海外に住む友人や、グローバルに展開するクライアントと金銭のやり取りをする機会は増えていますよね。
その中で、「WISEが便利だって聞くけど、相手がWISEアカウントを持っていないと送金を受け取れないのかな?」と疑問に思ったことはありませんか。
あるいは、「海外からの送金を受け取りたいけど、できるだけ手数料は抑えたい…」と感じている方も多いでしょう。
結論から言うと、相手がWISEアカウントを持っていなくても、あなたがWISEアカウントを持っていれば問題なく送金を受け取ることが可能です。
この記事では、WISEアカウントを持っていない人からスムーズに送金を受け取るための具体的な方法、その仕組み、そして知っておくべき手数料や注意点について、2025年12月時点の情報をもとに徹底的に解説します。
この記事を読めば、もう海外からの送金受け取りに悩むことはありません。
WISEアカウントがなくても送金を受け取れる!その仕組みとは?
「相手がWISEアカウントを持っていないのに、どうして送金を受け取れるの?」と不思議に思うかもしれません。その秘密は、WISEが提供する独自の国際送金ネットワークにあります。従来の銀行を使った国際送金とは全く異なる、画期的な仕組みを理解していきましょう。
なぜ相手はWISEアカウントが不要なのか?
多くの方がWISEを単なる個人間の送金アプリのように考えていますが、その本質は世界中に張り巡らされた銀行口座ネットワークを活用したシステムである点にあります。
従来の国際送金では、日本の銀行Aからアメリカの銀行Bへ送金する場合、いくつもの中継銀行を経由する必要がありました。そのたびに手数料が引かれ、時間もかかるのが当たり前でした。
しかし、WISEの仕組みはこうです。
- 送金者(相手)は、自国にあるWISEの銀行口座へ「国内送金」を行います。例えば、アメリカにいる相手なら、WISEが指定するアメリカ国内の銀行口座へ米ドルを振り込むだけです。
- WISEは、その入金を確認すると、即座に最新の為替レート(ミッドマーケットレート)で両替します。
- 両替された日本円が、日本国内にあるWISEの銀行口座から、受取人(あなた)の日本の銀行口座へ「国内送金」されます。
つまり、お金が実際に国境を越えて移動しているわけではないのです。各国内での送金をWISEが中継することで、国際送金を実現しています。この仕組みにより、送金者は高額な海外送金手数料や中継銀行手数料を支払う必要がなく、まるで国内の誰かに振り込むような手軽さで手続きが完了するのです。だからこそ、相手はWISEのアカウント登録や本人確認といった手間が一切不要になります。
受取人(あなた)がWISEアカウントを持つことの絶大なメリット
一方で、受取人であるあなたがWISEアカウントを持つことには、非常に大きなメリットがあります。それが「マルチカレンシー口座」の機能です。
これは、1つのアカウント内で米ドル、ユーロ、英ポンド、オーストラリアドルなど、10種類以上の通貨を管理できる口座です。さらに、主要な通貨については、その国独自の口座情報を取得できます。例えば、
- アメリカの「ルーティングナンバー(ABA)」と「口座番号」
- ヨーロッパの「IBANコード」
- イギリスの「ソートコード」と「口座番号」
などを取得できるのです。これは、あなたがまるでその国に銀行口座を持っているのと同じ状態になることを意味します。相手にこの口座情報を伝えれば、相手はWISEを介さず、自身の銀行から直接あなたのWISE口座へ国内送金することも可能になります。この方法を使えば、多くの場合、受取手数料が無料になるという大きな利点があります。
WISE非会員から送金を受け取るための具体的な3ステップ
それでは、実際にWISEアカウントを持っていない人から送金を受け取るための手順を、3つの簡単なステップに分けて解説します。この手順通りに進めれば、誰でも迷うことなく海外からの送金をスマートに受け取れます。
ステップ1:受け取りたい通貨の「口座情報」を取得する
まず、送金者にどの通貨で送ってもらうかを決め、その通貨の口座情報をあなたのWISEアカウントで取得します。
- WISEのアプリまたはウェブサイトにログインします。
- ホーム画面(「残高」タブ)から、受け取りたい通貨を選択します。例えば、アメリカのクライアントから米ドルで報酬を受け取るなら、「米ドル」を選択します。
- 通貨のページにある「口座情報を取得する」または「あなたのUSD口座情報」といったボタンをクリックします。
- 画面に、その通貨を受け取るために必要な口座情報(口座名義人、ルーティングナンバー、口座番号など)が表示されます。
もし、これが初めての口座情報取得である場合、本人確認(KYC)の手続きが必要になることがあります。手続きは画面の指示に従うだけで簡単ですが、少し時間がかかる場合もあるので、送金を受け取ることが決まったら早めに済ませておくとスムーズです。
WISEの口座開設や本人確認がまだの方は、【完全ガイド】WISE個人口座の登録から初めての海外送金まで徹底解説!で詳しく解説していますので、まずは準備を済ませておきましょう。
ステップ2:口座情報を送金者に正確に伝える
次に、ステップ1で取得した口座情報を送金者に伝えます。このとき、情報を間違えてしまうと送金が遅れたり、最悪の場合、資金が返送されてしまったりする可能性があるので、正確に伝えることが非常に重要です。
WISEの画面には「口座情報を共有」といったボタンがあります。これをクリックすると、必要な情報がすべて記載されたテキストを簡単にコピーできます。コピーした情報をメールやメッセージアプリに貼り付けて、そのまま送金者に送るのが最も安全で確実な方法です。
【伝えるべき情報の例(米ドルの場合)】
- 口座名義人: あなたの氏名(WISEに登録しているもの)
- ルーティングナンバー (ABA or ACH): 9桁の数字
- 口座番号: WISEが発行した口座番号
- 口座種別: Checking(当座預金)
- WISEの住所: 口座情報に記載されている住所
ここで一つ注意点です。送金者には「米ドル(USD)をACH送金で送ってください」のように、どの通貨で、どの送金方法(ACHなど)を使ってほしいかを明確に伝えると、よりスムーズで手数料も安く抑えられます。
ステップ3:送金者が手続きを行い、あなたが入金を確認する
あなたが口座情報を伝えた後、送金者はその情報を使って送金手続きを行います。送金者がWISEのサイト(アカウント不要)を利用する場合、以下のような流れになります。
- WISEのウェブサイトにアクセスし、「送金する」をクリック。
- 送金額と通貨(例:1,000 USD → JPY)を入力。
- 受取人として「自分以外の誰か」を選び、あなたが伝えた口座情報を入力。
- 送金者の本人情報を入力し、送金目的を選択。
- 最後に、WISEが指定する銀行口座へ、送金者が自身の銀行からお金を振り込みます。
手続きが完了し、WISEが着金を確認すると、あなたのWISEアカウントに入金され、登録メールアドレスに通知が届きます。あとは、WISEアカウント内の資金を日本の銀行口座に出金するか、そのままWISEデビットカードで利用するだけです。
手数料は?注意点は?WISE非会員からの送金Q&A
WISEを使った受け取りが便利なことは分かりましたが、やはり気になるのは手数料や注意点ですよね。ここでは、よくある質問にQ&A形式で詳しくお答えします。安心して利用するために、しっかりと確認しておきましょう。
Q1. 受け取り手数料はかかりますか?
A. 原則として無料ですが、例外もあります。
あなたがWISEで取得した各国の口座情報を使って送金を受け取る場合、ほとんどのケースで受取手数料は無料です。具体的には、以下の方法での受け取りは手数料がかかりません。
- 米ドル(USD)のACH送金
- ユーロ(EUR)のSEPA送金
- 英ポンド(GBP)のFaster Payments
- その他、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、シンガポールドルなど多数
ただし、注意が必要な例外が2つあります。それは「米ドルの電信送金(Wire Transfer)」と「カナダドル(CAD)のSWIFT送金」です。2025年12月時点では、米ドルの電信送金を受け取る際には、一律4.14 USDの手数料がかかります。送金者に「ACH送金でお願いできますか?」と一言伝えられると、この手数料を節約できます。
Q2. 送金者が支払う手数料はいくらですか?
A. 通貨や入金方法によって異なりますが、非常に透明性が高いです。
送金者が負担する手数料は、WISEの大きな魅力の一つである「安さ」と「透明性」が特徴です。手数料は「固定手数料」と「変動手数料(両替額の数%)」の2つで構成されており、送金手続きの最初のステップで最終的な受取額が正確に表示されます。隠れたコスト(スプレッド)を為替レートに上乗せする銀行とは異なり、正直な手数料体系となっています。
例えば、アメリカから1,000ドルを送金する場合、銀行振込で入金すれば手数料は数ドル程度で済むことがほとんどです。クレジットカードで支払うこともできますが、その場合は手数料が少し高くなります。
最新の手数料は、ぜひ公式サイトのシミュレーターで確認してみてください。簡単な操作で、銀行送金よりもどれだけお得になるかが一目瞭然です。
>>WISEの公式サイトで手数料をシミュレーションしてみる
Q3. マイナンバーの提示はなぜ必要ですか?
A. 日本の法令に基づく本人確認のためです。
日本在住者がWISEを利用して海外から送金を受け取る(または海外へ送金する)際、初回などにマイナンバーの提出を求められます。これは、WISEが日本の資金決済法に基づき「資金移動業者」として関東財務局の登録を受けているためです。マネーロンダリングやテロ資金供与を防ぐための国際的なルールに則った、正規の事業者である証拠とも言えます。一度提出すれば、その後の取引で何度も求められることは基本的にありませんので、案内に従って手続きを済ませましょう。
Q4. 【独自の視点】フリーランスや副業での活用法は?
A. 海外クライアントからの報酬受け取りに絶大な効果を発揮します。
私自身も経験がありますが、フリーランスとして海外の仕事を受ける際、報酬の受け取り方法は悩みの種でした。PayPalは手軽ですが、4〜5%の高い為替手数料が実質的にかかります。銀行送金は、クライアント側に数千円の送金手数料負担をお願いしなければならず、気が引けます。
しかしWISEなら、請求書にあなたの米ドル用口座情報(ルーティングナンバー等)を記載しておくだけ。クライアントは、まるで国内の業者に支払うかのように、自身のアメリカの銀行から手数料無料で(または格安で)振り込めます。あなたも受け取り手数料は無料。これは、クライアントとの良好な関係を築く上でも非常に大きなメリットです。海外との取引があるビジネスオーナーやフリーランサーにとって、WISEはもはや「選択肢」ではなく「必須ツール」と言えるでしょう。
まとめ:WISEがあれば、世界中の誰からでもスマートに送金を受け取れる
今回は、「WISEアカウントを持っていない人から送金を受け取る方法」について詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 相手はWISEアカウント不要: 送金者はWISEに登録しなくても、簡単な手続きであなたに送金できます。
- あなたがすべきことは口座情報の共有だけ: WISEで受け取りたい通貨の「口座情報」を取得し、相手に正確に伝えるだけで準備は完了です。
- 手数料は格安、多くは無料: ACH送金やSEPA送金など、WISEの国内送金ネットワークを利用すれば、受取手数料は無料です。
- ビジネス利用にも最適: 海外クライアントからの報酬受け取りが、驚くほどスムーズかつ低コストになります。
このように、WISEを一つ持っておくだけで、国境を感じさせないお金のやり取りが実現します。従来の国際送金の複雑さや高額な手数料から、あなたを解放してくれる画期的なサービスです。
これからWISEを始める方、より詳しい使い方を知りたい方は、口座開設から送金方法までを網羅した「【完全ガイド】WISE個人口座の登録から初めての海外送金まで徹底解説!」もぜひご覧ください。あなたのグローバルな活動を力強くサポートしてくれるはずです。
海外とのやり取りがあるなら、WISEは間違いなくあなたの強力な味方になります。まだ口座をお持ちでない方は、この機会にぜひ、その便利さを体験してみてください。
