個人事業主として新しい一歩を踏み出したものの、思うように売上が伸びない。
むしろ、機材や広告費などの経費がかさんで赤字になってしまっている。
「こんな状態で、わざわざ開業届を出す必要なんてあるのだろうか?」
そんな風に考えて、手続きを後回しにしていませんか?
実は、その考えは将来のあなたが損をしてしまう大きな原因になりかねません。
この記事では、なぜ売上がゼロや赤字の段階でも開業届を提出すべきなのか、そしてその最大のメリットである青色申告の「赤字繰越」について、具体的な例を交えながら分かりやすく解説します。
事業を始めたばかりの今だからこそ知っておくべき、大切な節税の知識です。
この記事を読み終える頃には、あなたはきっと「今すぐ開業届を出そう!」と前向きな気持ちになっているはずです。
売上ゼロ・赤字でも開業届を提出する3つの理由
「利益が出てからでいいや」と思われがちな開業届ですが、事業を開始した早い段階で提出することには、税金面以外にも多くのメリットがあります。ここでは、特に重要な3つの理由を解説します。
1. 「個人事業主」としての公的な証明になる
開業届は、税務署に対して「私はこの日から事業を始めました」と正式に宣言するための書類です。これにより、あなたは単なる個人ではなく「個人事業主」として公的に認められることになります。
この「公的な証明」は、ビジネスを行う上で様々な場面で信頼として機能します。
- 屋号付き銀行口座の開設:個人名義の口座と事業用の口座を分けることで、お金の流れが明確になり、確定申告の準備が格段に楽になります。屋号(お店や事業の名前)が入った口座を開設するには、多くの場合、開業届の控えの提出を求められます。
- 融資や補助金の申請:日本政策金融公庫からの融資や、各種補助金・助成金を申請する際、事業の実態を証明する書類として開業届が必要不可欠です。
- オフィスや店舗の賃貸契約:事業用の物件を契約する際にも、個人事業主であることを証明するために開業届の提示を求められることがあります。
売上がまだなくても、これらの準備を先に行っておくことで、ビジネスチャンスが訪れた際にスムーズに行動できます。
2. 小規模企業共済への加入資格が得られる
小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。毎月掛金を積み立てることで、事業を辞めたり退職したりする際に、まとまったお金を受け取ることができます。
この制度の大きなメリットは、掛金の全額が所得控除の対象になる点です。例えば、毎月3万円(年間36万円)を掛けていれば、その36万円が課税対象の所得から差し引かれ、所得税や住民税が安くなります。節税しながら将来の備えができる、非常に有利な制度ですが、加入するには開業届を提出していることが前提となります。
3. 青色申告の承認申請が可能になる【最大のメリット】
そして、赤字の時に開業届を出す最大の理由が、「青色申告承認申請書」を提出できるようになることです。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、青色申告を選ぶことで、税金面で非常に大きな優遇措置を受けられます。この青色申告の特典の中に、事業が赤字になった際に絶大な効果を発揮する「純損失の繰越控除」という制度があります。
次のセクションで、この「赤字繰越」がどれほど重要なのかを詳しく見ていきましょう。
知らないと大損!青色申告の「純損失の繰越控除」とは?
「赤字なのに税金の話?」と思うかもしれませんが、実は赤字の時こそ、将来の税金を大きく左右する重要なポイントが隠されています。それが青色申告者だけに認められた「純損失の繰越控除」、通称「赤字の繰り越し」です。
赤字を最大3年間、将来の黒字と相殺できる制度
純損失の繰越控除とは、事業で生じた赤字(純損失)を、翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来発生した黒字(所得)と相殺できるという制度です。言葉だけでは分かりにくいので、具体的な例で見てみましょう。
【具体例】Webデザイナーとして独立した場合
- 1年目:高性能なパソコンやデザインソフトの購入で初期投資がかさみ、50万円の赤字になった。
- 2年目:事業が軌道に乗り、120万円の黒字になった。
この場合、青色申告と白色申告では、2年目に支払う税金の計算対象となる所得が大きく変わります。
青色申告の場合
2年目の黒字(120万円)から1年目の赤字(50万円)を相殺できます。
120万円 – 50万円 = 70万円
この70万円が課税対象の所得となります。(実際にはここからさらに各種控除が引かれます)
白色申告の場合
赤字の繰り越しは認められていません。したがって、1年目の赤字は切り捨てられ、2年目の黒字がそのまま課税対象になります。
課税対象の所得は120万円となります。
見ての通り、課税対象となる所得に50万円もの差が生まれます。所得税率が10%だとしても、税額で5万円以上の差になる計算です。事業を始めたばかりの時期は、どうしても初期投資などで赤字になりがちです。この最初の赤字を無駄にしないために、開業初年度から青色申告を選択しておくことが極めて重要になります。
赤字繰越の適用を受けるための条件
この強力なメリットを受けるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 開業届を提出していること
- 青色申告承認申請書を期限内(原則、開業日から2ヶ月以内)に提出していること
つまり、事業を開始してすぐにこれらの書類を提出しておかなければ、たとえ初年度に大きな赤字が出ても、その恩恵を受けることはできないのです。「売上が出てから考えよう」では手遅れになる可能性があることを、ぜひ覚えておいてください。
赤字繰越だけじゃない!青色申告の豊富な節税メリット
青色申告のメリットは赤字の繰り越しだけではありません。日々の事業活動においても、白色申告にはない数多くの節税メリットが用意されています。ここでは代表的なものを3つご紹介します。これらを活用することで、手元に残るお金を最大化することができます。
最大65万円の青色申告特別控除
青色申告の最も有名なメリットが、この特別控除です。正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)に従って帳簿を作成し、期限内に確定申告を行うなどの要件を満たせば、所得金額から最大65万円(または55万円)を差し引くことができます。
例えば、課税所得が300万円だった場合、65万円の控除が適用されると、課税所得は235万円に圧縮されます。所得税率が10%なら、単純計算で6.5万円も税金が安くなるインパクトがあります。これは白色申告にはない、青色申告だけの大きな特典です。
家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)
生計を同一にする配偶者や親族が事業を手伝っている場合、その対価として支払った給与を全額必要経費にできる制度です。事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出し、仕事の内容や労働時間に見合った妥当な金額であることが条件ですが、家族に支払った給与分だけ所得を減らすことができるため、大きな節税効果が期待できます。
白色申告にも同様の「事業専従者控除」がありますが、こちらは配偶者で86万円、その他親族で50万円と控除額に上限が定められています。青色申告の方がより柔軟で有利な制度と言えるでしょう。
30万円未満の資産を一括で経費にできる特例
通常、パソコンやカメラ、車など、10万円以上する備品(減価償却資産)を購入した場合、一度に全額を経費にすることはできず、耐用年数に応じて数年に分けて経費化(減価償却)する必要があります。
しかし、青色申告者であれば、取得価額が30万円未満の減価償却資産であれば、購入したその年に一括で全額を経費として計上できる特例があります。(年間合計300万円まで)
例えば、25万円のパソコンを購入した場合、白色申告では数年に分けて経費にしますが、青色申告なら購入した年に25万円全額を経費にできます。これにより、利益が多く出た年に高額な備品を購入して利益を圧縮し、納税額をコントロールするといった戦略的な節税も可能になります。
手続きは難しくない!無料で使える「マネーフォワード クラウド開業届」
ここまで読んで、「青色申告のメリットは分かったけど、開業届や青色申告承認申請書なんて、なんだか難しそう…」と感じた方もいるかもしれません。確かに、税務署のウェブサイトから書式をダウンロードし、慣れない用語を調べながら手書きで作成するのは骨が折れる作業です。
しかし、今はもうそんな心配は要りません。知識がなくても、誰でも簡単に、しかも無料で開業手続きを完了させられる便利なツールがあります。
質問に答えるだけで、必要な書類がすべて完成
そこでおすすめしたいのが、会計ソフトで有名なマネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド開業届」です。
このサービスは、Webサイト上でいくつかの簡単な質問に答えていくだけで、以下の書類が自動で作成される画期的なツールです。
- 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)
- 所得税の青色申告承認申請書
- (必要に応じて)給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- (必要に応じて)源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
専門知識は一切不要。「事業内容は?」「屋号は?」といったガイドに従って入力するだけで、提出に必要な書類一式がPDFで出力されます。
スマホで完結、郵送もラクラク
作成はパソコンだけでなくスマートフォンにも対応しており、いつでもどこでも手続きを進められます。完成した書類は、印刷して管轄の税務署に郵送するだけ。マイナンバーカードがあれば、電子申請にも対応しています。(2026年1月時点の情報)
何より、これだけの機能が完全に無料で利用できるのが最大の魅力です。面倒な手続きでつまずいて貴重な時間を無駄にするくらいなら、こうした便利なツールを賢く活用しない手はありません。
事業のスタートで最も大切なのは、本業に集中することです。煩雑な事務作業は便利なツールに任せて、スムーズな一歩を踏み出しましょう。
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また、個人事業主になるための準備や手続きの全体像を詳しく知りたい方は、以下のガイド記事も併せてご覧ください。必要なものがチェックリスト形式で分かりやすくまとまっています。
関連記事:【開業準備ガイド】個人事業主になるには?無料の「マネーフォワード クラウド開業届」で書類作成から提出まで完全サポート!
まとめ:未来への投資として、今すぐ開業届を提出しよう
今回は、売上ゼロや赤字の状態でも開業届を提出すべき理由と、青色申告の強力なメリットである「純損失の繰越控除」について解説しました。
重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 事業が赤字でも、開業届と青色申告承認申請書を提出しておくべき。
- 青色申告なら、赤字を最大3年間繰り越して、将来の黒字と相殺できるため、大きな節税につながる。
- 赤字繰越の適用を受けるには、開業から2ヶ月以内など、早期の申請が必要。
- 開業手続きは「マネーフォワード クラウド開業届」のような無料ツールを使えば、知識ゼロでも簡単に完了できる。
事業開始時の赤字は、いわば将来の成長への「投資」です。その投資を未来の利益に繋げ、賢く節税するためにも、開業手続きは先延ばしにせず、事業を開始したタイミングで速やかに行いましょう。
まずは第一歩として、無料で使えるツールがどのようなものか、ぜひ一度ご自身の目で確かめてみてください。
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