次世代の暗号資産ネオバンクとして注目を集める「Tria」。
日々の支払いや資産運用など、これ一つで完結する利便性の高さが魅力です。
しかし、その多機能さゆえに「取引履歴の管理はどうすれば?」「確定申告の時の損益計算が複雑そう」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、暗号資産の税金計算は年々複雑化しており、正確な取引履歴の把握は必須です。
この記事では、Triaの取引履歴を「Cryptact(クリプタクト)」や「Koinly(コインリー)」といった主要な損益計算ツールと連携させ、確定申告の準備をスムーズに進めるための具体的な手順を、2025年12月時点の最新情報をもとに徹底解説します。
手動での計算に時間と労力を費やすことなく、スマートにTriaを使いこなしましょう。
なぜTriaの取引履歴管理が重要なのか?暗号資産の確定申告の基本
Triaは、決済(Spend)、資産運用(Earn)、取引(Trade)といった複数の機能を一つのアプリで提供する革新的なサービスです。日常的なカード決済からDeFiでのイールドファーミングまで、多様な取引がシームレスに行えるため、気づかないうちに取引回数が膨大になっていることも少なくありません。ここで重要になるのが、これらの取引一つひとつを正確に記録し、損益を計算することです。
日本の税法上、暗号資産で得た利益は「雑所得」として総合課税の対象となり、年末に確定申告を行う必要があります。利益の計算方法は、売買差益だけでなく、暗号資産同士の交換、商品やサービスとの決済、ステーキングやレンディングで得た報酬など、非常に多岐にわたります。TriaでUSDCを使って買い物をした場合も、その時点での時価で日本円に換算し、取得価額との差額が損益として認識されるのです。
損益計算ツールが必須な理由
これらの計算をすべて手動で行うのは、現実的ではありません。一つでも計算ミスや計上漏れがあれば、税務署からの指摘を受け、追徴課税や延滞税といったペナルティが課されるリスクがあります。
そこで活躍するのが、CryptactやKoinlyといった損益計算ツールです。これらのツールは、国内外の多くの暗号資産取引所やブロックチェーンにAPI連携やファイルアップロードで対応しており、複雑な計算を自動で行ってくれます。ツールを利用するメリットは以下の通りです。
- 計算ミスの防止: 複雑な計算を自動化することで、人為的なミスを大幅に削減できます。
- 時間の大幅な節約: 何百、何千という取引を手動で集計する手間から解放されます。
- 多様な取引への対応: DeFiやNFT、ステーキングなど、新しいタイプの取引にも迅速に対応してくれます。
- 正確な取得単価の管理: 総平均法や移動平均法といった複数の計算方法に対応し、一貫した単価管理が可能です。
Triaのような新しいサービスを利用する上で、現時点では直接的なAPI連携が提供されていないケースがほとんどです。しかし、取引履歴のデータを正しいフォーマットで準備することで、これらの損益計算ツールにインポートし、他の取引所のデータと合算して正確な損益を算出することが可能になります。次のセクションでは、その第一歩となるTriaの取引履歴を取得する方法について解説します。
Triaの取引履歴を取得し、ツールに取り込む準備をする方法
損益計算ツールを活用するためには、まずTriaでの取引データを正確に取得する必要があります。2025年12月時点では、多くの新しいWeb3サービスと同様に、TriaもまだCryptactやKoinlyとの直接的なAPI連携には対応していない可能性が高いです。そのため、現時点での最も確実な方法は、取引履歴をファイルとしてエクスポートし、手動でアップロードすることです。
このセクションでは、Triaアプリから取引履歴を取得し、損益計算ツールに取り込むための準備手順を解説します。
1. Triaアプリで取引履歴を確認・エクスポートする
Triaはユーザーの資産管理を重視しており、アプリ内で取引履歴を簡単に確認できる設計になっています。「Spend」「Earn」「Trade」それぞれの勘定ごとに、いつ、どのような取引が行われたかの詳細な記録が保持されています。まずは、アプリ内で確定申告対象期間(通常は1月1日〜12月31日)の全取引を確認しましょう。
次に、その取引履歴をファイルとしてエクスポートします。多くの金融系アプリでは、CSVやPDF形式でのダウンロード機能が提供されています。
【取引履歴のエクスポート手順(想定)】
- Triaアプリを開き、アカウントまたは設定セクションに移動します。
- 「取引履歴」や「レポート」、「明細書」といったメニューを探します。
- 対象期間(例: 2025年1月1日〜2025年12月31日)を指定します。
- ファイル形式(CSVを推奨)を選択し、エクスポートを実行します。
- エクスポートされたファイルは、登録したメールアドレスに送信されるか、アプリ内から直接ダウンロードできます。
もしTriaにまだCSVエクスポート機能が実装されていない場合でも、諦める必要はありません。アプリの取引画面を見ながら、後述するカスタムファイルの形式に沿って手動でデータを入力していくことになります。手間はかかりますが、正確な申告のためには不可欠な作業です。
2. 損益計算ツール用のカスタムファイルを作成する
CryptactやKoinlyは、API連携に対応していない取引所のデータを取り込むために、指定されたフォーマットのCSVファイル(カスタムファイル)をアップロードする機能を提供しています。TriaからエクスポートしたCSVファイルがそのままの形式で利用できるとは限らないため、ツールの要求するフォーマットに合わせてデータを整形・加工する必要があります。
各ツールで要求される基本的な項目は似ており、主に以下のような情報が含まれます。
- Timestamp(取引日時): 取引が実行された正確な日時。UTC(協定世界時)での記載が求められることが多いです。
- Type(取引種別): BUY(購入)、SELL(売却)、TRADE(交換)、DEPOSIT(入金)、WITHDRAWAL(出金)など。
- Base(取引通貨): 取引の主軸となる通貨(例: JPY, USDT)。
- Volume(取引量): 取引した通貨の数量。
- Quote(相手通貨): 取引の対価として支払ったり受け取ったりした通貨(例: BTC, ETH)。
- Price(価格): 取引時の単価。
- Fee(手数料): 取引にかかった手数料。
- Comment(コメント): メモや取引の詳細など。
例えば、Triaカードで1,000円の買い物をUSDCで行った場合、「SELL(USDCを売却)」「Base: USDC」「Quote: JPY」「Volume: (支払ったUSDCの量)」「Price: 1,000」といった記録を作成します。この際、取引手数料(Gas代など)が発生していれば、それもFeeとして記録します。
このカスタムファイルの作成が、Triaの取引履歴を管理する上で最も重要なステップです。次のセクションから、CryptactとKoinlyそれぞれで、このカスタムファイルをどのようにアップロードし、損益計算を行うかを具体的に見ていきましょう。
【実践】CryptactでTriaの取引履歴を管理する手順
ここからは、国内で多くのユーザーに利用されている損益計算ツール「Cryptact」を使って、Triaの取引履歴を管理する具体的な手順を解説します。Cryptactは日本の税制に準拠した計算ロジックと、分かりやすいUIが特徴です。
1. Cryptactのカスタムファイルを用意する
まず、Cryptactが指定するカスタムファイルのフォーマットに合わせて、Triaの取引データを準備します。Cryptactの公式サイトからカスタムファイル用のテンプレート(ExcelまたはCSV)をダウンロードできます。
主な入力項目は以下の通りです。
- Timestamp: 取引日時 (例: 2025-12-25 10:30:00)
- Action: 取引種別 (BUY, SELL, SEND, RECVなど)
- Source: 取引所名やサービス名 (例: “Tria”)
- Base: 支払った通貨 (例: JPY)
- Volume: 支払った数量 (例: 15000)
- Price: 相手通貨1単位あたりの価格 (任意)
- Counter: 受け取った通貨 (例: USDT)
- Fee: 手数料
- FeeCcy: 手数料の通貨
例えば、Triaで日本円15,000円を入金して、100USDTを受け取った場合、以下のように記録します。
- Action: BUY
- Source: Tria
- Base: JPY
- Volume: 15000
- Counter: USDT
- Volume(Counter): 100
Triaの取引は多岐にわたるため、取引種別(Action)の判断が重要です。ステーキング報酬を受け取った場合は「BONUS」、Triaカードでの決済は「SELL」(保有暗号資産を売却して決済)として記録するのが一般的です。取引の種類ごとに正確に分類し、一行ずつ丁寧に入力していきましょう。
2. カスタムファイルをアップロードする
カスタムファイルの準備ができたら、Cryptactにアップロードします。
- Cryptactにログインし、画面上部の「アップロード」メニューを選択します。
- 取引所一覧から「Custom」を選び、「カスタムファイルアップロード」画面に進みます。
- 作成したCSVファイルをアップロードします。
- アップロード後、Cryptactがファイルの内容を自動で検証します。エラーが表示された場合は、メッセージに従ってファイルの内容を修正し、再度アップロードしてください。よくあるエラーとしては、日付のフォーマット間違いや、通貨シンボルの不一致などがあります。
3. 未分類取引を確認・修正する
ファイルのアップロードが完了しても、作業は終わりではありません。次に、「未分類取引」のリストを確認します。これは、Cryptactが自動で損益計算に反映できなかった取引の一覧です。
特に、ウォレット間の資金移動(DEPOSIT/WITHDRAWAL)が正しく認識されていないと、片方が「利益」、もう片方が「経費」として誤って計上されてしまうことがあります。例えば、別の取引所からTriaのウォレットにETHを送金した場合、Tria側では「RECV」、送金元の取引所では「SEND」の記録があり、この2つの取引を「資金移動」として手動で紐付ける(突合する)必要があります。
すべての未分類取引を解消し、資産残高が実際のウォレット残高と一致することを確認できたら、Triaの取引履歴の取り込みは完了です。この作業を丁寧に行うことで、確定申告の際に提出する損益計算書の信頼性が格段に向上します。
【実践】KoinlyでTriaの取引履歴を管理する手順
次に、世界中で広く利用されている損益計算ツール「Koinly」を使った管理方法を解説します。Koinlyは対応している取引所やブロックチェーンの数が非常に多く、海外のDeFiサービスを多用するユーザーに特に人気があります。
1. Koinlyのカスタムファイルを用意する
KoinlyもCryptactと同様に、カスタムCSVファイルでのアップロードに対応しています。Koinlyのサイトからテンプレートをダウンロードし、Triaの取引データを入力していきましょう。
Koinlyのフォーマットで特徴的なのは、「Koinly Universal CSV Format」という統一された形式を採用している点です。主な項目は以下の通りです。
- Date: 取引日時 (例: 2025-12-25 10:30:00 Z) ※末尾のZはUTCを意味します。
- Sent Amount: 送金した(支払った)数量
- Sent Currency: 送金した通貨のシンボル (例: JPY)
- Received Amount: 受け取った数量
- Received Currency: 受け取った通貨のシンボル (例: USDT)
- Fee Amount: 手数料の数量
- Fee Currency: 手数料の通貨シンボル
- Label: 取引のラベル (例: trade, transfer, stakingなど)
- Description: 取引に関するメモ
Cryptactとは少し項目名が異なりますが、記録する内容は同じです。例えば、Triaカードで0.01ETHを使って商品を購入した場合、以下のように記録します。
- Date: (取引日時)
- Sent Amount: 0.01
- Sent Currency: ETH
- Received Amount: (空欄)
- Received Currency: (空欄)
- Label: cost (Koinlyでは経費として扱う場合にこのラベルを使います)
- Description: Tria card purchase
Koinlyは取引の「Label」を使って損益計算を細かく制御します。ステーキング報酬は「staking」、エアドロップは「airdrop」など、適切なラベルを付けることが正確な計算の鍵となります。
2. カスタムファイルをKoinlyにインポートする
カスタムファイルが完成したら、Koinlyにインポートします。
- Koinlyにログインし、「Wallets」ページに移動します。
- 「Add wallet」をクリックし、検索ボックスに「Koinly」と入力して「Koinly Universal CSV」を選択します。
- ウォレット名(例: Tria)を設定し、「Import from file」をクリックして作成したCSVファイルをアップロードします。
インポートが完了すると、取引が自動的に処理されます。Koinlyもアップロード時にエラーチェックを行ってくれるので、問題があれば指示に従って修正してください。
3. 取引内容のレビューと修正
インポート後、Koinlyの「Transactions」ページで、Triaの取引が正しく認識されているかを確認します。KoinlyはAIを使って取引種別を自動で推測しますが、時々手動での修正が必要になります。
特に、送金(Sent)と入金(Received)が「Transfer」(資金移動)としてペアリングされているかを確認しましょう。ペアリングされていない場合、片方が利益、もう片方が損失として誤って計算される可能性があります。KoinlyのUI上で簡単にペアリング操作が可能です。
また、Koinlyは「Needs review」というフラグを立てて、ユーザーの確認が必要な取引を教えてくれます。これらの取引を一つずつ確認し、適切なラベルを付けたり、取引内容を修正したりすることで、計算の精度を高めることができます。
CryptactとKoinly、どちらのツールを使うにせよ、カスタムファイルの作成とアップロード後のレビューが非常に重要です。このひと手間を惜しまないことが、安心してTriaを使い続けるための秘訣と言えるでしょう。
まとめ:損益計算ツールを使いこなし、Triaを最大限に活用しよう
この記事では、次世代の暗号資産ネオバンク「Tria」の取引履歴を、CryptactやKoinlyといった損益計算ツールと連携させる具体的な方法について解説しました。
Triaの多機能性は私たちの資産管理をより自由で便利なものにしてくれますが、その一方で確定申告に向けた正確な損益計算が不可欠です。現時点では手動でのファイル作成・アップロードという手順が必要ですが、この記事で紹介した方法を実践すれば、複雑な計算作業から解放され、安心してTriaのメリットを享受できるはずです。
【本記事のポイント】
- Triaでの多様な取引(決済、運用、売買)はすべて損益計算の対象となる。
- 手動計算はミスが多く危険。CryptactやKoinlyなどの損益計算ツールが必須。
- Triaの取引履歴を各ツール指定の「カスタムファイル」形式で準備し、アップロードするのが現実的な解決策。
- アップロード後は「未分類取引の解消」や「取引内容のレビュー」を必ず行い、計算の正確性を担保することが重要。
確定申告は年に一度の重要な義務です。早めに準備を始め、ツールを賢く活用することで、来年の申告シーズンを慌てることなく迎えましょう。
「Triaの基本的な機能や登録方法について、もっと詳しく知りたい」という方は、Triaの全体像を網羅したこちらの完全ガイド記事もぜひご覧ください。使い方からメリットまで、あなたの疑問を解決します。
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