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経理担当者向け|n8nを使った経費精算の申請・承認フロー自動化

「また月末の経費精算処理で残業か…」

そんなため息をついていませんか?

経理担当者にとって、経費精算の申請・承認フローは避けて通れない重要業務です。

しかし、メールでの申請受付、エクセルへの転記、承認者への確認連絡など、手作業が多く時間がかかるのが現実です。

この記事では、ノーコード自動化ツール「n8n」を使って、経費精算フローを自動化する具体的な方法をご紹介します。

実際に導入した企業では、月末の経費処理時間を約70%削減した事例もあります。

明日から使える実践的なテンプレートも含めて、わかりやすく解説していきます。

経費精算フローの現状と課題

多くの企業の経費精算フローは、いまだに手作業に依存しています。典型的な流れを見てみましょう。

従来の経費精算フローの問題点

一般的な経費精算では、以下のような手順を踏むことが多いです。

  • 社員がメールで経費申請書と領収書を送信
  • 経理担当者が内容を確認し、エクセルに転記
  • 承認者にメールで承認依頼
  • 承認後、経理システムに手入力
  • 申請者に結果をメール通知

この流れには、いくつもの課題が潜んでいます。

まず、転記ミスのリスクです。ある調査によると、手動でのデータ入力では約3%の確率でエラーが発生します。100件の申請があれば、3件は何らかのミスが含まれる計算になります。

次に、処理時間の長さです。1件あたり平均15分かかるとすると、月100件の申請で25時間。これは3営業日以上に相当します。

さらに、承認の遅延も深刻です。承認者が出張中だったり、メールを見落としたりすると、処理が滞ります。社員からは「いつ振り込まれるの?」という問い合わせが殺到し、対応に追われることになります。

なぜ自動化が必要なのか

経費精算の自動化は、単なる効率化以上の価値があります。

第一に、コンプライアンスの強化です。自動化により、すべての申請が同じルールで処理され、承認履歴も自動的に記録されます。監査対応も格段に楽になります。

第二に、社員満足度の向上です。申請から振込までの期間が短縮され、進捗も可視化されることで、社員のストレスが大幅に軽減されます。

第三に、経理部門の働き方改革です。ルーティン作業から解放された時間を、より付加価値の高い業務に充てることができます。

n8nを使った経費精算フローの自動化方法

それでは、n8nを使って経費精算フローを自動化する具体的な方法を見ていきましょう。n8nは、プログラミング知識がなくても使えるワークフロー自動化ツールです。詳しい機能については、n8n完全ガイド記事をご覧ください。

ステップ1:自動化フローの設計

まず、理想的な経費精算フローを設計します。n8nで実現する自動化フローは以下のようになります。

  • Googleフォームで経費申請を受付
  • 申請内容を自動でスプレッドシートに記録
  • 金額に応じて適切な承認者にSlack通知
  • 承認後、会計システムに自動連携
  • 申請者に完了通知を自動送信

このフローなら、経理担当者は承認状況の確認と例外処理だけに集中できます。

ステップ2:n8nのセットアップ

n8nの導入は思っているより簡単です。n8nの公式サイトから無料トライアルを開始できます。

セットアップの基本手順は以下の通りです。

  • n8nクラウド版にサインアップ(5分程度)
  • 必要なアプリケーション(Google、Slack等)と連携
  • テンプレートをインポートして編集

クラウド版なら、サーバーの準備も不要で、すぐに使い始められます。

ステップ3:ワークフローの構築

実際のワークフロー構築を、具体例で説明します。

1. トリガーの設定

Googleフォームのノードを配置し、新しい回答が送信されたときにワークフローが起動するよう設定します。フォームには以下の項目を含めます。

  • 申請者名
  • 部署
  • 経費項目
  • 金額
  • 使用日
  • 使用目的
  • 領収書画像のURL

2. データの処理

受信したデータを、後続の処理で使いやすい形に整形します。n8nの「Set」ノードを使用して、日付フォーマットの統一や金額の数値変換を行います。

3. 承認ルートの分岐

「IF」ノードを使って、金額に応じた承認ルートを設定します。例えば:

  • 1万円未満:課長承認のみ
  • 1万円以上5万円未満:部長承認
  • 5万円以上:役員承認

4. 通知の送信

Slackノードを使って、承認者に通知を送ります。通知には承認用のボタンを含め、ワンクリックで承認できるようにします。

5. データの保存

Google Sheetsノードで、申請データを管理用スプレッドシートに記録します。これにより、いつでも申請状況を確認できます。

ステップ4:承認プロセスの実装

承認プロセスは、経費精算フローの要です。n8nでは以下のように実装します。

承認待ちワークフローの作成

Webhookノードを使用して、承認ボタンがクリックされたときに別のワークフローを起動します。承認者がSlackで「承認」ボタンをクリックすると:

  • 承認情報がn8nに送信される
  • スプレッドシートの承認ステータスが更新される
  • 次の承認者または申請者に通知が送られる

タイムアウト処理の実装

「Wait」ノードを使って、一定期間承認されない場合のリマインド通知を設定します。48時間経過しても承認されない場合は、承認者と経理担当者の両方に通知が送られます。

ステップ5:会計システムとの連携

最終的に承認された経費は、会計システムに自動で連携します。多くの会計システムはAPIやCSVインポート機能を提供しているので、n8nから直接データを送信できます。

例えば、freeeやマネーフォワードクラウドを使用している場合:

  • HTTPリクエストノードでAPIを呼び出し
  • 承認済みデータを所定のフォーマットで送信
  • 仕訳データとして自動登録

CSVでの連携の場合は、定期的にCSVファイルを生成して、FTPやメールで送信することも可能です。

他の自動化ツールとの比較

経費精算の自動化には、n8n以外にもいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

専用の経費精算システムとの比較

楽楽精算やジョブカンなどの専用システムは、経費精算に特化した機能が充実しています。しかし、以下のような課題があります。

  • 月額費用が高い(1ユーザーあたり300〜500円)
  • カスタマイズの自由度が低い
  • 他の業務システムとの連携が限定的

一方、n8nなら:

  • 小規模なら無料、有料プランでも月20ドルから
  • 自社の業務フローに合わせて自由にカスタマイズ可能
  • 200以上のアプリと連携可能

RPAツールとの比較

UiPathやWinActorなどのRPAツールも選択肢の一つです。しかし:

  • 導入コストが高い(年間100万円以上)
  • プログラミング的な知識が必要
  • デスクトップ上での動作が前提

n8nは、クラウドベースで動作し、視覚的なインターフェースで誰でも使えるのが大きな利点です。

どんな企業にn8nがおすすめか

n8nが特に適しているのは以下のような企業です。

  • 社員数50〜500名程度の中堅企業
  • IT予算が限られている企業
  • 業務フローを頻繁に見直す成長企業
  • 複数のクラウドサービスを活用している企業

逆に、1000名を超える大企業や、高度なセキュリティ要件がある企業は、専用システムの方が適している場合もあります。

まとめと次のアクション

n8nを使った経費精算フローの自動化は、経理部門の業務効率を大幅に改善する可能性を秘めています。手作業による転記ミスがなくなり、承認プロセスも迅速化され、月末の残業も大幅に削減できます。

導入のポイントをまとめると:

  • 現状の業務フローを整理し、自動化する部分を明確にする
  • 小さく始めて、段階的に拡張していく
  • 関係者への説明と協力体制の構築が重要

まずは、n8nの無料トライアルで、簡単なワークフローを作ってみることから始めましょう。Googleフォームからスプレッドシートへの転記だけでも、十分な効果を実感できるはずです。

さらに詳しいn8nの使い方については、n8n完全ガイド記事で、基本操作から応用まで幅広く解説しています。ぜひ参考にしてください。

経理業務の自動化は、働き方改革の第一歩です。この記事が、あなたの業務改善の一助となれば幸いです。