「マネーフォワード クラウド会計に会計データを預けるのは便利そうだけど、もしデータが消えたり、間違って操作したりしたらどうなるの?」
「クラウド上のデータって、ちゃんとバックアップされているの?自分で何かする必要はある?」
会計データをクラウドで管理することに、このような不安を感じる方は少なくないでしょう。
大切な経営情報ですから、その安全性は最も気になるところですよね。
私自身も、クラウドサービスを利用する際は、データの保全策について徹底的に確認するようにしています。
この記事では、マネーフォワード クラウド会計におけるデータのバックアップ体制と、万が一の際のデータ復元に関する考え方、そしてユーザー自身が積極的に行えるデータ保全策について、私の独自の視点も交えながら具体的に解説します。
この記事を読めば、マネーフォワード クラウド会計のデータ管理の仕組みを理解し、安心してサービスを利用するための知識と実践方法が身につくはずです。
なお、マネーフォワード クラウド会計の基本的な機能や料金プラン、導入事例など、サービス全体の詳細については、当サイトのメイン記事である「マネーフォワード クラウド会計」徹底ガイド|1ヶ月無料で始める法人・個人事業主向けクラウド経理の決定版で詳しく解説しています。
データ保全と合わせて、サービスの全体像もぜひご確認ください。
クラウド会計におけるデータバックアップの基本的な考え方
まず、クラウド会計ソフトのデータバックアップについて、基本的な考え方を整理しておきましょう。データ保全は、大きく分けて「サービス提供側の責任」と「ユーザー側の責任」の二つの側面があります。
- サービス提供側の責任:マネーフォワード社のようなサービス提供者は、サーバー障害や自然災害などからユーザーのデータを守るため、システムレベルでの自動バックアップ、データの冗長化(複数箇所へのコピー保存)、堅牢なデータセンターの利用といった対策を講じる責任があります。これは、サービスの継続性を担保するための重要な取り組みです。
- ユーザー側の責任:一方、ユーザー自身による操作ミス(誤ったデータの入力・削除など)や、手元でのデータ保管、ID・パスワードの管理といった点については、ユーザー側にもデータ保全の意識と対策が求められます。
独自の視点:「クラウドだからバックアップは全部お任せで安心」と考えるのは、半分正解で半分注意が必要です。サービス提供側はシステムの安定稼働と大規模障害からの復旧を主眼としたバックアップを行っていますが、ユーザー個別の「数時間前の状態に戻したい」「間違って消した特定の仕訳だけ復元したい」といった細かなニーズに必ずしも対応できるわけではありません。だからこそ、ユーザー自身によるデータ保全策が重要になるのです。
マネーフォワード クラウド会計のサーバーサイド・バックアップ体制(一般的なクラウドサービスの仕組み)
マネーフォワード クラウド会計では、ユーザーの大切な会計データを守るため、強固なサーバーサイドでのバックアップ体制を構築しています。具体的な内容は公式サイトで確認いただくのが最も確実ですが、一般的に信頼性の高いクラウドサービスでは以下のような対策が講じられています。
- 自動定期バックアップ:データは日々、または一定間隔で自動的にバックアップされています。
- データの冗長化:同一データセンター内の複数サーバーや、地理的に離れた複数のデータセンターにデータを分散して保存(レプリケーション)することで、一部の機器故障や局地的な災害が発生しても、データ消失のリスクを最小限に抑えています。
- 堅牢なデータセンター:厳重な物理セキュリティ、耐震・防火設備、自家発電装置などを備えた、信頼性の高いデータセンターを利用しています。
- 障害監視と迅速な復旧体制:24時間365日のシステム監視体制を敷き、万が一障害が発生した場合には、バックアップデータからの迅速な復旧を目指す体制が整えられています。
独自の視点:これらのサーバーサイドでの対策は、個々の企業が自前で構築・維持するには莫大なコストと専門知識が必要です。実績のあるクラウドサービスを利用することで、多くの中小企業や個人事業主でも、大企業レベルの高度なデータ保全体制の恩恵を受けることができると言えます。
ユーザー自身が積極的に行えるデータのエクスポート(手元バックアップ)方法
サービス提供側のバックアップ体制に加え、ユーザー自身が能動的にデータを手元に保管しておくことも、データ保全の観点から非常に重要です。マネーフォワード クラウド会計では、様々なデータをエクスポート(出力)する機能が用意されています。
- 仕訳帳のエクスポート:日々の全ての仕訳データをCSV形式などでエクスポートできます。これが最も基本的なバックアップデータとなります。
- 総勘定元帳・補助元帳のエクスポート:各勘定科目ごとの取引明細や、特定の補助科目ごとの明細もエクスポート可能です。
- 試算表(貸借対照表・損益計算書)のエクスポート:月次や期末の経営成績や財政状態を示す試算表を、PDFやCSV形式で出力できます。経営分析資料としても、残高確認用としても重要です。
- 各種マスタデータのエクスポート:勘定科目マスタ、補助科目マスタ、取引先マスタ、部門マスタなどもエクスポートできる場合があります。再設定の手間を省くために役立ちます。
- (推奨)定期的なエクスポートの習慣化:最低でも月次決算後、できれば週次や日次(取引量による)で主要なデータをエクスポートし、PCや外部ストレージ、別のクラウドストレージなどに複数箇所保管することを強くお勧めします。
私の体験談:私は、毎月末に必ず仕訳帳と試算表をCSVとPDFでエクスポートし、PC本体とは別の外付けHDD、そして個人用のクラウドストレージの3箇所に「YYYYMMDD_データ種別」というファイル名で保存しています。手間はかかりますが、この「保険」があることで、安心して日々の業務に取り組めています。
「データ復元」に関する考え方と具体的な対処法
万が一、データに問題が発生した場合の「復元」については、その原因によって対応が異なります。
ケース1:ユーザー自身の操作ミスによるデータ削除・変更の場合
- MFクラウドの機能で元に戻せる範囲:マネーフォワード クラウド会計には、誤って削除した仕訳などを一定期間「ゴミ箱」のような場所から復元できる機能や、操作履歴を確認できる機能が備わっている場合があります(プランや機能の詳細は要確認)。まずはこれらの機能で対応できないか試しましょう。
- 自分でエクスポートしたデータからの再構築:上記の機能で対応できない場合、または大幅な修正が必要な場合は、定期的にエクスポートしておいたCSVデータ(仕訳帳など)を元に、手動で再入力したり、CSVインポート機能を使って再登録したりする方法が考えられます。これが、ユーザー自身によるバックアップが重要となる大きな理由です。
ケース2:大規模障害などサービス提供側の問題によるデータ消失の場合
- サービス提供側の復旧作業:この場合は、マネーフォワード社がサーバーサイドのバックアップデータを用いてシステムの復旧作業を行います。ユーザー側で何か特別な操作をする必要は基本的にありません。復旧状況については、公式サイトやメールなどでアナウンスがあります。
- SLA(サービス品質保証制度):多くのクラウドサービスでは、サービスの稼働率や障害時の対応についてSLAが定められています。利用規約などで確認しておくと良いでしょう。
独自の視点:「復元」というと、PCソフトのように「特定の過去の時点にシステム全体を巻き戻す」イメージを持つかもしれませんが、クラウドサービス(特にSaaS型)では、個々のユーザーアカウントのデータを任意の過去時点に自由に巻き戻せる機能は限定的であることが一般的です。ユーザーの操作ミスへの備えとしては、やはり「定期的なデータエクスポートと、それを用いた自力での再構築」が現実的な最終手段となることを理解しておく必要があります。
【独自の視点】データ保全のためにユーザーが意識すべきこと・具体的な習慣
マネーフォワード クラウド会計の堅牢なセキュリティとバックアップ体制を信頼しつつも、ユーザーとして以下の点を意識し、習慣化することが、より確実なデータ保全に繋がります。
- 定期的なデータエクスポートは「お守り」ではなく「保険」と考える:「万が一」はいつ起こるか分かりません。面倒でも、月次・期末といった節目だけでなく、可能な範囲でこまめにエクスポートする習慣をつけましょう。
- エクスポートしたデータの適切な保管:出力したCSVやPDFファイルは、PCのローカルフォルダだけでなく、外付けHDD、USBメモリ、別の安全なクラウドストレージなど、最低でも2箇所以上に分散して保管しましょう。また、保管場所の物理的な安全性(盗難、火災、水害など)も考慮に入れるべきです。
- ID・パスワードの厳重管理と二段階認証の徹底:データ消失や改ざんのリスクは、外部からの不正アクセスによっても発生します。強固なパスワードの設定、使い回しの禁止、そして二段階認証の利用は必須です。
- 複数人で利用する場合の権限設定の重要性:従業員ごとにアクセスできる機能やデータを適切に制限することで、誤操作や内部不正によるデータ破損リスクを低減できます。
- 「クラウドだから絶対安心」と過信せず、常にデータ保全意識を持つ:どんなシステムにも100%の安全はありません。サービス提供側の対策を理解した上で、ユーザー自身も「自分のデータは自分で守る」という意識を持つことが大切です。
- 私が実践しているMFクラウドデータの「自分流」バックアップ・アーカイブ術:月次エクスポートに加え、年度末にはその年の全仕訳データ、総勘定元帳、決算報告書一式をPDFとCSVで出力し、年度ごとにフォルダ分けして複数箇所にアーカイブ(長期保存)しています。これにより、過去数年分のデータをいつでも参照・提出できる状態にしています。
プランによるバックアップ・エクスポート機能の違いについて
マネーフォワード クラウド会計のプランによっては、エクスポートできるデータの種類や期間、操作履歴の閲覧範囲などに違いがある場合があります。自社に必要なデータ保全レベルと照らし合わせ、プラン選択の際にこれらの機能差も考慮に入れると良いでしょう。詳細はマネーフォワード クラウド公式サイトでプランごとの機能比較表をご確認ください。
まとめ:MFクラウドの多重バックアップ体制とユーザー自身の対策で、会計データを鉄壁ガード!
マネーフォワード クラウド会計は、サーバーサイドでの自動バックアップやデータの冗長化といった堅牢な体制で、あなたの大切な会計データを守っています。これに加えて、ユーザー自身が定期的なデータエクスポートと適切な保管、そしてID・パスワード管理といった対策を徹底することで、データ消失や破損のリスクを最小限に抑え、より安心してサービスを利用することができます。
「クラウドは不安」というイメージを払拭し、マネーフォワード クラウド会計が提供する高度なデータ保全の仕組みと、ユーザー自身ができることの両輪で、大切な会計データを守り抜きましょう。その安心感が、あなたのビジネスをさらに前進させる土台となります。
マネーフォワード クラウド会計のセキュリティ体制や機能全般について、さらに詳しく知りたい方は、当サイトの総合ガイド「マネーフォワード クラウド会計」徹底ガイド|1ヶ月無料で始める法人・個人事業主向けクラウド経理の決定版もぜひご覧ください。
まずは無料トライアルで、その安全性と利便性を体験し、データエクスポート機能などを実際に試してみてはいかがでしょうか。