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SmartHRとn8nを連携!入社手続きに伴うアカウント発行を自動化する

新しい仲間を迎える入社手続き、心躍るイベントである一方、人事やIT担当者にとっては多くの手作業が発生する大変な業務でもあります。

特に、システムごとに手動で行うアカウント発行は、時間がかかる上にヒューマンエラーの温床になりがちです。

もし、SmartHRに従業員情報を登録するだけで、必要なアカウントがすべて自動で作成されるとしたらどうでしょうか。

この記事では、人事労務ソフト「SmartHR」とiPaaSツール「n8n」を連携させ、この理想的な自動化を実現する方法を、具体的な手順を交えて徹底的に解説します。

なぜSmartHRとn8nの連携が最強の組み合わせなのか?

まず、なぜ「SmartHR」と「n8n」の組み合わせが、アカウント発行自動化においてこれほど強力なのでしょうか。それは、両者が持つそれぞれの強みが完璧に噛み合うからです。

SmartHRは、多くの企業で従業員情報のシングルソースオブトゥルース(信頼できる唯一の情報源)として機能しています。入社手続きの際に、従業員の氏名、メールアドレス、所属部署といった正確な情報が最初に集約される場所です。この「正確な初期データ」が自動化の起点として非常に重要になります。

一方のn8nは、多種多様なWebサービスやアプリケーションを連携させ、ノーコードまたはローコードで独自の自動化ワークフローを構築できるツールです。Google Workspace、Microsoft 365、Slackといった主要なビジネスツールはもちろん、非常に多くのサービスに対応した「ノード」と呼ばれる連携部品が用意されています。プログラミングの専門知識がなくても、API連携を直感的に実現できるのが最大の魅力です。

つまり、「従業員情報のマスターデータを持つSmartHR」をトリガー(起点)とし、「あらゆるサービスを繋ぎこむハブとなるn8n」がアクションを実行する。この役割分担こそが、アカウント発行プロセス全体を淀みなく、かつ柔軟に自動化できる理由なのです。手動でのコピー&ペースト作業が介在する余地がなくなるため、情報の正確性が担保され、担当者の負担を劇的に軽減します。

自動化の全体像と具体的なワークフロー設計

それでは、具体的にどのような自動化が実現できるのか、その全体像を見ていきましょう。2025年12月時点の一般的なツールを想定すると、以下のような一連の流れをn8nで構築できます。

このワークフローのゴールは、「SmartHRに従業員が登録された瞬間に、必要なアカウントがすべて払い出され、本人に通知が届く」状態です。

自動化ワークフローの具体的な流れ

  • ステップ1: トリガー
    人事担当者がSmartHRに新しい従業員の情報を登録・確定します。
  • ステップ2: Webhook送信
    SmartHRの「Webhook機能」が従業員情報の追加を検知し、設定されたn8nのURLに従業員データ(氏名、メールアドレス、部署など)を自動で送信します。
  • ステップ3: n8nがデータを受信
    n8nのワークフローがWebhook経由でデータを受け取り、後続の処理を開始します。
  • ステップ4: アカウント発行アクション
    n8nが各サービスに対してアカウント作成を命令します。

    • Google WorkspaceやMicrosoft 365のアカウントを作成。
    • Slackのアカウントを作成し、所属部署のチャンネルへ自動で招待。
    • その他、社内で利用している勤怠管理ツールやプロジェクト管理ツールのアカウントを作成。
  • ステップ5: 通知
    すべてのアカウント発行が完了したら、システム管理者と従業員本人に、アカウント情報が記載されたウェルカムメールを自動で送信します。

この設計のポイントは、拡張性の高さにあります。将来的に新しい社内ツールを導入した場合でも、n8nのワークフローにそのツールに対応するノードを追加するだけで、自動化の輪に簡単に組み込むことができます。まずはGoogle WorkspaceとSlackだけ、といったスモールスタートも可能です。また、万が一いずれかのAPI連携でエラーが発生した際に、管理者に通知を送るようなエラーハンドリング処理を組み込めるのもn8nの強みです。

実践!n8nでSmartHRトリガーのワークフローを構築する手順

ここからは、実際にn8nを使ってSmartHRをトリガーとしたワークフローを構築する手順を解説します。大まかな流れは「SmartHRでWebhook設定」→「n8nでワークフロー作成」となります。

n8nの基本的な使い方や概念について、より深く知りたい方は、操作画面のキャプチャを豊富に使って解説している当サイトのn8n完全ガイド記事もぜひ参考にしてください。ツールの全体像を掴むことで、これからの作業がさらにスムーズに進みます。

1. SmartHRでWebhookを設定する

まず、起点となるSmartHR側で設定を行います。SmartHRの管理者アカウントでログインし、「共通設定」から「Webhook」メニューにアクセスします。ここで新しいWebhookを作成し、「従業員情報が更新された時」といったイベントを選択します。通知先に指定するURLは、次のステップでn8n側で生成します。

2. n8nでWebhookトリガーを受け取る

次にn8nの画面に移ります。新しいワークフローを作成し、最初のノードとして「Webhook」ノードを選択します。このノードは、外部からのデータを受け取るための入り口です。
Webhookノードの設定画面を開くと、テスト用のユニークなURLが生成されています。このURLをコピーし、先ほど設定したSmartHRのWebhook通知先URLに貼り付けます。
その後、n8n側で「Listen for test event」をクリックし待機状態にした上で、SmartHR側でテスト通知を送信します。成功すれば、n8nのWebhookノードに従業員データがJSON形式で取り込まれます。

3. 各SaaSのアカウント発行ノードを設定

トリガーの準備ができたら、実際のアクションを設定します。例えばGoogle Workspaceのアカウントを作成したい場合、「Google Admin Account」ノードを追加します。
ノードの設定画面では、「Create」オペレーションを選択し、氏名やメールアドレスといった項目に、前のWebhookノードで受け取ったデータをマッピングしていきます。式(Expression)を使い、{{ $json.body.employee.email }} のように直感的にデータを引き渡すことができます。
同様に、「Slack」ノードを追加してユーザーの招待を行ったり、「Gmail」や「Microsoft Outlook」ノードで通知メールを送信したりと、必要な処理を数珠つなぎに設定していきます。

4. ワークフローを有効化し、テストする

すべてのノードの設定が完了したら、ワークフロー全体の「Active」スイッチをONにします。これで本番稼働の準備は完了です。実際にSmartHRで新しい従業員を登録し、意図した通りにすべてのアカウントが作成され、通知が飛ぶか最終テストを行いましょう。

まとめ:小さな自動化が、組織全体の生産性を向上させる

この記事では、SmartHRとn8nを連携させて、入社手続きにおけるアカウント発行を自動化する方法を解説しました。最初は設定に少し手間がかかるかもしれませんが、一度ワークフローを構築してしまえば、その後は担当者の工数をほぼゼロにできます。

これにより、人事・IT担当者はより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。手作業によるミスがなくなることで、セキュリティリスクの低減にも繋がります。入社初日から新入社員がスムーズに業務を開始できる環境は、従業員体験の向上にも大きく貢献するでしょう。

今回ご紹介したアカウント発行は、n8nで実現できることのほんの一例にすぎません。あなたのチームを退屈な繰り返し作業から解放するために、今日から自動化の第一歩を踏み出してみませんか。n8nは無料で始められるプランも用意されていますので、ぜひ公式サイトからその可能性を体験してみてください。

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