Windows 11にアップグレードしてからMillenVPNの接続が妙に遅くなった、あるいは頻繁に切断されるようになった。
そんな経験はないでしょうか。
実はこの問題、Windows 11特有のネットワーク設定やセキュリティ機能が原因で起きているケースが少なくありません。
筆者自身もWindows 11環境でMillenVPNを使い始めた当初、体感で通常時の半分以下まで速度が低下したことがありました。
しかし、この記事で紹介する対策を一つひとつ試した結果、最終的にはVPN接続時でも下り80Mbps以上の安定した速度を取り戻すことができました。
ネットワークに詳しくない方でも実践できるよう、各手順をスクリーンショットの代わりに操作パスを明記しながら説明していきます。
Windows 11でMillenVPNが遅くなる原因を正しく理解する
まず前提として、VPN接続時に多少の速度低下が起きるのは正常な動作です。VPNは通信データを暗号化し、VPNサーバーを経由してインターネットに接続する仕組みのため、暗号化の処理負荷と経路の迂回によって5〜20%程度の速度低下は避けられません。
しかし、速度が50%以上低下したり、接続が数分おきに途切れたりする場合は、何らかの設定上の問題が発生している可能性が高いです。Windows 11環境で特に多い原因を整理すると、主に次の4つに分類できます。
原因1:Windows 11のネットワークセキュリティ機能との競合
Windows 11では、Windows Defenderファイアウォールの機能がWindows 10から強化されています。特にSmartScreen機能やネットワーク保護機能がVPN通信と競合し、パケット(通信データの最小単位)の検査処理で遅延が発生するケースがあります。これは外部のセキュリティソフトを併用している場合にさらに顕著になります。
原因2:VPNプロトコルとWindows 11の相性問題
VPNプロトコルとは、VPN接続時に使用する通信規格のことです。MillenVPNはOpenVPN、IKEv2、WireGuardなど複数のプロトコルに対応していますが、Windows 11のネットワークスタック(OSがネットワーク通信を処理する基盤部分)との相性によって、特定のプロトコルでパフォーマンスが大きく変わることがあります。
特にOpenVPN(UDP)はWindows 11の一部環境で速度が出にくい傾向が報告されており、プロトコルの切り替えだけで速度が2〜3倍改善することも珍しくありません。
原因3:省電力設定によるネットワークアダプタの制限
Windows 11はノートPCでの省電力性能を重視した設計になっており、デフォルトの電源設定ではネットワークアダプタ(Wi-FiやLANの通信装置)の電力が制限されることがあります。この制限がVPN接続の安定性に影響し、断続的な切断や速度低下を引き起こします。
原因4:DNS設定の問題
DNS(Domain Name System)は、Webサイトの名前をIPアドレスに変換する仕組みです。Windows 11ではDNS over HTTPS(DoH)がデフォルトで有効になっている場合があり、これがVPNのDNS設定と競合してページの読み込みが極端に遅くなることがあります。VPN接続自体は安定しているのにWebサイトの表示だけが遅い場合、DNS設定が原因であることがほとんどです。
これらの原因は単独で発生することもあれば、複数が同時に影響していることもあります。次のセクションでは、これらの原因に対応する具体的な解決手順を優先度の高い順に紹介します。
即効性の高い順に試す5つの具体的な対策
ここからは実際の対策手順を解説します。上から順に効果が出やすいものを並べているので、一つ試すごとに速度や安定性を確認しながら進めてください。なお、MillenVPNの基本的な導入方法や設定についてはMillenVPN完全ガイドで詳しく解説しています。
対策1:VPNプロトコルをIKEv2またはWireGuardに変更する
最も手軽で効果が大きい対策がプロトコルの変更です。MillenVPNアプリの設定画面から簡単に切り替えることができます。
手順は次のとおりです。
- MillenVPNアプリを開き、左下の歯車アイコンから「設定」を開く
- 「VPNプロトコル」の項目を確認する
- 現在OpenVPNに設定されている場合、まずIKEv2に変更して接続テストを行う
- IKEv2で改善しない場合はWireGuardを試す
筆者の環境(Windows 11 23H2、Wi-Fi 6対応ノートPC)では、OpenVPN(UDP)で下り35Mbps程度だった速度が、IKEv2に切り替えることで下り85Mbpsまで改善しました。WireGuardではさらに高速な結果が得られる場合もありますが、一部のネットワーク環境(企業のファイアウォール配下など)ではWireGuardの通信がブロックされることがあるため、まずIKEv2から試すことをおすすめします。
注意点として、プロトコルを変更した直後は一度アプリを再起動してから接続し直してください。設定が正しく反映されないケースがまれにあります。
対策2:Windows Defenderファイアウォールの例外設定を追加する
ファイアウォールがVPN通信を過剰に検査している場合、MillenVPNアプリを例外として登録することで通信の遅延を解消できます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」を開く
- 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリック
- 「設定の変更」をクリックし、「別のアプリの許可」を選択
- MillenVPNアプリの実行ファイル(通常はC:\Program Files\MillenVPN\MillenVPN.exe)を指定して追加
- 追加したMillenVPNの項目で「プライベート」と「パブリック」の両方にチェックを入れる
サードパーティ製のセキュリティソフト(ESET、ノートン、カスペルスキーなど)を使用している場合は、そちらの設定でもMillenVPNアプリを例外に追加する必要があります。セキュリティソフトとVPNの競合は速度低下の原因として非常に多く、これだけで問題が解決するケースも少なくありません。
対策3:ネットワークアダプタの省電力設定を無効にする
ノートPCを使用している場合、この設定変更で接続の安定性が大きく改善することがあります。
- 「デバイスマネージャー」を開く(スタートボタンを右クリック→「デバイスマネージャー」)
- 「ネットワークアダプター」を展開し、使用しているWi-Fiアダプタをダブルクリック
- 「電源の管理」タブを開く
- 「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして閉じる
加えて、電源プランの設定も確認しておきましょう。「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」→「電源モード」を「最適なパフォーマンス」に変更することで、ネットワーク処理への電力供給が最大化されます。
この対策はVPN接続が数分〜数十分おきに途切れる症状に特に有効です。省電力モードでネットワークアダプタが一時的にスリープ状態になり、その際にVPN接続が切断されるというのが典型的なパターンです。
対策4:DNS設定を手動で最適化する
VPN接続中にWebサイトの読み込みだけが遅い場合、DNS設定を見直すことで改善が期待できます。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→使用中の接続(Wi-Fiまたはイーサネット)をクリック
- 「DNS サーバーの割り当て」の「編集」をクリック
- 「手動」を選択し、IPv4をオンにする
- 優先DNSに「1.1.1.1」、代替DNSに「8.8.8.8」を入力
- 「DNS over HTTPS」の設定は「オフ」にする
- 保存して適用する
ここで重要なのは、DNS over HTTPS(DoH)をオフにするという点です。DoHは通常のブラウジングではプライバシー保護に役立つ機能ですが、VPN接続時にはVPN側の暗号化でDNSクエリも保護されるため二重の処理となり、かえって遅延の原因になります。
なお、MillenVPNに接続中は基本的にMillenVPN側のDNSサーバーが使用されますが、接続の確立時や切断時のDNS解決にはOS側のDNS設定が使われるため、ここを最適化しておく意味は十分にあります。
対策5:MillenVPNアプリとTAPドライバの再インストール
上記の対策をすべて試しても改善しない場合、アプリケーション自体の再インストールが有効なことがあります。特にWindows 11の大型アップデート(23H2→24H2など)を適用した後に不具合が起きている場合、VPNの仮想ネットワークドライバ(TAPアダプタ)が正しく動作していない可能性があります。
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」からMillenVPNをアンインストール
- デバイスマネージャーで「ネットワークアダプター」を確認し、TAP-Windows Adapter V9やWintunなどのVPN関連ドライバが残っていれば手動で削除
- PCを再起動する
- MillenVPN公式サイトから最新版のアプリをダウンロードしてインストール
- 再度プロトコル設定を最適なものに変更して接続テスト
この手順で多くの場合、ドライバの不整合に起因する問題が解消されます。再インストール後は、対策1で紹介したプロトコル設定も忘れずに見直してください。
対策の効果を正しく測定する方法
対策を実施したら、改善されたかどうかを客観的に確認することが大切です。「なんとなく速くなった気がする」ではなく、数値で比較できるようにしましょう。
速度測定の手順
速度を比較する際は、以下の条件を揃えて測定してください。
- 測定サイトはSpeedtest.net(Ookla)を使用する
- VPN未接続時の速度を3回測定し、平均値を記録する
- MillenVPNに接続した状態で同じサーバーに対して3回測定し、平均値を記録する
- 測定は同じ時間帯(できれば混雑の少ない午前中)に行う
- 測定中は他のアプリケーションの通信を停止する
VPN接続時の速度がVPN未接続時の70%以上を維持できていれば、良好な状態と判断できます。50%を下回る場合は、まだ改善の余地がある可能性があります。
接続安定性の確認方法
速度だけでなく安定性も確認しておきましょう。コマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行します。
ping -n 100 8.8.8.8
このコマンドはGoogleのDNSサーバーに100回の通信テストを行い、パケットロス(通信データの損失)率と応答時間のばらつきを確認できます。パケットロスが0%、応答時間の平均が100ms以下であれば安定した接続状態です。パケットロスが5%を超える場合や応答時間が200msを頻繁に超える場合は、接続先のVPNサーバーを変更してみてください。
他のVPNサービスとの比較から見るMillenVPNの立ち位置
接続の問題を解決する過程で「そもそも別のVPNサービスに乗り換えた方がいいのではないか」と考える方もいるかもしれません。そこで、Windows 11環境での安定性という観点から、主要なVPNサービスとMillenVPNを比較してみます。
海外製の大手VPN(NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkなど)は、グローバルなサーバーネットワークの規模では優位性がありますが、日本国内での利用においてはいくつかの課題があります。まず、サポートが基本的に英語対応であるため、技術的なトラブル発生時の対応に不安が残ります。また、日本の法律に基づいた運営ではないため、万が一の際の法的保護の面でも不透明な部分があります。
MillenVPNは日本企業のアズポケット株式会社が運営しており、完全日本語対応のサポートを提供しています。2026年4月時点では、WireGuardプロトコルへの対応やサーバーの増強も進んでおり、Windows 11環境での安定性は以前と比較して大幅に向上しています。料金面でも月額396円(2年プラン)からと国内VPNの中では競争力のある価格設定です。
一方で、MillenVPNのサーバー設置国数は72か国以上と、NordVPNの111か国以上やExpressVPNの105か国以上と比べるとやや少なめです。ただし、日本から利用頻度の高いアジア・北米・欧州の主要国はカバーされているため、一般的な用途で不便を感じることはほぼありません。
総合的に判断すると、日本語サポートの安心感、国内法に基づく運営、そして実用的なサーバー網を重視する方にはMillenVPNが適しています。特にVPNの技術的な設定に自信がない方にとって、日本語で問い合わせができるというのは大きなメリットです。
よくある質問と見落としがちなポイント
Windows Updateの直後に接続が不安定になった場合
Windows 11は月例のセキュリティ更新に加え、年1〜2回の大型アップデートが配信されます。大型アップデート後にVPN接続が不安定になった場合、ネットワーク関連のドライバが初期化されている可能性があります。対策5のTAPドライバ再インストールを試してください。また、大型アップデート後はネットワークアダプタの省電力設定がデフォルトに戻っていることがあるため、対策3の設定も再確認しましょう。
特定のサーバーだけ遅い場合
MillenVPNの特定のサーバーだけが遅い場合は、そのサーバーに接続が集中している可能性があります。同じ国の別のサーバーに切り替えるか、時間帯をずらして接続することで改善されることが多いです。日本サーバーは複数用意されているため、東京と大阪など異なる拠点のサーバーを試してみてください。
Wi-Fi接続と有線接続での違い
VPNの速度や安定性を最大限に引き出したい場合、可能であれば有線LAN接続の使用を強くおすすめします。Wi-Fiは電波干渉や距離による減衰の影響を受けるため、VPNの暗号化処理と合わさると速度低下が顕著になることがあります。筆者の環境では、同じMillenVPNサーバーへの接続でもWi-Fiと有線LANで20〜30Mbpsの差が出ることがありました。
まとめ:段階的なアプローチで確実に改善する
Windows 11でMillenVPNの接続が遅い・不安定な場合の対策をまとめると、まずプロトコルの変更(対策1)を試し、次にファイアウォールの例外設定(対策2)と省電力設定の無効化(対策3)を実施、それでも改善しなければDNS設定の最適化(対策4)とアプリの再インストール(対策5)に進む、という流れが最も効率的です。
多くの場合、対策1のプロトコル変更だけで体感できるレベルの改善が得られます。筆者の経験では、対策1と対策3の組み合わせで9割以上のケースが解決しました。
MillenVPNはWindows 11との互換性も継続的に改善されており、2026年4月時点ではWireGuardプロトコル対応の安定性も向上しています。もしまだMillenVPNを導入していない方は、MillenVPN完全ガイドで始め方から料金プランまで確認できますので、あわせて参考にしてください。
すべての対策を試しても改善しない場合は、MillenVPNの日本語サポートに問い合わせることで、環境に応じた個別のアドバイスを受けることができます。日本語で技術サポートを受けられるのは、国産VPNサービスならではの強みです。
快適なVPN環境を整えて、安全で快適なインターネット利用を実現しましょう。MillenVPNの導入はこちらの公式サイトから手続きできます。
