ついに夢の実現に向けた第一歩、理想の店舗物件が見つかった。
胸が高鳴る一方で、ふと疑問が浮かびます。
「物件の契約と、税務署に出す開業届、一体どっちを先に済ませるべきなんだろう?」
この疑問、実は多くの開業準備中の方がつまずくポイントです。
手続きの順番を間違えると、後々面倒なことになったり、受けられるはずのメリットを逃してしまったりすることも。
ご安心ください。
この記事では、店舗開業における賃貸借契約と開業届の正しい順序、そしてベストなタイミングを、具体的な理由とともに分かりやすく解説します。
最後まで読めば、あなたはもう手続きの順番で迷うことなく、自信を持って開業準備の次のステップに進めるようになっているはずです。
なぜ順番が重要?賃貸借契約と開業届の基本的な関係
そもそも、なぜ「賃貸借契約」と「開業届」の順番がこれほど重要なのでしょうか。
まずは、それぞれの書類が持つ意味を正しく理解することから始めましょう。
開業届とは?
開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)は、「私、〇〇という名前で、こういう事業を、この場所で始めます」と、国(具体的には税務署)に宣言するための書類です。これにより、あなたは正式に「個人事業主」として認められ、事業で得た所得に対して税金を納める義務が生じます。提出することで、節税効果の高い青色申告が選択できたり、屋号での銀行口座が開設できたりと、事業を進める上での様々なメリットが生まれます。
賃貸借契約とは?
一方、賃貸借契約は、店舗や事務所などの物件をオーナーから借りるための法的な契約です。この契約によって、あなたは一定期間その場所を事業のために使用する権利を得る代わりに、家賃を支払う義務を負います。契約書には、物件の住所、家賃、契約期間、使用目的(例:飲食店、物販店など)といった重要な情報が明記されます。
二つの関係性
この二つの関係で重要なポイントは、「事業を行う場所が確定していなければ、事業開始の宣言(開業届)はできない」という点です。開業届には、事業を行う「納税地」や「事業所の所在地」を具体的に記入する欄があります。まだ契約もしていない、本当にそこで事業ができるか不確定な物件の住所を書くことはできません。また、事業で支払う家賃は、当然ながら経費として計上したいもの。そのためにも、事業用の契約と正式な開業手続きが正しく連携している必要があるのです。このシンプルな原則が、手続きの順番を決定づける鍵となります。
【結論】正しい順序は「賃貸借契約」が先!その3つの理由
前置きが長くなりましたが、結論から申し上げます。店舗を借りて開業する場合、必ず「賃貸借契約」を先に結んでください。開業届の提出は、その後です。これには、主に3つの明確な理由があります。
理由1:開業届には「事業所の所在地」の記入が必須だから
これが最も決定的でシンプルな理由です。先ほども触れた通り、開業届には事業所の住所を記載する欄があります。賃貸借契約を結ぶ前の段階では、その物件を確実に事業所として使用できる保証はどこにもありません。申し込みをしても審査に落ちる可能性もありますし、交渉がうまくいかないことも考えられます。不確定な住所を開業届に記載して提出することはできません。まずは賃貸借契約を完了させ、事業所の住所を法的に確定させることが、開業届を提出するための大前提となるのです。
理由2:事業用融資の審査で物件契約が有利に働くから
自己資金だけでなく、日本政策金融公庫などからの融資を利用して開業資金を準備する方も多いでしょう。融資の審査では、事業計画の具体性や実現可能性が厳しくチェックされます。その際、「すでに事業を行う場所が確保できている(=賃貸借契約が完了している)」という事実は、あなたの事業計画が単なる夢物語ではなく、地に足のついたものであることを証明する強力な材料になります。「ここで、こういうお店をやります」と具体的な場所を示せる方が、審査担当者も事業のイメージを掴みやすく、信頼性が格段にアップするのです。
理由3:契約日以降の家賃や初期費用を経費にできるから
事業を始めるためにかかった費用は、「開業費」として経費に計上できます。店舗の契約にかかる仲介手数料、保証金(償却分)、礼金、そして契約日以降に発生する家賃などは、すべて事業に必要な経費です。これらの費用を漏れなく経費として認めてもらうためにも、「この日から事業用の物件として契約しました」という法的な裏付け、つまり賃貸借契約書が重要になります。開業届を提出し、正式に事業を開始した後に発生したこれらの費用は、確定申告の際に経費として計上し、結果的に節税に繋げることができるのです。
ベストなタイミングは?契約から開業届提出までの理想的な流れ
「契約が先」ということは分かりました。では、具体的にどのような流れで、どのタイミングで開業届を提出するのがベストなのでしょうか。理想的なステップを見ていきましょう。
- ステップ1:物件の内見と申し込み
まずは気になる物件を納得いくまで内見し、「ここで開業したい」という意思が固まったら、不動産会社を通じて入居の申し込みを行います。 - ステップ2:入居審査と重要事項説明
オーナー(貸主)による入居審査が行われます。事業計画や資金計画の提出を求められることもあります。審査に通過したら、宅地建物取引士から物件に関する重要事項説明を受けます。 - ステップ3:賃貸借契約の締結
契約内容を最終確認し、署名・捺印します。初期費用(保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など)の支払いもこのタイミングで行うのが一般的です。この契約締結日をもって、あなたの事業所の住所が正式に確定します。 - ステップ4:開業届の作成と提出(契約後〜事業開始1ヶ月以内)
事業所の住所が決まったら、いよいよ開業届の出番です。法律上、開業届は「事業を開始した日から1ヶ月以内」に提出することになっています。しかし、内装工事や仕入れ準備など、実際に店舗をオープンするまでには時間がかかるもの。オープン日を事業開始日とする必要はなく、例えば「店舗の引き渡しを受けた日」や「内装工事を開始した日」などを事業開始日として設定し、そこから1ヶ月以内に提出すれば問題ありません。「とはいえ、書類作成はなんだか難しそう…」「役所に行く時間がない…」と感じるかもしれませんね。ご安心ください。今は、そうした不安をすべて解消してくれる便利なサービスがあります。
それが、マネーフォワード クラウド開業届です。このサービスを使えば、画面の案内に従って入力するだけで、誰でも簡単に、しかも無料で開業届が作成できてしまいます。スマホからでも操作可能で、作成した書類は郵送で提出することもできるので、忙しい開業準備の合間を縫って税務署に行く必要もありません。
開業届提出で迷わない!よくある質問と注意点
最後に、開業届を提出する際によくある疑問や注意点をQ&A形式でまとめました。ここを読めば、あなたの不安はさらに解消されるはずです。
Q. 開業日はいつにすればいい?
A. 開業届に記入する「開業日」に厳密な決まりはありません。以下のいずれかの日で設定するのが一般的です。
- お店のオープン日
- 店舗物件の引き渡し日
- 内装工事の開始日
- 商品の仕入れを開始した日
ポイントは、その日以降に発生した費用が事業の経費として認められるという点です。オープン日よりも前に多額の費用(内装工事費や什器購入費など)が発生する場合は、お店の引き渡し日など、実際の準備活動を開始した日を開業日として設定するのがおすすめです。
Q. 青色申告承認申請書も一緒に出すべき?
A. はい、必ず一緒に提出しましょう。個人事業主になると、確定申告の方法として「白色申告」と「青色申告」が選べます。青色申告は、帳簿付けが少し複雑になる代わりに、最大65万円の特別控除(所得から差し引ける金額)が受けられるなど、非常に大きな節税メリットがあります。この青色申告を行うためには、「青色申告承認申請書」を開業から2ヶ月以内に提出する必要があります。開業届と一緒に提出してしまえば、出し忘れる心配もありません。先ほど紹介したマネーフォワード クラウド開業届なら、この青色申告承認申請書も同時に、追加料金なしで作成できるので非常に便利です。
Q. 提出が遅れたら罰則はある?(2026年2月時点)
A. 開業届の提出が法律で定められた期限(事業開始から1ヶ月以内)を過ぎてしまっても、実は直接的な罰則やペナルティはありません。しかし、提出が遅れると青色申告の承認申請がその年に間に合わなくなり、初年度の大きな節税メリットを逃してしまう可能性があります。また、融資の申し込みや補助金の申請などで開業届の控えが必要になる場面も多いため、手続きは速やかに済ませておくのが賢明です。
まとめ:正しい手順で、スムーズな開業スタートを!
今回は、店舗開業における賃貸借契約と開業届の正しい順序について解説しました。
重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 手続きの順序は「①賃貸借契約 → ②開業届提出」が鉄則。
- 理由は、開業届に事業所の確定した住所が必要だから。
- 開業届の提出は、事業の準備を始めた日(引き渡し日など)から1ヶ月以内が目安。
- 節税のために「青色申告承認申請書」も同時に提出するのがおすすめ。
これで、手続きの順番に関するあなたの疑問は、すべてクリアになったはずです。次はいよいよ、具体的な書類作成のステップに進みましょう。
開業準備の全体像や、個人事業主になるためのさらに詳しい手順については、以下のガイド記事で網羅的に解説しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。
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