海外への送金が必要になったとき、どの方法を選べば良いか迷った経験はありませんか。
留学費用の支払いや海外在住の家族への仕送り、あるいは海外のECサイトでのショッピングなど、グローバル化した現代では海外送金の機会がますます増えています。
従来、海外送金の主流は「SWIFT(スイフト)送金」と呼ばれる銀行経由の方法でした。
しかし、この方法は手数料が複雑で高額になりがちで、着金までにも時間がかかるというデメリットがあります。
そんな中、新たな選択肢として注目を集めているのが、WISE(ワイズ)に代表される「ローカル送金」を活用したサービスです。
なぜWISEは安くて速いのか、その秘密はSWIFT送金との仕組みの根本的な違いにあります。
この記事では、伝統的なSWIFT送金と新しいローカル送金の仕組みを比較し、それぞれのメリット・デメリットを徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたの目的に合った最も賢い海外送金方法がきっと見つかるはずです。
伝統的な海外送金「SWIFT」の仕組みと課題
まずは、これまで海外送金のスタンダードであった「SWIFT送金」について理解を深めましょう。多くの人が銀行で海外送金手続きをする際に利用しているのが、このSWIFTの仕組みです。一見すると当たり前の方法に思えますが、その裏には複雑な構造といくつかの課題が存在します。
SWIFTとは?銀行間を繋ぐグローバルネットワーク
SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)とは、ベルギーに本部を置く非営利法人であり、世界中の銀行や金融機関を結ぶ巨大な金融通信ネットワークを運営しています。日本語では「国際銀行間通信協会」と訳されます。
ここで重要なのは、SWIFT自体が資金を直接送金しているわけではないという点です。SWIFTはあくまで、銀行間で送金指示などの金融メッセージを安全かつ標準化された形式でやり取りするためのプラットフォーム。「銀行版のLINE」のように、A銀行からB銀行へ「○○円を送金してください」という指示を伝える役割を担っています。実際の資金移動は、各銀行が持つ「コルレス銀行(Correspondent Bank)」という提携銀行の口座を通じて行われます。
SWIFT送金の手数料が高くなる理由
SWIFT送金の手数料が高いと感じる方は多いでしょう。その理由は、複数の手数料が積み重なって発生する「多層構造」にあります。主な手数料は以下の通りです。
- 送金手数料: 送金を依頼する銀行に支払う基本的な手数料。
- 為替手数料(為替スプレッド): 銀行が為替レートを決定する際に、市場のレート(ミッドマーケットレート)に上乗せするマージン。これが銀行の利益となり、利用者にとっては「隠れたコスト」となります。
- 中継銀行手数料(コルレス銀行手数料): 送金銀行と受取銀行の間に直接的な提携関係がない場合、第三の「中継銀行」を経由します。その際に発生するのがこの手数料で、送金時には金額が確定しないことも多く、最終的な受取額が減ってしまう原因になります。
- 受取手数料: 送金された資金を受け取る側の銀行が発生させる手数料。
このように、SWIFT送金では単純な送金手数料だけでなく、いくつもの手数料が関わってくるため、総額が分かりにくく、結果的に高額になってしまうのです。
なぜ着金までに時間がかかるのか?
手数料と並ぶSWIFT送金のもう一つの課題が、着金までの時間です。通常、着金までに2〜5営業日、場合によってはそれ以上かかることもあります。この遅延の主な原因は、前述の「中継銀行」の存在です。
送金指示のメッセージと実際の資金は、複数の銀行をバケツリレーのように経由していきます。それぞれの銀行で事務処理が行われ、各国の祝日や銀行の営業時間が異なるため、その度にタイムラグが発生します。さらに、マネーロンダリング対策などのコンプライアンスチェックで処理が一時的に保留されることもあり、これが予測できない遅延に繋がるのです。急いで資金を送りたい場合には、このタイムラグが大きな問題となることがあります。
新しい選択肢「ローカル送金」とその仕組み
SWIFT送金の課題を解決する方法として登場したのが、「ローカル送金」の仕組みを活用した海外送金サービスです。これは、国境を越える複雑なプロセスを、よりシンプルで効率的な国内送金の組み合わせに置き換える画期的なアプローチです。ここでは、その基本的な仕組みと、なぜ安くて速いのかを解説します。
ローカル送金の基本的な仕組み
ローカル送金の概念は非常にシンプルです。実際には国境を越えてお金を移動させるのではなく、それぞれの国内で送金を完結させます。これを実現するのが、WISEのようなグローバルな金融インフラを持つサービスです。
例えば、あなたが日本からアメリカの友人に10万円を送金したいとします。ローカル送金の仕組みを使った場合、プロセスは以下のようになります。
- あなたは、WISEの日本の銀行口座に、指定された10万円を振り込みます(これは日本の国内送金です)。
- WISEはあなたの入金を確認し、その情報をアメリカの拠点に伝えます。
- WISEのアメリカの銀行口座から、アメリカにいる友人の銀行口座へ、相当額の米ドルが振り込まれます(これもアメリカの国内送金です)。
このように、あなたのお金が直接海を渡るわけではありません。あなたの送金リクエストは、WISEが世界中に持つ口座ネットワークを利用して、国内送金の形で実行されるのです。これにより、従来のSWIFTネットワークを介する必要がなくなります。
なぜローカル送金は安くて速いのか
ローカル送金の仕組みがSWIFT送金に比べて安価で迅速な理由は、そのプロセスの単純さにあります。
- 手数料の削減: SWIFT送金で高額になりがちだった「中継銀行手数料」が一切かかりません。また、為替レートも銀行のようにマージンを上乗せした独自レートではなく、実際の市場レートである「ミッドマーケットレート」が適用されるため、「隠れたコスト」である為替手数料も大幅に削減できます。サービス事業者に支払う手数料は明瞭で、多くの場合、送金手数料のみです。
- スピードの向上: 送金プロセスが各国内の銀行システムで完結するため、非常にスピーディーです。中継銀行を経由するバケツリレーがなくなり、タイムゾーンや営業時間の違いによる影響も最小限に抑えられます。多くの場合、送金手続きから24時間以内、場合によっては数分で相手の口座に着金します。
ローカル送金の注意点
非常に便利なローカル送金ですが、いくつかの注意点も存在します。まず、この仕組みはWISEのような専門のサービスプロバイダーを利用することが前提となります。個人間で直接この仕組みを構築することはできません。
また、2026年1月時点の情報として、サービスによっては対応している国や通貨が限られている場合があります。SWIFTがほぼ全世界をカバーしているのに対し、ローカル送金サービスはまだ発展途上であり、マイナーな通貨や特定の国への送金には対応していない可能性があるため、事前に確認が必要です。
WISEはなぜ安い?独自の仕組みを徹底解説
ローカル送金の仕組みをグローバルに展開し、海外送金の世界に革命をもたらしたのがWISEです。多くの人が「海外送金ならWISE」と考えるようになりましたが、その安さと速さの裏には、従来の金融の常識を覆す独自のシステムがあります。ここでは、WISEがどのようにして低コストでスピーディーな送金を実現しているのかを深掘りします。
WISEの画期的な送金システム
WISEの核心は、前述した「ローカル送金」のネットワークを極限まで効率化した点にあります。WISEは世界中の主要国に自社の銀行口座を保有しています。利用者が送金を行うと、その資金は送金国のWISEの口座に入金されます。そして、WISEは受取国の口座から、受取人の口座へ資金を振り込みます。
この仕組みは、「P2P(ピアツーピア)」の考え方に近いと言えます。例えば、日本からアメリカへ送金したい人(Aさん)と、アメリカから日本へ送金したい人(Bさん)がいるとします。WISEは、Aさんの日本円を日本のBさんの受取人に、Bさんの米ドルをアメリカのAさんの受取人にそれぞれ国内送金することで、実際にお金を国境移動させることなく送金要求をマッチングさせます。もちろん、常に完璧なマッチングがあるわけではないため、WISEが持つ巨大な資金プールがその差額を吸収し、スムーズな取引を可能にしています。これにより、SWIFTのような複雑な国際銀行網をバイパスできるのです。
手数料の透明性 – 隠れコストはゼロ
WISEが多くの支持を集めるもう一つの大きな理由が、徹底した手数料の透明性です。従来の銀行送金では、最終的にいくらかかるのか分かりにくい「為替手数料(為替スプレッド)」が大きな負担でした。
しかし、WISEはGoogleなどで検索して表示される、ありのままの「ミッドマーケットレート」を適用します。これは金融機関が利益を上乗せする前の、最も公正なレートです。WISEが請求する手数料は、送金額に応じて計算される少額の「固定手数料」と「変動手数料」のみ。しかも、送金手続きの際には、手数料、適用レート、相手が受け取る金額の全てが事前に明確に表示されます。「いくら送ったはずなのに、着金額が減っている」というSWIFT送金でありがちだった問題が、WISEには存在しないのです。この透明性が、利用者にとって大きな安心感に繋がっています。
圧倒的な送金スピードと利便性
WISEの送金スピードは驚異的です。多くの主要通貨間では、送金が数秒から数時間で完了します。これは、プロセスが国内送金で完結し、24時間365日稼働しているシステムによって自動処理されるためです。銀行のように窓口の営業時間や煩雑な手続きを気にする必要はありません。
また、パソコンのブラウザやスマートフォンアプリから、いつでもどこでも数分で送金手続きを完了できる手軽さも魅力です。本人確認から送金手続き、送金状況の追跡まで、すべてオンラインで完結します。この高い利便性も、WISEが選ばれる大きな理由の一つです。
シナリオ別比較!SWIFT送金 vs WISE、どちらを選ぶべきか?
ここまでSWIFT送金とWISE(ローカル送金)の仕組みの違いを解説してきましたが、実際の送金シナリオではどれくらいの差が生まれるのでしょうか。具体的なシミュレーションと、目的別の使い分けガイドを通じて、あなたにとって最適な選択肢を探っていきましょう。
シミュレーション:日本からアメリカへ10万円を送金する場合
ここでは、日本からアメリカへ10万円を送金するケースを想定して、一般的な銀行のSWIFT送金とWISEを比較してみます。(※2026年1月時点の一般的な手数料であり、金融機関や為替レートによって変動します)
【銀行のSWIFT送金を利用した場合】
- 送金手数料: 4,000円~7,500円程度
- 為替手数料(隠れコスト): 1ドルあたり1円の為替スプレッドがかかると仮定すると、約700ドル送るのに約700円~1,000円程度が上乗せされる計算に。
- 中継銀行・受取手数料: 2,000円~5,000円(送金時には不明確な場合が多い)
- 合計コスト(概算): 6,700円~13,500円
- 着金までの日数: 2~5営業日
【WISEを利用した場合】
- WISEの手数料: 約750円(固定手数料+変動手数料)
- 為替手数料(隠れコスト): 0円(ミッドマーケットレートを適用)
- 中継銀行・受取手数料: 0円
- 合計コスト: 約750円
- 着金までの日数: 数時間~1営業日
このシミュレーションから分かるように、手数料だけで10倍以上の差がつく可能性があります。特に、銀行の為替スプレッドや中継銀行手数料といった「見えにくいコスト」がないだけで、最終的な手取り額が大きく変わってくるのです。
どんな人におすすめ?目的別・使い分けガイド
手数料やスピードを考慮すると、多くの場面でWISEが有利に見えますが、状況によっては銀行のSWIFT送金が適しているケースもあります。
<WISEがおすすめな人>
- 留学中の子供への生活費、海外フリーランサーへの報酬支払いなど、定期的または頻繁に海外送金を行う人。
- 手数料を1円でも安く抑え、透明性の高い取引をしたい人。
- とにかくスピーディーに資金を届けたい人。
- オンラインで全ての手続きを完結させたい人。
<銀行のSWIFT送金が適しているケース>
- WISEの1回あたりの送金上限額(日本では100万円)を超える高額な送金(不動産購入など)をしたい場合。
- WISEがまだ対応していない国や通貨へ送金する必要がある場合。
- 法人間取引で、信用状(L/C)など銀行のサービスと連携する必要がある場合。
- 公的な手続きなどで、銀行が発行するSWIFTの送金証明書が求められる場合。
このように、基本的にはWISEをメインの海外送金手段と考え、特定の要件がある場合のみ銀行のSWIFT送金を検討するという使い分けが、最も賢い選択と言えるでしょう。
まとめ:海外送金の常識が変わる!自分に合った方法で賢く節約しよう
この記事では、伝統的な「SWIFT送金」と、WISEに代表される「ローカル送金」の仕組みについて、その違いやメリット・デメリットを詳しく解説しました。
SWIFT送金が複数の銀行を経由する複雑なプロセスであるのに対し、WISEは各国内の銀行ネットワークを活用することで、「安く、速く、透明に」という新しい海外送金のスタンダードを築きました。特に、これまで見えにくかった為替手数料(為替スプレッド)や中継銀行手数料といったコストを徹底的に排除した点は、画期的と言えるでしょう。
もちろん、送金額や送金先の国、取引の性質によっては、依然として銀行のSWIFT送金が有効な場面もあります。大切なのは、それぞれの仕組みを正しく理解し、自分の目的に最も合った方法を選択することです。これが、無駄な手数料を払わず、賢く海外送金を行うための第一歩です。
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