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n8nを使ったデータ収集・分析の自動化テクニック5選

「データは新しい石油だ」と言われますが、その貴重なデータを手作業で掘り出し、精製することに多くの時間を費やしていませんか?

あちこちに散らばったデータを集計し、レポートを作成する単純作業に追われ、本来やるべき「分析」や「意思決定」に集中できない…

そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは少なくありません。

もし、この面倒なデータ収集から加工、そして蓄積までの一連の流れ(データパイプライン)を、プログラミング不要で自動化できるとしたらどうでしょう?

それを実現するのが、業務自動化ツール「n8n」です。

この記事では、n8nを強力なデータパイプライン構築ツールとして活用するための、5つの実践的な自動化テクニックを具体的に解説します。

この記事を読めば、あなたも「データ作業者」から脱却し、データを活用してビジネスを動かす「データ戦略家」への第一歩を踏み出せるはずです。

n8nの基本的な使い方や概念について先に知りたい方は、当サイトの「n8n完全ガイド記事」を先にご覧いただくと、本記事のテクニックへの理解がより深まります。

n8nがデータ業務に最適な理由

n8nが単なるタスク自動化ツールにとどまらず、データ処理の強力なハブとなる理由は、その柔軟なアーキテクチャにあります。

  • 多様なデータソースへの接続性: Web API、データベース(MySQL, PostgreSQL等)、ファイル(CSV, JSON, Excel)、さらにはAPIが提供されていないWebサイトからのスクレイピングまで、あらゆる場所からデータを抽出できます。
  • 柔軟なデータ変換・加工能力: 取得したデータを結合(マージ)したり、分割したり、フィルタリングしたり、計算したり… n8nのノードを組み合わせることで、複雑なデータ変換処理を視覚的に構築できます。
  • スケジュール実行とトリガー: 「毎日午前8時にデータを収集する」といった定期実行や、「新しいデータが追加されたら即座に処理する」といったトリガー起動が自在に設定できます。
  • 多彩な出力先への連携: 処理したデータをGoogle Sheets、各種データベース、BIツール、データウェアハウスなど、目的の場所へ確実に送り届けます。

データ収集・分析を自動化する実践テクニック5選

それでは、具体的なテクニックをワークフローの例と共に見ていきましょう。

テクニック1:APIからデータを定期取得し、データベースに蓄積する

ユースケース:自社ECサイトの売上データを毎日取得し、分析用のデータベースに蓄積する。

ワークフローの流れ:
Scheduleノード → HTTP Requestノード → Item Listsノード → PostgreSQL/MySQLノード

多くのAPIは、一度に大量のデータを返さず、複数ページに分けてデータを提供します(ページネーション)。n8nなら、この繰り返し処理も自動化できます。HTTP Requestノードでデータを取得し、次のページが存在するかをチェック、存在するならループ処理で全てのページからデータを取得し尽くす、といった高度なワークフローが可能です。

私の視点:
この「APIからの定時データ取得」は、データ活用の基本中の基本です。手作業でのダウンロード&アップロードをなくすだけで、ヒューマンエラーがゼロになり、データが常に最新の状態に保たれます。まずは身近なSaaSのAPIからデータを取得し、Google Sheetsに書き出すことから始めてみるのがおすすめです。

テクニック2:Webスクレイピングで競合サイトの情報を収集する

ユースケース:APIが提供されていない競合他社のWebサイトから、新製品の価格やスペック情報を自動で収集し、変更があったらSlackで通知する。

ワークフローの流れ:
Scheduleノード → HTTP Requestノード → HTML Extractノード → IFノード → Slackノード

HTTP RequestノードでWebページのHTMLを取得し、「HTML Extract」ノードを使って、CSSセレクタで価格や製品名といった特定の情報だけをピンポイントで抽出します。前回取得したデータとIFノードで比較し、変更があった場合のみ通知する、といったインテリジェントな監視が可能です。

私の視点:
Webスクレイピングは非常に強力ですが、相手のサーバーに過度な負荷をかけないよう、実行間隔を十分に空けるなどの配慮が不可欠です。あくまで良識の範囲内で行うことが、持続可能な自動化の鍵となります。

テクニック3:複数のデータソースをマージ(結合)し、意味のある情報を作り出す

ユースケース:CRMにある顧客情報(名前、会社名)と、決済システムにある購入履歴(製品名、金額)を、メールアドレスをキーにして結合し、顧客ごとの購買データをリッチ化する。

ワークフローの流れ:
Webhookトリガー(CRM) → [顧客データ取得] → HTTP Requestノード(決済システム) → Mergeノード → データウェアハウス/BIツール

n8nの「Merge」ノードは、データ処理におけるスーパーヒーローです。異なる二つのデータソースを、メールアドレスや顧客IDといった共通のキーで紐付け、一つのデータセットに統合できます。これにより、分断されていたデータが繋がり、より深い分析が可能になります。

テクニック4:複雑なJSONデータを整形・集計し、扱いやすい形式に変換する

ユースケース:外部APIから取得した、階層が深い複雑なJSONデータを、Google SheetsやCSVで扱いやすいフラットな表形式(行と列)に変換する。

ワークフローの流れ:
HTTP Requestノード → Item Listsノード → Setノード → Google Sheetsノード

APIからの応答データは、しばしば入れ子構造(ネスト)になっています。このようなデータをそのままではシートに貼り付けられません。n8nの「Item Lists」ノードで配列を展開し、「Set」ノードで必要なデータだけを取り出して新しい項目名にマッピングし直すことで、目的のフォーマットに自在に整形できます。

テクニック5:処理済みデータをBIツールやデータウェアハウスに投入する

ユースケース:上記1〜4のテクニックで収集・加工したクリーンなデータを、TableauやLooker Studio (旧Googleデータスタジオ)での可視化、あるいはBigQueryやSnowflakeでの大規模分析のために、自動で投入(ロード)する。

ワークフローの流れ:
[各種データ処理ワークフロー] → Google BigQuery/PostgreSQL/Snowflakeノード

私の視点:
この段階まで来ると、n8nは単なる自動化ツールではなく、本格的な「ETL (Extract, Transform, Load) ツール」として機能していることになります。高価なデータ統合プラットフォームを導入しなくても、n8nを使えば誰でも「市民データエンジニア」として、データの抽出・変換・投入という一連のプロセスを自動化できるのです。

まとめ:データ作業から解放され、データ活用で価値を生み出そう

今回ご紹介したテクニックは、n8nが持つデータ処理能力のほんの一部です。しかし、これらを組み合わせるだけでも、これまで手作業で行っていた多くのデータ関連業務を自動化し、あなたの貴重な時間を生み出すことができるはずです。

面倒なデータの「収集」と「準備」はn8nに任せ、あなたはデータの「分析」と「活用」という、人間にしかできない創造的な業務に集中しましょう。それこそが、ビジネスを成長させるデータドリブンな働き方です。

まずはn8n Cloudの無料トライアルで、あなたの身の回りにあるデータ処理の自動化に挑戦してみませんか?

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