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マネーフォワード クラウド確定申告の登録時に迷う事業者区分と提出先税務署の正しい選び方

マネーフォワード クラウド確定申告を使い始めようと登録画面を開いたものの、「事業者区分」や「提出先税務署」の入力欄で手が止まってしまった経験はないでしょうか。

個人事業主として開業届を出している人、会社員をしながら副業をしている人、フリーランスとして独立したばかりの人など、立場によって選ぶべき区分は異なります。

しかも、この初期設定を間違えると確定申告書の作成段階で不整合が生じたり、提出先が違っていて税務署から連絡が来たりと、あとから面倒なことになりかねません。

筆者自身も初めて登録したとき、副業所得を「事業所得」と「雑所得」のどちらで申告すべきか迷い、事業者区分の選択で手が止まった経験があります。

同じように悩んでいる方が迷わず登録を完了できるよう、具体的な判断基準と手順をまとめました。

なぜ事業者区分と提出先税務署の設定で迷うのか

マネーフォワード クラウド確定申告の登録画面で求められる情報

マネーフォワード クラウド確定申告に新規登録すると、最初に「事業者の設定」画面が表示されます。ここで入力が必要な主な項目は以下のとおりです。

  • 事業者区分(個人・法人の選択)
  • 申告の種類(青色申告・白色申告の選択)
  • 所得の種類(事業所得・不動産所得など)
  • 提出先税務署の指定
  • 業種の選択

一見すると簡単に思えるこれらの項目ですが、実は初めて確定申告をする人にとっては判断が難しいポイントが複数含まれています。特に「事業者区分」と「提出先税務署」は、選択を誤ると確定申告書そのものに影響が出るため、最初の段階で正しく設定しておくことが重要です。

迷いやすい3つのパターン

登録時に迷いやすいケースを具体的に見ていきましょう。

1つ目は、会社員をしながら副業をしているケースです。副業の収入が年間20万円を超えると確定申告が必要になりますが、このとき事業者区分を「個人」にすべきか、所得の種類を「事業所得」にすべきか「雑所得」にすべきかで判断に迷います。2022年の所得税基本通達の改正により、帳簿を作成・保存している場合は副業であっても事業所得として認められる可能性が出てきたため、この判断はさらに複雑になっています。

2つ目は、引っ越しをしたばかりで提出先税務署がわからないケースです。確定申告書の提出先は、申告する年の1月1日時点の住所地を管轄する税務署になるのが原則ですが、年の途中で引っ越した場合にどちらの税務署を選ぶべきか迷う人は少なくありません。

3つ目は、自宅と事務所が異なる住所にあるケースです。個人事業主の中には、自宅とは別にオフィスやコワーキングスペースを事業所として使っている方もいます。この場合、住所地と事業所の所在地のどちらの税務署を選ぶかという問題が生じます。

設定を間違えるとどうなるか

事業者区分や提出先税務署の設定を間違えた場合のリスクも理解しておきましょう。事業者区分を「法人」にしてしまうと、個人の確定申告書ではなく法人用の決算書フォーマットが適用されてしまい、最初からやり直す必要があります。提出先税務署を間違えた場合は、税務署間で書類が転送されることもありますが、処理に時間がかかったり、還付金の受け取りが遅れたりする可能性があります。

事業者区分の正しい選び方【ステップ別解説】

ステップ1:個人か法人かを選択する

最初の選択肢は「個人」と「法人」の二択です。これは比較的シンプルで、法人登記をしていない場合はすべて「個人」を選択します。

注意が必要なのは、屋号を持っている個人事業主の方です。「○○事務所」「○○デザイン」といった屋号があると法人のように感じるかもしれませんが、法人登記をしていなければ「個人」が正しい選択です。屋号は個人事業主の「商号」にあたるもので、法人格とは異なります。

また、合同会社や株式会社を設立している場合でも、会社の事業とは別に個人として副業収入がある場合は、その副業分については「個人」として登録することになります。法人の決算と個人の確定申告は別々に行うものだからです。

ステップ2:申告の種類を選択する

個人を選択した後は、青色申告と白色申告のどちらで申告するかを選びます。この選択は事前に税務署へ提出した届出書の内容と一致させる必要があります。

  • 青色申告承認申請書を提出済みの場合 → 青色申告を選択
  • 申請書を提出していない、または取り下げた場合 → 白色申告を選択

青色申告には10万円控除と65万円控除(電子申告の場合)の2種類がありますが、この段階では「青色申告」を選択するだけで問題ありません。控除額の詳細設定は、確定申告書の作成時に行います。

なお、開業届と同時に青色申告承認申請書を出したかどうか記憶があいまいな場合は、管轄の税務署に電話で問い合わせれば確認できます。税務署の窓口は意外と丁寧に対応してくれるので、不明な点があれば遠慮なく確認しましょう。筆者も過去に電話で確認した経験がありますが、本人確認を済ませればすぐに教えてもらえました。

ステップ3:所得の種類を選択する

ここが最も判断に迷うポイントです。マネーフォワード クラウド確定申告で選択できる主な所得の種類と、それぞれの該当者を整理します。

事業所得を選ぶべき人:

  • 開業届を提出して個人事業主として活動している
  • 継続的・反復的に事業を行い、それが主たる収入源になっている
  • 帳簿を作成・保存し、事業として社会通念上認められる規模で活動している

不動産所得を選ぶべき人:

  • 賃貸物件のオーナーとして家賃収入を得ている
  • 駐車場経営をしている

雑所得として申告すべき人:

  • 会社員の副業で、事業と呼べるほどの規模・継続性がない
  • 帳簿の作成・保存を行っていない
  • 年金収入やその他の一時的な収入がある

副業を事業所得として申告するか雑所得として申告するかは、2022年10月以降の通達改正を踏まえると、帳簿書類の保存の有無が重要な判断基準となります。ただし、収入が300万円以下の場合は、帳簿があっても雑所得と判断される可能性があるため、税理士への相談も視野に入れておくとよいでしょう。

マネーフォワード クラウド確定申告では、複数の所得を一つのアカウントで管理することも可能です。事業所得と不動産所得の両方がある場合でも、設定画面から追加できます。

ステップ4:業種を選択する

業種の選択は、個人事業税の税率に影響するため正確に設定する必要があります。個人事業税は都道府県に納める地方税で、業種によって税率が3%・4%・5%に分かれています。

主な業種と税率の目安は以下のとおりです。

  • 税率5%:物品販売業、飲食店業、デザイン業、コンサルタント業など(第一種事業)
  • 税率4%:畜産業、水産業、薪炭製造業(第二種事業)
  • 税率3%:あんま・マッサージ業、装蹄師業(第三種事業の一部)

フリーランスのエンジニアやWebデザイナーの場合、「デザイン業」や「コンサルタント業」に該当することが多いですが、実態に合った業種を選びましょう。迷った場合は開業届に記載した業種と同じものを選択するのが確実です。

提出先税務署の正しい選び方

基本ルール:1月1日時点の住所地が原則

確定申告書の提出先税務署は、原則として申告する年の翌年1月1日時点の住所地(納税地)を管轄する税務署です。たとえば、2025年分の確定申告であれば、2026年1月1日時点に住んでいた場所を管轄する税務署が提出先になります。

マネーフォワード クラウド確定申告の設定画面では、住所を入力すると自動的に管轄税務署の候補が表示される仕組みになっています。ただし、自動判定が正確でないケースもあるため、国税庁のウェブサイトで改めて確認することをおすすめします。

引っ越しした場合の提出先

年の途中で引っ越しをした場合、提出先は引っ越し後の住所地を管轄する税務署になります。これは、確定申告の提出時点での住所地が基準となるためです。

ただし、確定申告書の提出前に「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を旧住所地の税務署に提出しておく必要があります。2023年1月以降は、届出書を提出しなくても転居後の税務署に申告書を提出すれば受理される運用に変わりましたが、届出書を出しておいたほうが手続きがスムーズに進みます。

マネーフォワード クラウド確定申告の設定画面では、引っ越し後の新しい住所を入力して、提出先税務署を更新しましょう。

自宅と事務所が異なる場合

個人事業主で自宅とは別に事業所を構えている場合、以下の2つの選択肢があります。

  • 住所地(自宅)を納税地として、自宅を管轄する税務署に提出する(原則)
  • 事業所の所在地を納税地として届け出て、事業所を管轄する税務署に提出する(届出が必要)

事業所の所在地を納税地にしたい場合は、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を事前に税務署へ提出しておく必要があります。届出をしていない場合は、自宅の住所地が納税地です。

筆者の周囲でも、自宅は郊外にあるが都心のコワーキングスペースを事業所として届け出ているケースがあります。この場合、コワーキングスペースの住所を管轄する税務署が提出先になります。どちらを納税地にするかは利便性や事業の実態に応じて判断してください。

管轄税務署の調べ方

自分の管轄税務署がわからない場合は、以下の方法で確認できます。

  • 国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」ページで郵便番号から検索する
  • 住所地の市区町村名と「管轄税務署」で検索する
  • 最寄りの税務署に電話して確認する

なお、同じ市区町村内でも地域によって管轄が異なることがあります。たとえば東京23区では、1つの区に複数の税務署が存在するケースもあるため、番地レベルまで正確に確認することが大切です。世田谷区には北沢税務署・玉川税務署・世田谷税務署の3つがあり、住んでいる町名によって管轄が分かれています。

他のクラウド会計ソフトとの初期設定の違い

freeeとの比較

freeeの場合も初期設定で事業者区分と提出先税務署の設定は必要ですが、設定画面の構成がやや異なります。freeeは質問形式で設定を進めるウィザード方式を採用しており、「あなたは個人事業主ですか?」のような問いかけに答えていく形式です。一方、マネーフォワード クラウド確定申告は、設定項目を一覧で表示して選択する方式を採用しています。

どちらが使いやすいかは好みが分かれるところですが、マネーフォワード クラウド確定申告は全体の設定項目を俯瞰しながら入力できるため、設定内容の確認がしやすいという利点があります。

やよいの青色申告オンラインとの比較

やよいの青色申告オンラインは、名前のとおり青色申告に特化しているため、申告の種類の選択で迷うことが少ないのが特徴です。ただし、途中で白色申告に変更したくなった場合に柔軟性が低いという面もあります。

マネーフォワード クラウド確定申告は、青色・白色の両方に対応しており、設定画面からいつでも切り替えが可能です。また、銀行口座やクレジットカードとの連携数がプランによって異なるものの、基本的な機能は個人事業主に必要なものが網羅されています。

マネーフォワード クラウド確定申告をおすすめできる人

以下に当てはまる方は、マネーフォワード クラウド確定申告が適しています。

  • 銀行口座やクレジットカードとの自動連携で入力の手間を減らしたい人
  • 事業所得だけでなく、不動産所得など複数の所得がある人
  • 将来的に法人化を視野に入れている人(法人向けサービスへの移行がスムーズ)
  • 請求書発行や経費精算など、他のマネーフォワードサービスとの連携を活用したい人

料金や詳しい機能については、マネーフォワード クラウド確定申告の完全ガイドで個人事業主向けに徹底解説していますので、導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。

よくある失敗と対処法

事業者区分を「法人」にしてしまった場合

個人事業主なのに法人を選択してしまった場合、新たに「個人」のアカウントを作成し直す必要があります。マネーフォワード クラウド確定申告では、同じメールアドレスで個人と法人の事業者を追加できるため、新しい事業者を個人として追加し、そちらで入力を進めましょう。誤って作成した法人の事業者は削除できます。

提出先税務署を間違えて登録した場合

提出先税務署は、マネーフォワード クラウド確定申告の設定画面からいつでも変更できます。「各種設定」→「事業者」の画面で修正すれば、確定申告書に反映されます。すでに申告書を作成中であっても、提出前であれば問題なく修正可能です。

所得の種類を間違えて選択した場合

所得の種類も設定画面から変更できますが、すでに仕訳データを入力している場合は、勘定科目の体系が変わる可能性があるため注意が必要です。変更前にデータのバックアップを取っておくと安心です。

まとめ:迷ったときの判断フローチャート

マネーフォワード クラウド確定申告の登録時に事業者区分と提出先税務署で迷ったら、以下の順番で判断してください。

まず事業者区分について:法人登記をしていなければ「個人」を選択。次に、青色申告承認申請書を提出済みなら「青色申告」、未提出なら「白色申告」。所得の種類は、開業届を出して継続的に事業をしているなら「事業所得」、副業で規模が小さければ「雑所得」を選択します。

提出先税務署は、申告時点で住んでいる住所地を管轄する税務署が原則です。引っ越しをした場合は新住所地の税務署、事業所を納税地として届け出ている場合は事業所の管轄税務署を選びます。不明な場合は国税庁のサイトで郵便番号から検索するのが最も確実です。

設定を間違えたとしても、マネーフォワード クラウド確定申告では提出前であれば修正が可能ですので、過度に心配する必要はありません。まずはマネーフォワード クラウド確定申告に無料で登録して、実際の画面を見ながら設定を進めてみましょう。操作に慣れることが、正確な確定申告への第一歩です。