり、逆にレイアウトが大きく崩れたりすることがあります。
- 主な原因:複雑なコンポーネント構造になっている箇所を編集した場合や、手動でコードを修正した部分と競合した場合に起こりがちです。
- 対処法:一度に多くの変更を加えず、色やマージンなど、少しずつ変更して様子を見るのが安全です。もしVisual Editsでうまくいかない場合は、無理せずプロンプトで指示する方が確実です。「フッターの背景色をTailwind CSSの
bg-gray-800にしてください」のように、コードレベルの具体的な指示を出すと、より正確に反映されます。
まとめ:エラーを恐れず、AIとの対話を楽しみましょう
今回は、Lovableが動かない・エラーが出た時の原因と対処法について、プロンプトの改善テクニックを中心に解説しました。AIによるアプリ開発はまだ発展途上の技術であり、エラーや失敗はつきものです。しかし、その多くはAIとのコミュニケーション、つまりプロンプトを工夫することで解決できることをご理解いただけたかと思います。
重要なのは、エラーを恐れずに、まずは原因を切り分け、AIに「正しく、分かりやすく」意図を伝える技術を磨くことです。今回紹介したパターンを実践するだけでも、あなたのLovable開発体験は大きく向上するはずです。
今回紹介した対処法は、Lovableの基本的な仕組みを理解していると、よりスムーズに実践できます。Lovableの機能や料金、クレジットの仕組み、具体的な使い方について、より深く知りたい方は、すべてを網羅した「【2025年完全版】Lovable(ラバブル)とは?AIでWebアプリを自動生成する使い方・料金・特徴を徹底解説」の完全ガイド記事もぜひご覧ください。
まだLovableを試していない方、または無料プランの制限に悩んでいる方は、2025年末までCloud $25 + AI $1の無料枠が毎月もらえるお得な期間中に、ぜひ公式サイトから始めてみてください。無料プランでも、その驚異的な開発スピードを十分に体験できるでしょう。
この記事が、あなたのLovableを使ったアプリ開発の助けとなれば幸いです。エラーを乗り越え、AIとの対話を楽しみながら、あなたの素晴らしいアイデアを形にしてください!
