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開業後に海外移住することになったら?納税管理人の選任と開業届の取り扱い

グローバル化が進む現代、フリーランスや個人事業主として活動の場所を海外に移すことを夢見る方も少なくないでしょう。

しかし、個人事業主として開業した後に海外へ移住する場合、日本の税金をどう處理すればよいのか、不安に感じるかもしれません。

特に「納税管理人」の選任や「開業届」の扱いは、多くの人がつまずきやすいポイントです。

この記事では、開業後に海外移住する際に直面する税務上の手続き、特に納税管理人の役割と選任方法、そして開業届の適切な取り扱いについて、2026年2月時点の情報に基づき、分かりやすく解説します。

この記事を読めば、海外移住後も安心して事業を続けるための具体的なステップが明確になり、スムーズな準備を進めることができるでしょう。

海外移住したら日本の税金はどうなる?納税管理人が不可欠な理由

海外に住んでいれば、日本の税金を納める必要はないと考えていませんか?実は、そうとは限りません。海外移住後の納税義務を理解する上で重要なのが、「居住者」と「非居住者」という区分です。

「非居住者」でも納税義務は発生する

日本の所得税法では、国内に「住所」を持つか、または現在まで引き続いて1年以上「居所」を持つ個人を「居住者」と定義しています。海外移住により、この条件に当てはまらなくなった個人事業主は「非居住者」として扱われます。

重要なのは、非居住者であっても、日本国内で得た所得(国内源泉所得)に対しては、日本の所得税が課されるという点です。例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 日本国内のクライアントからの業務委託報酬
  • 日本国内に所有する不動産の賃貸収入
  • 日本国内の資産を売却して得た利益

つまり、海外に住みながら日本の企業と取引を続けて収入を得る場合、その収入は課税対象となるのです。そして、この納税手続きを本人の代わりに行うのが「納税管理人」です。

納税管理人を選ばないとどうなる?

非居住者となり、確定申告や納税が必要にもかかわらず納税管理人を選任しない場合、税務署からの重要な書類を受け取ることができません。その結果、申告期限を過ぎてしまい、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるリスクがあります。

海外での新しい生活をスムーズに始めるためにも、出国前に必ず納税管理人を選任し、税務署に届け出ることが不可欠です。納税管理人は、あなたに代わって日本の税務を適切に処理してくれる、海外移住後の頼れるパートナーと言えるでしょう。

納税管理人の選任手続きと具体的な役割

納税管理人の重要性は理解できたものの、「誰に頼めばいいのか」「具体的に何をしてくれるのか」といった疑問が浮かぶでしょう。ここでは、納税管理人の選任方法から具体的な役割までを詳しく解説します。

誰を納税管理人になれる?

納税管理人は、特別な資格は必要なく、個人でも法人でもなることができます。一般的には、以下のような方が選ばれています。

  • 家族や親族: 日本に住む両親や兄弟など、信頼できる身内は最も一般的な選択肢です。ただし、税務に関する知識がある程度ないと、負担が大きくなる可能性もあります。
  • 友人・知人: 信頼できる友人や知人に依頼することも可能です。しかし、金銭が関わる責任の重い役割のため、依頼する際は慎重に関係性を考慮する必要があります。
  • 税理士・会計事務所: 税務の専門家である税理士に依頼するのが最も安心できる方法です。報酬は発生しますが、確定申告書の作成から提出、納税手続きまでを正確かつスムーズに行ってくれます。海外移住に関する税務アドバイスも受けられるため、特に事業規模が大きい方や税務に不安がある方におすすめです。

選任手続きの流れ

納税管理人を決めたら、あなたの納税地を管轄する税務署に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。この手続きは、原則として日本を出国する日までに行います。郵送での提出も可能です。

届出書の様式は国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。手続き自体は難しいものではなく、納税管理人となる人の氏名、住所、連絡先などを記入して提出するだけです。この届出をもって、以降の税務署からの連絡や書類は、すべて納税管理人のもとへ送付されることになります。

開業届の取り扱い:海外移住で「廃業」は必要?

海外移住が決まった際、もう一つ悩むのが「開業届」の扱いです。「日本で事業をしないなら、廃業届を出すべき?」と考える方も多いでしょう。しかし、必ずしも廃業する必要はありません。事業の状況によって判断が異なります。

事業を継続する場合:開業届はそのまま

前述の通り、海外に移住しても日本国内のクライアントと取引を続けるなど、日本国内で所得が発生する場合は、事業を継続していることになります。この場合、廃業届を提出する必要はなく、開業届はそのまま有効です。納税管理人を選任し、日本での確定申告を続けることになります。

事業の実態が変わらないのであれば、屋号もそのまま使用できますし、青色申告の承認も維持されます(ただし、記帳義務などを納税管理人が適切に果たすことが前提です)。

事業を廃止する場合:廃業届の提出が必要

海外移住を機に、日本での事業を完全にやめてしまう場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の税務署に提出します。これは、開業時に提出した書類と同じ様式で、「廃業」の欄に必要事項を記入して提出します。廃業届は、事業を廃止した日から1ヶ月以内に提出するのが原則です。

また、青色申告をしていた場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」、消費税の課税事業者であった場合は「事業廃止届出書」の提出も必要になるので注意しましょう。

手続きを効率化するクラウドサービス

開業時と同様、廃業の手続きも書類作成や提出など、意外と手間がかかるものです。特に海外移住の準備で忙しい中では、大きな負担になりかねません。

そんな時に役立つのが、マネーフォワード クラウド開業届のようなクラウドサービスです。このサービスは、開業届だけでなく廃業届も、画面の案内に沿って入力するだけで簡単に作成できます。作成した書類は電子申請や郵送で提出できるため、不慣れな手続きをミスなくスムーズに進めることができます。

これから開業を考えている方はもちろん、将来的な移住や事業形態の変更を見据えている方にとっても、こうした便利なツールを知っておくことは重要です。開業準備の全体像や、マネーフォワード クラウド開業届の具体的な使い方については、こちらのピラーページ「【開業準備ガイド】個人事業主になるには?無料の「マネーフォワード クラウド開業届」で書類作成から提出まで完全サポート!」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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海外移住前に最終チェック!税務に関するQ&A

最後に、海外移住する個人事業主からよく寄せられる税務に関する質問をQ&A形式でまとめました。出国前に最終確認しておきましょう。

Q1. 住民税はどうなりますか?

A. 住民税は、その年の1月1日時点で住所のある市区町村に納付する税金です。例えば、2026年3月に海外へ転出する場合、2026年1月1日時点では日本に住所があるため、2025年分の所得に対する住民税の納税義務があります。納税通知書は出国後に届くことになるため、これも納税管理人に受け取ってもらい、納付を代行してもらう必要があります。出国前に市区町村役場で手続きについて確認しておくと安心です。

Q2. 消費税の扱いはどうなりますか?

A. 海外に居住しながら日本のクライアントにサービスを提供する場合、その取引は「輸出免税」の対象となる可能性があります。輸出免税が適用されると、売上にかかる消費税は免除されますが、仕入れにかかった消費税は還付を受けられる場合があります。ただし、これには課税事業者であることが前提であり、手続きも複雑です。非居住者となる場合の消費税の扱いは非常に専門的な判断を要するため、必ず税理士に相談することをおすすめします。

Q3. 青色申告の承認は取り消されますか?

A. 非居住者になったからといって、自動的に青色申告の承認が取り消されるわけではありません。ただし、青色申告の要件である「正規の簿記の原則に従った記帳」と「帳簿書類の保存」を、納税管理人を通じて適切に継続する必要があります。これらの義務を果たせない場合は、税務署から承認を取り消される可能性があります。納税管理人、特に税理士に依頼する場合は、記帳代行まで含めてお願いできるか確認しておくと良いでしょう。

まとめ:計画的な準備で、海外移住後も安心の事業運営を

個人事業主が海外移住する際の税務手続きは、一見すると複雑に感じるかもしれません。しかし、ポイントは「日本国内で所得があるなら、非居住者でも納税義務がある」ということ、そしてその手続きを代行してくれる「納税管理人の選任が不可欠」であるという2点です。

出国前に納税管理人を決め、「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を税務署に提出することで、海外での生活に集中しながら、日本での税務を適切に処理できます。また、開業届については、事業を続けるならそのままで、完全にやめる場合にのみ廃業届を提出すると覚えておきましょう。

これらの手続きは、将来の安心のための重要な投資です。税理士などの専門家の力を借りたり、便利なクラウドサービスを活用したりしながら、計画的に準備を進めていきましょう。これから開業を考えている方、そしていつかは海外で、と考えている方は、手続きの全体像を掴むためにも、まずは「【開業準備ガイド】個人事業主になるには?無料の「マネーフォワード クラウド開業届」で書類作成から提出まで完全サポート!」のようなガイド記事で情報収集を始めてみることをおすすめします。