海外送金や外貨両替で多くの人が利用しているWISE。
その便利な機能の中に「貯金箱(Jars)」というものが存在することをご存知でしょうか。
「WISEアカウントに外貨を持っているけれど、全部メインの残高にごちゃ混ぜになっていて管理しづらい…」。
「旅行用のお金と、将来のための貯蓄をきっちり分けたい」。
もしあなたがそう感じているなら、この「貯金箱(Jars)」機能がまさにその悩みを解決してくれます。
この記事では、2025年12月時点の情報に基づき、WISEのJars機能の基本的な役割から、具体的な作成方法、さらには賢い活用シナリオまでをステップバイステップで詳しく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたもJarsを使いこなし、まるで複数の銀行口座を使い分けるように、スマートに外貨を管理できるようになっているはずです。
手数料を節約しながら、より計画的に資産を管理する第一歩を、ここから踏み出しましょう。
WISEの「貯金箱(Jars)」とは?基本機能とメリットを徹底解説
まずは、WISEの「貯金箱(Jars)」機能が一体どのようなもので、利用することでどんなメリットがあるのか、基本的な部分から見ていきましょう。この機能を理解することが、賢い外貨管理のスタートラインです。
そもそも「貯金箱(Jars)」ってどんな機能?
WISEの「貯金箱(Jars)」とは、一言で言えば「WISEのマルチカレンシー口座内で、通貨ごとに資金を分けて保管できる仮想の貯金箱」です。例えば、あなたが米ドルを持っているとして、メインの残高とは別に「ハワイ旅行用」「息子の留学費用」「投資待機資金」といった形で、目的別の「箱(Jar)」を作って資金を隔離しておくことができます。
これは、日本の銀行口座で「普通預金」と「貯蓄預金」を使い分ける感覚や、給料日に目的ごとにお金を封筒に仕分ける家計管理術に似ています。デジタル上で、しかも外貨で、それを簡単に行えるのがJarsの最大の特徴です。メインの残高は日々の支払いや送金に使う流動的な資金、Jarsに入れた資金は特定の目的のために確保しておく固定的な資金、というように明確に区別できます。これにより、うっかり使い込んでしまうのを防ぎ、計画的な資金管理を実現します。
Jarsを使う3つの大きなメリット
Jarsを利用することには、主に3つの大きなメリットがあります。これらを理解することで、あなたの資産管理はより戦略的になります。
- 目的別の資金管理が容易になる
最大のメリットは、やはりこれです。前述の通り、「旅行資金」「学費」「欲しいもののための貯金」など、具体的な目標を設定して資金を分けることで、進捗状況が一目でわかります。目標金額を設定できる機能もあり、貯蓄のモチベーションを維持しやすくなります。
- 目的別の資金管理が容易になる
- 為替変動リスクへの備えができる
これは非常に重要なポイントです。例えば、将来的に米ドルを使う予定がある場合、円高ドル安など有利な為替レートのタイミングで多めに両替し、その資金をJarに保管しておくことができます。こうすることで、将来円安が進んでしまった場合でも、有利なレートで両替した資金を使えるため、為替変動のリスクを軽減できます。これは、ただ漠然と外貨を持つだけでは得られない、戦略的なメリットと言えるでしょう。
- 為替変動リスクへの備えができる
- 衝動的な支出の防止
WISEデビットカードを利用していると、メイン残高にある資金は簡単に使えてしまいます。しかし、Jarsに移動させた資金は、直接デビットカードの支払いに充当されません。一度メイン残高に手動で戻すというワンクッションが必要になるため、「つい使いすぎてしまった」という事態を防ぐ心理的なブレーキとして機能します。
Jarsで管理できる通貨と手数料
WISEのJarsは、WISEアカウントで保有できるほとんどの通貨で作成することが可能です。米ドル、ユーロ、英ポンド、オーストラリアドルなど、主要な通貨はもちろん、多くの通貨に対応しています。(2025年12月時点)
そして、最も嬉しいポイントの一つが、Jarsの作成、資金の移動、そしてJarの削除に手数料が一切かからないことです。何度でも、必要なだけJarを作成し、柔軟に資金を移動させることができます。この手軽さが、Jarsを強力な資産管理ツールたらしめている理由の一つです。気軽に試せるので、まずは一つの通貨でJarを作ってみることをお勧めします。
【実践編】WISEの貯金箱(Jars)作成から活用までのステップバイステップガイド
Jarsの魅力がわかったところで、次は実際にJarsを作成し、活用するまでの具体的な手順を解説します。PCのブラウザ版でも、スマートフォンのアプリ版でも、操作は非常に直感的で簡単です。
Jarsの作成方法(PC・スマホアプリ)
ここでは、スマートフォンアプリの画面を例に、Jarsの作成手順を説明します。
- ステップ1: WISEアプリを開き、通貨を選択
まず、WISEのアプリにログインします。ホーム画面に表示されている保有通貨の一覧から、Jarを作成したい通貨(例:USD)をタップします。
- ステップ1: WISEアプリを開き、通貨を選択
- ステップ2: 「貯金箱(Jars)」の項目を見つけて「追加」
通貨の残高詳細画面が表示されます。メイン残高の下に「貯金箱(Jars)」というセクションがありますので、そこの「追加」ボタンをタップします。
- ステップ2: 「貯金箱(Jars)」の項目を見つけて「追加」
- ステップ3: Jarに名前を付けて作成
「貯金箱に名前をつけましょう」という画面が表示されます。ここで、Jarの目的がわかるような名前を付けます。例えば、「2026年アメリカ西海岸旅行」や「息子の大学費用」など、具体的で自分にとって分かりやすい名前が良いでしょう。名前を入力したら「確認」をタップします。
- ステップ3: Jarに名前を付けて作成
- ステップ4: メイン残高から資金を移動
Jarが作成されると、次はそのJarに資金を追加する画面に移ります。メインの残高から、いくらJarに移動するか金額を入力し、「続行」をタップすれば資金移動は完了です。これで、あなたの最初のJarが完成しました。
複数のJarを作成することも可能ですので、必要に応じて同じ手順を繰り返してください。
Jarsから資金を戻す・使う方法
Jarに保管した資金は、いつでも簡単にメインの残高に戻すことができます。急に資金が必要になった場合でも安心です。
手順は作成時と同様に簡単です。対象のJarを選び、「資金を取り出す」といった趣旨のボタンをタップし、メイン残高に戻したい金額を入力するだけです。
ここで一つ重要な注意点があります。WISEデビットカードでの支払いや、誰かに送金する場合、Jars内の資金を直接使うことはできません。必ず一度、Jarsからメイン残高へ必要な金額を移動させてから、支払い手続きや送金手続きを行う必要があります。この一手間が、計画外の支出を防ぐ役割も果たしているのです。
【応用】目標設定機能でモチベーションアップ
一部の通貨や地域では、Jarsに目標金額を設定する機能が利用できます。例えば、「2026年アメリカ西海岸旅行」のJarに「3,000ドル」という目標を設定すると、現在の貯蓄額と目標達成率が可視化されます。これにより、目標達成までの道のりが明確になり、計画的に資金を積み立てるモチベーションを高く維持することができます。漠然と貯金するよりも、具体的なゴールが見える方が断然続けやすいはずです。この機能もぜひ活用してみてください。
賢い人はこう使っている!貯金箱(Jars)の具体的な活用シナリオ3選
Jarsの基本的な使い方がわかったところで、さらに一歩進んだ具体的な活用シナリオを3つご紹介します。これらを参考に、あなた自身のライフスタイルに合わせた使い方を見つけてみてください。
シナリオ1:海外旅行・留学の資金を計画的に貯める
これは最も代表的で、多くの方が活用できるシナリオです。数年後に海外旅行や子どもの留学を計画しているとします。
具体的なアクションプラン:
- まず、渡航先の通貨(例:米ドル)で「カリフォルニア留学資金」という名前のJarを作成します。
- 毎月の給料日に、決まった額の日本円をWISEの米ドル口座に有利なレートで両替し、即座にこのJarに移動させます。
- ボーナスなどの臨時収入があった際も、積極的にこのJarに追加していきます。
- 独自の視点:さらに賢く使うなら、日々の為替レートをチェックし、円高ドル安に振れたタイミングで通常月よりも多めに両替し、Jarにストックしておくのがおすすめです。これにより、将来の円安リスクをヘッジし、総費用を抑えることが可能になります。これは、銀行の外貨預金ではなかなかできない、WISEならではの機動的な使い方です。
シナリオ2:外貨投資の第一歩として使う
本格的なFX取引はハードルが高いと感じている方でも、Jarsを使えば擬似的な外貨ポートフォリオを組んで、為替変動を肌で感じることができます。
具体的なアクションプラン:
- 米ドル、ユーロ、英ポンドなど、興味のある複数の通貨でそれぞれJarを作成します。(例:「USD投資待機」「EUR観察用」など)
- まずは少額の日本円を各通貨に両替し、それぞれのJarに入金します。これがあなたの初期ポートフォリオです。
- 世界の経済ニュースや為替レートの動向を見ながら、「今はドルが割安だからドルを買い増そう」「ユーロが高くなってきたから一部を円に戻そう」といった判断を下し、Jar間で資金を移動させたり、メイン残高との間でやり取りしたりします。
- 独自の視点:この方法の利点は、レバレッジをかけたFX取引とは異なり、実際に保有している資産の範囲内での運用となるため、リスクが限定的であることです。手数料の安いWISEだからこそ、少額からでも気軽に試せます。為替の動きに慣れるためのトレーニングとして、あるいは本格的な外貨投資を始める前のウォーミングアップとして、Jarsは最適なツールとなり得ます。
シナリオ3:海外在住者のための鉄壁の家計管理術
海外で生活し、給料を現地通貨で受け取っている方にとって、Jarsは非常に強力な家計管理ツールになります。
具体的なアクションプラン:
- 給料が振り込まれたら、まずその月の予算を仕分けします。「家賃・光熱費Jar」「食費・日用品Jar」「貯蓄・投資Jar」「娯楽費Jar」といったように、生活に必要なカテゴリごとにJarを作成します。
- 給料日のうちに、各Jarへ予算を振り分けてしまいます。メイン残高には、予備費として少額を残すだけです。
- デビットカードで支払いをする際は、例えばスーパーでの買い物なら「食費・日用品Jar」から必要な額をメイン残高に戻してから決済します。
- 独自の視点:この方法を徹底することで、各カテゴリの支出が厳密に管理され、使いすぎを物理的に防ぐことができます。月の終わりに各Jarの残高を見れば、どのカテゴリで予算が余り、どこで足りなくなったかが一目瞭然です。これにより、翌月の予算配分をより現実的に見直すことができ、家計改善のサイクルが生まれます。これはまさに、WISEを生活のインフラとしてフル活用する上級テクニックと言えるでしょう。
まとめ:WISEの貯金箱(Jars)で、一歩進んだグローバル資産管理を
この記事では、WISEの「貯金箱(Jars)」機能について、その基本から具体的な活用シナリオまでを詳しく解説してきました。Jarsは単に外貨を分けて保管するだけの機能ではありません。
- 目的別の資金管理による、着実な目標達成
- 有利なレートでの両替・保管による、為替リスクの軽減
- 資金の隔離による、計画的な家計管理と支出の抑制
このように、あなたの資産をより賢く、より戦略的に管理するための強力なツールです。そして何より、これらの機能が手数料無料で、直感的な操作で利用できるのがWISEの素晴らしい点です。
もしあなたがまだWISEのアカウントをお持ちでないなら、まずはその第一歩を踏み出すことから始めてみませんか。海外送金や多通貨の管理が、これほどまでにシンプルで低コストになることに驚くはずです。詳しい口座の開設方法や、初めて海外送金を行う際の手順については、以下のガイド記事で網羅的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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